「うちの店は大丈夫だろう」
そう思っていた風俗店が、ある日突然、警察の摘発を受けるケースは少なくない。
一般に、風俗店の摘発というと、本番行為や未成年雇用のような悪質なケースをイメージする人も多いだろう。
しかし実際には、営業時間のルール違反や禁止区域での営業、客引き、年齢確認の不備などが原因で摘発されるケースもよくあるのだ。
風俗店が摘発されると、オーナーや店長・従業員らが逮捕されるだけではない。
営業停止や許可取消しによって店舗運営そのものが困難になることもある。
とはいえ、多くの摘発は、事前に防げるものである。
ただ、そのためには日頃から適切な対策を行い、法律を正しく理解しておくことが重要だ。
そして、グラディアトル法律事務所は、デリヘル・ソープ等の風俗店やメンズエステなどナイトビジネス業界の顧問業務や摘発・逮捕の対応を数多く取り扱っている。
本記事では、その実務経験を踏まえ、
・摘発される風俗店の特徴
・摘発前によくみられる兆候
・代表的な摘発ケース
・実際の摘発事例
・摘発を防ぐための対策
などについて、風俗店の摘発に詳しい弁護士が解説する。
目次
摘発される風俗店の5つの特徴
風俗店の摘発は、決して運が悪かったから起きるものではない。
実際には、警察に摘発される店舗には共通する下記のような5つの特徴がある。
・本番行為を禁止せず黙認している
・届出内容と営業実態が異なっている
・従業員の年齢確認を怠り、未成年者を働かせている
・客引きやスカウトに集客や採用を依存している
・元従業員や利用客とのトラブルが多い
以下、1つずつ説明していく。
本番行為を禁止せず黙認している
摘発される風俗店の特徴として最もみられるのが、本番行為を禁止せず黙認している店舗である。
摘発があると、店舗としては、
「本番は禁止している」
「キャストが勝手にやったことだ」
などと警察に言い訳するケースも多い。
しかし実際は、本番行為が繰り返されており、店舗側が黙認していたような場合には、上記の言い分は通用しない。
最近では、利用客の口コミサイトやSNS・掲示板などに、「本番ができる店」といった情報が投稿されることが増えてきた。
警察は、こうした投稿にも目を向け、その情報をきっかけに内偵捜査を行う。
そして、本番行為を禁止せず黙認している疑いが高まると、摘発に動き出すのだ。
届出内容と営業実態が異なっている
2つめに摘発される風俗店の特徴としてみられるのが、届出内容と営業実態が異なっている店舗である。
その多くは、営業開始時には適切な届出をしていても、その後の営業実態が届出内容と変わったケースだ。
たとえば、
・届出時と異なる営業時間で営業している
・届出時から営業形態を変更している
・別業種として届け出たまま営業実態が変わっている
といったケースである。
近年、特に問題となっているのがメンズエステである。
リラクゼーションサービスとして開業届を出しているにもかかわらず、実際には性的サービスを提供・営業していたとして警察に摘発される事例が相次いでいる。
従業員の年齢確認を怠り、未成年者を働かせている
3つめに摘発される風俗店の特徴としてみられるのが、従業員の年齢確認を怠り、未成年者を働かせている店舗である。
18歳未満の未成年者だとわかってて働かせた場合には、もちろん警察は摘発に動く。
また、年齢確認を十分に行わず、結果として未成年者を働かせてしまっていた場合でも、警察に摘発される可能性は相当高い。
未成年者に関する法律違反は、警察が特に厳しく取り締まる分野の一つでだからである。
客引きやスカウトに集客や採用を依存している
4つめに摘発される風俗店の特徴としてみられるのが、客引きやスカウトに集客や採用を依存している店舗である。
実際、繁華街では、路上での客引きやスカウト行為が問題となり、警察による集中取締りが行われ、店舗まで摘発されることが多くある。
また、2025年の風営法改正により、性風俗店によるスカウトバックが違法となり、既にいくつかの摘発事例も出ている。
そのため、客引きやスカウト経由の集客や採用に依存している店舗は、風営法違反で摘発される可能性が相当高くなっている。
元従業員や利用客とのトラブルが多い
5つめに摘発される風俗店の特徴としてみられるのが、元従業員や利用客とのトラブルが多い店舗である。
風俗店の摘発は、警察自らの捜査だけがきっかけとは限らない。
元従業員や利用客による警察への通報や被害相談がきっかけとなり。摘発されるケースも多い。
たとえば、
・暴行、脅迫トラブル
・風紀違反などの罰金トラブル
・キャストとの人間関係のトラブル
・利用客との料金、接客トラブル
などのトラブルがあった場合だ。
これらのトラブルの通報・被害相談がきっかけとなり、風営法をはじめとした法令に違反した店舗ではないかを警察が捜査し始めるのだ。
風俗店の摘発前によくみられる4つの兆候
風俗店の摘発は、ある日突然行われるイメージを持つ人もいるだろう。
しかし実際には、その前段階で下記のような兆候が現れているケースが多い。
・警察による店舗周辺の巡回や聞き込みの増加
・近隣店舗の摘発
・警察によるキャストや従業員への接触
・違法行為を匂わせる口コミや投稿の増加
もちろん、これらの兆候があれば必ず摘発されるというわけではない。
ただ、警察が情報収集や内偵捜査を進めている可能性は十分にある。
以下、1つずつ見ていこう。
警察による店舗周辺の巡回や聞き込みの増加
まず風俗店の摘発前によくみられる兆候が、警察による店舗周辺の巡回や聞き込みの増加である。
具体的には、店舗周辺に警察官が頻繁に現れるようになったり、周辺住民や近隣店舗に対する聞き込みが行われたりするのだ。
この際、制服警察官だけでなく、私服警察官も巡回や聞き込みをしているケースもある。
そして経験上も、警察の巡回や聞き込みが、違法営業の情報収集や証拠集めの捜査として、摘発前に行われていたことが多い。
近隣店舗の摘発
次に風俗店の摘発前によくみられる兆候が、近隣店舗の摘発である。
警察は特定の繁華街や風俗街を重点的に取り締まることがあるからだ。
そのため、警察は摘発した店舗の近隣にある店舗にも捜査を広げるケースも少なくない。
特に、
・同じ業態の店舗
・同じビル内の店舗
・同じスカウトグループと関係がある店舗
などは警察が捜査を広げやすい店舗といえる。
警察によるキャストや従業員への接触
さらに風俗店の摘発前によくみられる兆候が、警察によるキャストや従業員への接触である。
たとえば、
・キャストへの身元や勤務状況の確認
