「家族が任意同行を求められて警察署に行ったまま帰ってこない…」
「逮捕されてしまったのではないかと不安を感じている」
「家族として何をすべきか知りたい」
警察から「ちょっと話を聞きたい」と言われ、家族が任意同行に応じたものの、なかなか帰ってこない…。このような状況に直面すると、多くの方が「逮捕されたのでは?」「違法に取り調べを受けているのでは?」と強い不安に駆られるはずです。
任意同行は、あくまで任意であり、基本的には本人の意思で自由に帰宅できます。それにもかかわらず長時間帰ってこない場合、逮捕や違法な長時間の事情聴取など、重大な事態が起きている可能性があります。このような状況に直面したときは、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談するべきです。
本記事では、
| ・任意同行から帰ってこないときに考えられる理由 ・家族が取るべき確認方法や対応策 ・逮捕されている場合にすぐ弁護士へ相談すべき理由 |
などを詳しく解説します。
大切なご家族を守るために、冷静に行動するための参考にしてください。
目次
任意同行から長時間帰ってこないときは逮捕された可能性がある
任意同行とは、警察などの捜査機関が事件の関係者や容疑者に対して、強制力を用いることなく、任意で警察署などへの同行を求める行為です。法律上はあくまで「任意」ですので、強制的に連行されたり、帰宅を制限されたりするものではありません。そのため、通常であれば数時間程度で解放されるケースが多いといえます。
しかし、家族が任意同行に応じてから長時間経過しても帰ってこない場合、その場で逮捕された可能性があります。警察は、事情聴取の過程で「逃亡のおそれがある」「証拠隠滅の危険がある」と判断した場合、任意同行中であっても逮捕に切り替えることができるのです。
特に、取り調べの中で被疑者としての疑いが強まった場合には、任意同行からそのまま逮捕へと移行するケースが少なくありません。このとき、家族に即座に連絡が入らないことも多いため、「帰ってこない」という状況で初めて異変に気づくことになります。
したがって、任意同行から家族が長時間帰ってこない場合は、「ただの事情聴取で時間がかかっているのか」または「すでに逮捕されているのか」を早急に確認することが重要です。
任意同行から家族が帰ってこないときの確認方法

任意同行は任意であるはずなのに、家族が長時間戻らないと不安になるのは当然です。そのような場合には、まず現在の状況を確認することが大切です。以下では、家族として取り得る確認方法を説明します。
警察署に連絡して状況を確認する
家族が任意同行に応じてから半日以上経っても帰ってこない場合は、まず任意同行先と考えられる警察署に直接連絡してみましょう。
警察に電話をすれば、少なくとも「まだ事情聴取をしているのか」「すでに逮捕されたのか」といった大まかな状況を伝えてもらえる場合があります。捜査上の理由から詳しい内容を教えてもらえないこともありますが、その場合でも、逮捕されているのかどうかについては教えてもらえるケースが多いです。
警察署を直接訪ねても面会は困難
電話での確認が難しい場合、実際に警察署を訪ねることを考える方もいるでしょう。しかし、たとえ家族であっても、警察署で本人と直接会わせてもらえることはほとんどありません。
特に、逮捕された場合、逮捕から最長72時間(勾留請求までの期間)は、弁護士以外の人との面会は認められません。その後も、接見禁止がついている場合や取り調べの都合によっては、家族との面会が制限されることがあります。
仮に任意同行の延長として事情聴取を受けている段階であっても、取り調べ中に家族が本人と会うことは不可能です。
つまり、家族ができる確認は「警察署への問い合わせ」までであり、直接本人と会って状況を聞くことは難しいというのが実情です
家族が任意同行から帰ってこないときはすぐに弁護士に相談する

