「家族が逮捕された。いつ釈放される?」
「勾留を阻止するには何をすればいい?今からでも間に合う?」
突然の逮捕により、こうした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
逮捕による身柄拘束が長期化すれば、仕事を失ったり、学校を退学になったりと、取り返しのつかない事態になるため、焦ってしまうのは当然のことです。
ただ、「逮捕=長期拘束が確定」ではありません。
逮捕直後から起訴後まで、勾留を阻止したり釈放したりできるタイミングがいくつもあります。それぞれの段階で適切な弁護活動を行えば、早期釈放されるケースも珍しくはありません。
この記事では、逮捕後の勾留を阻止して早期釈放を実現するために、以下の点を詳しく解説します。
・ 逮捕後のタイミング別に弁護士ができる6つの対応
・ 家族として今すぐすべき3つのこと
・ 勾留を阻止するための弁護士の選び方
ぜひ最後までお読みいただき、大切なご家族の早期釈放を実現してください。
目次
そもそも勾留とは
勾留とは、逮捕された被疑者の身柄を、捜査のために長期間にわたって拘束する手続きのことです。よく、「逮捕」と混同されますが、逮捕と勾留はまったく異なるものです。
勾留と逮捕の違い
逮捕と勾留は、どちらも人の身体を拘束する手続ですが、身柄拘束の期間とタイミングが異なります。
まず、「逮捕」は、捜査の初期段階で行われる、最大72時間の短期的な身柄拘束です。
警察官が自宅に来て手錠をかけられる、あるいは事件の現場で現行犯として捕まったりする、といった場面でイメージされるのが、まさに逮捕にあたります。
一方、「勾留」は、逮捕に引き続いて行われる、最大20日間の長期的な身柄拘束を指します。日本の刑事訴訟法では「逮捕前置主義」という考え方が採用されているため、逮捕の手続きを経ずに、いきなり勾留されることはありません。
簡単にいえば、まず短期的な身柄拘束である「逮捕」が行われ、さらに捜査を続ける必要があると判断された場合にのみ、「勾留」によって身柄拘束が延長される、というのが「逮捕」と「勾留」の関係です。
勾留が認められる要件
勾留は、逮捕後必ず認められるものではなく、以下のような勾留要件を満たした場合にのみ、検察官が請求して、裁判官によって許可されます。
■勾留要件
① 勾留請求の手続きが適法であること
② 勾留する理由があること
③ 勾留の必要性があること
検察官が捜査の段階でこれらの要件を満たさないと判断すれば、そもそも勾留請求は行われないため、勾留を阻止できます。
また、検察官が勾留請求をしたとしても、最終的に裁判官が要件を満たさないと判断すれば、その請求は却下されるため、勾留されることはありません。
勾留阻止のために家族がするべきこと
では、勾留を阻止するために家族は何をするべきのか、2章では家族が今すぐできることを説明していきます。
国選弁護人ではなく、私選弁護人に依頼する
まず大切なのが、刑事事件に強い私選弁護人を探して依頼することです。
刑事事件では、国が費用を負担する「国選弁護人」と、ご自身で依頼する「私選弁護人」の2種類がありますが、勾留阻止に向けた弁護活動は、原則として私選弁護人にしかできないからです。
逮捕後の流れと弁護人の選任についてまとめた以下の図をご覧ください。

国選弁護人は、資力などの要件を満たせば費用をかけずに依頼できますが、選任されるのは勾留が決定した後です。つまり、逮捕後72時間の、勾留そのものを阻止できるタイミングには間に合いません。
そのため、国選弁護人の弁護活動は、すでに勾留が決まっていることを前提に、そこから不起訴処分や早期の身柄解放を目指すというのが中心となります。
一方、私選弁護人なら、逮捕直後から速やかに弁護活動を開始できます。
検察官や裁判官へ意見書を提出したり、直接面談を申し入れたりするなど、あらゆる方法で勾留阻止に向けて働きかけていくことが可能です。
身元引受人になる
ご家族が、「身元引受人」になることも勾留阻止につながる行動です。
身元引受人とは、本人が釈放された後、その生活を監督し、逃亡や証拠隠滅をさせないために監督する人のことです。弁護士が作成した「身元引受書」にご家族が署名・捺印し、それを裁判官に提出すれば、「逃亡のおそれがない」ことを示す有力な材料になります。
しっかりとした監督者の存在を示せれば、検察官や裁判官が「逃亡のおそれがない」と評価する可能性が高まります。勾留判断についても、良い影響が期待できるでしょう。
弁護士を通じて被害者と示談をする
被害者がいる事件の場合は、弁護士を通じて示談交渉を始めることも必要です。
被害者との示談が成立すれば、勾留の理由である「証拠隠滅のおそれ」がないことを示す有力な材料となるからです。
■示談が勾留阻止に効果的な理由
・ 示談によって、被害者の口止めや働きかけ等の証拠隠滅リスクが下がる
