「痴漢で捕まったら、罰金はいくら支払うことになるのか」
「初犯なら罰金だけで終わるのか」
「初犯なら前科はつかないのか」
突然警察に呼び出されたり、現行犯で取り押さえられたりすると、多くの方が強い不安に襲われます。
痴漢事件の刑事罰には、不起訴・罰金・拘禁刑という3つがあり、常に罰金刑になるわけではありません。
一般的に、初犯で迷惑防止条例違反にとどまる場合は、罰金20万円前後が相場とされることが多いものの、行為の態様や被害者の年齢、前科・前歴の有無などによっては、罰金ではなく拘禁刑が科される可能性もあります。
また、「罰金で早く終わらせたい」という心理につけ込まれ、やっていないにもかかわらず罰金処理に誘導される冤罪リスクも決して珍しくありません。
さらに、刑事罰とは別に、被害者から慰謝料(民事責任)を請求されるケースもあり、総合的に見ると負担は決して軽いものではないのが実情です。
本記事では、
- 痴漢の罰金の基本相場
- 罰金で済むケース・済まないケースの判断基準
- 冤罪を防ぐための注意点
などをわかりやすく解説します。
痴漢事件でお困りの方は、今すぐ弁護士に無料相談できます。
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痴漢の罰金はどれくらい?まず知るべき罰金の基本相場
痴漢事件で有罪となった場合、「罰金はいくらになるのか」「初犯なら罰金で済むのか」は、多くの方が抱く疑問です。
実際の罰金額は一律に決まっているわけではなく、適用される罪名(迷惑防止条例か不同意わいせつ罪か)、前科の有無、犯行態様や被害状況などを踏まえて判断されます。
まずは、一般的な罰金の相場感と、どのような場合に処分が重くなるのかを押さえておくことが重要です。
初犯で条例違反なら相場は20万
初犯で、かつ行為内容が比較的軽微と判断された場合、迷惑防止条例違反として処理されるケースが多いです。
この場合の罰金相場は、20万円前後になることが一般的です。
たとえば、
- 電車内で衣服の上から身体に触れた
- 短時間、単発の接触
といった事情があると、罰金刑が選択されやすくなります。
もっとも、これはあくまで「相場」に過ぎず、裁判官の判断や個別事情によって増減する点には注意が必要です。
2回目以降の場合や不同意わいせつの場合は重くなる
2回目以降の痴漢(再犯)や、行為の悪質性が高い場合には、罰金額が高額(50万円程度)になる、またはそもそも罰金刑が選択されないこともあります。
特に、
- 下着の中に手を入れるなど身体への直接的な接触がある
- 長時間にわたる執拗な行為
- 被害者が強い恐怖を感じている
といった場合は、迷惑防止条例ではなく、不同意わいせつ罪が適用される可能性があります。
不同意わいせつ罪は、罰金刑の規定がなく、拘禁刑のみが定められているため、「罰金で済ませる」という選択肢自体が存在しません。
罰金以外にも慰謝料を支払わなければならないケースがある
痴漢事件では、「罰金を払えばすべて終わり」と誤解されがちですが、刑事責任と民事責任は別です。
罰金は、刑事罰として国に支払うお金であり、これとは別に、被害者から慰謝料(示談金)を請求されるケースも少なくありません。
実務上は、
- 刑事事件としては罰金刑
- 民事では示談金として5万〜50万円程度を支払う
という形で、二重の金銭負担が生じることもあります。
痴漢に適用される2つの罪名と罰金になる・ならないの境界線
痴漢事件では、すべて同じ罪名で処理されるわけではありません。
実務上、痴漢に適用される主な罪名は、迷惑防止条例違反と不同意わいせつ罪の2つです。
どちらが適用されるかによって、罰金で済むか、それとも拘禁刑(懲役)のみとなるかの分岐点となります。
以下では、それぞれの罪名の特徴と、処分を分ける判断基準(境界線)を説明します。
迷惑防止条例違反(罰金あり)|多くの痴漢はこのパターン
日常的に報道される痴漢事件の多くは、各都道府県の迷惑防止条例違反として処理されています。
迷惑防止条例は、公共の場所や公共交通機関などでの卑わいな言動・身体接触を規制するもので、罰金刑が規定されている点が大きな特徴です。
典型的なケースとしては、
- 電車やバス内での痴漢行為
- 衣服の上から身体に触れる行為
- 暴行や脅迫を伴わない一時的な接触
といったケースが該当します。