・従業員への任意の事情聴取
・退職した元キャストへの聞き取り
などである。
実際、店舗への立入りがなくても、キャストや従業員など関係者への接触・聞き取りが進められていることは珍しくない。
特に、過去も含めてキャストや従業員とのトラブルが多い場合は、摘発されるリスクはより高まっているといえる。
違法行為を匂わせる口コミや投稿の増加
最後に風俗店の摘発前によくみられる兆候が、違法行為を匂わせる口コミや投稿の増加である。
具体的には、
・本番行為をしている
・未成年が働いている
・客引きをしている
といった違法行為を匂わせる内容が口コミサイトやSNS・掲示板に散見される場合である。
少しだけの口コミや投稿なら信ぴょう性も疑わしいが、様々なサイトやSNS・掲示板で多く投稿されているとなると、違法行為をしている現実味を帯びてくるからだ。
そのため、違法行為を匂わせる内容の口コミや投稿が増加するにつれ、警察は捜査対象としてその風俗店をマークする傾向にある。
風俗店経営者が注意すべき代表的な5つの摘発ケース
風俗店の摘発とひとくちにいっても、適用される法律は一つではない。
実際の摘発事例を見ると、風営法だけでなく、売春防止法や児童福祉法などさまざまな法律違反が問題となっている。
ここでは、風俗店オーナーが特に注意すべき代表的な5つの摘発ケースを解説する。
風営法違反による摘発ケース
風俗店の摘発で最も多いのが風営法違反である。
たとえば、
・禁止区域での営業
・営業時間の制限違反
・無許可営業
・客引きやつきまとい行為
などが代表例だ。
店舗側としては、悪質な違反の認識がなくても、風営法を正しく理解していなければ摘発される可能性がある。
特に開業後から業態や営業時間を変更した場合は注意が必要である。
なお、風営法違反による実際の摘発事例は、4章で詳しく解説する。
売春防止法違反による摘発ケース
風俗店が摘発される理由として、売春防止法違反も少なくない。
その多くは、売春のあっせん、売春場所の提供という売春防止法違反である。
「店としては禁止している」という説明をしても、実態として本番行為が常態化していれば店舗側の責任が問われる可能性が高い。
また、利用客の口コミやキャストの証言がきっかけとなり、摘発に発展するケースもある。
なお、売春防止法違反による実際の摘発事例は、5章で詳しく解説する。
スカウトバックによる摘発ケース
近年、特に注意が必要なのが、スカウトバックによる摘発である。
2025年の風営法改正により、性風俗店によるスカウトバックが禁止された。
スカウトに対して女性の紹介料を支払う行為はもちろん、名目を変えて実質的に紹介料を支払っている場合も違法となる可能性が高い。
これまで風俗業界では一般的に行われていたものだったが、現在は摘発リスクが高まっているのがスカウトバックだ。
公然わいせつ罪による摘発ケース
店舗内でのサービス内容が原因で、公然わいせつ罪による摘発を受けるケースもある。
たとえば、
・他人から見える状態で性的行為を行う
・オープンスペースで過度な性的サービスを提供する
といったケースである。
実際、ピンクサロンやハプニングバーなどで摘発事例がみられる。
店舗の営業形態によっては、風営法だけでなく刑法上の問題が生じることも理解しておく必要がある。
なお、公然わいせつ罪による実際の摘発事例は、6章で詳しく解説する。
児童福祉法違反による摘発ケース
未成年者が問題となる児童福祉法違反は、警察が厳しく摘発に動いているケースだ。
特に、児童であると知りながら性的サービスに従事させた場合には重い刑罰を受ける可能性が高い。
また、店舗側が「児童だとは知らなかった」と主張しても、年齢確認が不十分であれば責任を問われることもある。
なお、児童福祉法違反による実際の摘発事例は、7章で詳しく解説する。
風営法違反による風俗店の摘発事例(行為別)
風俗店の摘発というと、本番行為や売春防止法違反を思い浮かべる人が多いかもしれない。
しかし実際には、風営法違反によって摘発されるケースが数多く発生している。
特に近年は、メンズエステ店の禁止区域営業や無許可営業、スカウトバックに対する取締りが強化されている状況だ。
ここでは、実際に風営法違反で摘発された事例を紹介するとともに、風俗店経営者が注意すべきポイントも解説する。
禁止区域等営業
店舗型性風俗店は、どこでも自由に営業できるわけではない。
風営法や各自治体の条例によって営業できる地域が厳しく制限されている。
近年は、マッサージ店で届出をしているメンズエステ店が性的サービスを提供していたとして、禁止区域営業で摘発されるケースが増えている。
ここでは、風営法違反となる禁止区域営業によって摘発された代表的な事例を紹介する。
【事例①】自宅マンションで性的サービスを提供して摘発
| 兵庫県に住む中国籍のマッサージ師(女性)が、風営法違反(禁止地域営業)の疑いで逮捕された。 容疑者はホームページでは「風俗店ではございません」と記載しているにもかかわらず、自身が住んでいるビルの一室を使って男性客に性的サービスを提供していた疑いがある。 現場近くを通りかかった警察官に対して「3,000円でマッサージどう?」などと声をかけたことから発覚した。 |
この事例では、そもそも自宅で性的サービスを提供しており、風営法に基づく営業届を提出していなかった。
無届での営業はもちろんだが、禁止区域等での営業にも該当する風営法違反である。
なお、このような自身での客引き行為は直接的に摘発につながるNG行為である。
【事例②】メンズエステ店で性的サービスを提供して摘発
| 2022年11月28日、富山県では風俗店営業が禁止されている地域で性的サービスを提供したとして、メンズエステ店経営者と女性従業員が逮捕された。 富山県では県の条例により、一部の地域を除くすべての地域において、店舗型性風俗店の営業を禁止している。 同店の風営法違反は、通常のマッサージ店として営業しているにもかかわらず、その個室で性的サービスを提供したことがバレて発覚した。 |
通常のマッサージ店と異なり、性風俗店では営業可能地域が限られている。
そのため、一般的なマッサージ店として営業をしているメンズエステ店で、性的サービスを提供してしまうと、禁止区域等での営業として判断され、風営法違反となる。
なお、メンズエステ店と風営法違反(禁止区域営業)についての詳細は、以下の記事を参照にしてほしい。
風営法違反で摘発されるメンズエステ店の6つ特徴と逮捕を避ける方法!
