児童買春で不起訴を目指すには?認め・否認事件で異なる2つのルート

児童買春で不起訴を目指すには?認め・否認事件で異なる2つのルート
弁護士 若林翔
2026年03月31日更新

児童買春事件で捜査を受けている場合、「不起訴になる可能性はあるのか」「前科を避けることはできるのか」と強い不安を感じている方は少なくありません。

実は、児童買春事件で不起訴を目指す方法は、行為を認めるか否認するかによってまったく異なります。

証拠関係が固まっている場合には「認めた上で不起訴(起訴猶予)」を目指すルートが現実的となる一方、年齢認識や金銭授受の有無などを争う場合には「嫌疑不十分・嫌疑なし」を目指す否認ルートでの弁護が必要になります。

もっとも、認否の判断や供述対応を誤ると、不利な供述が固定されてしまい、不起訴の可能性が大きく下がるおそれがあります。示談交渉の進め方や証拠対応のタイミングも処分結果を左右する重要なポイントです。

グラディアトル法律事務所では、これまで児童買春・青少年健全育成条例違反などの性犯罪事件について多数の弁護実績があり、認め事件・否認事件のいずれのルートでも不起訴処分を獲得してきた実績があります。事案ごとの証拠関係や争点を精査し、最適な弁護方針を早期に構築することで、前科回避を目指した弁護活動を行っています。

本記事では、児童買春事件の不起訴について、

・不起訴の3つの類型
・認め事件で不起訴を目指す具体的対応
・否認事件で不起訴を目指す防御戦略
・実務上、検察が重視するポイント

などをわかりやすく解説します。

児童買春事件で不起訴・前科回避を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

児童買春事件の不起訴には「認める場合」と「否認する場合」でまったく異なる2つのルートがある

児童買春事件の不起訴には「認める場合」と「否認する場合」でまったく異なる2つのルートがある

児童買春事件で不起訴を目指す場合、もっとも重要なのは事実関係を認めるか否認するか(認否)によって弁護方針が大きく変わるという点です。

児童買春事件の不起訴は、実務上、次の2つのルートに分かれます。

①行為を認めた上で不起訴(起訴猶予)を目指す「認め事件ルート」

②行為や構成要件を争って不起訴(嫌疑不十分・嫌疑なし)を目指す「否認事件ルート」

この2つは、取るべき対応や重視されるポイントがまったく異なります。

そのため、児童買春事件では、証拠関係や争点を踏まえて、どちらのルートで不起訴を目指すのかを早期に見極めることが重要です。

本記事では、この「認め事件」と「否認事件」という2つの不起訴ルートを軸に、具体的な弁護対応を解説します。

【前提知識】児童買春事件の不起訴には3つの種類がある

不起訴の類型定義・概要考慮される主な事情・ケース対応ルート
起訴猶予犯罪の成立は認められ、有罪の証拠も十分にあるが、諸事情を考慮して起訴を見送る処分被害者との示談成立、深い反省、再犯可能性の低さ、前科前歴がないこと、など認め事件ルート
嫌疑不十分犯罪の疑いはあるが、裁判で有罪を立証するに足りる証拠が不足している場合の処分年齢認識の立証が不十分、金銭授受の趣旨が不明確、供述の信用性に疑問がある、など否認事件ルート
嫌疑なし犯罪自体が成立しない、または被疑者が犯人ではないことが明らかな場合の処分相手が児童ではなかった、金銭対価性が存在しない、行為自体がなかった、など否認事件ルート

