「当て逃げの点数はどれくらい?」「免停になるのか不安…」
当て逃げは重大な交通違反であり、違反点数7点加算による免許停止という厳しい行政処分を受けることになります。
また、刑事責任・民事責任が生じる可能性もあるため、人に危害を加えていないからといって、楽観的に捉えるべきではありません。
少しでも円滑な解決を望むのであれば、今すぐ弁護士に相談し、今後の対応について助言を求めるようにしてください。
本記事では、当て逃げの違反点数や免停の可能性などをわかりやすく解説します。
本記事を読めば、現状を冷静に把握し、今やるべきことを明確にできるので、ぜひ参考にしてください。
目次
当て逃げの物損事故は違反点数7点加算
当て逃げの物損事故は2つの違反行為に該当し、違反点数が合計で7点加算されます。

各違反行為の内容を具体的にみていきましょう。
安全運転義務違反で2点加算
当て逃げの物損事故では、まず「安全運転義務違反」により2点が加算されます。
道路交通法で定められた「他人に危害を及ぼさないよう運転しなければならない」という義務に反する行為とみなされるためです。
具体的には、以下のような行為が安全運転義務違反に該当します。
- ・操作不適:ブレーキの踏み間違いやハンドルの誤操作など
- ・漫然運転:考え事や疲労による不注意など
- ・脇見運転:スマホやカーナビの操作、車内での物探しなど
- ・動静不注視:他車や歩行者の動きの見落としなど
- ・安全不確認:進路変更や右左折時の確認不足など
- ・安全速度違反:速度超過や交通状況を考慮していない走行など
- ・予測不適:勝手な思い込みによる無理な運転など
安全運転義務違反そのものの違反点数は低いですが、交通事故の原因になりやすい危険な行為です。
危険防止措置義務違反で5点加算
当て逃げすると、安全運転義務違反の2点に加えて、危険防止措置義務違反の5点が加算されます。
危険防止措置義務違反は、事故を起こしたあとに後続車の安全確保や二次被害防止を怠った場合に成立する違反行為です。
たとえば、事故でガードレールを破損したにもかかわらず、散らばったものを片づけなかったり、三角表示板を設置しなかったりした場合は、危険防止措置義務違反に該当します。
なお、危険防止措置義務は、事故が過失かどうかに関わらず生じるものです。
どのような事情があったとしても、損壊のおそれがある場合は速やかに措置を講じる必要があります。
当て逃げで違反点数が加算されると前歴なしでも免停になる

当て逃げで違反点数が7点加算されると、前歴がなくても免許停止になります。
なぜなら、違反点数が6点に達した時点で免許停止(30日間)の基準を満たすためです。
また、前歴がある場合やほかの違反行為が同時に発覚した場合は、免許停止期間が延長される可能性もあります。
【前歴の有無・累積違反点数に応じた免許停止期間】
| 過去3年以内の運転免許停止等の処分回数 | 停止期間 | |||||
| 30日 | 60日 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | |
| なし | 6点〜8点 | 9点〜11点 | 12点〜14点 | ‐ | ‐ | ‐ |
| 1回 | ‐ | 4点〜5点 | 6点〜7点 | 8点〜9点 | ‐ | ‐ |
| 2回 | ‐ | ‐ | 2点 | 3点 | 4点 | ‐ |
| 3回 | ‐ | ‐ | ‐ | 2点 | 3点 | ‐ |
| 4回以上 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | 2点 | 3点 |
(参照:行政処分基準点数|警視庁)
なお、違反点数が累積で15点以上になると前歴なしでも「免許取消」になります。
たとえば、当て逃げで検挙され、酒酔い運転や無免許運転が発覚した場合は一発で免許取消です。
当て逃げに気づかなかった場合も違反点数は加算される?
当て逃げしたことに気づかなかったとしても、違反点数は原則として加算されます。
まず、安全運転義務違反に関しては、事故を起こした行為そのものに対して適用されるので、事故に気づいていたかどうかが問題になることは基本的にありません。
そのため、事故の内容にもよりますが、安全運転義務違反の2点は加算されるものと考えておきましょう。
一方、危険防止措置義務違反の成否に関しては、事故に気づいていたかどうかが重要な判断基準になります。
車両の損傷具合や事故の衝撃などを踏まえて、本当に気づかなかったと客観的に認められる場合は、危険防止措置義務違反の5点を回避できる可能性があります。
とはいえ、故意がなかったことを証明するのは簡単ではないので、まずは弁護士に相談してアドバイスを受けてください。
当て逃げした場合は刑事責任・民事責任を問われることもある
当て逃げをした場合は行政責任(違反点数加算)以外にも、刑事責任・民事責任を問われることがあります。