【事例③】デリヘルが店舗型性風俗店と判断されて摘発
| 営業禁止地域とされている福島市内で店舗型性風俗店を営業していたとして、デリヘルの従業員が逮捕された。 同店は、無店舗型性風俗特殊営業届を出してデリヘルを営業していたにもかかわらず、店舗型であると判断されている。 その理由は、同店が利用していたホテルは、複数の無店舗型風俗店が共同経営していたからである。 ビジネスホテルと偽りつつ、デリヘル待機所を設けて同ホテルを利用していたことから、店舗型性風俗店に値すると判断された。 |
この事例ではデリヘルが同じホテルを利用し、なおかつホテル内に待機所を設けていたことで「店舗型性風俗店」として判断されている。
そして、店舗型では、無店舗型と異なり、禁止区域や営業時間などの制限があるため、風営法違反として摘発対象となった。
なお、デリヘル(無店舗型性風俗)が店舗型性風俗と評価されて逮捕された風営法違反(禁止区域営業)事例についての詳細は、以下の記事を参照して欲しい。
風営法違反逮捕事例|無店舗型なのに店舗型と評価された禁止地域営業の事例
客引き
客引きは、風俗店の摘発理由として現在も多い。
「少し声をかけただけ」「案内しただけ」という認識でも、警察から客引きと判断されれば、風営法違反での摘発対象となる。
ここでは摘発事例を2つ紹介しよう。
【事例①】客引きの現行犯逮捕をきっかけに、店舗が捜索を受け、店長まで逮捕。
| 仙台のキャバクラ店では、従業員が客引きをした現行犯として捕まっている。 容疑者は小遣い稼ぎで客引きをしていた専門学生だった。 客引きをした容疑者は、パトロール中の警察官に対して「キャバクラ案内しています」と声をかけてキャバクラ利用を促した。 そのため、その場で現行犯逮捕されている。 キャバクラ店側は、店が雇用していた客引きではないと否認した。 しかし、調査のため押収されたパソコンのデータから、容疑者が同店の従業員であると判明し、店長が風営法違反(客引き)で逮捕された。 |
客引きの摘発は、現行犯逮捕が鉄則である。
そのため、繁華街では私服警官がパトロールしていることが多い。
そのような私服警官に客引きが声をかけてしまうと、その場で現行犯逮捕され、店舗までも捜索・摘発される可能性がある。
【事例②】従業員の客引きから風俗店経営者まで逮捕
| 宮崎県警は、風俗店の従業員を県迷惑行為防止条例違反(客引き)容疑で現行犯逮捕し、同店経営者を風営法違反(客引き)容疑で逮捕した。 2人は、共謀して宮崎市中央通の路上で、通行人に「キャバクラどうですか。安くしますよ」などと付きまといながら声をかけ、客引きした疑い。 当時、宮崎北署と生活環境課が客引きの取り締まり中で、私服警察官が声をかけられたという。 |
この事例では、キャバクラと声をかけながら、実際は風俗店の客引きで、経営者まで摘発されている。
従業員の客引きが、経営者の摘発・逮捕にまでつながることを示す事例である。
年少者雇用
18歳未満の年少者を風俗店で働かせる行為は、警察が特に厳しく取り締まっている。
店舗側が未成年だと知らなかった場合でも、年齢確認が不十分であれば責任を問われる可能性が高い。
以下はキャバクラとスナックの摘発事例だが、もちろん風俗店も摘発対象となる。
なお、年少者雇用と風営法の年齢確認義務の詳細については、以下の記事も参照にしてほしい。
風営法と未成年/風俗・キャバクラ・ホストの未成年雇用は逮捕される!
【事例①】17歳の女子高校生を接客させて摘発
| 東京・立川市のキャバクラでは、17歳の女子高生をホステスとして働かせたとして風営法違反で摘発され、キャバクラ経営者の2人が逮捕されている。 キャバクラとして営業していた同店は20分に1回、客に従業員の体を触らせるなどのショータイムを設けていたため、セクキャバとしても知られていた。 逮捕された経営者は「17歳だとは知らなかった」と主張している。 |
この事例では、経営者は未成年だとは知らなかったと主張している。
しかし、年少者にセクキャバでの性的サービスを提供させたことには間違いがない。
そのたため、風営法違反での摘発・逮捕となった。
【事例②】17歳の少女3人を接待させて摘発
| 島根県に複数のスナックを経営している会社役員が、17歳の少女3人を雇用して客の接待をさせたとして風営法違反で逮捕された。 スナックでは性的サービスを提供しているわけではないが、風営法に基づいた営業許可を取得している接待飲食営業店であることには変わりない。 そのため、スナックでは年少者を雇用して、客の接客・接待をしてはいけないのだ。 このケースでは、匿名で「スナックで17歳の女の子が働いている」というタレコミがあったことから風営法違反が発覚した。 |
性的サービスを提供していないスナックだが、風営法で規制される接待飲食営業店であることには変わりない。
そのため、たとえ性的サービスを提供していない場合でも年少者を雇用してはいけない。
たとえ未成年者本人が店舗側に年齢を偽っていたとしても、どこから本当の年齢がバレるかわからない。
この事例では、匿名のタレコミがあったことで年少者雇用が発覚している。
時間外営業
風営法では、業種ごとに下記のような営業禁止時間が定められている。
| 業種 | 営業禁止時間 |
|---|---|
| キャバクラ・ホストクラブ・ラウンジ | 深夜0時~午前6時(※1) |
| ソープランド・ストリップ・ファッションヘルス・受付所ありのホテヘル・デリヘル | 深夜0時~午前6時(※1) |
| デリヘル・ラブホテル | なし |
| スナック・ガールズバー・ゲイバー | なし(※2) |
※1 歌舞伎町など特定の繁華街では深夜1時まで営業可能
※2 ただし、風営法の「接待」をしない場合に限る
「少し閉店時間が遅くなっただけ」と考える経営者もいるが、時間外営業による風営法違反として警察の摘発対象となるケースも少なくない。
以下で紹介する2つの摘発事例は、ラウンジとキャバクラだ。
しかし、ソープや受付所ありのホテヘル・デリヘル、性風俗店と認定されたメンエスも時間外営業で摘発を受ける可能性は十分にある。
なお、風営法の営業時間についての詳細・時間外営業の罰則等についての詳細は、以下の記事も参照にしてほしい。
風営法の営業時間一覧!違反した時間外営業・深夜営業の罰則も徹底解説
【事例①】深夜営業を続けていたラウンジを摘発
| 大阪の繁華街では、禁止されている深夜の時間帯まで営業していたラウンジが摘発されている。 この店では、自治体や行政から営業時間変更の注意がきていたにもかかわらず、一切対処していなかった。 そのため、警察も摘発に踏み切ったと考えられている。 摘発自体は、約30人の捜査員を動員した大掛かりな摘発であった。 このケースでは、風営法違反の疑いでラウンジ経営者や店長らの4人が逮捕されている。 |
