道路交通法違反の点数とは?仕組みや点数一覧、免許停止・取消し基準

道路交通法違反の点数とは?仕組みや点数一覧、免許停止・取消し基準
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弁護士 若林翔
2025年08月27日更新

「道路交通法違反を犯したとき違反点数は何点になる?」

「違反点数の累積で免許停止・取り消しになる基準を知りたい」

「道路交通法違反の累積点数を確認するにはどうしたらいい?」

運転中に交通違反をしてしまうと「点数が減る」と思っていませんか?

実は、道路交通法違反による点数制度は「減点」ではなく「加点式」で運用されています。違反をするたびに点数が加算されていき、一定の累積点数に達すると免許停止や取り消しといった行政処分の対象となるのです。

基本的には過去3年間の累積点数が加算されますが、違反点数の計算には例外もありますので、免許停止や取り消しになるかどうか正確に判断するためにも正確な知識を身につけておくことが大切です。

本記事では、

・道路交通法違反に対してどのように点数が加算されるのか
・免許停止・取り消しとなる基準
・累積点数のリセット条件や確認方法

などをわかりやすく解説します。

万が一の違反時に備えておきたい方はぜひ最後までご覧ください。

道路交通法違反と点数制度の基礎知識

道路交通法違反と点数制度の基礎知識

道路交通法違反に対する「点数制度」は、交通の安全を確保することを目的に設けられた制度です。違反や事故の状況に応じて点数が加算され、一定の基準に達すると免許停止や取り消しなどの行政処分が科されます。

点数制度の仕組みと目的

点数制度は、「基礎点数」と「付加点数」の2種類で構成されています。

・基礎点数:信号無視や速度超過などの違反行為に対して設定される点数
・付加点数:違反によって人身事故が発生した場合などに加算される点数

交通違反であれば違反行為ごとに定められた基礎点数が累積されますが、交通事故の場合には、違反行為の基礎点数と交通事故の付加点数を合算した点数が累積されます。

「減点」ではなく「加点」で処理される

点数制度は「減点方式」ではなく「加点方式」である点にも注意が必要です。「違反をすると点数が減る」と誤解されがちですが、正しくは「違反をすると点数が加算され、累積点数が増える」仕組みです。

したがって、無事故・無違反であれば点数は0点のままであり、違反をすればするほど点数が加算され、累積されていきます。

道路交通法違反となる主な行為ごとの違反点数一覧

道路交通法違反にはさまざまな行為がありますが、代表的な違反とその点数を以下の表にまとめました。

違反内容点数
信号無視2点
一時停止2点
携帯電話使用等(交通の危険あり)6点
携帯電話使用等(交通の危険なし)3点
速度超過(20km/h未満)1点
(20~25km/h未満)2点
(25~30km/h未満)3点
(30~50km/h未満)6点
(50km/h以上)12点
無免許運転25点
飲酒運転酒気帯び運転13点または25点(基準値により変動)
酒酔い運転35点
救護義務違反35点

上記は一例ですが、違反行為の種類や危険度に応じて加算される点数が異なります。重大な違反は一発で免許取消となる場合もあるため、特に注意が必要です。

道路交通法違反の違反点数と免許停止・取り消しの基準

違反点数が累積し、一定の点数に達した時点で免許停止や取り消しの行政処分が下されます。以下では、道路交通法違反の違反点数と免許停止・取り消しの基準を紹介します。

免許停止になる点数

免許停止処分の基準は、違反者の過去の「前歴」によって異なります。前歴とは、過去に行政処分(停止・取り消し)を受けた回数を意味します。

行政処分歴免許停止の基準点数停止期間
0回(前歴なし)6~14点30~90日
1回4~9点60~120日
2回2~4点90~150日
3回2~3点120~150日
4回以上2~3点150~180日

※点数が高くなるほど停止期間も長くなります。

免許取り消しになる点数

免許取り消しは、停止処分よりも重い処分で、運転免許自体が失効します。免許取り消しも停止と同様に過去の処分歴に応じて基準点数と欠格期間(免許の再取得ができない期間)が変わってきます。

行政処分歴免許取消の基準点数欠格期間
0回(前歴なし)15点以上3~4年
1回10点以上3~5年
2回5点以上3~5年
3回4点以上3~5年
4回以上4点以上3~5年

欠格期間中は新たに免許を取得することができません。特に、酒酔い運転やひき逃げなどの重大違反は、1回の違反で35点が加算され、即座に免許取消処分の対象となります。

道路交通法違反の累積点数の計算方法

違反点数は過去の違反歴に基づいて「累積」されていきます。累積点数は、次のルールで計算されます。

・原則として、過去3年間の違反点数が累積対象となる
3年以上前の違反点数は計算対象外となる
・免許停止や違反者講習等で「リセット」されるケースもある(後述)

たとえば、2年前に2点6か月前に2点の違反があった場合、現在の累積点数は4点となります。さらにここで新たに2点の違反が発生すれば累積は6点となり、免許停止の対象となります。

そのため、自分の違反がいつのもので、現在の点数が何点なのかを正確に把握しておくことが重要です。

道路交通法違反の累積点数がリセットされる5つのケース

道路交通法違反の累積点数がリセットされる5つのケース

道路交通法違反によって加算された点数は、永久に残るわけではありません。一定の条件を満たすことで、累積された点数が「0点」にリセットされる仕組みが設けられています。以下では、代表的なリセット条件を5つ紹介します。

