家宅捜索とは何か?流れや範囲、やってはいけない対応まで徹底解説!

家宅捜索とは何か?流れや範囲、やってはいけない対応まで徹底解説!
弁護士 若林翔
2026年01月22日更新

「今、インターホン越しに“令状があります”と言われた。ドアを開けたらどうなる…?」
「家宅捜索でスマホやPCを持っていかれたら仕事が止まる…」
こんな風に考えてる人、いませんか?
本記事は、裁判官の令状に基づく“強制”の家宅捜索がどう進み、何が押収され、現場で絶対にやってはいけない対応は何かを、やさしく整理します。
内容は次のとおりです。

・家宅捜索とは
・手続の流れ
・押収の範囲
・絶対NGの対応4つ
・弁護士の活用
・Q&A

家宅捜索は“その場の判断ミス”が後の結果を大きく左右しかねません。
令状の内容確認、押収品目録の受領・記録、そして早期の弁護士相談がダメージを最小に導きます。
少しでも不安があるなら、今すぐ専門弁護士に連絡し、あなたの権利を守る準備を整えましょう。

家宅捜索 とは何か

家宅捜索は令状に基づく強制捜査のことです。
家宅捜索は文字通り住居や建造物を対象とした捜索ですが、特徴的なのは、裁判官の令状に裏付けられた「強制捜査」です。
捜査機関は令状の効果により、住居へ立ち入り、証拠品を探し、見つけた物を差し押さえます。

令状がなければ警察は勝手に家に入れない

玄関先で「ちょっと見せて」と言われても、令状が無い任意のお願いなら拒めます。
しかし、いったん令状に基づく家宅捜索は拒否できません。
もしあなたが拒否しても、警察はその意思に反しても操作を開始することができます。 

家宅捜索の目的は「証拠を集めること」である

家宅捜索は、凶器や被害品、通帳やPC・スマホ内のデータなど、事件を立証する材料を押さえるために行われます。
押収品は原則返還されますが、捜査や公判が終わるまで戻らないのが通常です。 

逮捕と家宅捜査は別手続きである

「ガサ入れが来た=即逮捕」とは限りません。家宅捜索は証拠収集の手続、逮捕は身柄拘束の手続で、厳密には別手続です。
捜査側は逮捕前に捜索することも、逮捕後に令状で捜索することもあります。

家宅捜索の流れ

家宅捜索の流れ

まず警察が玄関先等で令状を示す(多くは平日午前中)

玄関先で令状の提示と手続の告知が行われます。
ここで令状の有効性の説明や記載内容が読み上げられます。
令状提示がないにもかかわらずなされた強制捜査は違法です。

家宅捜索は内偵捜査上で行動履歴をパターン化した状態で、各日に家にいる時間を狙います。
警察側としては不意打ちで家宅捜索し証拠を集めたいので、平日の午前中が多いです。
3~5人で来ることが多いです。

中に入り、許可状に書かれた範囲を調べる

入室後は、複数の捜査官が令状で指定された部屋や物に絞って捜します。
令状で指定された範囲外の建物や物に関する捜査・押収は違法です。

捜索中は立ち会いでき、押収品リストも受け取れる

住居主や看守者等の立会いができ、押収があれば警察は品目を列挙した「押収品目録」を作成・交付します。
目録は後の返還請求や違法主張の土台なので、品目・数量・型番などが実物と合っているか確認すべきでしょう。

捜査は数時間かかることもある

家中を隅々まで調べるため、捜索は短時間で終わりません。
特に電子機器や小型物が対象なら、長時間の滞在を覚悟しなければなりません。 

家宅捜索の日時、人数、押収物のまとめ

押収される物の範囲

対象の範囲は令状に書かれている

差押できる物と捜索すべき場所は、令状に具体的に記載されます。
具体的には、「差し押さえるべき物」としては、パソコン、携帯電話、名簿、手帳、その他本件に関するメモ、資料といった記載があります。
「捜索すべき場所」としては、東京都新宿区新宿~といった形で住所が書かれています。
そこに書かれていない物・場所は原則として対象外です。

事件に使われた道具や犯人であることを示すものが対象

家宅捜索の対象としては、犯行の実行や関与を示す物が広く想定されます。
犯罪により様々なものが対象となりますが、具体的には、刃物・工具・被害品、着衣、現金・通帳、取引記録、薬物・吸引具などがこれにあたります。

