「少年審判が開かれることになったが、弁護士をつけた方がいいの?」
「少年審判で弁護士はどのようなサポートをしてくれる?」
「少年審判に強い弁護士の選び方を知りたい」
お子さまが警察に補導されたり、逮捕・勾留されて少年事件として扱われることになると、ご家族にとっては大きな不安や戸惑いが生じるものです。刑事事件と異なり、少年事件は、「処罰」ではなく「保護」を目的として家庭裁判所で少年審判が行われます。しかし、審判の結果によっては、少年院送致や保護観察といった重大な処分が下され、将来の進学や就職に大きな影響を及ぼす可能性があります。
「少年事件だから弁護士をつける必要はない」と考える方もいますが、実際には弁護士が関与するかどうかが処分の内容や早期の社会復帰に直結します。弁護士は、取り調べに対する適切なアドバイスを行い、不当な観護措置を防ぎ、被害者との示談をサポートするなど、多方面で重要な役割を果たします。さらに、学校や家庭での生活環境を整えることを通じて「更生の意思」を裁判所に示すことで、不利な処分を回避できる可能性も高まります。
本記事では、
| ・少年審判において弁護士をつけるべき理由 ・少年審判で弁護士を依頼するメリット ・信頼できる弁護士の選び方  | 
などについて詳しく解説します。
ご家族が少年事件に巻き込まれてしまったときに、適切な一歩を踏み出すための参考にしてください。
目次
法律上必須とされていないものの少年審判では弁護士の関与が重要
少年審判では、弁護士を必ずつけなければならないと法律で定められているわけではありません。そのため、「未成年だから大ごとにはならないのでは」「弁護士を依頼しなくてもよいのでは」と考える保護者も少なくありません。
しかし実際には、弁護士が関与するかどうかで処分の内容が大きく変わることがあります。取り調べにおける不適切な供述を防ぐことや、観護措置の回避・早期の社会復帰の実現、さらには被害者との示談交渉のサポートなど、弁護士は多方面で少年とその家族を支える役割を担います。
つまり、少年審判では弁護士が法律上必須ではないものの、子どもに生じる不利益を回避し、有利な処分を獲得するためには極めて重要な役割を果たす存在だといえます。
少年審判で弁護士をつけるメリット

少年審判で弁護士をつけることは法律上の義務ではありませんが、実際には弁護士が関与するかどうかで処分の重さや社会復帰の早さに大きな差が生じることがあります。以下では、弁護士を依頼することで得られる主なメリットを紹介します。
取り調べに対するアドバイスができる
警察や検察の取り調べでは、少年が精神的に追い詰められ、事実と異なる供述をしてしまうことがあります。一度不利な供述をすると、その後の審判で不利に扱われる可能性が高まります。
弁護士は、取り調べに先立ち、供述の際に気を付けるべき点を具体的に助言し、不利な供述をしないようサポートします。
勾留請求や観護措置を阻止して早期釈放を実現できる
少年事件では、身柄が少年鑑別所に送られる「観護措置」が取られることがあります。観護措置は、最長で4週間続く可能性があり、学業や日常生活に大きな支障を及ぼします。
弁護士は、家庭状況や学校での生活を踏まえて裁判所に意見を述べ、観護措置を避けたり短縮したりするよう働きかけることができます。
被害者との示談交渉のサポートができる
少年事件では、被害者への謝罪や示談の有無が処分内容に大きく影響します。
しかし、被害者との直接交渉は感情的な対立を招きやすく、家族だけで行うのは困難です。
弁護士が間に入ることで冷静かつ適切に交渉を進められ、示談が成立すれば審判での処分が軽減される可能性も高まります。
更生に向けた環境整備をサポートできる
家庭裁判所は、少年が更生できるかどうかを重視して処分を決定します。
弁護士は、学校への復学や家族の監督体制の改善など、再び社会で生活できる環境を整えるためのアドバイスを行い、裁判所に対して「更生可能性が高い」という印象を与えることができます。
少年審判の付添人として不利な処分の回避を目指せる
少年審判では、弁護士は、「付添人」として手続きに関与します。付添人は、審判で少年に有利な事情を主張したり、裁判官の判断が偏らないよう意見を述べたりすることができます。
