前科のデータベースは公的機関が管理しており、一般向けには公開されていません。
そのため、前科があることを第三者に知られる可能性は低いといえます。
ただし、新聞やインターネットで実名報道されている場合は話が別です。
就職や結婚のタイミングなどで身元調査されると、前科の存在を知られることもあるでしょう。
「前科がついてしまうかもしれない」「すでに前科がついてしまったが、何とかして隠したい」と悩んでいる方は、一度弁護士に相談してみてください。
早急に対策を講じれば、前科を回避したり、インターネット上の記事を削除したりすることも可能です。
本記事では、前科・犯罪歴の調べ方や情報が記録されている場所、バレるタイミングなどを解説します。
前科をつけないための対処法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
自分や他人の前科・犯罪歴を調べられる公的データベースは存在しない
自分や他人の前科・犯罪歴を自由に閲覧できる公的なデータベースは存在しません。
前科・犯罪歴の記録は重大な個人情報であり、検察・警察・市区町村などが厳密に管理しています。
一般人はもちろん、内部の職員であっても気軽に閲覧できるものではありません。
たとえ、探偵や弁護士に依頼したとしても、公的データベースにアクセスすることはできないのです。
前科・犯罪歴の調べ方は5種類ある
前科・犯罪歴の公的データベースは存在しないものの、報道やインターネットで情報収集できることはあります。
ここでは、前科・犯罪歴の主な調べ方を解説します。

新聞の情報を確認する
新聞の情報をたどっていけば、前科・犯罪歴を確認できることがあります。
逮捕や起訴、判決に関する情報は、氏名とともに新聞に掲載されることがあるためです。
特に社会的な注目を集めた事件では、地方紙・全国紙を問わず実名報道されているケースも少なくありません。
新聞の縮刷版や過去記事は図書館で閲覧できるほか、一部の新聞社はオンラインでも過去記事を公開しています。
テレビやラジオの報道を確認する
テレビやラジオのニュース番組でも、犯罪に関する情報が報じられることがあります。
例えば、「〇〇氏が書類送検されました」「〇〇氏に有罪判決が下されました」と報道されるケースです。
最近では、過去のニュースが動画サイトで公開されていることも多く、前科・犯罪歴を調べられるおそれがあります。
ただし、テレビやラジオで実名まで取り上げられるのは、社会的関心の高い犯罪や凶悪犯罪などです。
検挙件数の多い盗撮や万引きなどの軽微な事件では、軽く触れられることがあっても、実名まで報道される可能性は低いといえます。
インターネット検索で調べる
事件に関する情報がネット上に残っていれば、検索エンジン経由で前科・犯罪歴を調べることも可能です。
実際、多くの報道機関ではテレビや新聞で取り上げた情報を自社サイトで公開しています。
また、自身が関係している事件について、第三者が掲示板に詳細を書き込んでいる可能性も否定できません。
そのため、一度でも実名報道されてしまうと、ネット検索で前科・犯罪歴がバレてしまう可能性が高いことを理解しておきましょう。
SNSで情報収集する
前科・犯罪歴に関することは、SNSでも情報収集が可能です。
SNS上では、テレビや新聞で取り上げられた内容が誰かの手によって常に拡散されています。
また、報道されていない事件であっても、関係者が加害者の実名や犯行内容などを暴露するケースがあります。
場合によっては、居住地や学校名・会社名なども調べられ、拡散されていることもあるでしょう。
SNSで拡散した情報を完全に消すことは極めて困難です。
しかし、法的手続きをとれば、SNSでの情報拡散を抑制することはできるので、気になる方は弁護士に相談してください。
探偵や興信所に依頼する
探偵や興信所を通じて、前科・犯罪歴を調べられることもあります。
探偵や興信所は新聞・インターネット・裁判記録などの情報をもとに、調査を進めていくケースが一般的です。
場合によっては、調査対象者の親族や同僚、知人などへの聞き込みをおこなうこともあります。
ただし、探偵・興信所であっても、非公開の公的データベースにアクセスすることはできません。
そもそも前科・犯罪歴の情報はどこに記録される?
ここでは、前科・犯罪歴に関する情報がどのように記録・管理されているのかを解説します。

検察庁の前科調書
検察庁では、有罪判決を受けた人物の情報を「前科調書」で管理しています。
前科調書は、検察事務官が作成する記録であり、どのような犯罪でどのような前科がついたのかが記されています。
検察官が起訴・不起訴を判断したり、裁判官が量刑を決めたりする際には、前科調書を参照するケースが一般的です。
具体的には、以下のような情報が記録されています。
- 氏名
- 生年月日
- 裁判の日程
- 裁判所名
- 罪名
- 刑罰の内容
なお、前科調書を閲覧できるのは検察や裁判所、一部行政機関に限られています。
警察の犯罪照会センター
警視庁と各都道府県警察本部には、犯罪照会センターが設置されており、犯罪歴に関する情報を管理しています。
そして、捜査上必要な場合に、警察内部で照会・共有される仕組みになっています。
例えば、警察官が職務質問した際に、対象者の情報を犯罪照会センターに問い合わせ、前科・犯罪歴などを確認することがあります。
市区町村の犯罪人名簿
市区町村では、「犯罪人名簿」という形式で住民の前科情報を管理しています。
罰金以上の刑罰を受けた人物が対象であり、刑の執行終了または執行猶予期間の満了から一定期間が経過するまで名簿に記載されます。
犯罪人名簿は厳格に管理されており、役所の窓口で一般市民が閲覧できるものではありません。
あくまで公的機関の内部資料であり、選挙権・被選挙権や資格制限の確認手続きなどにおいて参照されます。
前科・犯罪歴の有無が調べられるのはどんなとき?
前科・犯罪歴は誰にも知られたくないものですが、周囲の関係者が探りを入れてくることがあります。
ここでは、前科・犯罪歴が表面化したり、確認されたりするタイミングについて詳しくみていきましょう。

