「私文書偽造罪は親告罪にあたる?」
「私文書偽造罪が親告罪ではないなら被害者との示談は意味がない?」
「非親告罪の私文書偽造罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき理由とは」
親告罪とは、被害者等による告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪をいいます。私文書偽造罪は、「非親告罪」に該当しますので、被害者の告訴がなくても公訴提起が可能です。
そうすると「被害者と示談をしても意味がないのでは?」と考える方も多いと思いますが、非親告罪であっても示談が無意味になるわけではありません。被害者との間で示談が成立すれば早期釈放や不起訴処分獲得の可能性が高くなりますので、非親告罪であっても積極的に示談に取り組むことが重要です。
本記事では、
・私文書偽造罪は親告罪?親告罪と非親告罪の違いとは? ・私文書偽造罪が非親告罪でも被害者との示談は重要な要素 ・非親告罪の私文書偽造罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき3つの理由 |
などについて詳しく解説します。
私文書偽造罪の疑いをかけられ捜査中の方や逮捕後の対応に不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
私文書偽造罪は親告罪?親告罪と非親告罪の違いとは?

私文書偽造罪が親告罪と親告罪のどちらに該当するかは、今後の方針を決める上で重要な要素となります。ここでは親告罪と非親告罪の違いや告訴と被害届の違いなどの基本事項をみていきましょう。
親告罪と非親告罪の違い
刑法上の犯罪は大きく「親告罪」と「非親告罪」に分けられます。
・親告罪:被害者などの告訴がなければ、検察官が起訴できない犯罪。 器物損壊罪、名誉毀損罪、侮辱罪などが親告罪に該当します。 |
・非親告罪:被害者の告訴がなくても、検察官の判断により起訴できる犯罪。 刑法の多くの罪がこれに該当します。 |
つまり、親告罪は、被害者が訴えるかどうかによって処罰の可否が決まるため、被害者の意向が重要となる犯罪です。
告訴と被害届の違い
犯罪の被害を受けた人が犯罪事実を捜査機関に申告する方法としては、「告訴」と「被害届」という2つの方法があります。
・告訴:捜査機関に対して、被害者などが「犯人を処罰してほしい」と意思表示する手続き。告訴により捜査機関は捜査を開始する義務が生じ、親告罪では告訴がないと起訴できない。 |
・被害届:被害の事実を申告するにとどまり、「処罰してほしい」という意思までは含まれない。捜査を開始するかどうかは捜査機関の判断に委ねられる。 |
親告罪とされる犯罪では、「被害届」の提出だけでは足りず、「告訴」がなければ起訴することができません。
私文書偽造罪は非親告罪であるため告訴がなくても起訴される可能性あり
私文書偽造罪は、親告罪ではなく非親告罪にあたりますので、被害者による告訴がなくても警察や検察が事件として立件し、逮捕・起訴することが可能です。
つまり、「相手が訴えてこなければ大丈夫」では済まされないのが、非親告罪の怖いところです。私文書偽造罪を犯してしまったときは、被害者の意向に関わらず逮捕・起訴されるリスクがありますので、早期に適切な対応をとることが求められます。
私文書偽造罪が非親告罪でも被害者との示談は重要な要素

私文書偽造罪が非親告罪だと「被害者との示談は無意味では?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、非親告罪であっても以下のように被害者との示談は重要な意味を持ちますので、早期に示談をまとめることが大切です。
逮捕・起訴のリスクを軽減できる
私文書偽造罪は非親告罪ですが、捜査段階で被害者と示談が成立していれば、「当事者間で解決が図られている」と判断し、逮捕や起訴を回避する可能性が高くなります。
親告罪とは異なり、必ず不起訴になるというわけではありませんが、捜査機関は、被害者の意向を尊重する傾向がありますので、示談成立により「被害者が処罰を望んでいない」ということを示せれば、逮捕・起訴のリスクを大幅に軽減できるでしょう。
起訴されても量刑上有利な事情として考慮される
私文書偽造罪で起訴されてしまったとしても、被害者との間で示談が成立していれば、量刑上有利な事情として考慮されます。
これにより実刑判決が濃厚な事案であっても、執行猶予付き判決や罰金刑で済む可能性が高まります。実刑判決により刑務所に収容されてしまうと、その後の人生が大きく狂ってしまいますので、実刑を回避できる可能性があるというのは大きなメリットといえるでしょう。
このように被害者との示談は、有利な処分を獲得する上で極めて重要な要素になりますので、非親告罪だからといって示談を軽視してはいけません。
非親告罪の私文書偽造罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき3つの理由

