暴行罪はどこからどこまで?成立要件や罰則について詳しく解説

暴行罪はどこからどこまで?成立要件や罰則について解説
弁護士 若林翔
2024年05月03日更新

「暴行罪はどこからどこまでの範囲なんだろう?」

「暴行罪と傷害罪は何が違うのだろうか?」

暴行罪は、殴る・蹴るといった直接的な暴力行為だけでなく、「光で目を眩ませた」「爆音で心理的負担を生じた」など物理的要因によっても成立します。また、似たような刑罰として傷害罪があるので、どこからが暴行罪でそこからが傷害罪なのか、判断に迷うケースが多いです。

そこで当記事では、

  • ・暴行罪の成立要件
  • ・暴行罪の具体例(判例)
  • ・暴行罪の弁護方針

上記について、詳しく解説します。

暴行罪はどこから?暴行罪の成立要件

暴行罪の成立要件1.暴行行為があること2.相手が怪我をしないこと3.故意があること

暴行罪はどこからなのか、その成立要件については、以下の通りです。

  1. 1.「暴行」行為があること
  2. 2.相手が怪我をしていないこと
  3. 3.故意があること

 

「暴行」行為があること

暴行とは、他人の身体または精神に害する行為を指します。

また、暴行罪における「暴行」行為には、大きく分けて「直接的な暴力行為」と「間接的な暴力行為」の2つに分類され、具体的には以下の行為が暴行に該当します。

~直接的な暴力行為~

  • 殴る・蹴る
  • 特定の部位を絞める(圧迫させる)
  • 胸倉を掴む
  • 相手の衣服を強く引っ張る
  • 相手を強く押す・押し倒す
  • 塩や水などをかける
  • 相手の合意なしに突然抱き着く

~間接的な暴力行為~

  • 相手の不快になるような爆音を鳴らす
  • 怒鳴りつける
  • 光で相手の視界を奪う
  • 威嚇目的で相手の近くに物を投げつける・振り回す
  • 自動車の幅寄せ・執拗に追いかける

「暴行」という言葉を聞くと、直接叩いたり押したりといった行為を思い浮かべるかもしれませんが、実はもっと広い意味があります。法律でいう「暴行」は、手や足を使って直接人に触れることだけではありません。音や熱、光のような目に見えない力でも、人に不快感や痛みを与えれば「暴行」行為が成立します。

つまり、人を傷付ける様々な方法が「暴行」に該当することを覚えておきましょう。

 

相手が怪我をしていないこと

上記のような「暴行」行為で怪我をしていないことが、暴行罪の成立要件になります。もし、「暴行」行為により怪我をさせてしまった場合は傷害罪が適用され、罪が重くなってしまう可能性がありますので注意が必要です。

 

故意があること

暴行する目的があった場合は暴行罪が成立します。ただし、たまたまぶつかったり、地声が大きい、持っていた鏡が反射してたまたま光が目に刺さった等、故意ではない部分については暴行罪が成立する可能性は低いです。

 

他人を怪我させる行為は傷害罪に該当する

暴行罪と傷害罪の大きな違いは、「暴行の行為により怪我をしたかどうか」になります。

例えば、

例)相手の胸倉を掴んで押し倒す行為

  • ・怪我をしなかった・・・暴行罪が適用
  • ・怪我をした・・・傷害罪が適用

というように、「暴行」行為で怪我をしなかった場合は暴行罪、怪我をした場合は傷害罪という判断基準が存在します。

また、傷害罪が成立すると「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」と、比較的重い罪が科せられてしまうので覚えておきましょう。

暴行罪と傷害罪の違いについては、以下の記事もご参照ください。

暴行罪と傷害罪の違いは?成立要件や刑罰の違いを弁護士が解説

 

どこからが暴行罪か?判例3選

どこからが傷害罪か?判例3選

では、どこからが暴行罪で成立するのか、実際の判例を列挙します。

 

【判例1】大声で叫ぶ行為

被害者の耳元で携帯用拡声器を使用し大声で叫んだケース。これにより、被害者は精神的苦痛を生じたため暴行罪が成立した。

 

【判例2】塩をふりかける行為

会社側に団体交渉を行っていた被害者Aは、度々会社側の従業員から嫌がらせを受けていた。そんなある日、加害者Bが嫌がらせ目的で被害者Aに対し塩をふりかける行為を行ったことで暴行罪が成立した。

 

【判例3】被害者の手前にものを投げる行為

世話所(役所)にいた被害者Aに対し、酔っ払いの加害者Bが突然怒鳴りこんできて、事務所にあった椅子を投げつける行為を行った。被害者Aは机を盾にして椅子を回避したが、加害者Bはさらに椅子を投げつける行為を行った。結局のところ当たらなかったが、加害者Bには暴行を成す意志があったとして暴行罪が成立した。

 

逮捕された場合速やかに弁護士に相談

暴行罪において、被害者側との示談交渉がカギを握りますが、「加害者と会いたくない」「恐怖しかない」という理由で、直接的な交渉が困難であるケースが多いです。そのため、示談交渉は弁護士に依頼することをおすすめします。

 

逮捕直後は弁護士のみ面会が許されている

逮捕直後は、被害者はおろか、家族を含め誰とも面会することができません。その中で、唯一面会を許されているのは弁護士だけです。外部との連絡が取れないというのは、加害者本人だけでなく、家族や近親者、会社側も不安になりますので、そのパイプ役を担えるのは弁護士の特権とも言えるでしょう。

 

早期釈放に向けた示談交渉が必要

逮捕された場合、起訴・不起訴が決定するまでの時間が勝負になります。

とはいえ、被害者の心理状況を考えると直接示談交渉するのは困難で、現行犯逮捕ともなれば、そもそも示談交渉の場を設けることすらできません。

そこに弁護士が入ることで、被害者側も交渉に応じてくれやすくなり、示談成立となれば早期釈放や不起訴処分で前科を免れる可能性が高まります。

 

暴行罪でお困りの方はグラディアトル法律事務所へ

暴行罪でお困りの方はグラディアトル法律事務所へ

暴行罪はどこからなのか、その成立要件と罰則について解説しました。

暴行罪の成立要件は広範囲で、ちょっとしたことで逮捕されてしまうケースも少なくありません。万が一暴行トラブルに発展した場合は、弁護士に相談・依頼することが早期解決に繋がります。

暴行トラブルにお困りの場合は、実績豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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