「当て逃げしてしまった…なんとかして時効まで逃げ切れないだろうか」
「時効の完成を待つことは現実的に可能なのか」
当て逃げが事実であっても、時効が成立すれば、刑罰や損害賠償責任を回避できます。
しかし、当て逃げの時効が完成するまでには長期間を要するので、ただ待ち続けるのは得策とはいえません。
少しでも円滑な解決を望むのであれば、今すぐ弁護士に相談し、自首や示談などの法的対処を講じることが重要です。
本記事では、当て逃げにおける刑事上・民事上の時効期間や時効を待つリスクなどを解説します。
当て逃げの時効を待つ前にやるべきことなども詳しくまとめているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
当て逃げの時効は何年で成立する?
当て逃げの時効には、刑事上の公訴時効と民事上の消滅時効が存在します。
それぞれ何年で時効が成立するのか、詳しくみていきましょう。

刑事上の公訴時効(起訴されなくなる)|3年
当て逃げにおける刑事上の公訴時効は、事故発生後に逃走した時点から3年です。
公訴時効の期間は、法定刑の上限によって決められています。
当て逃げの法定刑は、報告義務違反「3ヵ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金」と危険防止措置義務違反の「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」です。
いずれの法定刑も、刑事訴訟法第250条の「長期5年未満の拘禁刑または罰金」に該当し、時効は3年と規定されています。

なお、3年が経過し、公訴時効が完成すると起訴されなくなるため、その後は刑罰に処されることもありません。
民事上の消滅時効(損害賠償請求されなくなる)|3年または20年
当て逃げの消滅時効は、「被害者が損害と加害者を知ったときから3年」、または「当て逃げしたときから20年」です。

消滅時効が完成すると、損害賠償を請求する権利そのものが失われるため、加害者側は車の修理費用や代車費用などを支払う必要がなくなります。
なお、当て逃げの場合、被害者は加害者を知らないケースがほとんどです。
そのため、民事上の消滅時効が完成するのは、実質的に20年後と考えておきましょう。
当て逃げの行政処分に時効の規定は存在しない
当て逃げの行政処分に時効の規定は存在しません。
当て逃げが発覚すれば、いつであろうと違反点数が7点加算され、過去に違反行為をしたことがなくても30日間の免許停止処分が下されます。
違反点数7点の内訳は、安全運転義務違反の2点と危険防止措置義務違反の5点です。
| 安全運転義務違反 | 危険防止措置義務違反 | |
| 要件 | 適切な運転操作や状況判断を怠り、他人に危害を及ぼすような運転をした場合 | 事故後、道路の危険を防止するために必要な措置を講じなかった場合 |
| 適用例 | 速度超過・わき見運転・誤操作・安全不確認など | 事故後に現場から離れて、危険表示や道路整理をせず立ち去る行為 |
なお、前歴がある場合やほかの違反行為を同時に犯していた場合などは、免許停止期間が延びたり、免許取消処分が下されたりする可能性もあります。
当て逃げで時効を待つのはリスクが高いといえる4つの理由
当て逃げで時効を待つのは、基本的におすすめしません。
ここでは、時効を待つのはリスクが高いといえる理由を解説します。

防犯カメラなどから加害者が特定される可能性は十分ある
時効を待とうとしても、防犯カメラやドライブレコーダーの映像などにより、加害者が特定される可能性は十分あります。
今の時代、防犯カメラは街のいたるところに設置されており、ドライブレコーダーも多くの車両に取り付けられています。
また、映像解析技術も進化し、顔認識や車両の詳細判別が可能なので、何年も逃げ続けられる保証はどこにもありません。
実際、自分では誰にも見られていないと思っていても、当て逃げの証拠が残っているケースが数多く見受けられます。
突然逮捕されるリスクがある
当て逃げの加害者は、逮捕されるリスクがあります。
事故現場から離れて身を潜めている時点で「逃走や証拠隠滅のおそれがある」と判断される可能性が高いためです。

逮捕されると、その後も身柄拘束が長期間続くこともあり、家族や職場に大きな迷惑がかかってしまいます。
また、「いつか逮捕されるかも…」という不安や恐怖を抱えながら生活することは、精神的にも負担がかかります。
逮捕を回避するためにも、自ら罪を認めて解決していく姿勢をもちましょう。
逃げ隠れることで被害者の心証が悪くなる
時効を待つリスクが高いといえる理由のひとつは、被害者の心証が悪くなるからです。
被害者の心証を悪くすると、示談交渉を受け付けてもらえず、事件化する可能性が高くなります。
また、被害者が処罰感情を訴えることで、裁判で言い渡される量刑が重くなるおそれもあります。
事件後の対応次第で、被害者が受ける印象は大きく変わるものです。
逆にいえば、誠実な対応をとることで、円滑に事件を解決できる可能性も残されています。
逃げた期間が長くなるほど刑罰が重くなりやすい
事故後に逃げた期間が長くなるほど、刑罰は重くなる傾向にあります。
逃亡して罪を免れようとする行為が、反省していないものとして捉えられるためです。
長期間逃げ続けたことを理由に、起訴されたり、罰金刑が拘禁刑になったりする可能性もゼロではありません。
自首する場合でも、事故直後としばらく経ってからでは大きな違いがあるので、できるだけ早く行動を起こすことが大切です。
当て逃げで時効を待つ前にやるべき3つのこと
次に、当て逃げで時効を待つ前にやるべきことを解説します。