これらの場合、初犯で悪質性が低いと判断されれば、不起訴処分または罰金刑(20万円前後)で処理される可能性があります。
もっとも、迷惑防止条例違反であっても、
- 再犯である
- 行為が執拗・計画的である
などの事情があれば、略式罰金ではなく正式裁判となり、罰金額が高額になったり、拘禁刑が選択されることもあります。
不同意わいせつ罪(罰金なし・拘禁刑)|悪質性が高い場合はこちら
行為の悪質性が高い場合には、迷惑防止条例ではなく不同意わいせつ罪が適用されます。
不同意わいせつ罪は、迷惑防止条例違反のような罰金刑の規定がなく、拘禁刑(懲役)のみが定められている点が大きな違いです。
具体的には、
- 下着の中に手を入れるなど、身体への直接的な接触がある
- 被害者が強い恐怖や抵抗不能状態に陥っている
- 暴行や脅迫を用いてわいせつ行為に及んでいる
といったケースでは、不同意わいせつ罪として立件される可能性が高くなります。
この場合、「罰金で済ませる」という選択肢はなく、実刑の可能性もある刑事裁判へと進むことになります。
罰金になるかどうかを分ける実務上の判断ポイント

迷惑防止条例違反か、不同意わいせつ罪かを分ける明確な線引きが、法律上はっきり定められているわけではありません。
実務では、以下のような事情を総合的に考慮して判断されます。
- 接触の程度(衣服の上か、直接か)
- 行為の継続性・執拗性
- 暴行・脅迫の有無
- 被害者の年齢や被害状況
- 再犯・常習性の有無
これらを踏まえ、どの程度悪質と評価されるかが処分を左右します。
そのため、本人としては「軽い行為のつもり」でも、捜査機関や裁判所の評価次第では、罰金では済まない可能性がある点には注意が必要です。
痴漢で罰金刑になる典型的な4つのパターンとその理由
痴漢事件のすべてが拘禁刑(懲役)になるわけではなく、一定の条件を満たす場合には罰金刑が選択されることもあります。
以下では、痴漢で罰金刑になりやすい典型的な4つのパターンと、そのように評価される理由を解説します。
衣服の上からの接触|暴行の程度が軽微
痴漢行為が衣服の上からの接触にとどまる場合は、身体への侵害の程度が比較的軽いと評価されやすく、罰金刑が選択される可能性があります。
これは、裁判実務において、直接的な身体接触や性的侵害の深刻さが低いと判断されやすいためです。
たとえば、
- 電車内で一瞬手が触れた
- 混雑した状況で身体に触れた程度
といったケースでは、不同意わいせつ罪ではなく、迷惑防止条例違反として処理される傾向があります。
もっとも、衣服の上であっても、執拗な接触や計画性が認められる場合には、罰金では済まない点には注意が必要です。
初犯で前科がない|情状として軽い
初犯で前科・前歴がないことは、量刑判断において重要な情状要素です。
再犯の可能性が低いと評価されれば、社会内での更生が可能と判断され、罰金刑が選択されやすくなります。
特に、
- これまで刑事処分歴がない
- 反省の態度を示している
といった事情がある場合には、「刑務所に収容する必要性が低い」と判断されやすいのが実務の傾向です。
そのため、同じ行為内容であっても、前科の有無によって処分が大きく分かれることがあります。
常習性がない|再犯可能性が低い
痴漢行為が一度限りで、常習性が認められない場合も、罰金刑になりやすい要素の一つです。
裁判所は、量刑を決める際に「再び同様の犯罪を繰り返すおそれがあるか」を重視しています。
たとえば、
- 特定の時間帯・場所で繰り返していない
- 過去に同種のトラブルを起こしていない
といった事情があれば、悪質性は相対的に低いと評価される傾向があります。
逆に、同じ路線や時間帯で繰り返されている場合は、たとえ軽微な接触でも処分が重くなりやすくなります。
犯行態様が軽い|不同意わいせつとは評価されないケース
行為の態様が全体として軽いと判断される場合、不同意わいせつ罪には該当しないと評価され、罰金刑にとどまる可能性があります。
具体的には、暴行や脅迫がなく、被害者が強い恐怖や抵抗不能状態に陥っていないケースです。
裁判実務では、
- 行為態様
- 周囲の状況(混雑・偶発性)
- 被害結果の程度
などを総合的に考慮し、罪名や量刑が判断されます。
その結果、悪質性が低いと評価されれば、条例違反となり罰金刑が選択されることがあります。
痴漢で罰金では済まないケース|拘禁刑・実刑の可能性があるパターン