具体的にどのような責任が生じるのか、詳しくみていきましょう。
刑事責任|罰金刑または拘禁刑
当て逃げの刑事責任とは、「危険防止措置義務違反」と「報告義務違反」による刑罰を受けることです。
| 要件 | 刑罰 | |
| 危険防止措置義務違反 | 事故現場周辺の危険を取り除き、二次的な事故を防ごうとしなかった場合 | 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
| 報告義務違反 | 事故後速やかに警察に連絡しなかった場合 | 3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金 |
2つの罪が同時に生じた場合は、重いほうの刑罰を適用するのが原則です。
つまり、「危険防止措置義務違反」の「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」の範囲内で、最終的な処罰が決定されることになります
ただし、初犯でいきなり拘禁刑に処されることはほとんどありません。
軽微な事案であれば不起訴処分もあり得るほか、起訴されたとしても略式起訴による罰金刑になるケースが一般的です。
民事責任|当て逃げによって生じた損害を賠償
当て逃げの民事責任とは、被害者に対する損害賠償責任のことです。
被害者に対して、破損した車両や物品の修理代などを支払う必要があります。
【当て逃げで想定される主な損害賠償項目】
- ・車両の修理費用
- ・代車費用
- ・レッカー費用
- ・車両の評価損
- ・休車損害
- ・積荷や車内物品の損害
- ・壁や塀などの修理費用
支払いを拒否し続けていると、被害者から損害賠償請求訴訟を起こされる可能性があるので注意してください。
また、損害賠償によって示談が成立しているかどうかによって、刑事責任も大きく変わってきます。
不当な金額を提示されない限り、損害賠償には素直に応じることをおすすめします。
当て逃げしてしまったときの対処法
次に、当て逃げしてしまったときの対処法を解説します。

事故後の対応次第で、その後の処分が大きく変わることを覚えておきましょう。
できるだけ早く警察に届け出る
当て逃げをしてしまった場合、できるだけ早く警察に届け出てください。
仮に事故発生からしばらく経っていたとしても、正直に経緯を話すことが大切です。
反省していることが伝われば、不起訴や刑の軽減につながるかもしれません。
また、警察への届け出によって被害者が見つかり、示談交渉が円滑に進むこともあるでしょう。
当て逃げになっていることに気付いた直後であれば、その旨を丁寧に説明してください。
違法性がなくなるわけではありませんが、有利な事情として扱ってもらえる可能性があります。
被害者と連絡が取れる場合は示談交渉を進める
被害者と連絡が取れる場合は、速やかに示談交渉を進めましょう。
示談が成立し、当事者間で解決できれば、刑事事件への発展を防げます。
修理代や補償金の額について誠実に話し合い、譲歩する姿勢をもつことが重要です。
また、すでに事件化している場合でも、示談の成立は不起訴処分や刑の軽減につながります。
ただし、当て逃げの被害者は怒りや処罰感情を抱いているケースが多いので、直接示談を申し込むのはおすすめしません。
示談交渉は法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士に任せて、円滑な解決を目指しましょう。
弁護士に相談する
当て逃げをしてしまった場合は、警察に連絡すると同時に、弁護士に相談することも重要です。
弁護士に相談・依頼すれば、現状を法的な観点で分析し、今後の対応方針を的確にアドバイスしてくれます。
さらに、示談交渉を代理してくれるほか、取調べの対応方法なども助言してくれるので、刑事処分の軽減を図ることが可能です。
自動車保険に弁護士費用特約が付帯していれば、費用負担なしで弁護士に依頼できるので一度確認してみてください。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、交通事故や刑事事件を得意とする人物に相談・依頼することをおすすめします。
当て逃げの点数に関してよくある質問
最後に、当て逃げの点数に関してよくある質問をまとめました。