任意同行から家族が帰ってこない場合、もっとも確実で迅速な対応は、刑事事件に強い弁護士へ相談することです。家族が直接できることには限界がありますが、弁護士であれば逮捕後すぐに接見(面会)でき、本人を支援することが可能です。
以下では、弁護士に相談することで得られる具体的なメリットを3つ紹介します。
残された家族ができることをアドバイスしてもらえる
任意同行や逮捕といった事態は、家族にとって突然の出来事であり、大きな動揺を伴います。しかし、刑事手続きの流れや必要な手続きを正しく理解している一般の方は多くありません。そのため、どう動けばよいのか迷い、適切な判断ができなくなるケースがほとんどです。
このような場面で弁護士に相談すれば、今後の捜査や裁判手続きの見通しを示してもらえるだけでなく、家族が具体的に何を準備しておくべきかを教えてもらえます。たとえば、身元引受書の用意、保証金の準備、示談交渉の可能性など、状況に応じた現実的なアドバイスを受けることができるのです。
逮捕された本人と面会して具体的な状況を確認できる
家族が最も不安を感じるのは、本人の安否や取調べの状況が一切わからないことです。特に、逮捕直後の最大72時間は、法律上、家族や友人など弁護士以外の人との面会は原則として認められていません。そのため、直接本人に会って事情を確かめることはできず、待つしかない状況に置かれてしまいます。
弁護士であれば逮捕直後でもただちに接見が可能で、本人の健康状態や警察の取調べの様子を確認し、必要に応じて助言を与えることができます。さらに弁護士は、その内容を家族に伝えることもできるため、残された家族にとっても安心感が得られ、今後の対応を判断するための重要な手がかりとなるのです。
逮捕された本人に対して取り調べのアドバイスができる
警察や検察の取り調べは、被疑者にとって強い心理的負担となります。特に、刑事手続きに不慣れな一般の方は、知らず知らずのうちに不利な供述をしてしまう危険があります。
弁護士は、接見(面会)を通じて本人に取り調べの受け答え方法をアドバイスできます。たとえば「供述調書に少しでも違和感があればサインしない」「黙秘権を適切に行使する」など、本人の権利を守るための具体的な指導が可能です。これによって、不利な自白調書が作成されるのを防ぐ効果が期待できます。
任意同行で長時間帰ってこないのは違法?
任意同行は、あくまで「任意」ですので、本人が自由に同行を拒否でき、本人の意思で帰宅できることが前提です。しかし、実際には任意同行の名目で長時間取り調べを続け、事実上帰宅を許さないケースがあります。このような場合、任意同行の範囲を超え、違法な身柄拘束にあたると判断されることがあります。
実際の事件(富山地裁昭和54年7月26日決定)では、被疑者が早朝に任意同行を求められ、その後警察署で深夜まで長時間取調べを受けました。休憩時間以外は常に警察官に見張られ、自由に外出や連絡をとる機会も与えられない状況が続きました。結局、その日の深夜に逮捕状が発付され逮捕されましたが、裁判所は「午後7時以降の取調べは実質的に逮捕状のない違法な逮捕である」と判断しました。そして、逮捕に基づく勾留請求も「重大な違法がある」として却下されたのです。
この判例からもわかるように、任意同行であっても事実上帰宅を制限し、長時間にわたり取調べを行うことは違法な逮捕とみなされる場合があります。したがって、家族が任意同行から長時間帰ってこないときは、違法な拘束にあたるのかを慎重に見極める必要があるため、速やかに弁護士に相談することが重要です。
任意同行から家族が帰ってこないときはグラディアトル法律事務所に相談を

任意同行から家族が帰ってこないとき、もっとも不安なのは「逮捕されてしまったのではないか」という点ではないでしょうか。実際、任意同行からそのまま逮捕に切り替えられるケースは珍しくありません。逮捕後の身柄拘束は、最大72時間にわたり、弁護士以外との面会が制限されるため、家族は本人の状況を直接確認できず、情報を得られないまま時間が過ぎてしまいます。こうした不安を解消できるのは刑事事件に強い弁護士だけです。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件の初動対応に注力しています。逮捕直後から弁護士が本人と接見し、健康状態や取調べの状況を確認できるため、家族に代わって確実な情報を把握できます。また、今後の捜査の流れや取調べでの注意点を本人に助言することで、不利な供述や自白の強要から身を守ることも可能です。
さらに、残された家族に対しても、身元引受書の準備や示談交渉の見通しなど、今後とるべき行動を丁寧にアドバイスします。刑事手続きはスピードが非常に重要であり、初動の対応次第でその後の結果が大きく変わることも少なくありません。
もし大切な家族が任意同行から帰ってこないときは、一人で不安を抱え込むのではなく、すぐに弁護士へご相談ください。グラディアトル法律事務所は、豊富な経験と迅速な対応力で、ご本人とご家族の不安を少しでも早く解消するために全力でサポートします。
まとめ
家族が任意同行から帰ってこない状況は、逮捕や違法な拘束の可能性がありますが、自力で情報を得ることは難しく、放置すれば状況は悪化しかねません。
グラディアトル法律事務所なら、刑事事件に精通した弁護士が迅速に接見し、本人の権利を守るとともに、家族にも必要な情報と対応策を提供します。迷ったら一刻も早く当事務所までご相談ください。