PCやスマホは対象になることが多い

近年はPC・スマホ内のトーク履歴、画像、位置情報、ログイン履歴などのデジタル証拠が重視され、機器本体や記録媒体が差押えられる場合がほとんどです。
押収後の返還時期は案件によりますが、捜査・公判の区切りまで戻らないことが多く、人によっては生活・仕事への影響は甚大です。 

家宅捜索の際のNG対応4選

 家宅捜索の際のNG対応4選

立ち入りの拒否や居留守すること

令状に基づく捜索は拒否できません。居留守でやり過ごそうとしても、有効期間内に再訪されたり、管理人や隣人等の立会いで開錠して執行されることがあります。
無理に避ければ状況を悪化させるだけです。

押収を妨害したり、証拠を隠そうとすること

手や体で進路をふさぐ、物を奪い返す、スマホを取り上げようとする等の妨害は、公務執行妨害で現行犯逮捕のリスクがあります。証拠隠滅の挙動は量刑にも不利です。
違法・過剰と思えば、実況録音や目録への異議、弁護士の即時関与で対処しましょう。

令状にかかれている内容を確認しないこと

令状をよく読まず家宅捜索を受け入れるのは危険です。
捜索場所、差押物、罪名、有効期間を読み上げさせ、録音しておくとベストです。
記載外の場所・物に手が伸びたら、その都度「令状のどの項目ですか」と口頭で確認することで、捜査の範囲を適切なものにすることができます。 

警察が何を捜査しているか、確認しないこと

目的物・罪名・押収の狙いを把握せず終えると、その後の取調べや在宅捜査で不利に出ます。
押収品目録は事件の設計図ですから、記載から「今、何を立証しようとしているか」を読み解き、早期に弁護士へ共有することで、否認・自白の判断や証拠保全の方針が立てられます。

家宅捜索に弁護士が立ち会うことはできる?

可能です。
被疑者段階で「弁護人の固有の立会権」はありませんが、住居主や看守者が「代わるべき者」として弁護士を指名すれば立会いできます。

もっとも、抜き打ちで家宅捜索を行われてからだと、実際には間に合わないこともあります。途中からの立会でも十分効果はありますので、令状に書かれていることの中身は覚えておいて、弁護士に伝えるようにしてください。

捜索差押に立会人がいないと違法となる判例が出ています。これにつき詳しく知りたい方はコチラ→「捜索差押 立会人 判例」の記事リンク

弁護士相談、立会いのメリット3選

捜査が法律に沿っているか確認してもらえる

弁護士は令状の記載と執行行為を照合し、範囲逸脱や手続違反がないかをチェックし、違法があれば後の排除主張の材料を整えます。
あなた一人では見落としがちな細部も、法律家の目で押さえられます。

押収範囲が広すぎるときに意見してもらえる

弁護士がその場で対象性の乏しい物品やデータの押収に異議を述べ、必要最小限に絞るよう働きかけます。
結果として押収物が減れば、生活・業務へのダメージや解析の広がりを抑えられ、のちの返還・不服申立ても行いやすくなります。

警察の捜査の様子から、今後に向けたアドバイスを受けられる

目録や質問内容から、警察が何を立証したいのか、次にどんな取調べや身柄措置が来るのかが読めます。
弁護士はそのサインを手掛かりに、任意同行への対応、取調べでの黙秘・供述方針、証拠保全・示談交渉の開始時期など、先手の戦略を提示します。

Q:家宅捜索されたら逮捕されるのか?
A:必ずしも逮捕されるわけではない

捜索は証拠収集、逮捕は身柄拘束で性質が異なり、順番も固定ではありません。

したがって、家宅捜索の実施=即逮捕ではありません。

しかし、捜索結果や他の証拠次第で後日逮捕に進む可能性は現実的にあります。
だからこそ「今日は帰れた」からと油断せず、押収品目録と令状を持って直ちに弁護士へ相談することをおススメします。

【まとめ】

・家宅捜索は令状に基づく強制手続で、逮捕とは別物。
・流れは〈令状提示→範囲内捜索→立会い・押収品目録交付〉で、長時間化もあり得る。
・押収は令状記載の場所・物が原則。PC・スマホが対象になりやすい。
・NG対応は「拒否・妨害・令状未確認・目的不確認」。
・弁護士の立会いで違法防止・押収の限定・今後の戦略化が可能。

結論は「確認・記録・即相談」。少しでも不安があれば、押収品目録と令状を携えて専門弁護士へ。あわせて「任意同行の受け方」や「押収品の返還手続」も確認すると備えが万全です。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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