同様の疑問を感じている方は参考にしてみてください。
自首すれば違反点数は加算されない?
自首したからといって、違反点数の加算がなくなるわけではありません。
あくまでも自首は刑事上の手続きであり、行政処分に影響を与えるものではないからです。
ただし、自首には逮捕を回避したり、刑罰を減軽したりする効果があるので、選択肢のひとつに入れておくべきでしょう。
被害が大きくなければ違反点数は加算されない?
当て逃げで被害が軽微であっても、違反点数は加算されます。
交通事故の当て逃げは被害の大小にかかわらず、「危険防止措置義務違反」と「安全運転義務違反」に該当するためです。
たとえば、物損事故を起こした際に「見えないくらいの傷だから大丈夫だろう」と安易に考えて立ち去ってしまうと、当て逃げになり、違反点数が加算されます。
初心者が当て逃げで免停になるとどうなる?
免許を取得してから1年未満の場合は、通常の免停(30日間)に加えて、初心者運転講習を受講しなければなりません。
初心者運転講習にかかる費用と時間は以下のとおりです。
【免許種類別の初心者講習費用】
| 免許の種類 | 費用 | 受講時間 |
|---|---|---|
| 普通免許 | 1万5,250円 | 7時間 |
| 準中型免許 | 1万5,950円 | |
| 大型二輪免許 | 1万9,800円 | |
| 普通二輪免許 | 1万8,750円 | |
| 原付免許 | 1万700円 | 4時間 |
初心者運転講習の受講対象となった場合は、公安委員会から通知が届くので、忘れずに確認してください。
人身事故で逃げた場合の違反点数は?
人身事故で逃げた場合は、最低でも「救護義務違反」として35点が加算されます。
救護義務違反は、負傷者がいる人身事故で必要な救護措置を怠った場合に適用されるものです。
道路交通法で定められた違反行為のうち、特に悪質で危険性の高いものを指す「特定違反行為」に該当し、違反点数も高く設定されています。
違反点数が35点加算されると、一発で免許取消です。
さらに、欠格期間が適用され、最低でも3年間は運転免許の再取得が禁止されます。
また、ひき逃げは刑事責任・民事責任も重たくなるケースがほとんどです。
被害が大きい場合などは、刑務所に収容されたり、多額の損害賠償を請求されたりすることも覚悟しなければなりません。
当て逃げに気づいたときはグラディアトル法律事務所に相談を!
本記事のポイントは以下のとおりです。
- ・当て逃げの違反点数は合計7点(危険防止措置義務違反5点+安全運転義務違反2点)で免停対象になる
- ・当て逃げした場合は刑事責任・民事責任を問われる可能性もある
- ・当て逃げしたときは警察への届け出と被害者との示談交渉を速やかに進めることが重要
当て逃げはひき逃げと比較して軽くとらえられがちですが、重大な交通違反であることに変わりありません。
違反点数が加算されて免許停止になると、仕事や日常生活にも多大な影響が生じることでしょう。
しかし、行政処分とは異なり、刑事処分に関しては今後の対応次第で軽くなる可能性が残されています。
罪を認めて、反省する意思があるのであれば、一刻も早く弁護士に相談してください。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件を得意とする弁護士が24時間・365日相談を受け付けています。
初回相談は無料、LINEでの相談にも対応しているので、まずはお気軽にご相談ください。