この事例では、「風俗営業の許可を受けずに深夜営業をした」として風営法違反の時間外営業で摘発されている。
深夜営業するのであれば、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出を出さなければならない。
ただし、その場合は風営法が定める「接待」を行うことはできない。
「接待」を伴う店舗を経営している場合は、風営法で深夜0時〜午前6時までの間は営業が禁止されているからだ。(※歌舞伎町など一部の営業延長許容地域の場合は、深夜1時まで営業可能)
【事例②】午前5時まで営業していたキャバクラを摘発
| 歌舞伎町の人気キャバクラ店が、午前5時まで店内に客を残し接待していたことがきっかけで風営法違反の時間外営業で摘発された。 同店は、歌舞伎町界隈でも人気キャバクラ店であったため、周囲の人から営業時間などに関して、警察に通報されることも多かったみたいだ。 |
歌舞伎町のキャバクラは、風営法により深夜1時〜午前6時の間は営業が禁止されている。
それにもかかわらず、たとえば営業禁止時間帯に客が退店している姿などが周囲の人に見られSNS等に投稿されると、時間外営業をしている可能性が高いと判断され、摘発リスクが高まる。
風営法をしっかり守って営業している店舗は、常に営業時間に気を配っている。
姉妹店や系列店など多くの風俗店を経営している場合は、大規模な摘発につなげないためにも、業種毎の営業時間を守る必要がある。
スカウトバック
2025年の風営法改正によって、性風俗店によるスカウトバックが禁止された。
これにより、今まで業界で広く行われていた紹介料の支払いが、現在では違法となり、摘発リスクの高い行為となっている。
近年の風俗業界では特に注目されている分野であり、風俗店経営者は制度内容を正しく理解しておく必要がある。
【事例①】女性を紹介したスカウトに報酬を支払い摘発
| 2026年6月、仙台市内で無店舗型性風俗店を経営する会社役員の男性が、風営法違反の疑いで逮捕された。 警察によると、男性は自身が経営するデリヘルに10代から20代の女性数人を紹介してもらった見返りとして、スカウトグループに対し数十万円の現金を支払った疑いが持たれている。 男性は警察の調べに対し、「紹介料として現金を渡した」などと供述し、容疑を認めているという。 |
この事例は、改正風営法施行後に北海道・東北ブロックで初めてスカウトバックにより摘発されたケースとして注目を集めた。
これまで業界内で慣習的に行われていた紹介料の支払いであっても、現実に摘発対象となったことを示す事例だ。
「スカウト経由の採用は当たり前」という従来の認識のまま営業を続けることは非常に危険であり、風俗店経営者は採用ルートの見直しが求められる。
【事例②】スカウトに約15万円の紹介料を支払い摘発
| 2026年5月、福岡市内で性風俗店を経営する会社役員が、風営法違反の疑いで逮捕された。 警察によると、容疑者は自身が経営する性風俗店で働く女性を紹介してもらった見返りとして、スカウトに対し合計15万6100円を支払った疑いが持たれている。 また同日には、別の性風俗店の経営者と従業員も、スカウトに対して紹介料を支払ったとして逮捕された。 いずれの容疑者も容疑を認めているという。 |
この事例は、改正風営法によるスカウトバック禁止が福岡県内で初めて適用されたケースである。
注目すべきなのは、支払額が数十万円や数百万円ではなく、比較的少額の紹介料であっても摘発対象となっている点だ。
「少額だから問題ない」「一度だけだから大丈夫」といった考えは通用しない。
いまやスカウトへの紹介料や採用報酬の支払いそのものが違法となっているからだ。
したがって、風俗店経営者は採用方法や広告戦略を改めて見直す必要がある。
売春防止法違反による風俗店の摘発事例
風俗店の摘発事例としては、風営法違反だけでなく、売春防止法違反も多い。
売春防止法における「売春」とは、対価を受け取って不特定の相手と性交する行為を指す。
風俗店では、利用客から料金を受け取ることや、不特定多数の利用客を相手にすることは、営業の性質上避けられない。
そのため、「本番行為が行われていたかどうか」が摘発のポイントとなる。
また、デリヘルでは売春のあっせん(周旋)、ソープランドでは売春場所の提供として摘発されるケースが多い。
そして、店舗側が本番行為を指示していた場合はもちろん、黙認していたと判断される場合も責任を問われる可能性がある。
ここでは、実際の摘発事例を3つ紹介する。
【事例①】デリヘル店が本番行為をしていることがクチコミでバレて摘発
| 東京の老舗デリヘル店が、従業員に売春を斡旋したとして売春防止法違反で摘発されている。 過激なサービスが人気だった同店だが、本番行為をしているとは公言していなかった。 しかし、ネット掲示板での投稿により、本番行為に及んでいることが発覚した。 そのクチコミがきっかけで警察の摘発が入り、経営者を含む4人が逮捕された。 |
デリヘルでは、本番行為が認められているわけではない。
しかし暗黙の了解として、デリヘル嬢が本番行為をしてしまう場合もある。
そして、利用客が本番行為できたことに浮かれ、SNSや掲示板などにクチコミを投稿し、それをきっかけに摘発にいたるケースもあるのだ。
なお、デリヘルでの売春防止法違反の逮捕・摘発についての詳細や、逮捕・摘発を避けるための対策については、以下の記事を参照にしてほしい。
デリヘル経営者必見!売春防止法違反での逮捕を避けるための7つの対策
【事例②】売春を斡旋したとしてグループ店舗から19人逮捕
| 全国で16店舗のデリヘルを展開していた経営者とデリヘル従業員を含む19人が、売春防止法違反で逮捕されている。 摘発対象となった全国展開していたデリヘルでは、約2,100人の女性従業員が働いていた。 この摘発では、五反田・名古屋・横浜などの4店舗で、女性従業員を売春目的で男性客に派遣していたとして、摘発に至っている。 各店舗では「本番行為は禁止」とうたっていたが、元従業員や利用客への聴取により、売春の斡旋が常習化している疑いがあるとされている。 |
たとえ大々的に全国展開しているデリヘルでも、本番行為をしていることが発覚すると、徹底的に調査が行われて摘発されてしまう。
このケースでは、発覚したのが全国展開している16店舗中、4店舗のみだった。
しかし、証拠があれば、さらに多くの店舗が摘発されていた可能性が高い。
なお、この事例の詳細については、以下の記事を参照にしてほしい。
デリヘルグループ経営者ら19人が売春防止法違反で逮捕!売上は72億!?
