逮捕された人との面会はできる?|面会・差し入れの基本ルールを解説

逮捕された人との面会はできる?|面会・差し入れの基本ルールを解説
弁護士 若林翔
2025年09月09日更新

「家族が逮捕されてしまったため、すぐに面会したい!」

「警察署での面会には何かルールがあるの?」

「面会時に差し入れをすることは可能?」

家族や友人が突然逮捕されてしまった場合、「すぐに面会できるのだろうか」「差し入れはできるのか」と不安に思う方は多いでしょう。逮捕後の面会には一定の制限やルールがあり、状況によってはまったく面会できないこともあります。特に、逮捕直後の72時間は、面会できず、勾留に切り替わった後でも接見禁止の決定が出れば家族でも面会が認められないケースがあります。

一方で、弁護士であれば逮捕直後から制限なく面会が可能です。弁護士が早期に接見することで、本人の不安を和らげるだけでなく、不利な供述調書の作成を防ぐ効果も期待できますので、早めに弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

本記事では、

・逮捕された人との面会の基本ルールや差し入れの可否
・接見禁止の仕組み
・弁護士に依頼するメリット

などについてわかりやすく解説します。

家族や友人が逮捕されてしまったときに慌てないためにも、ぜひ参考にしてください。

家族や友人が逮捕されたらすぐに面会できる?

大切な家族や友人が逮捕されたと聞いたとき、多くの方が真っ先に「すぐに会えるのか」「直接話をして励ませるのか」と考えるでしょう。しかし、刑事事件の手続きにおいては、逮捕直後から自由に面会できるわけではありません。以下では、逮捕から勾留までの流れに沿って、面会の可否について説明します。

逮捕後72時間は面会できない

逮捕されると、まず警察署で身柄が拘束され、取り調べが始まります。この期間は最大72時間と定められています。

この間、家族や友人など一般の方は、面会できません。捜査機関は、証拠隠滅や共犯者との口裏合わせを防ぐ必要があるため、本人を外部と遮断するのです。したがって、逮捕直後に「すぐに面会したい」と思っても、それは認められないのが原則です。

ただし、弁護士であれば逮捕直後から本人と面会(接見)が可能です。家族が不安に思う場合は、できるだけ早く弁護士に依頼して本人に会ってもらうのが有効です。

勾留に切り替わった後から面会可能

逮捕から最大72時間のうちに、検察官が裁判官に「勾留請求」を行い、裁判官が認めると「勾留」という手続きに移ります。勾留期間は、原則10日間、延長が認められればさらに10日間続きます。

勾留に切り替わると、家族や友人も一定のルールのもとで面会が可能になります。

なお、面会には日時や面会時間の制限、立会人の有無など、いくつかの決まりがあります。これらについては次章で詳しく解説します。

逮捕された人との面会に関する基本的なルール|場所・日時・時間・回数・立会人の有無

逮捕された人との面会に関する基本的なルール|場所・日時・時間・回数・立会人の有無

逮捕後に勾留へと手続きが切り替われば、家族や友人も面会できるようになります。ただし、その際にはいくつかのルールが定められており、自由に面会できるわけではありません。以下では、場所や時間、回数など、面会に関する基本ルールを説明します。

面会の場所|警察署内の留置施設

面会は、逮捕された人が身柄を拘束されている警察署や拘置所の留置施設内で行われます。

一般的には、留置施設に設けられた「面会室」で、アクリル板越しに会話をする形になります。

面会室では、身柄拘束された本人と直接接触することはできず、アクリル板の中央に開けられた細かな穴を通して会話を行います。アクリル板には穴が開いていますが、2重構造で穴の位置がずれていますので、穴を通して物の受け渡しができないようになっています。

面会可能な日時|平日のみ

家族や友人が逮捕された人に面会できるのは、原則として平日のみです。土日や祝日は受け付けていません。

また、受付時間は、施設によって異なりますが、概ね午前9時から午後4時頃までとなっています。仕事を休む必要がある場合もあるため、事前に確認して予定を立てましょう。

1回あたりの面会時間|10~20分程度

面会時間は長くても10分から20分程度に制限されています。取り調べや他の面会予定との調整もあるため、長時間の面会はできません。

ただし、短時間であっても、顔を見て言葉を交わすことは本人にとって大きな支えになります。

面会回数の制限|1日1回まで

家族や友人との面会は、原則として1日1回までとされています。たとえ複数の家族が来ても、まとめて1回の面会として扱われるのが通常です。短い時間に限られるため、伝えたいことを事前に整理しておくことが大切です。

