【令和4年改正対応】侮辱罪の時効は何年?起算点も弁護士が解説!

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弁護士 若林翔
2025年06月11日更新

「ネットに書き込んだあの一言、もしかして侮辱罪にあたるのでは?」

「過去の投稿が誰かを傷つけていたら、慰謝料を請求されるかもしれない…」

このような不安を感じている方はいませんか?

令和4年の法改正により、侮辱罪の公訴時効は1年から3年に延長され、インターネット上の発言も処罰の対象となる可能性が高まりました

また、民事上の損害賠償請求も、被害者が損害と加害者を知った時から3年以内に行使されることが一般的です。

過去の軽率な投稿が、今になって法的責任を問われるリスクがあるのです。

この記事では、侮辱罪の時効や該当する行為、具体的な文言例、刑罰や慰謝料の相場、そして弁護士に相談するメリットについて詳しく解説します。

ご自身の発言が法的に問題ないか不安な場合は、できるだけ早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

この記事の著者若林翔弁護士

目次

侮辱罪の刑事の時効は令和4年改正で「3年」に!民事は変わらず基本「3年」!

侮辱罪の刑事上の時効(公訴時効)は、令和4年改正で1年から3年に延長!

2022年7月7日に施行された刑法改正により、侮辱罪の公訴時効が1年から3年に延長されました。

これは、インターネット上での誹謗中傷が社会問題となり、侮辱罪の法定刑が引き上げられたことに伴うものです。

具体的な法定刑の引き上げは、従来の拘留または科料に加え、1年以下の懲役・禁錮、または30万円以下の罰金が追加されました。

これにより、侮辱罪の時効期間も延長され、被害者が告訴するための期間が延びており、加害者としては告訴されやすくなったと言えます。

侮辱行為の民事の時効は変わらず「3年」!