これにより、不必要に重い処分が下されるのを防ぎ、公正な審判が保障されやすくなります。
退学を回避するための働きかけができる
少年事件に関与したことで学校から退学処分や停学処分を検討されるケースもあります。
弁護士は、学校側に対して適切に説明や交渉を行い、過度な処分を避けられるよう働きかけます。このようなサポートによって、少年の学業継続や社会復帰がよりスムーズに進む可能性が高まります。
少年事件で利用できる弁護士の種類
少年審判において弁護士を依頼する方法はいくつかあり、それぞれ利用できるタイミングや費用の有無が異なります。保護者にとっては「どの弁護士を選べるのか」「どの制度を利用できるのか」を知っておくことが大切です。
| 種類 | 利用できる段階 | 費用 | 特徴 | おすすめのケース | 
| 当番弁護士 | 逮捕・勾留後 | 無料(1回のみ) | 迅速に接見して助言を受けられる | 迅速に弁護士からアドバイスを受けたい場合 | 
| 被疑者国選弁護人 | 勾留後~家裁送致まで | 原則無料 | 少年が勾留されたときに国が選任 | 経済的な余裕がない場合 | 
| 国選付添人 | 家裁送致後 | 原則無料 | 審判で付添人として活動 | 経済的な余裕がない場合 | 
| 少年保護事件付添援助 | 家裁送致後 | 無料 | 国選の対象外でも援助を受けられる | 経済的な余裕がない場合 | 
| 私選付添人 | すべての段階 | 有料 | 保護者が自由に依頼できるため、少年事件に強い弁護士を選ぶことも可能 | 少年事件に強い弁護士に依頼したい場合 | 
当番弁護士
逮捕や勾留がなされた場合、弁護士会を通じて呼ぶことができるのが当番弁護士です。初回の接見は無料で、取り調べへの対応や家族への連絡など、緊急的な助言を受けられます。
ただし、継続的に弁護活動を依頼するには別途契約(私選)や国選制度の利用が必要です。
被疑者国選弁護人
少年が勾留された場合に、資力不足などの理由から自分で弁護士をつけることができない場合に、裁判所が弁護士を選任する制度です。
保護者が依頼しなくても自動的に選任されるため、費用面の負担もありませんが、少年事件に強い弁護士が選任されるとは限りません。また、家庭裁判所に送致されると被疑者国選弁護人の任務は終了します。
国選付添人
国選付添人とは、家庭裁判所で少年審判を受ける少年に対し、国が費用を負担して選任する弁護士のことです。
罪を犯したとされる少年を保護し、家庭裁判所の手続きで適切な支援を行い、少年が立ち直るための援助を行う役割を担います。
ただし、国選付添人が選任されるのは、検察官が審判に関与する重大事件や家庭裁判所が必要と認めた場合などに限られています。
少年保護事件付添援助
少年保護事件付添援助とは、経済的な理由で弁護士による付添人を依頼できない少年のために、日本弁護士連合会(日弁連)が弁護士費用を援助する制度です。
この制度は、国選付添人制度では対象とならない少年事件でも利用でき、少年の権利を守り、適切な処分と更生を支援する付添人の活動を費用面から支えることを目的としています。
私選付添人
保護者が自ら費用を負担して依頼する弁護士を「私選付添人」といいます。依頼するタイミングや活動範囲に制限がなく、逮捕直後から審判終了まで一貫してサポートを受けられるのが最大のメリットです。費用は発生しますが、少年事件に精通した弁護士を選べるため、安心して任せられるケースが多いといえます。
少年事件で弁護士に依頼すべきタイミング
少年事件では、弁護士への依頼は「できるだけ早く」が鉄則です。逮捕や補導の直後から取り調べが始まりますが、この段階で不利な供述をしてしまうと、その後の審判で不利に扱われる可能性があります。弁護士が早期に関与すれば、供述への注意点を助言し、不要なリスクを防ぐことができます。
また、逮捕後には勾留や観護措置が取られ、少年が鑑別所に収容される場合があります。これが長期化すると学業や日常生活に大きな支障を及ぼしますが、弁護士が速やかに動くことで観護措置の回避や短縮を裁判所に働きかけ、早期釈放を実現できる可能性があります。