児童買春事件の不起訴には、実務上3つの類型があります。

そして、この類型は本記事で解説する「認め事件ルート」と「否認事件ルート」に対応しています。

・起訴猶予 → 認め事件ルート
・嫌疑不十分・嫌疑なし → 否認事件ルー

まずは、それぞれの意味を整理しておきましょう。

起訴猶予|犯罪の嫌疑が十分でも起訴を見送るケース

起訴猶予とは、犯罪の成立が認められ、証拠上も有罪が見込まれる場合であっても、事情を考慮して検察官が起訴を見送る処分です。

児童買春事件では、

・被害者との示談成立
・深い反省
・再犯可能性の低さ
・前科前歴がないこと

などが考慮され、起訴猶予となることがあります。

これは行為を認めている前提で判断されるため、認め事件で目指す不起訴類型です。

嫌疑不十分|犯罪の嫌疑はあるが裁判で有罪を立証するだけの証拠が足りない

嫌疑不十分とは、犯罪の疑いはあるものの、有罪と認定できるだけの証拠が不足している場合の不起訴です。

児童買春事件では、

・年齢認識の立証が不十分
・金銭授受の趣旨が不明確
・供述の信用性に疑問がある

といった場合に選択されることがあります。

これは事実関係や構成要件を争う否認事件で問題となる不起訴類型です。

嫌疑なし|犯人でないことが明白・犯罪を証明する証拠がない

嫌疑なしとは、そもそも犯罪が成立しない、または被疑者が犯人ではないことが明らかな場合の不起訴です。

たとえば、

・相手が児童ではなかった
・金銭対価性が存在しない
・行為自体がなかった

といった場合です。

これも、事実関係を争う否認事件ルートに対応します。

Ⅰ:認め事件ルート(行為を認めた上で不起訴を目指す場合)

「認め事件」とは何か|児童買春事件における具体的なケース

「認め事件」とは、被疑者が児童買春の事実関係を概ね認めている事件をいいます。実務上は、証拠関係から見ても行為の立証が可能であり、事実を争うことが現実的でないケースが該当します。児童買春事件では、以下のようなケースが典型的な認め事件となります。

事実関係を概ね争わないケース

相手が18歳未満であることや金銭を伴う性的関係があったことについて、被疑者自身も認めているケースです。

たとえば、

・出会い系サイトで知り合い、金銭を渡して会った
・相手が未成年と知りつつ関係を持った
・金銭授受の事実を認めている

といった場合です。

このようなケースでは、否認を続けても不利な結果になる可能性が高いため、罪を認めた上で不起訴(起訴猶予)を目指す弁護が現実的になります。

SNS・金銭授受など証拠が固まっている場合

児童買春事件では、SNSやメッセージアプリの履歴、送金記録などの客観証拠が残っていることが多くあります。

たとえば、

・年齢を確認するやり取りが残っている
・金額交渉のメッセージがある
・電子マネーや振込の履歴がある
・会う約束や行為を示すやり取りがある

といった場合です。

このように証拠が固まっている場合には、事実を否認しても覆すことは困難であり、むしろ不合理な否認と評価されるおそれがあります。

そのため、認め事件では早期に方針を認めに切り替え、示談や反省状況の整備を進めて起訴猶予を目指すことが重要になります。

児童買春の「認め事件」で不起訴の可能性を高める具体的対応

認め事件では、事実関係自体を争うことはできないため、検察官に「起訴までは不要」と評価してもらえる事情をどれだけ整えられるかが不起訴の鍵となります。実務上、児童買春事件の起訴猶予判断では、被害回復・反省・再犯可能性の低さなどが重視されます。

そのため、以下のような対応を早期に進めることが重要です。

被害者側との示談交渉

児童買春事件の認め事件において、起訴猶予の可否を左右する最も重要な要素が被害者との示談です。

検察は、被害者の処罰感情が緩和されているか、被害回復が図られているかを重視するため、示談の成立は不起訴判断に直結しやすい事情といえます。

児童買春事件では、被害者が未成年であるため、示談は本人だけでなく保護者の意向も含めて成立する必要があります。実務上は、保護者が強い不信感や怒りを抱いているケースも多く、被疑者本人が直接連絡を取ろうとすると感情対立が深まり、かえって示談が困難になるおそれがあります。

そのため、早期に弁護士が介入し、適切な方法とタイミングで示談交渉を行うことが極めて重要です。

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反省文・謝罪文の作成

被疑者の反省の程度も、起訴猶予判断において重要な要素です。

ただし、形式的な謝罪や定型的な反省文では、実務上ほとんど評価されません。

検察官が重視するのは、

・行為の違法性・問題性の理解
・被害者への具体的な謝罪
・被害感情への想像
・再発防止の意思

が本人の言葉で表現されているかです。

特に児童買春事件では、「未成年に対する影響の重大性を理解しているか」が重視されます。行為を軽視する記載や責任転嫁的表現があると、反省が不十分と評価されるおそれがありますので注意が必要です。