痴漢事件の中には罰金刑ではなく、拘禁刑(懲役)や実刑が選択されるケースもあります。
特に、行為の悪質性が高い場合や、再犯性・被害の重大性が認められる場合には、「罰金で終わらせる」という選択肢はほぼなくなります。
以下では、実務上、罰金では済まないと判断されやすい代表的なパターンを紹介します。
不同意わいせつ罪になるケース(罰金なし)
痴漢行為が不同意わいせつ罪に該当すると判断された場合、罰金刑は選択されません。
不同意わいせつ罪の法定刑には、罰金刑は存在せず、拘禁刑のみが定められているためです。
具体的には、
- 下着の中に手を入れるなど、身体への直接的な性的接触
- 被害者が強い恐怖を感じ、抵抗できない状態での行為
- 押さえつける、腕をつかむなどの暴行を伴うケース
などが該当します。
この場合、初犯であっても起訴される可能性が高く、事案によっては実刑となる可能性もあります。
被害者が未成年/多数被害/暴行・脅迫を伴うケース
被害者が未成年である場合や、被害者が複数存在するケースでは、行為の悪質性が強く評価され、量刑は重くなりやすくなります。
また、暴行・脅迫を伴う場合も、社会的非難の程度が高いと判断されます。
たとえば、
- 未成年者に対して執拗に触れる
- 同一人物が複数人に対して痴漢行為を行っている
- 声を出せないようにする、逃げられない状況を作る
といった事情がある場合、拘禁刑が現実的な選択肢となります。
これらのケースでは、示談が成立しても、必ずしも罰金や不起訴になるとは限りません。
再犯・常習痴漢により量刑が重くなるケース
過去に痴漢や性犯罪で処分を受けている場合、再犯・常習性が強く考慮されます。
特に、同種前科がある場合には、「罰金刑では抑止効果がない」と判断されやすくなります。
実務上は、
- 過去に痴漢で有罪判決を受けている
- 迷惑防止条例違反を繰り返している
- 警告や注意を受けても行為をやめていない
といった事情があると、拘禁刑や実刑が検討される可能性が高まります。
「前回は罰金で済んだから今回も大丈夫」という考えは非常に危険です。
痴漢の「冤罪」で罰金に誘導されるリスクとは
痴漢事件では、実際にはやっていないにもかかわらず、罰金処理に誘導されてしまう冤罪リスクが存在します。
「否認すると長引く」「罰金を払えばすぐ終わる」といった説明を受け、事実と異なる供述をしてしまうケースも少なくありません。
以下では、冤罪で罰金に誘導される危険性と、取るべき対応を説明します。
やっていないのに「罰金で済むから」と認めさせられる危険
痴漢事件では、取調べの初期段階で「否認すると勾留される可能性がある」「罰金で済ませたほうが早く帰れる」といった説明を受けることがあります。
精神的に追い詰められた状態では、「早く終わらせたい」という思いから、事実と異なる内容を認めてしまう危険があります。
しかし、一度でも認める供述をすると、その後に否認へ転じることは非常に困難です。
罰金刑であっても、
- 前科が付く
- 捜査記録が残る
- 再犯時に不利に扱われる
といった重大な不利益が生じる点は、十分に理解しておく必要があります。
防犯カメラ・アリバイ・位置情報などの証拠収集ポイント

冤罪を防ぐためには、客観的証拠の確保が極めて重要です。
痴漢事件では、以下のような証拠が有効となるケースがあります。
- 駅構内や車内の防犯カメラ映像
- 改札の入退場記録(ICカード履歴)
- スマートフォンの位置情報・行動履歴
- 同行者や周囲の目撃証言
特に防犯カメラは、犯行が物理的に不可能であることを示す決定的証拠になり得ます。
ただし、映像は一定期間で消去されるため、早期に弁護士を通じて保存要請を行うことが重要です。
否認する場合の弁護方針
冤罪の場合、「一貫して否認する姿勢」を取ることが重要ですが、やみくもな否認は逆効果になることもあります。
取調べでは、発言の一つ一つが供述調書として記録され、後の裁判で重要な証拠となるためです。
実務上は、
- 事実と異なる内容について、曖昧に「認める」発言をしない
- 警察官の誘導的な質問に流されて同意しない
- 供述調書の内容を必ず確認し、納得できない部分には署名しない
といった対応が求められます。
弁護士が早期に介入することで、誘導的な調書作成を防ぎ、証拠に基づいた弁護方針を構築することが可能になります。
痴漢の罰金とは別に請求される「慰謝料(民事)」にも注意
