駐車場で当て逃げした場合の対処法|問われる罪や違反点数も解説

駐車場で当て逃げした場合の対処法|問われる罪や違反点数も解説
弁護士 若林翔
2026年01月28日更新

「駐車場で当て逃げしてしまった…今やるべきことは何なのか」

「当て逃げがバレるとどんな罪に問われるのだろう」

駐車場での事故は被害が小さいケースも多く、悪いとは思っていながら、その場を去ってしまう人も少なくありません。

しかし、当て逃げは道路交通法に違反する犯罪行為です。

当て逃げしたことがばれた場合は、刑事罰に処されたり、免停になったりする可能性があります。

そのため、少しでも今後の処分を軽くしたいのであれば、一刻も早く弁護士に相談し、しかるべき対応をとることが重要です。

本記事では、駐車場で当て逃げした際の対処法や問われる責任、検挙される可能性などを解説します。

今後の動向に不安を感じている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

駐車場で当て逃げしてしまったときの対処法

まずは、駐車場で当て逃げしてしまったときの対処法を解説します。

駐車場で当て逃げしてしまったときの対処法

事故後の対応次第で責任の重さが大きく変わってくることを念頭に置き、迅速な行動を心がけましょう。

事故から間もない場合は現場に戻る

駐車場で当て逃げしてから時間が経っていない場合は、できるだけ早く現場に戻りましょう。

すぐに戻れば被害車両の持ち主に出会える可能性があります。

そして、その場で謝罪し、示談交渉を進めることができれば、事件を防げるかもしれません。

また、当て逃げの事実は変えられませんが、急いで現場に戻るという行為が反省の表れとして捉えられ、不起訴の獲得や減刑につながることもあります。

反対に、逃げる時間が長くなればなるほど、自分自身の立場が悪くなってしまう点に注意してください。

警察に通報する

駐車場で当て逃げをしてしまった場合は、速やかに早く警察に通報することも重要です。

事故からしばらく経過していたとしても、警察への報告義務がなくなるわけではありません。

警察に通報しないまま放置していると、悪質性が高いと判断され、厳しい処分を受ける可能性があります。

一方、当て逃げがバレる前に自ら通報しておけば、誠実な対応として高く評価されることがあります。

通報後、警察が駆けつけた際には事故の状況を報告するとともに、その場を去ってしまった理由も丁寧に説明しましょう。

加入している任意保険会社に連絡する

駐車場で当て逃げしてしまった場合、加入している任意保険会社にも連絡しておきましょう。

被害者への損害賠償は対物賠償責任保険で対応できますが、保険会社への連絡が遅れると、保険適用に支障が生じる可能性があります。

また、早い段階で保険会社に連絡していれば、示談交渉のサポートを受けることも可能です。

被害者側に過失がない当て逃げの場合は、被害者本人と示談を進める必要があるので、加害者側の精神的な負担も大きくなります。

示談交渉を保険会社に一任できることは、大きなメリットに感じられるはずです。

被害者に示談を申し込む|示談金相場は数万円~100万円程度

被害者がわかっている場合は、示談を申し込むことが大切です。

警察が認知する前に、示談を成立させることができれば、事件化を防げる可能性があります。

すでに事件化している場合でも、示談を成立させ、被害者から許しを得ていることをアピールできれば、不起訴処分や減刑の獲得につながります

示談金は損害の程度にもよりますが、数万円から100万円程度となるケースが一般的です。

ただし、当事者間で直接交渉すると、感情的な対立が生じたり、足元を見られて高額な損害賠償金を請求されたりするおそれがあります。

余計なトラブルを防ぐためにも、示談交渉は保険会社や弁護士に依頼するのが賢明な判断といえるでしょう。

駐車場で当て逃げした場合に問われる責任

駐車場で当て逃げした場合は、刑事責任・行政責任・民事責任に問われる可能性があります。

駐車場で当て逃げした場合に問われる責任

具体的にどのような不利益を受けることになるのか詳しくみていきましょう。

刑事責任|拘禁刑または罰金刑

駐車場で当て逃げをしてしまった場合、刑事責任として拘禁刑または罰金刑に処されるおそれがあります。

当て逃げで成立する「報告義務違反」や「危険防止措置義務違反」は、刑罰が規定されている犯罪行為だからです。

 要件刑罰
報告義務違反事故後速やかに警察に連絡しなかった場合3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金
危険防止措置義務違反事故現場周辺の危険を取り除くために必要な措置を怠った場合1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金

なお、2つの罪が同時に生じた場合は重いほうの刑罰が適用されるため、危険防止措置義務違反の「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」の範囲内で、最終的な量刑が言い渡されます

ただし、初犯でいきなり拘禁刑になることは考えられません。

損害が軽微な事故であれば、不起訴処分になったり、略式起訴による罰金刑になったりするケースが一般的です。

行政責任|違反点数7点加算・免許停止処分

駐車場で当て逃げした場合、行政責任として違反点数が合計7点加算され、免許停止処分を受けることになります。

当て逃げは、違反点数の加算対象となる「危険防止措置義務違反(2点)」と「安全運転義務違反(5点)」に該当する行為だからです。

 要件適用例
安全運転義務違反(2点)適切な運転操作や状況判断を怠り、他人に危害を及ぼすような運転をした場合速度超過・わき見運転・誤操作・安全不確認など
危険防止措置義務違反(5点)事故現場周辺の危険を取り除くために必要な措置を怠った場合事故後に現場から離れて、危険表示や道路整理をせず立ち去る行為