就職・転職活動時に企業が調べる
就職や転職活動をおこなう際は、企業に前科・犯罪歴を調べられることがあります。
もちろん、採用活動に必要だからといって、企業が公的データベースにアクセスできるわけではありません。
しかし、履歴書に賞罰欄がある場合は正直に記載しなければならず、前科持ちであることがバレてしまいます。
また、インターネットやSNSなどで採用予定者の身元調査を実施する企業も少なくありません。
なかでも、前科によって制限される以下の資格・職業は、厳しいチェックがおこなわれるため、隠し通すのは難しいでしょう。
| 法律・行政系 | 公務員、弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、公認会計士、社労士、税理士、不動産鑑定士、宅地建物取引士 など |
| 教育系 | 教員、保育士 など |
| 医療系 | 医師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、保健師・助産師・看護師、栄養士、管理栄養士、公認心理師、社会福祉士、介護福祉士 など |
| その他 | 会社の役員、中小企業診断士 など |
虚偽の申告が後日発覚した場合は、内定取消や懲戒解雇になるおそれがあるので注意してください。
結婚のタイミングで相手方の家族が調べる
結婚のタイミングで、相手方の家族が前科・犯罪歴を調べようとするケースもあります。
場合によっては、探偵や興信所に調査を依頼し、身元調査される可能性もゼロではありません。
その結果、過去に犯罪を犯していたという事実が発覚すると、結婚を拒否されることもあるでしょう。
前科を隠したまま結婚し、あとで発覚した場合は法定離婚事由に該当する可能性があり、相手から離婚を求められると拒否できなくなります。
また、周囲で噂になったり、第三者から密告されたりしてバレることもあるので、少なくとも結婚相手には、自分の口で事実を伝えておくようにしましょう。
前科・犯罪歴がバレる前に消すことはできる?
前科・犯罪歴そのものを公的なデータベースから消すことはできません。
本人が死亡するまで、一生背負っていくことになります。
ただし、一定期間が経過すると、市区町村の犯罪人名簿からは削除されます。
- 拘禁刑:新たな罰金以上の刑を受けることなく、執行終了後10年経過で削除
- 罰金刑:新たな罰金以上の刑を受けることなく、納付後5年で削除
- 執行猶予:猶予期間終了時に削除
また、インターネット上に残っている記事に関しては、削除を求めることが可能です。
しかし、法的な手続きが必要になることも多いので、まずは弁護士に相談してみましょう。
前科の調べ方に関してよくある質問
最後に、前科・犯罪歴の調べ方に関してよくある質問をまとめました。

同様の疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
前歴や逮捕歴の調べ方はある?
前歴や逮捕歴についても、一般人が自由に閲覧できる公的なデータベースは存在しません。
報道資料やSNS上に情報が残っている場合に限り、間接的に確認できる程度です。
前科は戸籍・住民票・運転免許証などに記載される?
前科の有無が戸籍・住民票・運転免許証に記載されることはありません。
上述のとおり、前科の情報は検察庁や市区町村などが厳格に管理しています。
本人や第三者の目に入るような仕組みはとられていません。
弁護士なら前科・犯罪歴を調べられる?
弁護士であっても、公的な方法で前科・犯罪歴を調べることはできません。
かつて、弁護士会照会で市役所から前科情報を入手した弁護士がいましたが、情報開示した市役所の対応は「公権力の違法な行使」に当たると判断されています。(参考:昭和56年4月14日 最高裁判所第三小法廷 判決|裁判所)
弁護士会照会による前科の調査が100%否定されるわけではありませんが、基本的には難しいといえるでしょう。
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本記事のポイントは以下のとおりです。
- 前科・犯罪歴を調べられる公的なデータベースは公開されていない
- 報道やSNSなどを通じた間接的な情報収集は可能
- 前科の情報は検察庁・警察・市区町村で管理されている
- 就職・転職や結婚のタイミングでは前科を調べられることがある
前科を公的な方法で調べることはできませんが、インターネット上の情報などから発覚する可能性は残されています。
つまり、前科がついてしまった以上、100%隠し通せる保証はないということです。
そのため、刑事事件に関与した場合は微罪処分や不起訴処分を獲得し、「前科をつけないこと」が重要です。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件を得意とする弁護士が24時間・365日相談を受け付けています。
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