さらに、事件が家庭裁判所に送致された後も、弁護士が付添人として関与することで、更生に向けた環境整備や示談の進展を審判に反映させられます。審判が始まってから依頼するのでは準備に時間が足りず、十分な主張ができないこともあるため注意が必要です。
つまり、少年審判において弁護士の依頼を先延ばしにすることは大きなリスクにつながります。できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼し、適切なサポートを受けることが、少年の将来を守るもっとも効果的な方法といえるでしょう。
少年審判に強い弁護士選びのポイント

少年事件においては、どの弁護士に依頼するかによって結果が大きく変わることがあります。経験不足の弁護士では、観護措置の回避や示談交渉など重要な場面で十分な対応ができないおそれもあるため、弁護士選びは非常に重要です。以下では、少年審判に強い弁護士を選ぶ際のポイントを説明します。
少年事件の取り扱い実績が豊富であること
少年事件は、通常の刑事事件とは異なり、更生を目的とした特有の制度や運用があります。少年院送致や保護観察といった処分の基準、調査官や裁判官とのやり取りなどは、経験を積んだ弁護士でなければ十分に対応できません。
これまでにどの程度の少年事件を扱ってきたか、解決実績はあるかを確認することが大切です。グラディアトル法律事務所はこれまで数多くの少年事件に対応し、多様な事例で成果を上げてきた実績があるため安心して任せられます。
少年や家族とのコミュニケーション能力が高いこと
少年事件では、本人がまだ未成年であり、不安や緊張からうまく話せないこともあります。また、家族に対しても事件の流れや処分の見通しを分かりやすく説明し、不安を和らげる能力が求められます。弁護士との信頼関係が築ければ、少年は本音を話しやすくなり、更生に向けた環境整備もスムーズに進みます。
そのため、少年や家族とのコミュニケーション能力が高い弁護士を選ぶのがポイントです。グラディアトル法律事務所では、依頼者やご家族へのこまめな報告と丁寧な説明を徹底しており、「相談してよかった」との声も多く寄せられています。
関係者・関係機関との交渉力が高いこと
少年事件では、被害者との示談交渉や学校との調整が処分に直結するため、弁護士の交渉力が極めて重要です。依頼者としては、ただ「交渉できます」と説明する弁護士ではなく、実際に過去の示談実績や学校との折衝経験を具体的に持っているかを確認することがポイントです。
たとえば、これまでに被害者との示談をどの程度成立させてきたか、学校に対して退学を避けるための働きかけを行った経験があるかなど、具体的な対応事例を聞いてみるとよいでしょう。また、説明の際に専門用語ばかりではなく、依頼者や少年にも理解しやすい言葉で整理してくれるかどうかも交渉力を測る指標になります。グラディアトル法律事務所は刑事・少年事件に注力しており、被害者交渉や学校対応の経験も豊富なため、安心して交渉を任せられるでしょう。
休日・夜間を問わず迅速な対応ができること
少年事件は突然発生し、時間との戦いになることが多いものです。逮捕直後に迅速に接見できるかどうかで、その後の流れが大きく変わります。休日や夜間でも柔軟に対応できる体制を整えている弁護士であれば、緊急時でも安心して依頼できます。
特に逮捕直後の取り調べは、供述内容が処分に大きく影響するため、即時の対応が不可欠です。電話一本で迅速に駆けつけられる弁護士であれば、家族にとっても大きな安心材料となるでしょう。グラディアトル法律事務所では、24時間365日体制で刑事・少年事件に対応しており、緊急時でも迅速に動ける体制を整えています。電話一本で駆けつけるスピード感は、ご家族にとって大きな安心材料となります。
少年審判にかかる弁護士費用の目安

少年事件の弁護を弁護士に依頼すると弁護士費用の支払いが必要になります。弁護士費用は、一律に決められた金額があるわけではなく、依頼する弁護士によって金額が変わります。そのため、以下では、グラディアトル法律事務所に少年事件の弁護を依頼した場合の弁護士費用の相場を紹介します。