・ 示談成立が、被告人が責任を認め、被害回復に努めている証拠となるので、逃亡のおそれが低いと評価される
・ 被害者の処罰感情が和らぐことで、社会的非難の程度が低下し、身柄拘束の必要性が弱まる など
さらに、宥恕(ゆうじょ)文言付きの示談書や、寛大な処分を求める嘆願書などを得ることができれば、勾留判断だけでなく、起訴・不起訴の判断や量刑を軽くするためにも非常に有利に働きます。
【タイミング別】勾留阻止・早期釈放に向けて弁護士ができる6つのこと
ここからは、逮捕後を6つのタイミングに分けて、勾留阻止のためにできること法的手続きを、時系列に沿って見ていきます。

①【逮捕〜勾留請求まで】検察官の「勾留請求」を防いで勾留阻止する
逮捕直後のタイミングでは、まず勾留請求そのものを防ぐために、検察官に対して働きかけていきます。
たとえば、弁護士から検察官に意見書を提出する、あるいは面談を申し入れるなどの方法が考えられるでしょう。客観的な資料を収集しつつ、勾留請求をしないように粘り強く説得していきます。
検察官に、「身柄を拘束しなくても捜査は可能だ」と判断してもらうことができれば、勾留請求されることなく72時間以内に釈放されます。
②【勾留請求〜勾留決定まで】裁判官に「勾留請求却下」を促して勾留阻止する
検察官により勾留請求されてしまった場合、次に働きかける相手は裁判官です。
弁護士から裁判官に意見書を提出したり、あるいは面談を申し入れたりして、勾留の理由や必要性がないことを主張していきます。特に、被疑者の状況、家族による監督体制、勾留が仕事や学校へ与える影響など、勾留の必要性については強く訴えかけていきます。
弁護人から面談を申し入れた場合、基本的には、勾留請求がされた翌日の午前中までに弁護人と裁判官との面談が実施されます。
その後、被疑者本人に対して勾留質問が実施されて、「勾留決定・勾留請求却下」が決まるケースが多いです。
勾留請求後、裁判官による勾留請求却下については、以下の記事で詳しく解説したので、あわせてご確認ください。
③【勾留決定後】準抗告によって勾留を取消・変更する
もし勾留が決定された場合、次に検討するのが「準抗告」です。
準抗告とは、勾留を決定した裁判官の判断が違法または不当ではないかを、別の裁判官に改めて審査してもらう不服申立手続です。
一度下された裁判官の勾留決定を覆すだけの相応の理由が必要ですが、絶対に認められないというものでもありません。準抗告が認められれば、勾留決定が取消、または変更されて身柄が解放されます。
当事務所でも、勾留決定に対する準抗告が認められたケースはいくつもあります。
関連コラム:
【盗撮で逮捕】準抗告が認められ早期の釈放を実現できた事例
④【準抗告棄却時】勾留取消請求によって勾留を取り消す
勾留に対する準抗告が認められなかった場合は、「勾留取消請求」を検討します。
これは、準抗告とは異なり、勾留の決定後、勾留判断の基礎となった事情に変化があったとして、勾留の取り消しを求めるものです。
たとえば、勾留決定後に被害者と示談できた場合などは、「示談成立」を新たな事情として、勾留取消を請求していきます。
勾留後の変化によって、証拠隠滅のおそれがなくなった(勾留の理由が消滅した)と判断されれば、勾留が取り消されて釈放される可能性があります。
⑤【勾留〜10日】勾留延長請求を阻止する
勾留期間は原則10日間と定められています。ただ、実務上は69.6%の事件で勾留延長請求がされており、そのうち99.8%で勾留延長が許可されています(出典:日本弁護士会連合会「統計から見える日本の刑事司法」)。
そのため、「勾留が10日間で終わるケースは少ない」という前提のもと、身柄拘束を10日で終わらせるべく、この勾留延長を阻止するための弁護活動も行っていく必要があります。
検察官や裁判官に対し、「捜査は尽くされており、これ以上身柄を拘束する必要性はない」といった内容の意見書を提出し、安易な延長を認めないよう働きかけてきます。
⑥【起訴後(被告人勾留)】保釈を請求をする
勾留期間が満了し、検察官が起訴(刑事裁判にかけること)を決定すると、ご家族の立場は「被疑者」から「被告人」に変わります。そして、この起訴後の段階になると、身柄解放のために「保釈」を請求することが可能になります。
保釈とは、裁判所が定めた保釈保証金(一般的な事件で150万円〜300万円程度が目安)を納付することを条件に、裁判が終わるまで一時的に身柄を解放してもらう制度です。この保釈金は、裁判終了後に返還されます。
弁護士が裁判所に保釈を請求し、裁判官がこれを許可すれば、被告人は裁判に出廷する義務は負いますが、自宅から会社や学校に通うといった日常生活を取り戻すことができます。
勾留を阻止するための弁護士の選び方
ここまで、勾留を阻止するためにできる6つのことを紹介した上で、その活動は私選弁護人にしかできないことをお伝えしました。