【事例③】売春の場所を提供したとしてソープランドが摘発
| ソープランドの老舗といわれていた店舗が、売春の場所提供を行ったとして売春防止法違反で摘発された。 逮捕された店舗責任者は「店の営業方針としてやっていた」と供述しており、女性従業員が売春すると知りながら、売春のための場所を事業として提供していた疑いがあるとされている。 この摘発事例では、同店の利用客が店側とトラブルになり、警察に相談したことがきっかけで摘発されたと考えられる。 |
ソープランドに行けば本番行為もできると思いがちだが、そもそもソープランドでも本番行為は禁止である。
そして、ソープランドでの本番行為が摘発された場合、店舗型のソープランドが「売春の場所提供」したと判断され、売春防止法違反となる。
また、この事例のように、利用客が店側とのトラブルを警察に相談したことがきっかけで摘発される場合もあるのだ。
なお、ソープランドの逮捕・摘発と売春防止法違反の詳細は、以下の記事を参照にしてほしい。
ソープランドの摘発・逮捕と売春防止法!客やキャストも逮捕される?
公然わいせつ罪による風俗店の摘発事例
風俗店の摘発というと、風営法違反や売春防止法違反を思い浮かべる人が多い。
しかし、店舗の営業形態やサービス内容によっては、公然わいせつ罪で摘発されるケースもある。
公然わいせつ罪とは、不特定または多数の人が認識できる状態で、わいせつな行為を行った場合に成立する犯罪である。
そして、ピンクサロンやハプニングバーでは、店内の構造やサービス内容によって公然わいせつ罪で摘発されることがある。
ここでは、実際に摘発された事例を2つ紹介する。
【事例①】ピンクサロンのボックス席で性的サービスを提供して摘発
| 東京・台東区では、店内で全裸の女性従業員に性的サービスを提供させたとして、ピンクサロンが摘発されている。 同店の摘発時には、店内のボックス席で全裸の女性従業員と利用客がわいせつ行為を行ったとして、現行犯逮捕された。 ボックス席には壁がついておらず、周囲から行為の様子が見える状態になっていた。 また、女性従業員だけでなく、利用客も全裸になり、性的サービスを受けていた。 |
この事例では、店内で、全裸で性的サービスを受けていた利用客と従業員両方が逮捕されている。
そして、公然わいせつ罪の場合は、現行犯逮捕でなければ摘発できない
そのため、警察が事前に内部調査をおこなったうえで、摘発に踏み込んできていることがわかる。
なお、ピンクサロンと公然わいせつ罪についての詳細については、以下の記事を参照にしてほしい。
違法なピンクサロンの摘発で客も逮捕!【公然わいせつ罪・風営法違反】
【事例②】ハプニングバー摘発で従業員及びセックスをしていた客を逮捕
| 2022年5月、約15年以上にわたり、営業を続けてきた渋谷の老舗ハプニングバーが摘発されている。 摘発時は、ハプニングバー店内には約80人の男女がいたとされている。 利用客が多かったにもかかわらず、実際に公然わいせつ罪の現行犯として逮捕されたのは、外から覗けるプレイルームでセックスの最中だった、利用客2人だけだった。 その理由としては、他の利用客は着衣の乱れはあるものの、洋服を着用しており、性的行為を行っていると判断できなかったからだと考えられる。 同店は、深夜酒類提供飲食店の届出は出していたが、常習的に公然わいせつを行う場となっていた。 そのため公然わいせつの情報提供も多く、警察側も確実に摘発するために、調査を続けていたとされている。 |
ハプニングバーは風営法の営業許可を取得しておらず、性的サービス・性行為を行える場所ではない。
そして、たとえ15年以上続いていた老舗であっても、この事例のように公然わいせつ罪で摘発されることはあるのだ。
なお、この事例の詳細について知りたい方は、以下の記事を参照にしてほしい。
ハプニングバーでは利用客も公然わいせつ罪で逮捕されるのか!?