痴漢事件では、刑事手続きで罰金刑が科されたとしても、それだけで問題がすべて解決するわけではありません。
刑事責任とは別に、被害者から慰謝料(民事責任)を請求されるケースが多くあります。
「罰金を払ったのだから、もうお金は支払わなくてよい」と誤解していると、後から思わぬトラブルに発展する可能性があります。
以下では、罰金と慰謝料の違い、相場、請求された場合の対応について説明します。
罰金と示談金・慰謝料の違い
まず押さえておくべきなのは、罰金と慰謝料(示談金)は性質がまったく異なるという点です。
・罰金 刑事裁判で科され、国に支払う刑罰です。
被害者への補償にはなりません。
・慰謝料(示談金) 被害者の精神的苦痛に対する民事上の賠償で、被害者本人に支払います。
そのため、罰金を支払っても、被害者が納得していなければ、別途慰謝料請求を受けることは十分にあり得ます。
慰謝料の相場(5〜50万円)と判断基準

痴漢事件における慰謝料の相場は、おおむね5万円〜50万円程度とされています。
金額には幅がありますが、以下のような事情が考慮されます。
- 接触の程度(衣服の上か、直接か)
- 被害者の精神的苦痛の大きさ
- 行為の悪質性や継続性
- 加害者の反省態度
たとえば、比較的軽微な接触で早期に示談が成立した場合は、10万円前後で収まるケースもあります。
一方で、行為が悪質だった場合や被害者の被害感情が強い場合には、30万円〜50万円以上になることもあります。
民事請求が来たときの対応フロー

被害者やその代理人(弁護士)から慰謝料請求を受けた場合、感情的に対応せず、冷静に対処することが重要です。
一般的な対応の流れは、以下のとおりです。
- 請求内容・金額・根拠を確認する
- 直接連絡を取らず、弁護士を通じて交渉する
- 示談条件(支払額・支払方法・接触禁止など)を整理する
- 合意書(示談書)を作成する
不用意に被害者本人へ連絡すると、トラブルが拡大したり、不利な証拠として扱われるおそれがあります。
そのため、早期に弁護士に依頼して、対応してもらうべきです。
示談成功で不起訴を目指すポイント
慰謝料の支払いを含む示談が成立すると、不起訴処分となる可能性が高まります。
特に、初犯・軽微な事案では、示談の有無が処分を大きく左右します。
示談交渉では、
- 適切な金額設定
- 被害者感情への配慮
- 再発防止の意思表示
などが重要です。
弁護士が間に入ることで、被害者との直接接触を避けつつ、現実的な条件で示談をまとめることが可能になります。
罰金という「目先のコスト」より大きい損失を防ぐ|弁護士に依頼する実務上のメリット
痴漢事件では、「罰金20万円程度なら払って終わらせたい」と考える方も少なくありません。
しかし、罰金はあくまで刑事処分の一部に過ぎず、その裏には、金額では測れない大きなリスクが潜んでいます。
以下では、罰金の金額だけに目を向けることの危険性と、弁護士に依頼することで防げる損失について説明します。
罰金より重い「前科・社会的損失」を防げる可能性が高い
罰金刑であっても、正式な有罪判決である以上、前科が付きます。
前科が付くことで、以下のような社会的損失が生じる可能性があります。
- 就職・転職時の不利益
- 社内調査や懲戒処分のリスク
- 家族や周囲に知られる可能性
罰金が20万円前後で済んだとしても、前科による影響は人生レベルで続くことになります。
弁護士が早期に介入し、不起訴処分を獲得できれば、これらのリスクを回避できる可能性があります。
身柄拘束を避けることで仕事・家族への影響を最小限にできる
痴漢事件では、逮捕や勾留により、数日から20日近く身柄を拘束される可能性があります。
勾留されれば、会社を長期間休まざるを得ず、解雇や退職を迫られるリスクもあります。
弁護士は、早期釈放のための意見書提出や勾留に対する準抗告などを通じて、身柄拘束の回避・短縮を目指します。
結果として、仕事や家族への影響を最小限に抑えることが可能になります。
示談成立で不起訴の可能性が上がり、結果的にもっともコストを抑えられる
痴漢事件では、示談が成立するかどうかが、処分結果を大きく左右します。
弁護士が介入することで、被害者感情に配慮した交渉が可能となり、示談成立率が大きく高まるのが実務の現実です。
示談が成立すれば、
- 不起訴となり罰金が不要になる
- 前科が付かない
