当て逃げは、刑事処分の対象となる犯罪行為です。
証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合には、逮捕される可能性があります。
逮捕されると、事件に関与していることが家族や職場にバレるリスクもあり、日常生活に大きな支障が生じかねません。
当て逃げをしてしまい、逮捕されるかどうか不安に感じている方は、今すぐ弁護士に相談し、逮捕回避に向けた対策を講じましょう。
本記事では、当て逃げで逮捕される可能性や逮捕の要件などを解説します。
逮捕されないためにやるべきことも詳しくまとめているので、参考にしてください。
目次
当て逃げは逮捕される可能性のある犯罪行為
当て逃げは犯罪行為である以上、逮捕される可能性があります。
具体的にどのような犯罪にあたるのか、詳しくみていきましょう。

危険防止措置義務違反|1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
当て逃げは、危険防止措置義務違反に該当する行為です。
事故を起こした際は、直ちに車両を停止し、後続車の通行や二次事故を防ぐための措置を取らなければなりません(危険防止義務)。
事故を自覚しながら、その場を離れる行為は、危険防止措置義務に反します。
例えば、駐車中の車にぶつけた際に連絡先を残さず立ち去ったり、車線変更時に隣の車に接触してミラーを壊したのに、そのまま走り去るケースなどが典型例です。
危険防止措置義務違反の刑罰は「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」です。
報告義務違反|3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金
当て逃げは、危険防止措置義務違反に加えて、報告義務違反にも該当します。
交通事故を起こした際は、事故の日時・場所・損害状況などを警察に報告しなければなりません(報告義務)。
「大したことはない」「見つからなければよい」と考えて通報せずに立ち去ると、報告義務違反とみなされます。
電柱やガードレールを損壊させたのに届け出をしない行為も、報告義務違反に該当します。
報告義務違反の刑罰は「3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金」です。
逮捕の要件|当て逃げで逮捕されるのはどんなとき?
当て逃げで逮捕されるのは、当て逃げしたことを疑う相当な理由があり、逃亡や証拠隠滅のおそれが高いと判断されたときです。

すべての事案で逮捕されるわけではなく、身柄拘束の必要性が認められる場合に限られます。
被害が軽微で初犯の場合などは、逮捕のリスクもそれほど高くありません。
ただし、事故現場から離れている時点で、逃亡・証拠隠滅を疑われる状況にあるのは確かです。
逮捕される可能性は十分あることを念頭に置き、一刻も早く自首や示談などの行動を起こすようにしましょう。
当て逃げでの逮捕事例・ニュース
最近の事例を見ると、当て逃げだけで逮捕されるケースは少ないといえます。
一方で、無免許や飲酒などの違反行為が組み合わさると逮捕の可能性が高まります。
ここでは、具体的な逮捕事例を2つみていきましょう。
酒気帯び運転で事故を起こして逃走
飲酒運転で中央分離帯のセイフティライトに衝突し、横転した車ごと置き去った男性が逮捕された事例です。
【事案概要】
| 岡山県警津山署はきょう(27日)、酒気帯び運転で当て逃げをしたとして、津山市高野本郷、無職の男(42)を道路交通法違反(酒気帯び運転、危険防止措置義務違反など)の疑いで逮捕した。・・・酒気を帯びた状態で軽四貨物自動車を運転し、伏見町地内の国道で、自車を中央分離帯に設置されたセイフティライトに衝突させ、道路上に自車を横転させた。その後、危険防止などの措置を行わず現場に車両を放置し逃走した疑い。(引用:津山朝日新聞) |
飲酒後の運転で物損事故を起こし、当て逃げしてしまうケースは後を絶ちません。
そもそも飲酒運転自体が重大な交通違反であり、そこに当て逃げが加わると、逮捕される可能性は非常に高いと考えられます。
無免許運転で追突事故を起こして逃走
無免許運転で停止中のトラックに追突し、そのまま逃走した男性が逮捕された事例です。
【事案概要】
| 無免許運転や当て逃げなどをした疑いで住所不定・無職の〇〇容疑者(20)が逮捕されました。 警察によりますと〇〇容疑者は7月10日の午後5時前、熊本市南区流通団地で無免許運転し、一時停止線で止まらず左折。信号待ちで停車中のトラックに追突しそのまま逃走した疑いです。(引用:KKT熊本県民テレビ) |
無免許運転と当て逃げの容疑で逮捕されるケースも決して珍しくありません。
なかでも、本事案のように被害の大きい事故を起こしている場合は、逮捕される可能性が高くなります。
当て逃げによる逮捕までの流れ
次に、当て逃げで逮捕されるまでの基本的な流れを解説します。

