「無免許運転で捕まってしまった…刑務所に入ることになってしまうのか」
「無免許運転で執行猶予がつく可能性はあるのか」
無免許運転の刑罰は、罰金または懲役(拘禁刑)です。
拘禁刑の規定がある以上、たとえ初犯であっても、刑務所に入れられる可能性はゼロではありません。
しかし、拘禁刑になった場合でも、執行猶予がつけば今までと変わらない生活を送ることが可能です。
そのため、無免許運転で検挙されたときは、弁護士とも相談しながら、刑の軽減に向けて迅速に対処を講じるようにしましょう。
本記事では、無免許運転で執行猶予がつく可能性や執行猶予を獲得するポイントなどを解説します。
今後の動向に少しでも不安を感じている方は、本記事を参考にしてみてください。
目次
無免許運転で執行猶予がつくことはある?
無免許運転は、執行猶予がつく可能性のある犯罪です。
具体的には、以下のケースに当てはまる場合に執行猶予がつくことがあります。

ただし、実際に執行猶予がつくかどうかは裁判官の判断次第です。
執行猶予の条件を満たしていても、犯行の悪質性や再犯のおそれ、社会的影響の大きさなどによっては実刑判決が下されることもあります。
【検挙回数別】無免許運転で執行猶予がつく可能性
無免許運転は、同一人物によって繰り返されることの多い犯罪です。
ここでは、無免許運転で執行猶予がつく可能性を検挙回数別に解説します。

1回目|そもそも拘禁刑になることはほとんどない
無免許運転の刑罰は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」ですが、初犯で拘禁刑になることはほとんどありません。
無免許運転は重大な犯罪行為ですが、初犯であれば悪質性が低いと判断されやすいためです。
多くの場合、不起訴処分になるか、略式起訴によって20~30万円程度の罰金刑に処されます。
ただし、事故を起こしている場合や反省の態度が見られない場合などは、初犯であっても拘禁刑になることがあるので、楽観視せず、しかるべき対応をとるようにしましょう。
2回目|拘禁刑になったとしても基本的には執行猶予がつく
無免許運転による2回目の検挙も、略式起訴で罰金刑になるケースが一般的です。
しかし、初犯から3年以内に検挙された場合などは、「反省の態度がみられない」「更生の意思がない」と判断され、拘禁刑になる可能性も出てきます。
とはいえ、2回目の無免許運転でいきなり刑務所に入れられるようなことは基本的に考えられません。
執行猶予つきの拘禁刑となり、実刑は回避できるケースがほとんどです。
3回目|執行猶予つきの拘禁刑になる
無免許運転の3回目は、執行猶予つきの拘禁刑になる可能性が高いと考えられます。
3回目にもなると裁判所も厳しい対応を取ることが多く、罰金刑では済まされなくなってしまうのです。
公開の法廷で審理され、拘禁刑6か月・執行猶予3年程度を言い渡されるのが相場といえるでしょう。
ただし、2回目で執行猶予つきの拘禁刑となっているケースでは、3回目で実刑になる可能性が高くなる点に注意してください。
はじめて実刑判決を受ける場合、刑期は5カ月程度に設定されることが多いです。
4回目|執行猶予はつかず実刑になる
無免許運転による4回目の検挙では、執行猶予がつかず実刑になるものと考えておきましょう。
度重なる無免許運転は社会的な影響が大きく、再犯防止の観点からも厳罰化される傾向にあります。
特に、執行猶予期間中に4回目の無免許運転で捕まった場合は、今回の無免許運転に関して執行猶予を獲得することはほぼ不可能です。
一方で、前回の執行猶予が終わってから3年以上経過していれば、実刑を回避できる可能性も残されています。
少しでも刑を軽減できるように、弁護士とも相談しながら、対策を講じるようにしてください。
無免許運転で執行猶予なしの実刑になりやすいケース