原則として警察官の立ち会いあり

一般の面会では、原則として警察官が立ち会います。

会話内容はメモされ、不適切な発言や証拠隠滅につながる内容は制止されることもあります。プライベートな話を深くすることは難しいと理解しておきましょう。

面会は事前の予約制

多くの警察署や留置施設では、面会を希望する場合に事前予約が必要です。

予約は電話で受け付けている場合が多く、氏名や関係性を確認されたうえで面会時間が指定されます。当日いきなり施設を訪れても面会できないことがあるため、必ず事前に確認してから動きましょう。

逮捕された人への差し入れも可能|差し入れできるもの・できないもの

逮捕された人への差し入れも可能|差し入れできるもの・できないもの

逮捕された人にとって、身の回りの物を自由に用意することはできません。そのため、家族や友人からの差し入れが大きな支えとなります。ただし、差し入れには厳格なルールがあり、受け入れられるもの・禁止されているものが明確に分かれています。事前に確認しておかないと、せっかく用意したものが受け取ってもらえないこともあるため注意が必要です。

差し入れできるもの

逮捕後、勾留中の本人に差し入れ可能なものは、日常生活や健康管理に必要とされる範囲に限られます。代表的なものは以下のとおりです。

・衣類
・メガネ・コンタクト
・歯ブラシ
・本や雑誌(捜査に影響しない範囲)
・手紙(検閲を受ける場合あり)
・写真
・現金

これらは、本人の生活環境を整えるために認められています。特に、現金は、留置施設内で日用品を購入するために必要となるため、差し入れをすると喜ばれるでしょう。

差し入れできないもの

捜査や施設の秩序を乱すおそれがある物品は差し入れできません。代表的な禁止物は、以下のとおりです。

・食べ物
・タオル
・シャンプー・リンス
・お菓子
・タバコ等の嗜好品
・ゲーム等の娯楽用品

施設によっては制限の範囲が異なる場合もあるため、差し入れを希望する場合は、必ず事前に警察署や拘置所に確認することが大切です。

逮捕から勾留に切り替わった後も面会が制限されるケースがある|接見禁止決定

逮捕後、勾留に切り替われば家族や友人との面会は可能になります。しかし、必ずしも面会できるとは限りません。裁判所が「接見禁止決定」を出した場合には、家族であっても本人と会うことができなくなります。以下では、接見禁止決定の仕組みと具体的なケースについて説明します。

面会が制限される接見禁止決定とは?

接見禁止決定とは、裁判所が「被疑者が外部と接触することで捜査に支障をきたすおそれがある」と判断したときに出される決定です。この決定が出ると、家族や友人はもちろん、恋人や知人も本人と面会できません。差し入れはできても、手紙や会話といった直接的なやりとりは遮断されます。

なお、この制限はあくまで「一般の人」に対するものであり、弁護士だけは例外です。弁護士であれば接見禁止の有無にかかわらず、本人と自由に面会できます。

接見禁止決定が出される具体的なケース

接見禁止決定は、以下のような場合に出されることが多いとされています。

・共犯者がいる事件家族や友人を介して共犯者に連絡が及び、口裏合わせが行われるおそれがある
・証拠隠滅の可能性が高い事件本人が外部に指示して証拠を隠す可能性がある
・被害者や関係者への働きかけが懸念される事件外部から被害者に圧力をかけるおそれがある
・組織的犯罪や重大事件組織ぐるみでの隠蔽や証拠隠滅を防ぐ必要がある

このように、接見禁止決定は「捜査を円滑に進めるため」に用いられる制度です。

家族からすれば会えないことは大きな不安ですが、決定が取り消される場合や一部緩和されるケースもあるため、弁護士に相談して対応を検討することが重要です。

弁護士ならいつでも面会可能|本人・家族の不安を解消するためにも早期に依頼を!

弁護士ならいつでも面会可能|本人・家族の不安を解消するためにも早期に依頼を!