1.被害者が警察に被害届を提出する
当て逃げによる逮捕のきっかけとなりやすいのは、被害届の提出です。
被害届が受理されると、警察が捜査に乗り出します。
なお、被害届に提出期限はありません。
時効を迎えるまでは、被害届の提出を契機に、捜査が進められる可能性があります。
2.警察が捜査に乗り出して加害者を特定する
被害届の受理をきっかけに、警察は本格的な捜査に乗り出し、加害者の特定にあたります。
警察の捜査では、防犯カメラの映像解析や目撃者からの情報収集などがおこなわれるケースが一般的です。
さらに、加害者の車両ナンバーが判明すると、車検証の情報などから住所も割り出されます。
3.警察が自宅に来る・呼び出しを受ける
ケースバイケースですが、加害者として特定されると、警察が自宅を訪ねてきます。
具体的には、警察官2~3名が自宅を訪れ、逮捕令状を示されたうえで、身柄を押さえられます。
「仕事に行かないといけない」「家族に連絡したい」といった要望は一切受け付けてもらえません。
また、電話で出頭を促され、取調べを受けた段階で逮捕されるケースもあります。
当て逃げで逮捕されたあとの流れ
次に、当て逃げで逮捕されたあとの流れを解説します。

1.警察の取調べを受ける
当て逃げで逮捕されたあとは、警察の取調べを受けます。
警察署の取調室で、事故の経緯や逃走理由を詳細に聞かれることになるでしょう。
取調べ後は供述調書へのサインを求められますが、納得できない点がある場合は必ず修正を求めてください。
供述調書の内容次第で、今後の刑事処分は大きく変わります。
サインする前に、弁護士にも確認してもらうと安心です。
2.検察に送致される
逮捕から48時間以内に、警察は事件を検察に引き継ぎます。
そして今度は、検察官による取り調べを受けなければなりません。
検察官は取調べを進めながら、24時間以内に、勾留による身柄拘束の必要性を判断します。
とはいえ、24時間という短い時間で、釈放が認められるだけの材料が揃うことは少なく、裁判官への勾留請求がおこなわれるケースがほとんどです。
なお、軽微な事件であれば、微罪処分により、送致されずに刑事手続きが終了することもあります。
3.勾留による身柄拘束を受ける
検察から裁判所への勾留請求は、ほぼ確実に許可されます。
勾留期間は原則10日間です。
留置所などで生活しながら、日々取り調べを受けることになります。
さらに、勾留期間は10日間の延長が認められています。
つまり、勾留が決定すると、最大で20日間もの間、身柄を拘束される可能性があります。
4.起訴・不起訴が判断される
勾留期間中の取調べを経て、最終的には起訴・不起訴が判断されます。
不起訴になれば、その時点で釈放され、事件が終了します。
被害が軽微で示談も成立している場合などは、不起訴になる可能性も十分あるといえます。
一方、被害が大きく、加害者が否認しているような場合は起訴され、裁判に移行します。
なお、略式起訴が選択されたときは、公開の裁判が省略され、書面審理のみで罰金刑が確定します。
当て逃げでの逮捕を回避するための3つの対処法
次に当て逃げでの逮捕を回避するための対処法を解説します。