再発防止策(治療・カウンセリング等)

性犯罪事件では、再犯可能性の評価が起訴猶予判断の重要要素となります。

児童買春事件も例外ではなく、「同様行為を繰り返す危険があるか」が検討されます。

そのため、再発防止に向けた具体的行動を示すことが重要です。

たとえば、

・性嗜好・性行動に関する専門カウンセリングの受診
・性依存・衝動制御に関するプログラム参加
・医療機関での継続的治療
・生活習慣・交友関係の見直し

などです。

これらは、単なる意思表明ではなく客観的資料(受診証明・意見書等)として提出できる点で有効です。
再発防止の具体性が高いほど、「再犯可能性が低い」と評価されやすくなります。

身元引受人・監督体制の整備

被疑者の生活環境や監督体制も、起訴猶予判断で考慮されます。

特に、家族の関与や生活管理体制は、再犯防止の現実性を裏付ける事情となります。

具体的には、

・家族による監督誓約書
・同居・生活管理の体制
・行動監督・交友関係管理
・インターネット利用の管理

などです。

身元引受人が事件内容を理解した上で監督を約束している場合、社会内での更生可能性が高いと評価されやすくなります。

【モデルケース】児童買春の認め事件で不起訴となる典型的な事案と弁護のポイント

ここでは、児童買春の認め事件で起訴猶予(不起訴)となる典型的な事案をモデルケースで解説します。
実務上、どのような事情が不起訴判断に影響するのかを理解する参考になります。