無免許運転で執行猶予なしの実刑になりやすいケースとしては、以下の3つが挙げられます。
自身が置かれている状況が上記のケースと類似している場合は、実刑の可能性を踏まえたうえで、迅速に行動を起こすことが重要です。
無免許運転で服役したあとに再犯した場合
無免許運転で服役したあとに再犯した場合は、執行猶予なしの実刑になる可能性が高いです。
なかでも、刑期を終えてから5年以内に判決を言い渡される場合は、原則として執行猶予がつきません。
(刑の全部の執行猶予)第二十五条 次に掲げる者が三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。 |
(引用:刑法 | e-Gov 法令検索)
服役後5年以内の再犯は、正式起訴されると確実に実刑判決を受けます。
とはいえ起訴自体を免れるのは難しいので、略式起訴による罰金刑を目指していくのが基本的な対応方針となるでしょう。
無免許運転での執行猶予中に再犯した場合
無免許運転で執行猶予中に再犯した場合も、執行猶予なしの実刑になる可能性が非常に高いです。
同種の犯罪を猶予期間中に繰り返すと、再度の執行猶予は原則認められません。
前回の執行猶予は取り消され、実刑判決を下されることがほとんどです。
例外的に再度の執行猶予が認められる可能性もありますが、今回の量刑が2年以下の拘禁刑であり、情状に特に酌量すべきものがあることなど、厳しい要件を満たす必要があります。
人身事故を起こしている場合
無免許運転で人身事故を起こした場合も、執行猶予なしの実刑判決になりやすいといえます。
人身事故を起こすと、無免許運転に加えて過失運転致傷罪や危険運転致死傷罪などの重い罪で起訴されるためです。
たとえば、無免許運転中の不注意で歩行者にけがを負わせたケースでは、通常、無免許過失運転致傷罪が適用されます。
無免許過失運転致傷罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」で罰金刑の規定がないので、起訴されるとほぼ確実に拘禁刑に処されてしまうのです。
ただし、執行猶予を獲得できる可能性がまったくないわけではありません。
事故の原因が過失であり、被害者のけがも軽傷で済んでいるようなケースでは、実刑を回避できる余地も十分残されています。
下記のコラムも併せてご覧ください。役立つ情報を記載しています。
無免許運転で執行猶予を獲得するためにできること
最後に、無免許運転で執行猶予を獲得するためにやるべきことを解説します。

犯罪を犯したという事実は変えられませんが、その後の対応次第で刑事処分が大きく変わることを念頭に置いておきましょう。
反省の態度を示す
無免許運転で執行猶予を獲得するためには、深く反省している態度を示すことが重要です。
反省の態度が十分に伝われば、更生が期待できると判断してもらいやすくなります。
その結果、正式起訴されて拘禁刑になったとしても、執行猶予つき判決を得られる可能性が高くなるのです。
ただし、反省の態度は行動で示さなければなりません。
たとえば、反省文を提出したり、被害者がいる場合は示談・謝罪を申し入れたりする方法が考えられます。
再発防止策を検討する
再発防止策を検討して提示することも、無免許運転で執行猶予を獲得するために欠かせないポイントのひとつです。
検察官や裁判官は、再犯のおそれがあるかどうかを重視しています。
そのなかで、再び同じ過ちを犯さない意思を示せれば、不起訴処分になったり、執行猶予という形で更生の機会が与えられたりする可能性があるのです。
代表的な再発防止策としては、家族に車の鍵を管理してもらう、カウンセリングや講習に通うといった方法が挙げられます。
できるだけ具体的で、実効力のある再犯防止策を検討しましょう。
刑事事件が得意な弁護士に相談する
無免許運転で実刑になるおそれがあるのなら、一刻も早く弁護士に相談してください。
経験豊富な弁護士に相談・依頼すれば、個々の状況に合わせた最適な戦略を立てたうえで、以下のような支援をおこなってくれます。
- ・逮捕直後の接見
- ・早期釈放の要請
- ・取調べ対応のアドバイス
- ・供述調書のチェック
- ・捜査機関への意見書提出
- ・反省の表明方法に関する助言
- ・再犯防止策の提案・実行
- ・家族や職場などとの情報共有
- ・法廷でのサポート
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
弁護士にはそれぞれ得意があるので、刑事事件に慣れていない人物に依頼しても、思うような成果を得られない可能性があります。
少しでも刑事処分を軽くしたいのであれば、刑事事件に注力しており、解決実績が豊富な弁護士に相談・依頼することが重要です。
無免許運転に関する不安・悩みはグラディアトル法律事務所に相談を!
本記事のポイントは以下のとおりです。
- ・無免許運転の初犯であれば、そもそも拘禁刑にならないケースが多い
- ・2回目の無免許運転は拘禁刑になる可能性があるが、基本的には執行猶予がつく
- ・3回目の無免許運転では執行猶予つきの拘禁刑になることが多い
- ・4回目以降や執行猶予期間中の再犯は、執行猶予がつかず実刑になりやすい
無免許運転で検挙された場合、実刑になるかどうかでその後の人生は大きく変わります。
深く反省し、不起訴処分や執行猶予を目指すのであれば、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
グラディアトル法律事務所は刑事事件を得意としており、実刑の可能性がある事案には最短即日中に対応させていただきます。
初回相談は無料、LINEでの相談も受け付けているので、まずはお気軽にご相談ください。