児童福祉法違反による風俗店の摘発事例
未成年者が関係する風俗店の摘発では、風営法だけでなく児童福祉法違反が問題となることも多い。
児童福祉法では、18歳未満の児童に淫行をさせたり、児童を有害な環境で働かせたりする行為が禁止されているからだ。
そして、風俗店においては、未成年者とわかって働かせた場合だけでなく、年齢確認を怠った結果として未成年者を雇用してしまった場合にも責任を問われる可能性がある。
ここでは、児童福祉法違反によって摘発された事例を2つ紹介する。
【事例①】「娘が風俗店で働いているかも」親の相談でデリヘルを摘発
| 2022年12月、埼玉県警により18歳未満の未成年をデリヘルで働かせたとして、デリヘル店が摘発された。 このケースでは、未成年者の保護者が「娘が風俗店で働いているかもしれない」と警察に相談したことで児童福祉法違反が発覚している。 店のホームページ上では女子高生の写真は掲載しておらず、経営者の知人などの紹介のみで、女子高生による性的サービスを提供していたという。 この女子高生自身も、知り合いから紹介されてデリヘルで働き始めており、容疑者が18歳未満と知りながら、常習的に未成年者を働かせていた可能性があるとみられている。 |
このデリヘルでは、女子高生(未成年者)の写真をHPには載せていなかった。
それゆえ、外からでは未成年者が働いているかどうか掴むのは難しい状況にあったといえる。
しかし、内実は、知人などの紹介があった場合に限って、経営者が未成年者に性的サービスをさせていたことが判明した。
そのため、経営者は、未成年者であることを認識したうえで働かせていたことがわかる。
また、今回の事例のように、たとえ未成年者本人と風俗店が年齢を隠していたとしても、保護者から警察に相談されることで、摘発されるケースもあるのだ。
【事例②】応募してきた15歳児童と性交・売春させたデリヘルが摘発
| デリヘルの従業員に応募してきた15歳少女と「集客用の動画を撮影する」という名目で性交に及び、実際にデリヘルで雇用し売春をさせたとしてデリヘルが摘発されている。 このケースでは、児童福祉法違反はもちろんのこと、容疑者本人が未成年者と性交し、撮影までしている。 そのため、児童買春・ポルノ禁止法違反の罪にも問われているのだ。 |
この事例では、未成年者を風俗店で雇用して売春をさせただけでなく、容疑者本人が未成年者と性交・動画撮影を行っており、重い罪に問われている。
自ら応募してきたからといって、未成年者を受け入れていいわけではなく、むしろ厳罰に問われることを示す事例である。
摘発された風俗店に下される2つの処分と経営への影響
風俗店が摘発でも、「罰金を払えば終わり」と考えている人もいるかもしれない。
しかし実際には、刑事処分だけでなく行政処分も行われる可能性がある。
さらに、営業停止や店名報道によって売上が大きく減少し、店舗経営そのものが立ち行かなくなるケースも少なくない。
ここでは、風俗店が摘発された場合に下される2つの処分と経営への影響について解説する。
刑事処分
風営法違反や売春防止法違反などで摘発されると、経営者や店長、従業員など逮捕されることがほとんどだ。
その後、検察官により起訴されれば、裁判にて罰金刑や拘禁刑が科されることもある。
そして、有罪判決が確定した場合には前科が付くため、その後の事業活動や社会生活にまで影響が及ぶ。
特に2025年の風営法改正で、悪質な風俗営業に対する罰則が強化された。
たとえば、無許可営業の法定刑は、「5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金」へと大幅に引き上げられている。
また、法人に対する罰金も最大3億円まで引き上げられた。
さらに、性風俗店によるスカウトバックについても新たに禁止規定が設けられ、違反した場合は刑事処分の対象となる。
従来であれば問題なかった行為や比較的軽微な罰則であった行為も、現在は厳しく処罰され、また個人だけでなく法人にも大きな責任が及ぶ可能性がある。
行政処分
風俗店の摘発では、刑事処分とは別に行政処分が行われることも多い。
代表的な行政処分は以下のとおりである。
・指示処分
・営業停止処分
・許可取消処分
指示処分ならまだしも、営業停止処分が下されると、その期間はもちろん営業ができなくなるため売上は大きく減少する。
また、違反内容が悪質である場合や繰り返し違反している場合には、営業許可そのものが取り消され、風俗店を経営することができなくなる。
いちど営業停止や許可取消しを受けると、後述するよう経営の立て直しは容易ではない。
経営への影響
実際には、風俗店にとって最も大きな問題なのが、摘発後の経営への影響である。
摘発されると、ニュースサイトやSNSなどで店名が広く拡散されることが多い。
その結果、利用客離れや求人応募の減少が発生するのである。
また、キャストや従業員が将来への不安から退店・退職してしまうケースも少なくない。
さらに、グループ経営の場合は、一つの店舗の違反が原因で、系列店まで警察の捜査対象となることがある。
特に近年は、スカウトとの関係や採用ルートについてまで捜査が行われる傾向にあり、グループとしての関わりまで調べ上げられる。
そのため、一つの店舗で違法行為が確認されれば、系列店舗へ捜査が拡大する可能性が高いのだ。
以上のように、風俗店の摘発は、罰金や営業停止だけでなく、店舗のブランドや人材など事業継続そのものを揺るがす経営への重大なリスクとなっているのである。
風俗店が摘発されないためにできる7つの対策法
風俗店が摘発される最新事例が紹介したことで、「もしかしたら自分の店も摘発されるかもしれない」と不安に感じていないだろうか。
少しでも摘発されるリスクを低くするためには、現在の運営方法などを改めて見直して摘発対策をとるべきである。
ここでは、風俗店の経営者が今すぐに確認・実行できる対策法を解説していく。
風俗営業の届出確認書を営業所に備え付け、いつでも提示できるようにしておく
風俗店は、営業の届出確認書を営業所に備え付け、関係者から請求があったときには提示することが、風営法で義務づけられている。
それにもかかわらず、経営者が自宅や事務所に置きっぱなしにしていたり、営業所に備え付けていても、店長や従業員がその保管場所を知らなかったりすることが案外多い。
このような杜撰な対応は、摘発に対してリスクの高い状況である。
なぜなら、いきなり来ることもある警察官の立ち入りで、真っ先にチェックされる項目だからである。
そして、警察官に届出確認書を提示できない場合は、無届での営業を疑われるおそれもあり、他に違反がないかどうかの調査までされる可能性もある。
したがって、営業所で届出確認書をすぐに提示できる状態にあるかどうか、少しでも不安がある経営者は今すぐ確認すべきだ。
風営法に基づいた従業員名簿を作成・保管する
風営法の対象となる店舗では、従業員名簿(従業者名簿)の作成と保管が義務付けられている。
そして、実務上、従業員名簿は、その店が違法行為をしているかどうか判断するための材料として、警察が立ち入りなどの際に確認することが多いものである。
具体的には、以下の業種にあてはまる場合は、必ず適切な従業員名簿の作成・保管が必要になる。
| 営業別 | 代表的な業種別 |
|---|---|
| 風俗営業 | キャバクラ・ホストクラブ |
| 店舗型性風俗特殊営業 | ソープランド・箱ヘル・ストリップ・ラブホテル |
| 無店舗型性風俗特殊営業 | デリヘル |
| 店舗型電話異性紹介営業 | テレクラ |
| 無店舗型電話異性紹介営業 | ツーショットダイヤル・無店舗型テレクラ |
| 特定遊興飲食店営業 | ナイトクラブ |
| 深夜種類提供飲食店営業 | ガールズバー・ゲイバー・サパー |
この従業員名簿の記載対象となるのは、正社員だけではない。
キャスト、アルバイト、体験入店者、派遣スタッフ、他店からのヘルプなども含まれる。
そのため、短期間しか働かないキャストや従業員に対しても、しっかりと従業員名簿を作成して、保管しておかなければならない。
また、作成した従業員名簿は店舗ごとに保管義務があり、最低3年間は店舗内に備え付けておく必要がある。
なお、風営法に基づいた正しい従業員名簿の作成について、より具体的に知りたい方は以下のコラムを参考にしてほしい。
風営法の従業員名簿!今日から使える弁護士作成のテンプレート付き!