私文書偽造事件で示談を成功させるには、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠です。以下では、弁護士に示談交渉を依頼すべき主な3つの理由を紹介します。
被害者が示談交渉に応じやすくなる
加害者が自ら被害者に連絡を取ろうとしても、不信感から会話自体を拒否されることは珍しくありません。
また、当事者同士での直接交渉は感情的な対立を引き起こし、かえって新たなトラブルへ発展するリスクもあります。そのため、直接のやり取りは避けるべきです。
弁護士に対応を依頼すれば、被害者との連絡や交渉をすべて代理で行ってもらえるため、被害者側も安心して話を聞きやすくなります。最初は示談に否定的だった被害者も、第三者である弁護士が介入することで冷静なやり取りが可能となり、結果として示談成立に近づく可能性が高くなります。
連絡先がわからない被害者との示談交渉も可能
加害者が被害者と面識のないケースでは、示談を希望しても相手の連絡先がわからないという問題がしばしば発生します。
このような場合でも、弁護士を通じて捜査機関に示談の希望を伝えることができ、被害者が了承すれば弁護士が連絡先を受け取り、正式な示談交渉を進めることが可能になります。弁護士に依頼すれば連絡手段がない相手とでも、適切なルートを通じて話し合いの場を設けることができるのです。
相場を踏まえた適正な示談金により解決できる
示談を行う際には、通常、被害者に対して金銭の支払いが伴います。私文書偽造罪は、詐欺罪も一緒に成立するケースが多いため、被害者に生じた財産的損害の補填が必要となり、事件の内容によっては高額な示談金が必要になることもあります。
弁護士に依頼すれば、これまでの判例や事例を踏まえたうえで、妥当な金額を提案してもらうことができます。その結果、被害者の納得を得つつ、必要以上の経済的負担を回避することが可能です。
私文書偽造罪の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せを

私文書偽造罪は非親告罪ですので、被害者による告訴がなくても逮捕や起訴に発展する可能性がある犯罪です。しかし、被害者と早期に示談を成立させることができれば、逮捕や起訴のリスクを大幅に軽減することができますので、非親告罪であっても示談は重要な要素となります。
被害者との間で早期に示談を成立させるためには、刑事事件に強い弁護士によるサポートが不可欠ですので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
グラディアトル法律事務所では、私文書偽造事件を含む刑事弁護に多数の実績があり、被害者との示談交渉により早期解決を数多く成功させてきました。私文書偽造事件特有の弁護活動のポイントを熟知していますので、事案に応じた最適なサポートにより有利な処分を獲得できる可能性を高めることが可能です。
逮捕や起訴を回避するにはスピード勝負となりますので、私文書偽造罪を犯してしまったときは、逮捕前の段階であってもすぐに当事務所までご連絡ください。相談は24時間365日受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
まとめ
私文書偽造罪は、非親告罪に分類されますので、被害者からの告訴がなくても起訴される可能性があります。しかし、非親告罪であっても被害者との示談が成立すれば、逮捕や起訴の回避、あるいは量刑の軽減といった面で大きなメリットがありますので、早期に示談をまとめることが重要です。
それには刑事事件に強い弁護士によるサポートが不可欠となりますので、まずはグラディアトル法律事務所までご相談ください。