事件発覚の経緯とご相談時の状況

【モデルケース】児童買春の認め事件で不起訴となる典型的な事案と弁護のポイント

ご相談者は30代前半の会社員男性です。

SNSで知り合った16歳の女子高校生と約2か月間に複数回面会し、その都度数万円程度の現金を渡して関係を持っていました。

メッセージ履歴には、

・相手が高校生である旨の記載
・年齢を示すやり取り
・金銭額の相談

が残っていました。

その後、女子高校生の保護者がスマートフォンを確認して関係が発覚し、警察に相談。

ご相談者は警察から呼び出しを受け、事情聴取で関係と金銭授受を認めています。

ご相談時、ご本人は

「相手も同意していたので問題ないと思っていた」
「軽い関係のつもりだった」

と話しており、未成年に対する影響や違法性の認識は十分とはいえない状態でした。前科前歴はありません。

弁護方針の決定

弁護士が証拠関係を確認した結果、

・未成年認識が記録上明確
・金銭対価性がはっきりしている
・本人も事実を認めている

ことから、否認方針は困難と判断しました。

そこで本件は、認め事件として示談と再発防止を中心に起訴猶予を目指す方針としました。

まず、ご本人に対し児童買春の違法性と未成年への心理的影響を具体的に説明し、認識を改めてもらいました。

同時に、被害者や保護者へ本人から連絡しないよう厳重に指示しました(直接接触は示談破談のリスクが高いためです)。

示談交渉の経過

弁護士から保護者へ連絡した当初、保護者は「処罰してほしい」「話すつもりはない」と強い拒否姿勢を示していました。

そこで弁護側は段階的に交渉を進めました。

まず、本人が事実を認めていることと謝罪意思を伝達。

次に、面会ではなく書面で謝罪を受け取っていただく形を提案しました。

ご本人には、

・未成年への影響の理解
・保護者への謝罪
・再発防止の意思

を具体的に記載した謝罪文を作成してもらい、弁護士が内容を調整したうえで提示しました。

さらに、

・二度と連絡・接触しないこと
・生活圏が重ならないこと
・SNS利用を制限すること

を具体的に説明しました。

複数回のやり取りを経て、保護者は「再接触が絶対にないなら示談に応じる」との意向に変わり、最終的に被害弁償と接触禁止を内容とする示談が成立しました。

再発防止策と生活環境の整備

示談交渉と並行して、担当弁護士は、再発防止を具体化しました。

ご本人には性行動問題に対応する専門カウンセリングを受診してもらい、継続通院を開始しました。

受診証明と支援内容資料を取得し、再発防止の客観資料としました。

また、ご家族へ事件内容を説明し、

・同居による生活管理
・夜間外出の制限
・SNS利用管理

を行う監督体制を整備しました。

家族連名の監督誓約書も作成しました。

検察への提出と不起訴決定

弁護側は検察官へ次の資料を提出しました。

・示談書
・謝罪文
・カウンセリング受診証明
・監督誓約書
・生活改善計画書

検察官は事情聴取で、「再発の可能性はありませんか」「被害者との関係は完全に断たれていますか」と再発可能性と接触危険性を確認してきたため、弁護士からそのおそれはない旨丁寧に説明したところ、本件は起訴猶予処分(不起訴)となりました。

この事例の実務上のポイント

本件で不起訴判断につながった主な要素は次のとおりです。

児童買春の認め事件では、成立が明確でも不起訴となるかは示談と再発防止の具体性で大きく分かれます。

本事例のようにこれらが十分整えば、児童買春事件でも不起訴となる可能性は実務上十分にあります。

Ⅱ.否認事件ルート(行為自体・構成要件を争う場合)

「認め事件」とは何か|児童買春事件における具体的なケース

「否認事件」とは、児童買春の成立要件に関わる事実について被疑者が争っている事件をいいます。児童買春事件では、行為自体の有無だけでなく、未成年認識や金銭対価性などの構成要件が争点となることが多くあります。
実務上、以下のような場合が典型的な否認事件となります。

「認め事件」とは何か|児童買春事件における具体的なケース

年齢を知らなかった場合

相手が18歳未満であることを知らなかった、または成人と認識していたケースです。

たとえば、

・マッチングアプリで「20歳」と表示されていた
・相手が成人と説明していた
・見た目や環境から未成年と認識できなかった

といった場合です。

児童買春では、未成年であることの認識(故意)が争点となるため、年齢認識が否定されれば犯罪は成立しません。

金銭授受の認識を争う場合

金銭が性的関係の対価ではないと主張するケースです。

たとえば、

・交通費や食事代として渡した
・交際関係の中での援助だった
・行為の対価としての合意はなかった

といった場合です。

児童買春は「対価性」が構成要件であるため、金銭と行為の対価関係が否定されれば成立しません。

行為自体を否認する場合

そもそも性的行為自体がなかったと主張するケースです。

たとえば、

・会ったが関係は持っていない
・同席者がいた
・虚偽申告である

といった場合です。

この場合は、供述の信用性や客観証拠の有無が主要争点となります。

児童買春の否認事件で不起訴を目指す場合の基本戦略

否認事件では、事実関係や構成要件の成立を争い、嫌疑不十分または嫌疑なしによる不起訴を目指します。そのためには、供述の一貫性と客観証拠との整合性を維持することがもっとも重要になります。取調べ対応を誤ると、不利な供述が証拠化され、否認が困難になるおそれがありますので注意が必要です。

警察・検察での取り調べで一貫した否認をする

否認事件で重要なのは、取調べ段階から一貫した供述を維持することです。

否認しているにもかかわらず、

・一部だけ認める
・曖昧な説明をする
・推測で答える

といった対応をすると、供述の信用性が低下します。

特に児童買春事件では、年齢認識や金銭の趣旨、関係の性質に関する供述の整合性が重視されます。供述の変遷があると、「後から作った弁解」と評価される危険がありますので、当初から一貫した供述を続けるようにしましょう。

判断に迷うときは黙秘権を行使する

取調べでは、記憶が曖昧な点や評価に関する質問を受けることがあります。

たとえば、

「未成年とわかっていたのでは?」

「対価として渡したのでは?」

といった誘導的質問です。

このような場合、安易に回答すると不利供述になるおそれがあります。

記憶が曖昧な事項や評価に関わる点については、黙秘権を行使することも重要な防御手段です。黙秘権を行使したとしても、不利になることはありませんので、状況に応じて使うようにしましょう。