- 早期に事件が終結する
といった結果につながります。
一見すると弁護士費用が高く感じられても、長期的にはもっともコストを抑えられる選択となることが多いのです。
冤罪のときは弁護士がいるかどうかで結論が大きく変わる
冤罪の場合、弁護士の有無によって結果が大きく左右されます。
防犯カメラ映像の確保、位置情報の分析、供述調書のチェックなどは、専門的知識がなければ対応が困難です。
弁護士が介入することで、
- 誘導的な取調べの防止
- 客観証拠に基づく弁護活動
- 不起訴獲得に向けた戦略的対応
が可能になります。
冤罪で前科を背負わないためにも、早期の弁護士相談が極めて重要です。
痴漢で罰金刑を回避し不起訴処分となった実際の事例
痴漢事件では、「逮捕されたらもう罰金や前科は避けられない」と思われがちです。
しかし実務上は、適切な対応と弁護活動によって、罰金刑を回避し不起訴処分となるケースも少なくありません。
以下では、当事務所で実際に取り扱った、代表的な2つの不起訴事例を紹介します。
電車内での痴漢冤罪で逮捕されたものの不起訴となった事例
【事案の概要】
Xさんは、通勤途中の電車内で痴漢をしたとして現行犯逮捕されてしまいました。
突然の逮捕を受け、Xさんのご家族から当事務所に相談があり、逮捕当日に弁護士が警察署へ接見に赴きました。
接見の中で、Xさんは「痴漢行為は一切していない。冤罪である」と一貫して無罪を主張していました。
弁護士は、その後、以下の点について詳細な聞き取りを行いました。
- 電車内の混雑状況
- 被害者とされる女性との位置関係
- Xさんの手の位置
- 女性に手を掴まれた前後の状況
- 逮捕に至るまでの経緯
- 繊維鑑定の有無
これらを総合的に検討した結果、担当弁護士としても本件は冤罪である可能性が高いと判断し、Xさんと協議のうえ、否認方針で対応することになりました。
【弁護活動と結果】
取調べにおいては、警察官の誘導によって事実と異なる内容が調書に取られないよう、
- 誘導的な質問への注意
- 黙秘権があること
- 納得できない調書には署名しない権利
について具体的に助言しました。
また、逮捕後に勾留請求がなされると、最大20日間の身柄拘束につながるため、弁護士は勾留阻止に向けた活動を開始しました。
具体的には、
- 前科・前歴がないこと
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと
- 勾留の必要性がないこと
を詳細に記載した意見書を作成し、本人の誓約書・両親の身元引受書を添付して検察庁へ提出しました。
一度は検察官から勾留請求がなされたものの、その後すぐに裁判所へも同様の意見書を提出し、弁護人が裁判官と直接面談を行った結果、裁判所は「勾留の必要なし」と判断し、勾留請求は却下、Xさんは釈放されました。
釈放後も、弁護士は検察官に対して冤罪である旨の意見書を提出し、最終的に、冤罪の疑いがあるとして不起訴処分となりました。
この事例では、罰金・前科ともに回避することができました。
路上痴漢で逮捕されるも不起訴処分となった事例
【事案の概要】
Xさんは、東京の繁華街で多量に飲酒し、酩酊状態で歩いていたところ、見知らぬ女性の身体を触るなどの痴漢行為をしてしまい、その場で警察を呼ばれて逮捕されました。
その後、Xさんはいったん釈放されましたが、起訴される可能性が残っていたため、当事務所に相談し、正式に依頼されました。
【弁護活動と結果】
担当弁護士は、すぐに検察官へ連絡し、示談交渉を希望する旨を伝えました。
検察官を通じて被害者の連絡先を得て交渉を開始しましたが、当初、被害者は「反省の態度が感じられない」として強い不満を示していました。
そこで弁護士は、
- Xさんの反省の意思を丁寧に伝える
- 謝罪文を作成し、被害者へ提出する
など、被害者感情に配慮した対応を重ねました。
その結果、被害者にも反省の気持ちが伝わり、示談金20万円で示談が成立しました。
示談成立後は、
- 反省文
- 謝罪文
- 示談成立を示す合意書
を捜査機関へ提出し、最終的に不起訴処分となりました。
このケースでも、罰金刑は科されず、前科が付くことはありませんでした。
痴漢事件の罰金に関するよくある質問(Q&A)
以下では、痴漢事件の相談現場で特に多い質問について、Q&A形式でわかりやすく説明します。
痴漢は初犯なら罰金で済みますか?