4章ではさらに一歩踏み込んで、具体的にどのような弁護士を選ぶべきなのか、3つのポイントを解説します。

スピード感を持って対応してくれる弁護士を選ぶ
弁護士を選ぶ上で、まず大切なのがスピード感です。
これまでお伝えした通り、逮捕から勾留が決定するまでは、わずか72時間しかありません。この限られた時間の中で、被疑者本人と接見(面会)して弁護方針を立て、さらには検察官や裁判官への働きかけも行う必要があるのです。同時に、身元引受人の手配や被害者との示談交渉なども進めなくてはなりません。
時間が経つほどできることは限られてくるので、スピード感をもって対応できる弁護士でなければ、効果的な弁護活動は期待できません。
HPに「スピード対応」などの記載があるか、そして実際に相談して、応答速度が早いかなどをチェックしましょう。
逮捕後に相談するなら、「今日中に接見に行ってもらえますか?」と直接聞いてみるのもよいでしょう。この質問に対し、明確な返答をためらうようであれば、依頼は見送るべきかもしれません。
刑事事件の解決実績が豊富な弁護士を選ぶ
医師に内科や外科といった専門分野があるように、弁護士にもそれぞれ得意な分野があります。勾留阻止に向けた刑事弁護を依頼するなら、離婚や相続ではなく、刑事事件を専門的に扱っている弁護士を選ぶ必要があります。
民事事件や家事事件ではなく、「刑事事件の実績」が豊富にあるか、そして勾留を阻止した経験や、準抗告などで勾留後の早期釈放に成功した経験もあるかを確認しましょう。
弁護士事務所によっては、こうした実績をHPに「解決事例」として掲載しています。具体的な解決事例を読み、依頼を検討している弁護士が信頼できそうかをチェックしましょう。
24時間・365日対応してくれる弁護士を選ぶ
最後に、24時間・365日対応してくれる弁護士を選ぶことも重要です。
刑事事件の逮捕は、深夜や休日を含め、曜日や時間を問わず行われます。そのような時に「土日だから受付できない」「深夜だから対応できない」では、取り返しのつかない事態になりかねません。
たとえば、金曜日の夜に逮捕された場合、月曜日の朝に接見(面会)に行ったのでは、72時間のうちの大部分を既に経過しています。その時点からでは、いくら実力のある弁護士でも、できることは大幅に限られてしまいます。
これを防ぐためにも、刑事事件の弁護を依頼するときは、必ず24時間・365日相談を受け付けできる体制が整っているかを確認しましょう。
勾留阻止に向けた弁護活動はグラディアトル法律事務所へご相談ください。
ご家族が逮捕されてしまい、これから勾留されてしまうのではないかと不安な方は、ぜひグラディアトル法律事務所にご相談ください。
本記事で解説したとおり、勾留を阻止するためには、逮捕後の72時間という限られた時間の中で、検察官や裁判官に勾留の必要性がないことを的確に主張しなければなりません。
時間の経過とともに取るべき手段も刻々と変化していくため、刑事弁護に関する深い知識とスピード感のある対応が不可欠です。
グラディアトル法律事務所は刑事事件を専門的に取り扱っており、勾留そのものを阻止したケースや、勾留決定後の準抗告による早期の身柄解放など、豊富な解決実績を有しています。
当事務所では、最短で即日、夜間や土日祝日もご相談の受付を行っております。
「家族が逮捕されたが、どうすればいいか分からない」「少しでも早く釈放してほしい」「家族として何ができるか知りたい」など、どんなご相談でも構いません。
スピード感をもってご対応させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
最後に、本記事のポイントをまとめます。
【タイミング別】勾留阻止・早期釈放に向けた弁護活動
① 逮捕~72時間
→検察官による勾留請求を防ぐ
② 勾留決定まで
→裁判官の勾留請求却下に向けて働きかける
③ 勾留決定後
→準抗告で勾留決定の取り消しを求める
④ 準抗告棄却後
→勾留取消請求を行う
⑤ 10日間経過後
→勾留延長を阻止する
⑥ 起訴後
→保釈を請求する
◉勾留を阻止するために、ご家族がするべき3つのこと
・ すぐに私選弁護人に依頼する
(※国選弁護人では勾留阻止に間に合わない)
・ 身元引受人になる
・ 弁護士を通じて被害者との示談を進める
◉弁護士選びの3つのポイント
・スピード感:即日接見など、迅速に対応できるか
・解決実績:刑事事件の解決実績が豊富か
・対応体制:24時間・365日いつでも相談できるか
以上です。
ご家族が逮捕されてお困りの方は、ぜひグラディアトル法律事務所にご相談ください。
グラディアトル法律事務所の弁護士は数多くの刑事事件を取り扱っており、豊富なノウハウと実績を有しています。
それぞれの弁護士が得意分野をもっておりますので、各事件の特性に応じた充実した刑事弁護をご提供いたします。