キャストや従業員の年齢確認を徹底する
風俗店は、18歳未満の未成年者をキャストや従業員として働かせてはいけない。
そして、風営法や児童福祉法違反の摘発を避けるためには、採用時において徹底した年齢確認が必要だ。
具体的には、風営法上で有効となる採用時の身分証明書は、本籍地の都道府県が記載されていなければいけない。
そのため、運転免許証やマイナンバーカードは、採用時の適切な身分証明書にはならないのだ。
したがって、キャストや従業員を働かせる際には、本籍地が記載されている以下の書類を身分証明書として提出してもらう必要がある。
・住民票
・パスポート
ただし、年齢確認を徹底するという趣旨からすれば、住民票だけの場合はその本人かどうかの判断が難しい。
そのため、運転免許証やマイナンバーカードなどの顔写真つきの身分証明書と合わせて確認するのが望ましいといえる。
店舗型風俗店の場合は営業時間を守る
風営法では、下の表のように業種によって「営業してはいけない時間帯」が決められている。
| 業種 | 営業禁止時間 |
|---|---|
| キャバクラ・ホストクラブ・ラウンジ | 深夜0時~午前6時(※1) |
| ソープランド・ストリップ・ファッションヘルス・受付所ありのホテヘル・デリヘル | 深夜0時~午前6時(※1) |
| デリヘル・ラブホテル | なし |
| スナック・ガールズバー・ゲイバー | なし(※2) |
※1 歌舞伎町など特定の繁華街では深夜1時まで営業可能
※2 ただし、風営法の「接待」をしない場合に限る
そして、時間外営業は以下のようなきっかけで発覚することが多い。
・警察が客を装い来店して発覚する
・近隣住人から苦情が入り発覚する
・利用客が営業時間外に店から退店している姿を目撃されて発覚する
・出禁になった利用客の腹いせなどで通報される
・SNSに客が利用時間がわかるような書き込みを行う
ついつい「こっそり営業していればバレない」と思いがちだ。
しかし、予想できないようなところから時間外営業がバレて摘発されるケースが多いので、営業時間はしっかりと守るべきである。
客引きやスカウト行為をしない
風俗店への客引きやスカウト行為は、風営法だけではなく迷惑防止条例・職業安定法などで違法とされているため行うべきではない。
もしも客引きやスカウト行為を行っている現場を警察に目撃されてしまうと、現行犯逮捕されてしまう可能性が高いからだ。
経営者の中には、「客引きをしているキャッチや、スカウトマンが逮捕されるだけで、店舗には責任はない」と考える方もいるだろう。
しかし、上記の事例で紹介したように、客引きの逮捕がきっかけで風俗店に摘発が入るケースもあるのだ。
風俗店側の摘発のリスク回避をするためにも、違法とされている客引きやスカウト行為は行わない運営方法に見直すべきだ。
なお、スカウトの違法性と職業安定法については、以下の記事も参照にしてほしい。
SNSでも違法!スカウトを縛る3つの法律と逮捕事例・逮捕後の流れ
本番行為禁止を徹底して周知する
いかなる場合も、風俗店でのキャストと利用客の本番行為は認められていない。
そのため、風俗店では、本番行為が禁止であることを従業員と利用客に徹底して周知する必要がある。
具体的には、以下のような方法で本番行為禁止を周知すべきだ。
- 業務委託契約書・誓約書に本番行為禁止条項を入れる
- 講習や業務マニュアルでも本番行為禁止を徹底指導する
- グループLINEなど店内の連絡網で定期的に本番行為禁止を周知する
- 客にHPや誓約書などで本番行為禁止を周知する
- ネットで本番行為を可能とする書き込みがあれば、削除や否定をする
- 自ら本番行為をしたキャストには厳しい処分をくだす
このように本番行為禁止を徹底して周知しておかなければ、警察による立ち入りや調査がされた際、本番行為を黙認している風俗店と疑われかねない。
売春防止法違反で摘発されないためには、「本番行為を禁止している」風俗店であることを従業員と利用客に強く伝え続ける必要があるのである。
利用客や従業員とのトラブルを起こさない
さまざまな対策法を紹介してきたが、忘れてはいけないのが利用客・従業員・キャストとトラブルを起こさないように心がけることだ。
なぜなら、小さなトラブルがきっかけで店舗に対する信頼感を失ってしまうからである。
そして、信頼を失ってしまうと、利用客・従業員・キャストが以下のような行動に出るリスクがある。
・キャストによる内部告発が発生する
・利用客が腹いせに警察に通報する
・元従業員が内部情報をSNSでリークする
その結果、風俗店に警察の調査が入り、摘発に至るケースも実際にあるのだ。
そこで、少しでもトラブルを回避するためにも、経営者は下記のような対応策を講じてみるのがおすすめだ。
・従業員やキャストの連絡には、なるべく早く返事をしサポートする
・利用客に不快感を与えない接客マニュアルを作成、共有する
・従業員やキャストの不満を減らすべく労働環境を整える
・利用客の口コミや投稿は定期的にチェックする
このような対応策を講じることにより、もし利用客・従業員・キャストが店に不満を感じていた場合でも、即座に対処できるようになり、大きなトラブルは回避できるようになるだろう。
風俗店で摘発されないためには顧問弁護士がおすすめ!