家族や友人が逮捕された場合、「会いたいのに会えない」という状況が続き、不安はますます大きくなります。しかし、弁護士であれば例外的に逮捕直後から面会が可能です。以下では、弁護士が面会(接見)できる仕組みとそのメリットを説明します。

弁護士は逮捕直後でも面会できる

逮捕直後の72時間は、家族や友人は一切面会できません。

しかし、弁護士であればこの制限に関わらず、逮捕直後から本人と面会することができます。これは、被疑者に認められた「弁護人依頼権」を保障するためであり、取り調べの初期段階から適切な助言を受けられる大きな利点です。

早期に弁護士が接見することで、本人の不安を和らげると同時に、捜査への対応を適切に進める準備を整えることが可能になります。

面会時間や回数に制限はなく、警察官の立ち会いもない

家族や友人が逮捕された人に面会する場合は、原則として1日1回・10〜20分程度に制限され、しかも警察官の立ち会いが必要です。会話内容も聞かれるため、自由に話せるとは言い難いのが実情です。

これに対し、弁護士との面会は時間や回数に制限がなく、警察官の立ち会いもありません。そのため、事件の詳細や取り調べへの不安、今後の見通しなどを本人が率直に相談することができます。制約のない環境で信頼できる専門家と話せることは、本人にとって大きな安心材料になります。

早期に面会して取り調べのアドバイスをすることで不利な調書作成を防止できる

刑事事件において、逮捕直後の取り調べは非常に重要です。警察官の誘導や誤解によって、本人にとって不利な内容の調書が作成されてしまうケースも少なくありません。一度作成された調書は、裁判で大きな証拠として扱われるため、後から訂正することは困難です。

弁護士が早期に面会することで、黙秘権の行使や供述の注意点を助言でき、不利な供述を避けることが可能になります。適切な対応を捜査の初期段階から行うことは、最終的な処分や判決に直結する重要なポイントとなります。

本人と家族の連絡役になることで不安を解消できる

接見禁止決定が出てしまった場合、家族や友人は本人と一切面会できません。そのような状況でも弁護士であれば制限を受けずに面会でき、本人と家族の「橋渡し役」として機能します。

たとえば、家族が伝えたいメッセージを弁護士が本人に届けたり、逆に本人の様子や言葉を家族に伝えることが可能です。これにより、本人は孤立せずに済み、家族も状況を把握できて安心感を得られます。

逮捕によって本人と家族が不安を抱える中で、弁護士が精神的支えとなることは大きな意味を持ちます。

家族や友人が逮捕されてしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

家族や友人が逮捕されてしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

家族や友人が突然逮捕されたと聞けば、多くの方が動揺し、「今すぐ会えるのか」「差し入れは可能なのか」「どのように助けられるのか」といった不安に駆られるものです。しかし、逮捕直後は最大72時間面会できず、勾留後も面会には時間・回数・内容の制限が設けられています。さらに、裁判所から接見禁止決定が出れば、家族であっても面会は一切できません。このように、家族の力だけでは限界があるのが現実です。

その一方で、弁護士であれば逮捕直後から本人に面会でき、警察官の立ち会いもなく自由に話すことができます。弁護士は、取り調べでの対応方法を助言し、不利な供述調書の作成を防ぐなど、本人の権利を守る役割を果たします。また、家族の連絡役となり、本人の状況を伝えることで双方の不安を和らげることも可能です。特に、接見禁止が付された場合でも弁護士であれば制限なく面会できるため、唯一の心強い支えとなります。

グラディアトル法律事務所では、刑事事件に豊富な経験を有する弁護士が迅速に接見へ駆けつけ、本人の状況確認や適切なアドバイスを行います。突然の逮捕は誰にとっても大きな衝撃ですが、早い段階で弁護士に相談することで、今後の見通しを立て、できる限り有利な解決につなげることができます。

もし身近な人が逮捕されてしまった場合は、一人で抱え込まず、すぐにグラディアトル法律事務所へご相談ください。経験豊富な弁護士が迅速に対応し、本人とご家族の不安を解消するため全力でサポートいたします。

まとめ

家族や友人が逮捕されても、直後72時間は面会できず、勾留後も時間や回数、立会いなどの制限があります。差し入れには可能な物と禁止されている物があり、ルールを理解して対応することが大切です。

また、接見禁止決定が出ると家族でも会えない場合がありますが、弁護士であれば逮捕直後から制限なく面会でき、取り調べへの助言や家族との橋渡し役を担えます。突然の逮捕は大きな不安をもたらしますが、早期に弁護士へ依頼すれば解決の道筋が見えてきます。

もし大切な人が逮捕されてしまった場合は、一人で悩まず、刑事事件に強いグラディアトル法律事務所にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

お悩み別相談方法

弁護プラン一覧

よく読まれるキーワード