侮辱罪はネットでも成立する!具体例や匿名の場合、厳罰化や慰謝料も解説!

侮辱罪はネットでも成立する!具体例や匿名の場合、厳罰化や慰謝料も解説!
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弁護士 若林翔
2025年07月15日更新

「え、単なる悪口でも『罪』なの?これくらいなら許されるでしょ…」
「匿名なら身元がわからないから大丈夫だよね?」
──そんな疑問や不安を抱えて、今この記事を読まれている方もいるのではないでしょうか。

近年、ネット上の誹謗中傷問題が急増しており、単なる一言が『侮辱罪』として告訴されるケースが後を絶ちません。
例えば、「バカ」「クズ」「役立たず」といった単なる暴言でも、ネットに書き込めば立派な犯罪となり、懲役・罰金だけでなく、民事上の慰謝料請求の対象となる可能性があります。

令和4年には侮辱罪の刑罰が強化され、1年以下の拘禁刑が科される可能性もあるなど、法的リスクが一層増大しています。

さらに、匿名アカウントであっても発信者情報の開示請求が行え、身元が特定されれば一発で家族や職場、人生そのものが巻き添えとなる恐れもあります。

もし、「あんなことを書いてしまった…」「後から後悔している…」という状況なら、早めの対応が肝心です。
一瞬の発言が人生を一変させる前に、ぜひ弁護士へ相談し、最善の対処を検討してみてください。

目次

ネットの書き込みが侮辱罪になるのはどんなとき?

事実ではなく“悪口”や“ののしり”が対象(名誉毀損との違い)

単なる悪口や罵倒だけでも、立派な「侮辱罪」に該当します。

名誉毀損罪が具体的事実を摘示して他人の名声を傷つけるのに対し、侮辱罪は「バカ」「クズ」「役立たず」といった単なる人格攻撃だけで成立するからです。

例えば、Twitterで他人を名指しして「クズ野郎」と呟くと侮辱罪が成立する可能性があります。

関連コラム:名誉棄損と侮辱罪の違いは事実の適示!減刑や慰謝料減額の方法も解説

不特定または多数に見られる状態なら“公然性”が認められる

公然性とは、「不特定または多数が閲覧できる場で投稿した」という意味で、誰でも見られるネット上の書込みなら基本的に成立します。

例えば、Instagramのコメント欄で他人を「無能」「害虫」と侮辱しただけでも、公然性が満たされ、侮辱罪となりえます。

一方で、DMや固定メンバーのみのLINEグループは、特定の人しか閲覧できず、広まる可能性も認められないので、公然性が認められません。

関連コラム:侮辱罪の公然性とは?ネットではすべて成立する?DMでは?徹底解説

読む人に“あの人の印象が下がる”と思わせる内容なら成立しうる

単なる陰口が、多数の読者から見て「その人物の印象が悪化した」と判断されれば、侮辱罪となります。

例えば、掲示板で「こいつ、使えないヤツだよ」と書き込み、多数の閲覧者がその相手を低く評価したなら、発信者の責任が問われる可能性があります。

関連コラム:侮辱罪の構成要件を徹底解説|どこから罪?名誉毀損との違いもわかりやすく解説

ネットでの侮辱罪で実際に有罪となったもの

SNSの配信動画で「ブスう、死ね」などと発言した

SNSの配信動画で「何処ですかあ,豚さん何処ですかあ家」、「ブスう,死ね」,「お金はない,体形は豚,顔はブス,体は臭そうってやばいなお前」などと発言したケースです。
実際に有罪判決となり、科料9000円の罰が課されました。

SNSで「1人のスタッフの愚痴を他院のスタッフに言いまくる社長」などと書き込んだ

SNSの投稿欄に、「人間性を疑います。1人のスタッフを仲間外れにし,みんなでいじめる。1人のスタッフの愚痴を他院のスタッフに愚痴を言いまくる社長 1人のスタッフの話も聞けない社長」などと投稿したケースです。
こちらも有罪判決となり、科料9000円の罰が課されました。

掲示板で「金も無いし女も居ないし友達もいない童貞だろ?」などと書き込む

インターネット上の掲示板に「○○(被害者名)って金も無いし女も居ないし友達もいない童貞だろ? 裏で悪口言われまくりなの知らないのは本人だけだ ワキガと口臭どうにかして接客しような?」などと投稿したケースです。
こちらについても、科料9000円が課されました。

関連コラム:侮辱罪と名誉毀損罪の違いとは?成立要件や判例を踏まえて解説!