いいえ、初犯であっても必ず罰金で済むとは限りません。
初犯であっても、行為の内容が悪質と判断されれば、不同意わいせつ罪が適用され、拘禁刑(懲役)のみとなる可能性があります。
一方で、初犯かつ迷惑防止条例違反にとどまる場合は、罰金刑(20万円前後)が選択されるケースが多いのも事実です。
罰金を払えば前科はつかない?
いいえ、罰金刑でも前科は付きます。
罰金刑は正式な有罪判決であり、略式罰金であっても前科として記録されます。
「罰金だから前科にならない」という認識は誤りですので、注意が必要です。
示談すれば不起訴になりますか?
示談が成立すれば、不起訴となる可能性は高まりますが、必ず不起訴になるとは限りません。
特に、初犯で行為が比較的軽微なケースでは、示談の有無が処分を大きく左右します。
ただし、
- 行為が悪質な場合
- 被害者が未成年の場合
- 再犯・常習性がある場合
などでは、示談が成立しても起訴される可能性があります。
罰金は会社にバレますか?
原則として、罰金刑になった事実が自動的に会社へ通知されることはありません。
しかし、以下のような場合には会社に知られる可能性があります。
- 逮捕・勾留により無断欠勤が発生した
- 実名報道された
- 社内調査や身辺調査で発覚した
特に勾留されると、仕事への影響は避けられません。
身柄拘束を防ぐためにも、早期の対応が重要です。
冤罪なのに罰金処理されそうで怖いです
冤罪の場合、安易に罰金処理を受け入れるべきではありません。
罰金刑は有罪判決であり、後から覆すことは極めて困難です。
冤罪が疑われる場合は、
- 一貫して否認する
- 防犯カメラや位置情報などの客観証拠を確保する
- できるだけ早く弁護士に相談する
ことが重要です。
「罰金で済むから」という理由で事実と異なる供述をすると、取り返しがつかなくなるおそれがあります。
痴漢で不起訴処分を目指すならグラディアトル法律事務所に相談を

痴漢事件では、「罰金で済ませるかどうか」ではなく、前科を回避できるか、不起訴を獲得できるかが極めて重要です。
特に、冤罪の可能性がある場合や、示談によって不起訴を目指したい場合には、初動対応の良し悪しが結果を大きく左右します。
グラディアトル法律事務所では、痴漢事件をはじめとする刑事事件に数多く対応してきた弁護士が、逮捕直後から不起訴獲得までを見据えた弁護活動を行っています。
取調べへの対応助言、防犯カメラなどの証拠収集、勾留阻止のための意見書提出、被害者との示談交渉まで、状況に応じた適切なサポートが可能です。
「罰金で済むと言われているが、本当にそれでよいのか」
「やっていないのに認めるよう迫られている」
このような不安を感じた時点で、できるだけ早く専門家に相談することが重要です。
一度罰金刑が確定すれば、前科は取り消せません。
後悔しない選択をするためにも、痴漢事件でお困りの方は、早めにグラディアトル法律事務所へご相談ください。
痴漢事件でお困りの方は、今すぐ弁護士に無料相談できます。
無料相談を予約するまとめ
痴漢事件の刑事処分には、不起訴・罰金・拘禁刑(懲役)があり、初犯であっても必ず罰金で済むとは限りません。
一般的な罰金相場は20万円前後とされますが、行為の内容や再犯性、被害状況によっては、罰金では済まないケースもあります。
また、罰金とは別に慰謝料(民事責任)を請求される可能性があり、「罰金を払えば終わり」という考えは危険です。
冤罪のリスクや前科・社会的影響を考えると、初動対応が極めて重要になります。
痴漢事件で後悔しないためには、早期に弁護士へ相談し、不起訴処分を目指した対応を取ることが重要です。