民事上の侮辱行為に対する損害賠償請求権の時効期間は、従来通り3年とされています。

民事上の時効期間は刑事とは異なり、改正の影響を受けていません。


侮辱罪の刑事の時効(公訴時効)とは

【令和4年改正】侮辱罪の公訴時効の期間は「3年」になった

刑法改正により、侮辱罪の公訴時効が1年から3年に延長されました。

これは、法定刑の引き上げに伴うもので、被害者が告訴するための期間が延びたことを意味します。

特に、インターネット上での侮辱行為は発覚が遅れることが多いため、この改正は被害者にとって有利な変更といえます。

公訴時効の期間が経過すれば、起訴されなくなる

公訴時効とは、犯罪行為が終了した時点から、一定期間が経過すると起訴ができなくなる制度です。

侮辱罪の場合、現在は3年とされています。

侮辱罪の公訴時効は書き込み等が消えた時から数える

この期間を過ぎると、たとえ証拠があっても起訴は不可能となります。

侮辱罪の公訴時効の期間は「書込み等が消えた時」から数える

公訴時効の起算点は、犯罪行為が終了した時点とされています。侮辱罪の場合、侮辱行為が終了した時点です。

もっとも、インターネット上の書込みの場合、その書込みが削除された時点から、公訴時効の期間を数えます。(大阪高裁判決・平成16年4月22日)。

なぜなら、書込みが残り続けている=犯罪行為が終了していないと考えられるからです。

このため、加害者は書込み自体が過去のものでも、残り続けている限り時効にはかかりません。

【令和4年改正】令和4年7月7日以前に削除された書込み等は、もう起訴されない ※令和7年現在

刑法改正は、施行日以降の行為に適用されます。

したがって、令和4年7月7日以前に行われた侮辱行為には、改正前の法定刑と公訴時効が適用されます。

つまり、これらの行為については、1年の公訴時効が適用され、既に時効が成立している可能性があります

ただし、先述のとおり、インターネット上の書込みについては「削除された時点」から時効期間を数えます。

したがって、令和4年7月7日以前に投稿されたものでも削除されていなければ、時効にはかかっていないので注意が必要です。

関連コラム:「侮辱罪の厳罰化で訴えやすくなる?弁護士が教える本気の誹謗中傷対策」


侮辱行為の民事の時効とは

侮辱行為の民事の時効は、基本は3年

民事上の侮辱行為に対する損害賠償請求権の時効期間は、被害者が損害および加害者を知った時から3年とされています。

侮辱行為の民事の時効が経過すれば、損害賠償請求権が消滅する

民事上の損害賠償請求権は、時効期間が経過すると消滅します。

侮辱行為についても、侮辱行為を原因とした精神的苦痛に対する慰謝料請求権が民事上の損害賠償請求権となります。

したがって、民事上の損害賠償請求権は、時効期間である3年が経過すれば、消滅します。

侮辱行為の民事の時効は、「被害者等が損害及び加害者を知った時」から数える

被害者が損害および加害者を知った時点から3年が経過しなければ、請求権は時効により消滅しません。

侮辱行為については、被害者が書込み等を知った時点が起算点となります。

もっとも、書込み等の時点から20年を経過した時も、民事の時効が成立する

民事上の損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知らなくても、侮辱行為が行われた時点から20年が経過すると、請求権は消滅します。

これは、長期間が経過すると証拠が失われたり、関係者の記憶が曖昧になったりして、公平な裁判が困難になることを防ぐためです。

侮辱行為の民事の時効の期間は、特に改正されていない(※令和7年5月現在)

刑法改正により、侮辱罪の公訴時効が延長されましたが、令和7年現在、民事上の損害賠償請求権の時効期間には変更はありません。


侮辱罪・侮辱行為に悩んだ時は弁護士に相談を!

自身の行為が侮辱罪・侮辱行為として時効にかかっているか、専門的な判断ができる

侮辱罪や侮辱行為の時効にかかっているかの判断は、法律の専門知識が必要です。

加えて、弁護士に相談することで、自身の行為が侮辱罪や侮辱行為に該当するかを適切に判断してもらうことができます。

関連コラム:「侮辱罪にあたる言葉は?刑事告訴や損害賠償請求に役立つ実例30選!

侮辱罪にあたっても、示談等で不起訴にできる可能性がある

侮辱罪で告訴された場合でも、弁護士の助言や交渉により、不起訴処分となる可能性があります。

例えば、被害者との示談が成立した場合や、初犯で反省の態度が見られる場合などが該当します。不起訴となれば、前科がつくことを避けることができます。

侮辱行為にあたっても、示談等の慰謝料を減額できる可能性がある

侮辱行為による慰謝料請求に直面した場合でも、弁護士の助言を受けることで、慰謝料の減額が可能となるケースがあります。

例えば、被害者との示談交渉を通じて、誠意ある謝罪や再発防止策を提示することで、被害者の理解を得られれば、慰謝料の減額や請求の取り下げにつながることがあります。

また、加害者の経済的状況や反省の態度、初犯であることなども考慮される要素となります。

弁護士は、これらの事情を適切に主張し、被害者との交渉を円滑に進めるためのサポートを行います。

依頼しても家族などに知られず、秘密裏に問題を解決することが可能

侮辱罪や侮辱行為に関する問題は、家族や職場に知られたくないと考える方も多いでしょう。

弁護士に依頼することで、プライバシーを守りながら問題解決を図ることが可能です。

弁護士は守秘義務を負っており、依頼者の情報を第三者に漏らすことはありません。

また、連絡方法や書類の送付先なども、依頼者の希望に応じて柔軟に対応してくれます。

このように、弁護士のサポートを受けることで、周囲に知られることなく、安心して問題解決に取り組むことができます。

侮辱罪の時効に関する相談はグラディアトル法律事務所へ!グラディアトル法律事務所の3つの強み

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誹謗中傷について本気で対処したいと考えている方は、誹謗中傷案件に強いグラディアトル法律事務所にぜひともご相談ください。

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グラディアトル法律事務所では、以下のようなありがたいお客様のお声をいただいております。

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「とっても対応の良い弁護士事務所で親身に話を聞いてくださり頼りになります。」

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ご相談では、上記のような「押さえておくべきポイント」など、ご依頼いただくかどうかにかかわらず、次に相談者様が何をできるか、どうすべきかといったポイントをご説明させていただいております。

まとめ

令和4年の法改正により、侮辱罪の公訴時効は1年から3年に延長され、ネット上の発言も処罰対象となるリスクが高まりました。

民事の慰謝料請求も3年の時効が基本で、起算点や削除の有無によって成立する可能性があります。

  • 刑事:犯罪行為が終了して3年で時効成立
    ※ネット上の書き込みは消えていなければ時効が進まない!
  • 民事:被害者等が損害及び加害者を知った時から3年、または書込み等の時点から20年で時効成立
  • 早期の相談からの示談成立が、不起訴や慰謝料減額のカギ

軽率な投稿が大きなトラブルを招く前に、弁護士への相談をおすすめします。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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