自分の主張と異なる供述調書には安易に署名・押印しない

取調べ後に作成される供述調書は重要証拠となります。

内容が自分の認識と異なる場合、署名するとその内容を認めたことになります。

実務上、

・表現が微妙に違う
・認識が誤って記載されている
・推測が事実のように書かれている

といった調書が作成されることがあります。

内容に納得できない場合は、訂正を求めるか署名を拒否することが必要です。

自分の主張を裏付ける客観的証拠の収集

否認事件では、供述だけでなく客観証拠が重要です。

供述のみでは「言い分の対立」と評価されることがあります。

そのため、

・メッセージ履歴・アプリ表示情報
・同席者証言・行動記録

など、自分の認識や状況を裏付ける資料を収集することが重要です。

たとえば、年齢認識が争点であれば、プロフィール表示や相手の発言記録が有力な証拠になります。

【モデルケース】児童買春の否認事件で不起訴となる典型的な事案と弁護のポイント

ここでは、児童買春の否認事件で不起訴(嫌疑不十分となる典型的な事案をモデルケースで解説します。実務上、どのような事情が不起訴判断に影響するのかを理解する参考になります。

【モデルケース】児童買春の否認事件で不起訴となる典型的な事案と弁護のポイント

事件発覚とご相談時の状況

ご相談者は20代後半の会社員男性です。

マッチングアプリで知り合った女性と複数回会い、交際関係にありました。食事代や交通費として現金を渡したことはありましたが、本人は「対価として渡した認識はない」と述べていました。

相手女性のプロフィールには「20歳」と表示されており、会話の中でも成人である旨の説明を受けていました。

その後、女性の保護者が交際を把握し、警察へ相談。

警察から呼び出しを受けた際、相手が16歳であったことを初めて知ったとのことでした。

ご相談時、ご本人は

「未成年とは思っていなかった」
「交際の中でお金を渡しただけ」

と一貫して否認していました。前科前歴はありません。

争点の整理と弁護方針

弁護士が事情と証拠を確認した結果、本件の主な争点は次の2点と整理しました。

・相手が未成年であることの認識(故意)

・金銭と行為の対価関係

ご相談者の説明は一貫しており、アプリ表示やメッセージ内容からも成人認識は相応に合理性があると判断しました。

そのため本件は、年齢認識および対価性を争う否認事件として不起訴(嫌疑不十分)を目指す方針としました。

まず、取調べでの供述を整理し、曖昧な回答や推測発言をしないよう助言しました。

また、自身の認識と異なる供述調書には署名しないよう指示しました。

客観証拠の収集と提出

弁護側は、年齢認識と対価性に関する客観証拠を収集しました。

具体的には、

・マッチングアプリの年齢表示画面
・成人である旨のメッセージ
・交際関係を示すやり取り
・金銭授受の文脈

などです。

メッセージには、「社会人だよ」「お酒好き」「仕事終わりに会おう」といった成人を前提とする内容が含まれていました。

また、金銭についても「交通費出すよ」「ご飯代出すね」といった交際関係の中での支出と理解できるやり取りでした。

これらを整理し、供述の裏付け資料として検察へ提出しました。

取調べ対応と供述維持

取調べでは警察から、「若く見えなかったか」「関係の見返りではないか」といった質問がありましたが、ご相談者は

・成人と認識していた理由
・交際関係の認識
・金銭の趣旨

を一貫して説明しました。

不明確な点については推測で答えず、「記憶がない」と回答しました。

供述調書についても内容を確認し、認識と異なる記載は訂正を求めました。

供述の一貫性は捜査段階を通じて維持されました。

不起訴判断に至った理由

検察官は次の点を考慮し、嫌疑不十分として不起訴と判断したと考えられます。

・成人表示アプリの利用
・成人認識を裏付けるやり取り
・金銭が対価と断定できない
・供述が一貫している
・客観証拠との整合性

児童買春は未成年認識と対価性が要件であるため、これらに合理的疑いが残る場合、有罪立証は困難と判断されます。

否認事件で不起訴となる実務上のポイント

否認事件で不起訴となるかどうかは、

①供述の一貫性
②客観証拠の裏付け
③構成要件の疑いの残存

で決まります。

本件では、成人認識の合理性と対価性の不明確性を客観資料で示せたことが決定的でした。

児童買春の否認事件では、供述だけでなく認識状況を裏付ける資料を収集できるかが不起訴の分岐点になります。

認め事件と否認事件で不起訴を目指すうえでやってはいけない共通NG対応

児童買春事件で不起訴を目指す場合、認め事件・否認事件のいずれであっても、対応を誤ると処分結果に大きく不利に働く行為があります。実務上、以下のような対応は不起訴の可能性を下げる典型的なNG行為です。