初動が遅れると逮捕の可能性が高まってしまうので、迅速な行動を心がけましょう。
警察に自首する
当て逃げでの逮捕を回避したいのであれば、自首することも検討しましょう。
自首して、逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを示せば、逮捕回避の可能性が大きく高まるからです。
また、自首は不起訴処分や刑の軽減にもつながります。
ただし、警察に特定される前でなければ、自首は認められません。
また、自首後は取調べを受けることになるので、弁護士にも相談したうえで事前準備しておくことが大切です。
被害者がわかっている場合は示談を申し入れる
被害者と連絡が取れる状況にある場合は、示談を申し入れましょう。
被害届が出される前に示談を成立させることができれば、事件化を防げます。
また、事件化した場合でも、示談によって和解していることが分かれば、警察もあえて逮捕に乗り出そうとはしなくなります。
当て逃げの示談金は、損害額の数万円〜100万円程度が相場です。
直後示談を申し込むと、相手の感情を逆なでするおそれがあるので、弁護士に依頼することをおすすめします。
刑事事件が得意な弁護士に相談する
当て逃げでの逮捕が不安なら、刑事事件が得意な弁護士に相談してください。
弁護士に相談・依頼すれば、被害者との示談を早急に進めてもらえるため、事件化を防げる可能性が高いです。
事件化した場合でも、逃亡・証拠隠滅のおそれがなく、逮捕の必要性がないことを、警察に対して効果的に主張してくれます。
仮に逮捕された場合でも、あらかじめ弁護士に相談しておけば、早期釈放に向けた弁護活動を迅速に進めてもらえるはずです。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件を得意とする弁護士が24時間365日体制で相談に応じています。
事態が悪化する前に、まずはご相談ください。
当て逃げの逮捕に関してよくある質問
最後に、当て逃げの逮捕に関してよくある質問に回答します。

当て逃げで逮捕されるまでの期間は?
当て逃げで逮捕されるまでの期間は、数日〜数週間程度が一般的です。
防犯カメラの映像が残っている場合などは、被害届が提出されてから加害者が特定されるまでにそれほど時間を要しません。
しかし、捜査が難航したときは、数ヵ月以上経ってから逮捕されることもあります。
当て逃げの公訴時効(3年)が経過するまでは、いつ逮捕されてもおかしくない状況が続きます。
当て逃げの逮捕率は?
公的データはありませんが、当て逃げの逮捕率は比較的低いと考えられます。
当て逃げは被害が軽微なケースが多く、逮捕による身柄拘束の必要性は認められにくいからです。
そもそも加害者が被害届を出さないケースも珍しくありません。
ただし、可能性がないわけではなく、ドライブレコーダーの普及等により検挙・逮捕されやすくなっているのも事実です。
当て逃げで現行犯逮捕されることはある?
当て逃げは現行犯逮捕されることもあります。
例えば、見回りをしていた警察官に当て逃げの瞬間を目撃された場合は、その場で現行犯逮捕される可能性があります。
また、警察官だけでなく、被害者本人も現行犯逮捕をおこなうことが可能です。
当て逃げの逮捕が不安ならグラディアトル法律事務所に相談を
本記事のポイントは以下のとおりです。
- ・当て逃げは危険防止措置・報告義務違反に該当する犯罪行為であり、逮捕され得る
- ・逮捕後は身柄拘束を受けながら警察や検察の取調べを受けることになる
- ・逮捕回避には自首や示談が有効
- ・当て逃げの逮捕率は低いが、時効を迎えるまでは可能性が残されている
当て逃げで逮捕されると、長期間の身柄拘束を受ける可能性が高く、家庭生活や仕事にも大きな支障が生じることになるでしょう。
しかし、当て逃げが事実であっても、その後の行動次第で逮捕を回避することは可能です。
弁護士とも相談しながら、自首や示談などの対策を速やかに講じるようにしてください。
グラディアトル法律事務所は、刑事事件を得意とする法律事務所です。
初回相談は無料、LINEでの相談にも応じているので、まずはお気軽にご相談ください。