被害者がわかっているなら示談を申し込む
被害者がわかっている場合は、当て逃げで時効を待つ前に示談を申し込むことが重要です。
被害届を出される前に被害者と和解できれば、事件化を防ぐことができます。
また、事件化した場合でも、示談が成立していることで不起訴になったり、刑罰が軽減されたりする可能性が高くなります。
当て逃げの示談金は、被害の大きさにもよりますが、数万円から100万円程度が一般的です。
ただし、当事者間での示談交渉は、トラブルにつながるおそれがあるためおすすめしません。
足元をみられて高額な示談金を請求されるおそれもあるので、示談交渉は弁護士に任せるのが賢明な判断といえます。
自首を検討する
当て逃げで時効を待つ前に、自首することも検討したほうがよいでしょう。
自首により反省の意思を示せば、逮捕回避や減刑の可能性が高くなるからです。
また、自首をきっかけに被害者とつながり、示談交渉を進められるようになることもあります。
ただし、捜査機関が犯罪事実を認知する前でなければ、自首は認められません。
弁護士にも相談したうえで、自首が適切と判断した場合は速やかに行動してください。
できるだけ早く弁護士に相談する
当て逃げ事件を起こした場合は、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。
経験豊富な弁護士に相談・依頼すれば、個々の状況に合わせた最善の解決策を提案・実行してくれます。
具体的には、以下のようなサポートが期待できます。
- ・自首の同行
- ・取調べ対応の助言
- ・不当な取り調べに対する抗議
- ・示談交渉の代理
- ・不起訴処分や減刑に向けた弁護活動
- ・家族や職場との連絡調整
ただし、弁護士であれば、誰でもいいというわけではありません。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるので、過去の実績などを調べたうえで、依頼先を決めるようにしましょう。
グラディアトル法律事務所は、刑事事件全般を得意とする法律事務所です。
経験豊富な弁護士が24時間・365日体制で相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください。
当て逃げの時効に関してよくある質問
最後に、当て逃げの時効に関してよくある質問を紹介します。

同時にほかの違反行為をしていた場合は時効期間が合算される?
当て逃げと同時にほかの違反行為をしていた場合でも、時効期間は合算されません。
公訴時効は、各犯罪ごとに適用されるものです。
たとえば、酒酔い運転で当て逃げした場合は、3年後に当て逃げの時効が成立し、5年後に酒酔い運転の時効が成立します。
時効のカウントが停止することもある?
以下の状況にある場合は、公訴時効のカウントが停止します。
- ・加害者が起訴された場合
- ・加害者が国外にいる場合
- ・加害者が逃げ隠れて起訴状などを送付できない場合
- ・共犯者が起訴された場合
なお、時効の停止はあくまでも一時的なものです。
加害者が帰国したり、加害者の所在が明らかになったりした段階で時効のカウントは再開します。

また、民事上の消滅時効も以下のケースで停止・更新されます。
| 事由 | 停止(完成猶予) | 更新 |
|---|---|---|
| 訴訟の提起・支払督促・和解/調停の申立てなど | 〇(事由終了まで完成猶予) | 〇(権利の確定により更新) |
| 強制執行・財産開示など | 〇(事由終了まで完成猶予) | 〇(事由終了により更新) |
| 仮差押え・仮処分 | 〇(事由終了から6ヵ月間の完成猶予) | × |
| 催告 | 〇(催促後6か月間の完成猶予) | × |
| 協議をおこなう旨の合意 | 〇(原則として合意から1年間の完成猶予) | × |
| 債務の承認 | × | 〇(承認行為により更新) |
当て逃げがバレるのは通常何日後?
当て逃げがバレるのは、犯行から数日~1週間以内が多いといえます。
当て逃げに気づいた被害者がすぐに被害届を出し、防犯カメラやドライブレコーダーに加害者が映っている場合などは、捜査にそれほど時間を要しません。
しかし、数ヵ月以上経ってから、加害者が特定されるケースもあります。
時効が成立するまでは、警察に呼び出されたり、逮捕されたりするかもしれない状況が続きます。
当て逃げをしてしまったときはグラディアトル法律事務所に相談を
本記事のポイントは、以下のとおりです。
- ・当て逃げの公訴時効は3年、損害賠償請求権の消滅時効は3年または20年
- ・行政処分には時効規定がなく、違反が発覚すれば違反点数7点加算になる
- ・時効を待って逃げようとすると逮捕や重い刑罰につながりやすい
- ・時効を待つより、自首や示談で自ら解決を図ることが重要
当て逃げした場合、時効に期待するのは得策といえません。
逃げようとすればするほど罪は重くなってしまうので、弁護士と相談しながら、自首や示談に踏み切ることが最善の対処法といえます。
グラディアトル法律事務所には、刑事事件の弁護を得意とする弁護士が多数所属しており、最短即日中の対応も可能です。
初回相談は無料、LINEでの相談も受け付けているので、少しでも不安を感じている方は、お気軽にお問い合わせください。