認め事件と否認事件で不起訴を目指すうえでやってはいけない共通NG対応

認否を安易に変える行為

捜査の途中で認めたり否認したりと認否を変えてはいけません。

児童買春事件では、供述の信用性が処分判断に大きく影響するため、認否の変遷はそれ自体がマイナス評価につながりやすいからです。

たとえば、取調べの場面で一部を認めてしまった後に否認へ転じたり、警察と家族に異なる説明をしたりすると、供述全体の信頼性が低いと評価されるおそれがあります。特に、否認事件では「後から作った弁解」と疑われ、認め事件では「反省が十分でない」と見られやすくなります。

認めるか争うかの方針は、証拠関係と争点を踏まえて慎重に決める必要があり、途中での変更は避けるべきです。

自己判断で被害者に連絡する行為

被害者や保護者へ本人が直接連絡することは極めて危険です。

謝罪や誤解解消の意図であっても、実務上は被害者への働きかけとして強い不信感を招きやすく、かえって処罰感情を悪化させる結果になることが少なくありません。

特に、未成年事件では保護者の感情が強く、本人からの接触は「口止め」「圧力」「再接触の危険」と受け取られる可能性があります。その結果、示談交渉が不可能になったり、悪質性が高いと評価されたりするおそれがあります。

被害者との接触や謝罪の意思表示は、必ず弁護士を通じて適切な方法と順序で行うことが必要です。

証拠を消そうとする行為

メッセージ削除などの証拠隠滅行為は、処分判断において大きな不利益につながります。

児童買春事件ではデジタル証拠が重要視されるため、履歴削除やアカウント消去といった行為は「罪証隠滅のおそれ」や「反省の欠如」と評価されやすくなります。

また、データは復元されることも多く、実際には証拠を消しきれない一方で、不利な事情だけが残る危険があります。証拠を操作しようとする行為は、起訴判断を厳しくする要因となり得ます。

児童買春事件の不起訴を目指すならグラディアトル法律事務所へ

児童買春事件の不起訴を目指すならグラディアトル法律事務所へ

児童買春事件で不起訴を目指すには、認め事件か否認事件かを早期に見極め、それぞれに適した弁護方針を構築することが極めて重要です。供述対応、示談交渉、証拠整理、再発防止策の整備など、初期段階の対応が処分結果を大きく左右します。

グラディアトル法律事務所では、児童買春・青少年健全育成条例違反などの未成年関連事件について多数の弁護実績があります。認め事件では示談や再発防止の整備を通じて起訴猶予を目指し、否認事件では供述整理や証拠検討を通じて嫌疑不十分・嫌疑なしを目指すなど、事案ごとの状況に応じた効果的な弁護活動を行っています。

児童買春事件は、社会的非難が強く、対応を誤ると起訴や前科につながるおそれがあります。警察から連絡を受けた場合や取調べを受けている場合は、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。不起訴・前科回避を目指す方は、グラディアトル法律事務所までご相談ください。

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まとめ

児童買春事件で不起訴を目指すには、認め事件か否認事件かによって対応が大きく異なる点を理解することが重要です。行為を認める場合は示談や再発防止の具体化が鍵となり、行為や構成要件を争う場合は供述の一貫性と客観証拠の裏付けが重要になります。

いずれのルートでも、初期対応を誤ると不起訴の可能性が大きく下がるおそれがあります。捜査を受けている場合は自己判断で対応せず、早期に弁護士へ相談することが前科回避への重要なポイントです。児童買春事件で不起訴を目指す方は、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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