1年間無事故・無違反の場合

最後の違反日から1年間、無事故かつ無違反で経過すると、累積点数は自動的に0点に戻ります。これはもっとも一般的なリセット条件であり、点数を消すにはまず1年間違反をしないことが基本といえます。

2年間無事故・無違反で軽微な違反をし、その後3か月間無事故・無違反の場合

2年間の無事故・無違反歴がある人が、1点程度の軽微な違反をしてしまったとしても、その後3か月間無事故・無違反で過ごせば、累積点数はリセットされます。

軽微なミスをリカバリーできる柔軟な制度といえます。

免許停止処分を受けた場合

一定の点数に達して免許停止処分を受けた場合、処分後は点数が0点にリセットされます。

ただし、処分歴(前歴)は1回として記録されるため、以降の処分基準は厳格になります。

免許停止処分満了後、1年以上無事故・無違反の場合

免許停止処分を受けた人でも、処分が終了してから1年間無事故・無違反であれば、処分歴(前歴)そのものが「なし」として扱われるようになります。

これにより、今後の処分基準が軽くなります。

違反者講習を受講した場合

違反者講習とは、軽微な交通違反(3点以下の違反)を繰り返し、累積点数が6点になった人を対象に、免許停止処分を回避するために行われる講習です。この講習を修了すると点数がリセットされ、免許停止を回避することができます。

道路交通法違反の累積点数を確認する方法

自身の現在の違反点数や過去の交通違反歴を正確に把握するには、「自動車安全運転センター」が発行する証明書を取得するのが確実です。累積点数を確認できる証明書としては、主に以下の2種類があります。

・運転記録証明書:過去5年間の交通違反歴、事故歴、行政処分歴などが網羅されており、違反の全体像を確認するのに適しています。
・累積点数等証明書:現在の累積点数と行政処分歴(前歴)が記載されており、免許停止や取消しのリスク管理に役立ちます。

申請は、自動車安全運転センターの窓口での直接申請またはゆうちょ銀行・郵便局での郵便振替による申し込みが可能です。定期的に確認しておくことで、不意の処分を回避できるでしょう。

道路交通法違反で点数を加算されたとき弁護士に相談すべきケース

道路交通法違反で点数を加算されたとき弁護士に相談すべきケース

交通違反によって点数を加算された場合でも、違反の内容や事情によっては、弁護士に相談することで行政処分の軽減や取消しまたは無罪の主張などが可能となる場合があります。以下では、弁護士への相談が有効とされる代表的なケースを紹介します。

道路交通法違反を否認したいケース

実際には信号を守っていたのに「信号無視」とされた、一時停止をしたにもかかわらず「一時不停止」と判断されたなど自分に違反の認識がない場合には、警察の判断に誤りがある可能性も考えられます。

このようなケースでは、客観的な証拠(ドライブレコーダーの映像、防犯カメラ、目撃者証言など)をもとに弁護士を通じて異議申し立てを行うことで、違反処理を取り消せる可能性があります。

免許停止や取り消しを回避したいケース

違反点数が累積して免許停止や取り消しの対象になっている場合、処分が確定する前に弁護士が介入することで、処分を回避・軽減できる可能性があります。

たとえば、違反の内容に争いがある場合は、異議申立てができるほか、事実関係に争いがなくても情状を主張して処分の緩和を求めることも可能です。

免許を失うことで仕事や生活に重大な支障が生じる場合には、積極的に弁護士に相談すべきでしょう。

刑事事件化する可能性があるケース

飲酒運転、無免許運転、ひき逃げなどの重大な交通違反は、行政処分にとどまらず、刑事事件として立件されるおそれがあります。こうしたケースでは、早期に弁護士が介入することで、警察の取調べへの対応、被害者との示談交渉、裁判での弁護活動などを通じて、不起訴や執行猶予の獲得など有利な結果を得られる可能性が高まります。

少しでも有利な処分を獲得したいなら早めに相談することが重要です。

道路交通法違反を犯して不安なときはグラディアトル法律事務所まで相談を

道路交通法違反を犯して不安なときはグラディアトル法律事務所まで相談を

交通違反の点数制度は一見シンプルに見えても、実際には基礎点数と付加点数の区別、累積点数の計算、行政処分歴の影響、リセット条件など、複雑なルールが多く存在します。軽微な違反でも累積により免許停止・取り消しとなる可能性があるため、油断は禁物です。

さらに、違反内容によっては刑事事件として扱われるケースもあり、早期の対応を怠ると取り返しのつかない結果になることもあります。免許を失えば仕事や家庭生活に重大な影響が及ぶこともあるでしょう。

グラディアトル法律事務所では、交通違反・道路交通法に関する知見と対応実績を豊富に有する弁護士が、違反者の立場に立って親身にサポートいたします。冤罪の可能性がある方、行政処分を回避したい方、交通事故や違反で不安を抱えている方は、早めのご相談をおすすめします。初回相談も可能ですので、少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。

まとめ

道路交通法違反による点数制度は、違反のたびに点数が加算され、累積点数によって免許停止・取り消しの処分が決定されます。違反を繰り返すと処分基準は厳しくなり、免許を失うリスクも高まります。

しかし、条件を満たせば点数をリセットすることも可能です。まずは自身の点数を正しく把握し、万が一の場合には早めに弁護士へ相談することが重要です。

交通違反や事故により刑事事件化する可能性があるときは、グラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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