ネットの誹謗中傷問題を受けて、令和4年に侮辱罪は厳罰化された

「1年以下の懲役」へと強化された罰則の内容

令和4年改正で、侮辱罪の刑罰には「一年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金」という新たな刑が追加され、大幅強化されました。

時効が1年から3年に!過去の投稿でも摘発されやすく

令和4年の改正で、侮辱罪の公訴時効は1年から3年へ延長されました。
つまり、過去の投稿や発言でも被害者から告訴されれば、1年以上経った後でも突然、警察から連絡が来る可能性があります。

なぜネット上の侮辱が厳罰化されたのか

背景には、相次ぐ著名人の誹謗中傷被害や若年層の自殺問題があります。
そのため、立法・行政・司法が一体となり、加害者に対し過去よりも強固で厳格な対応が取られる方向となっています。

ネットの匿名性があっても侮辱罪のリスクは高い

匿名でも開示請求制度により、実名バレの恐れ

侮辱罪にあたる投稿では、たとえ匿名でも、発信者情報開示請求によって身元を特定することができます。
過去の投稿でも実名や住所などの個人情報が判明し、突然の告訴・損害賠償請求となることもありえます。

開示請求にかかった弁護士費用等の分、慰謝料が高額となる恐れ

侮辱罪など誹謗中傷のケースにおいて、発信者の身元特定に発生した弁護士費用は、加害者が負担すべきとの裁判例が続出しています。
その費用も併せて請求されれば、50万円以上の巨額の賠償となる可能性も十分あります。

実名バレをした際、家族や会社への影響も出る恐れ

侮辱罪の投稿で実名バレした場合には、職場・家族へも影響が及び、信頼や立場が一瞬で崩れる恐れがあります。
その後の人生やキャリア、家族関係への影響も考えれば、早めの弁護士相談・示談交渉が人生を救う鍵となります。

ここまで読んでネットでの侮辱罪を自覚した際の対応策

ここまで読んでネットでの侮辱罪を自覚した際の対応策

被害拡大防止のため、これ以上投稿しない・投稿の削除

身元特定や記録がされる前に、問題となる投稿の速やかな削除・さらなる発信の中止が重要となります。
投稿が発端となり、被害が拡大し続ければ、告訴・民事のリスクが増大します。

弁護士に早期相談する

ネットの投稿が侮辱罪にあたるかもと悩んだ時には、早めに弁護士に相談すべきです。
侮辱罪にあたるかどうか、示談等の対応策、示談時における和解条項に盛り込む内容など、穏当に終わらせるためには専門家の力が不可欠です。
一言の暴言で人生を台無しにしないため、早期相談が命運を分ける鍵となるのです。

可能な限り早く被害者に謝罪

侮辱罪の被害者に対し、できるだけ早い謝罪が事態を改善します。
謝罪文を通して反省・改善の姿勢を示せれば、示談や民事和解へ繋がり、刑事告訴リスクも低減できます。

示談交渉により被害者と和解

示談成立によって、告訴取下げ・民事請求の減額・刑事処分の回避が可能となります。
弁護士の豊富な交渉経験を活用すれば、当事者だけで解決できない問題も、穏便で迅速に収束できます。

ネットの名誉毀損で悩んだらグラディアトル法律事務所へ!グラディアトル法律事務所の3つの強み

名誉棄損・侮辱罪について本気で対処したいと考えている方は、誹謗中傷案件に強いグラディアトル法律事務所にぜひともご相談ください。

強み1:数千件の誹謗中傷の案件を扱っています!

グラディアトル法律事務所では、事務所開設以来、相談・依頼を含め数千件の誹謗中傷案件を扱っています。Googleはもちろん、TwitterやInstagramのSNS、5ちゃんねるや爆サイといった掲示板でも実績がございます。

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弊所では365日24時間お問い合わせが可能であり、スピーディな対応を求められる誹謗中傷案件において迅速な対応をさせていただいております。

数多くのご相談いただいておりますので、当日対応ができない場合がございます。

しかし、2日以内には相談設定等のご連絡をさせていただいておりますので、ご安心ください。

強み3:お客様の声に裏付けられた丁寧な相談対応

グラディアトル法律事務所では、以下のようなありがたいお客様のお声をいただいております。

「とっても対応の良い弁護士事務所で親身に話を聞いてくださり頼りになります。」

「今回は、無料相談でしたが、弁護士の先生には丁寧に対応していただけました。」

ご相談では、上記のような「押さえておくべきポイント」など、ご依頼いただくかどうかにかかわらず、次に相談者様が何をできるか、どうすべきかといったポイントをご説明させていただいております。

まとめ

  • 侮辱罪は単なる暴言でも成立し、SNS・掲示板・配信など公然性があれば処罰される
  • 令和4年から「1年以下の拘禁刑」に厳罰化され、公訴時効も1年から3年へ延長
  • 匿名でも身元が特定され、示談金も加算されるリスクがある
  • 投稿後の対応(削除・謝罪・示談・弁護士相談)は処罰・賠償を最小化できる

一言の発言が人生を大きく変えかねない今、早めの専門家への相談が身を守るカギとなります。後悔しないため、ぜひ弁護士への相談を検討してみてください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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