免停基準は、前歴なしの場合で違反点数6点です。

7点が加算されると、その時点で30日間の免許停止処分が確定します。

また、違反歴や累積違反点数によっては、免停期間が長くなる可能性もあります。

【前歴の有無・累積違反点数に応じた免許停止期間】

過去3年以内の運転免許停止等の処分回数停止期間
30日60日90日120日150日180日
なし6点〜8点9点〜11点12点〜14点
1回4点〜5点6点〜7点8点〜9点
2回2点3点4点
3回2点3点
4回以上2点3点

(参照:行政処分基準点数|警視庁

民事責任|当て逃げで生じた損害の賠償

駐車場で当て逃げをした場合、民事責任として損害賠償責任を負うことになります。

つまり、当て逃げによる車両の修理費用や代車費用などを支払わなければなりません

具体的には、以下の費用が損害賠償の対象です。

  • ・車両の修理費用
  • ・代車費用
  • ・レッカー費用
  • ・車両の評価損
  • ・休車損害
  • ・積荷や車内物品の損害
  • ・壁や塀などの修理費用

また、示談を成立させるためには、損害賠償金の支払いが必須です。

不当に高額な金額を請求されない限り、損害賠償請求には素直に応じることをおすすめします。

損害賠償金の支払いを拒否し続けていると、被害者から裁判を起こされる可能性もあるので注意してください。

駐車場での当て逃げは後日捕まる可能性も十分ある

駐車場で当て逃げした場合、一時的に逃げることができても、後日捕まる可能性は十分にあります。

防犯カメラやドライブレコーダーの映像、目撃者の証言などがあれば、警察の捜査によって加害者が特定されてしまうからです。

また、当て逃げしたあとに身を隠そうとしたり、証拠隠滅を図ったりした場合などは、逮捕されるおそれもあります。

当て逃げの時効は3年で成立しますが、いつばれるのかと怯えながら長期間過ごすのは賢い選択とはいえません

当て逃げの時効

弁護士にも相談したうえで、自ら解決していく姿勢を持つことが大切です。

当て逃げに気づかなかった場合は罪に問われない?

当て逃げに一切気づかなかったのであれば、刑事罰を回避できる可能性はあります。

しかし、事故の自覚がなかったと主張しても、それが認められるかどうかは別問題です。

基本的には、「そもそも注意義務を尽くしていれば、事故に気づけたはずだ」と判断されてしまいます。

実際、物損事故では衝撃を感じたり、音が聞こえたりするケースが多いので、まったく知らなかったことを証明するのは基本的に難しいといえるでしょう。

ただし、刑事責任の重さは、当て逃げ後の対応次第で大きく変わるものです。

被害が軽微で示談も成立しているようなケースでは、不起訴処分を獲得し、刑罰を回避できる可能性が残されています。

駐車場での当て逃げに関してよくある質問

最後に、駐車場での当て逃げに関してよくある質問に回答します。

駐車場での当て逃げに関してよくある質問

そもそも駐車場での事故も当て逃げになる?

駐車場での物損事故も当て逃げに該当します。

駐車場といえども、車両が自由に行き来できる場所である以上は道路交通法の適用対象です。

駐車場内でほかの車や店舗の備品にぶつかり、そのまま立ち去ると当て逃げにあたります。

駐車場での当て逃げは器物損害罪に該当する?

駐車場での当て逃げが刑法上の器物損壊罪に該当することは、基本的にありません

器物損壊罪は他人の物を「故意」に損壊した場合に成立する犯罪です。

当て逃げ事故の多くは「過失」によるものなので、器物損壊罪の要件を満たしません。

仮に、被害者への嫌がらせ目的で、わざと車をぶつけた場合は器物損壊罪に該当する可能性があります。

被害届が出ていないのに警察は捜査する?

被害届が出ていなくても、警察が捜査を開始する可能性はあります

被害届は、警察が捜査を始めるきっかけのひとつにすぎません。

目撃者の通報などによって警察が事件を認知すれば、捜査が始まり、加害者の特定に至ることもあります。

当て逃げがばれる日数は?

当て逃げがばれるまでの日数は、一般的に数日から数週間以内が多いといえます。

しかし、防犯カメラやドライブレコーダーの映像、目撃者の証言が得られるタイミングなどによって発覚時期は変わってきます。

場合によっては、数カ月以上経過したあとに、警察から連絡がくることもあります。

公訴時効が成立するまでの3年間は、いつ警察にバレてもおかしくない状況にあるのです。

駐車場で当て逃げしてしまったときはグラディアトル法律事務所に相談を!

本記事のポイントは以下のとおりです。

  • ・当て逃げは駐車場内の事故でも成立する
  • ・当て逃げは刑事責任(拘禁刑や罰金刑)、行政責任(違反点数加算・免停)、民事責任(損害賠償責任)を問われる
  • ・当て逃げしたときは警察や任意保険会社に連絡し、被害者との示談交渉を進めることが重要
  • ・当て逃げは一時的に逃げることができても、後日捕まる可能性が高い犯罪

駐車場は他車や設置物との距離が近くなりやすいので、物損事故が起きるケースも少なくありません。

そして、「このくらいならバレないだろう」「捕まるわけにはいかない」などと、安易な考えでその場から立ち去ってしまうと、当て逃げの罪に問われます。

しかし、事故後の対応次第で、刑事罰を軽くすることは可能です。

そのまま放置するのではなく、今すぐにでも弁護士に相談し、今後の対応方針についてアドバイスを受けるようにしましょう。

グラディアトル法律事務所では、経験豊富な弁護士が24時間365日体制で相談を受け付けています

初回相談は無料、LINEでの相談にも対応しているので、まずはお気軽にご相談ください。

個々の状況を踏まえて、最善と考えられる対応策を提案・実行させていただきます。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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