相談料
相談料とは、弁護士に少年事件の相談をする場合に発生する費用です。
相談料の一般的な相場は、1時間あたり1万1000円(税込)ですが、当事務所の場合は初回相談料無料です。
着手金
着手金とは、弁護士に少年事件の弁護を依頼したときに発生する費用です。
基本的には、依頼時に一括で支払う必要がある費用で、事件の結果や途中で解約したとしても返金されることのないお金です。
グラディアトル法律事務所の場合、着手金は、家庭裁判所送致前の段階の弁護と送致後の段階の弁護の2つのタイミングで発生します。それぞれのタイミングでの弁護士費用の相場は、以下のとおりです。
| ・送致前の段階:33~55万円(税込) | 
| ・送致後の段階:33~55万円(税込) | 
報酬金
報酬金とは、少年事件の弁護が終了した時点でその活動の成果に応じて支払われる費用です。
グラディアトル法律事務所における報酬金は、具体的な成果に応じて以下のようになっています。
| 項目 | 金額 | |
| 被疑者段階(在宅事件) | 不起訴報酬 | 33万円(税込)~ | 
| 示談等報酬 | 33万円(税込)~ | |
| 被疑者段階(身柄事件) | 不起訴報酬 | 44万円(税込)~ | 
| 示談等報酬 | 44万円(税込)~ | |
| 身体解放報酬 | 33万円(税込)~ | |
| 接見禁止の解除報酬 | 11万円(税込)~ | |
| 付添人段階 | 審判不開始・不処分無罪報酬 | 55万円(税込)~ | 
| 審判内容に応じて | 33万円(税込)~ | |
実費・日当
実費とは、弁護士が依頼された事件を処理する際に実際に支出した費用のことをいい、以下のようなものが含まれます。
| ・少年事件記録のコピー費用 | 
| ・示談交渉のための交通費や宿泊費 | 
| ・郵便代 | 
| ・意見書や鑑定書の作成費用 | 
日当とは、弁護士が事件処理のための移動で時間的に拘束されたときに支払われる費用です。出廷日当や出張日当などがあり、宿泊費や交通費とは別途支払う必要があります。
グラディアトル法律事務所における少年事件の日当は、以下のようになっています。
| 項目 | 金額 | 
|---|---|
| 初回接見日当 | 5万5000円(税込) | 
| 遠方の場合は11万円(税込) | |
| 警察同行日当 | 距離・所要時間等に応じて発生 | 
| 接見・審判期日日当 | 距離・所要時間等に応じて発生 | 
少年審判の経験豊富な弁護士をお探しの方はグラディアトル法律事務所に相談を

少年事件は、一度審判が始まると短期間で処分が決定してしまい、その後の進学や就職など将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。だからこそ、できるだけ早く、少年事件に強い弁護士に相談することが大切です。
グラディアトル法律事務所では、これまで数多くの少年事件を取り扱い、少年の早期社会復帰や不必要に重い処分の回避に力を尽くしてきました。取り調べ段階でのアドバイス、観護措置の阻止や短縮、被害者との示談交渉、さらには学校への働きかけまで、幅広いサポートを行っています。
また、当事務所は、刑事・少年事件に特化した弁護士が所属し、休日や夜間を問わず迅速に接見できる体制を整えています。保護者の不安に寄り添いながら、少年の更生に向けて最善の解決策を共に考えていきます。
「このまま弁護士をつけなくても大丈夫だろうか」と迷われている方も、まずは一度ご相談ください。早期に弁護士が関与することで、少年の将来を守れる可能性は格段に高まります。
まとめ
少年審判は、処罰ではなく保護を目的としていますが、処分内容によっては少年の将来に大きな影響を及ぼします。法律上、少年審判に弁護士は必須ではないものの、取り調べへの助言、観護措置の回避、示談交渉や退学防止の働きかけなど、弁護士の関与が結果を大きく左右しますので、早期に弁護士に依頼することが重要です。
グラディアトル法律事務所は、少年事件の経験が豊富で、迅速かつ丁寧な対応を心掛けています。大切なお子さまの将来を守るために、迷ったら一刻も早くご相談ください。