ここまで紹介してきたように、風俗店の摘発理由は多岐にわたる。
風営法や売春防止法、児童福祉法など複数の法律が関係するうえ、2025年の風営法改正によって新たな規制も追加された。
そのため、経営者自身が法律を調べながら対応するのはどうしても限界がある。
安心して経営するためには、摘発されてから弁護士を探すのではなく、普段から風俗業界に詳しい顧問弁護士と連携しておくことが重要である。
風営法などに違反していないか事前に相談し、判断できる
風俗店の経営では、「違法だと知らなかった」が通用しない。
実際の摘発事例でも、メンズエステが店舗型性風俗店と判断されたケースや、接待の認識違いによる無許可営業など、経営者が法律違反を認識していなかった事例は少なくない。
顧問弁護士がいれば、
・現在の営業方法に問題はないか
・新しいサービスを導入しても大丈夫か
・風営法改正への対応は必要か
といった法律に関わる疑問を事前に相談し、判断できる。
安心経営には、摘発されてから対応するよりも、平時から顧問弁護士とともに摘発されない仕組みを作る方がはるかに重要なのである。
摘発されても不起訴にできる可能性が高まる
どれだけ対策を行っていても、警察の一斉摘発や従業員による問題行為によって捜査対象になる可能性はゼロではない。
そして、摘発後の対応は時間との勝負である。
逮捕後は、短期間のうちに取調べや証拠収集が進み、その後の処分が決まっていく。
こうした状況下で、顧問弁護士がいれば、摘発直後から迅速に対応し、店舗側の事情や有利な証拠を早期に提出することができる。
また、不必要な供述や不利な証拠収集を防ぎながら、不起訴処分や早期釈放を目指した活動も可能になる。
摘発後に慌てて弁護士を探すのではなく、何かあったときにすぐに動いてもらえる顧問弁護士という体制を整えておくことが、店舗と事業を守ることにつながるのである。
風俗店の摘発はグラディアトル法律事務所にご相談を
ここまで解説してきたように、風俗店の摘発を防ぐためには、風営法だけでなく売春防止法や児童福祉法など幅広い法律への理解が必要である。
また、2025年の風営法改正により、スカウトバックの禁止など新たな規制も加わっている。
こうした複雑な法規制に対応するためには、風俗業界に詳しい弁護士のサポートが欠かせない。
グラディアトル法律事務所は、風俗業界の顧問業務や摘発対応を数多く取り扱ってきた。
ここでは、当事務所が風俗店経営者から選ばれている理由を紹介する。
警察やメディアが参考にするほどの専門知識がある弁護士が在籍!
風俗業界では、一般的な企業法務とは異なる独特のルールや実務が存在する。
そのため、風営法や売春防止法について十分な知識を持たない弁護士では、適切な判断が難しいケースも少なくない。
当事務所では、開設当初からデリヘル・ソープなどの風俗店やメンズエステ、ホストクラブ・キャバクラなどの相談・解決実績を積み重ねてきた。
実際に、警察やメディア関係者から、当事務所が発信する解説記事を参考にしているとの声をいただくこともある。
豊富な経験と専門知識を活かし、風俗店特有の問題にも適切に対応することが当事務所の弁護士なら可能である。
コンプライアンス講習の実施!
風俗店の摘発を防ぐためには、経営者だけでなく従業員やキャストへの教育も重要である。
グラディアトル法律事務所では、店舗向けのコンプライアンス講習を実施している。
具体的には、
・本番行為の禁止
・未成年者雇用のリスク
・客引きやスカウト行為の禁止
・風営法改正への対応
など、店舗運営に直結する内容をわかりやすく解説している。
また、講習の様子を動画として記録しておけば、店舗が法令遵守のための教育を行っていた証拠にもなる。
キャストや従業員への教育による摘発予防だけでなく、もしもの摘発の際のリスク管理にも役立つのである。
摘発された風俗店も不起訴にしてきた実績あり!
風俗店経営者の中には、「摘発されたら営業を続けられないのではないか」と不安を抱いている人も多いだろう。
しかし、摘発されたからといって必ず有罪になるわけではない。
捜査の初期段階から適切な対応を行うことで、不起訴処分を獲得できる可能性は十分にある。
グラディアトル事務所では、
・禁止区域営業で摘発された事案
・売春防止法違反の疑いをかけられた事案
・メンズエステの風営法違反
が問題となった事案など、さまざまな案件に対応し、不起訴処分を獲得してきた多くの実績がある。
当事務所は、風俗業界の実務を熟知しているからこそ、摘発後も迅速かつ適切な弁護活動を行うことができるのである。
風俗店の営業時間帯に起きたトラブルにも迅速に対応!
風俗店の摘発やトラブルは、深夜帯に発生することが少なくない。
実際に警察の立入りや摘発が行われるのも、店舗が営業している夜間の時間帯であることが多い。
そのため、いざという時にすぐ相談できる体制が重要になる。
グラディアトル法律事務所では、顧問契約を締結している店舗に対し、迅速な相談体制を整えている。
プランによっては、担当弁護士や担当者とのグループLINEを作成し、日常的な相談から緊急時の対応まで行うことも可能である。
風俗店のトラブルは初動対応が極めて重要である。
だからこそ、当事務所を顧問弁護士とするようにいつでも相談できる環境を整えておくことが、店舗を守る大きな安心につながるのである。
まとめ
風俗店の摘発は、本番行為だけでなく、禁止区域営業、時間外営業、未成年者雇用、客引き、スカウトバックなど、さまざまな理由で発生している。
特に2025年の風営法改正以降は、スカウトバック禁止や罰則の強化により、風俗店に求められるコンプライアンスはさらに厳しくなった。
そして、いちど摘発されると、刑事処分だけでなく営業停止や許可取消し、店名報道による信用低下など、経営に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
そのため、日頃から法令遵守を徹底し、自店の運営方法を定期的に見直すことが重要である。
最後に、風俗店の摘発リスクや風営法対応に少しでも不安がある場合は、風俗業界の法務に精通したグラディアトル法律事務所にご相談いただきたい。
