【風俗トラブル解決事例】仙台での本番トラブル解決事例

弁護士 若林翔
2019年12月24日更新

今回の風俗トラブルは,岩手県は仙台の本番トラブルにおける解決事例。

相談者は仙台に在住の40代半ばの男性。仙台では有名な風俗グループのデリヘルを利用したさいに本番行為をしてしまった。
デリヘル店側から「家族と職場にバラすぞ」とフェイスブックのメッセンジャーから脅迫めいた文言をもらい,不安になって弊所まで相談にきた。

デリヘル店側は刑事告訴も辞さないと脅迫してきていたものの,弁護士が介入することで示談金0円で無事に解決できた。

風俗トラブルの事件概要【本番トラブル】

今回の風俗トラブルの内容はこうだ。

何回か偽名でそのデリヘル店を利用しており,今回は初めてのキャストを指名した。
なんとも可愛らしくサービスが良かったのでかなりの当たりだったよう。

久々に当たりのデリヘル嬢を指名できて気分が高揚してしまったのか,素股中に挿入してしまった。
相談者は,女の子に「挿れていいかどうか聞いたかは定かではない」と言っていたが,当人とデリヘル嬢以外は知る由もない。
仮に本番行為の同意なしに挿入してしまった場合には,最悪の場合刑法177条の強制性交等罪により5年以上の懲役が科される可能性がある。

(強制性交等)
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

引用|刑法177条

挿入後,女の子が素股をやめて一旦離れた。一度高まった性欲を抑えるのは難しかったらしく,相談者は女の子に「少しだけでも」と再度の行為を懇願したらしい。

当然女の子は「ダメ。お店のルールでも禁止されてるから。」と拒否をしたが,相談者の強引さに負けて結局最後までしてしまった。
中に出すことまではしなかったらしいが,それは当然といえば当然で,もしそんなことをしていたら女の子の処罰感情を宥めるのは困難となり,すぐに警察を呼ばれて身柄拘束までいってもおかしくはない。

サービスが終わり女の子が帰ったあとすぐに相談者もホテルを出た。しかしその5分後にはすでに見知らぬ番号から着信があったようだ。
女の子がすぐにお店に相談して,マネージャーなどの責任者が電話してきたのだろう。風俗トラブル定番の流れだ。

気分良くホテルを出た相談者であったが,その着信を見て我に返る。嫌な予感がして電話には出なかった。
相手を逆撫でしないよう最低限,携帯の電源を切ることはしなかった。単に電話に出る勇気がなかったのかもしれない。

関連記事:携帯番号から住所などの個人情報が調べられるか

その対応は風俗トラブルではある意味では正解だと思う。電話がかかってきた時点でお店側がルールを破った利用者を許さないという姿勢は見て取れる。そんな状況のときは,電話に出るより先に弁護士に相談してしまった方が,風俗トラブルを専門に扱う弁護士の経験則ながら,穏便に解決できる可能性が高まるように思う。

当日の夜はそんな具合でなんとも眠れぬ夜を過ごしたが,翌日の朝に店長とおぼしき人物からフェイスブックのメッセンジャー機能を通じて連絡がきた。どうやら電話番号から調べて相談者のことを突き止めたらしい。

本来であれば電話番号から相談者を突き止めることは警察や弁護士以外は難しいのだが,SNS時代の隙を突かれてしまった形だ。フェイスブックで電話番号認証をしていたおかげでデリヘル店側に相談者の素性がバレてしまった。

メッセンジャーで送られてきた内容としては,
これ以上電話に出ないとデリヘル嬢に強姦したことを職場や家族にバラすぞ
「本日中に連絡がなければ自宅に行くぞ」
といった感じだ。

自分一人ではどうすることもできないと悟った相談者は当事務所まで電話をしてきてくれた。

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風俗トラブルの相談内容

風俗トラブルといえば本番トラブルか盗撮トラブルが大体だが,今回は本番トラブルでの相談。

仙台在住ということだったが,風俗トラブルが発生してから2日後に東京へ出張の予定があったため,当事務所まで足を運んでくれた。予約をせずに来所してもらっても即時対応できる弁護士が不在だったりすることもあるので,事前に必ず予約をしてほしい。

当事務所のオフィスは東京と大阪にあるため,関東圏・近畿圏はカバーしているのだが,他の地域でも電話にて相談・依頼が可能となっているため,遠慮なく電話相談をしてきてほしい。風俗トラブルといえば会社や事務所が閉まった時間に発生することが多いため,当事務所も24時間の電話対応を行っている。

対応した弁護士が相談者の話を聞いて,今後の方針を説明していく。

お店からの請求を全て弁護士がブロックして一銭も払わずに相手が諦めるのを待つ
お店と女の子に謝罪をしていくばくかの示談金を支払う

相談者としては,本番行為に同意はあったが謝罪はしてもいいと。ただし,お金は払いたくない。という意向のようだ。
風俗トラブルをお金で解決するにはある程度まとまったお金が必要になるため,相談者の言い分も分からなくはない。

しかし,①の場合には強制性交等罪などで刑事告訴されてしまう可能性がある。②の場合は前述したとおりまとまったお金が必要になる。

相談者の意向を聞く限りでは,②を採用したところで「本番行為に同意はあったけど申し訳ありませんでした。」と反省の意が相手に伝わらないような謝罪文句になってしまう。そうすると,相手の処罰感情を抑えることができず結局は刑事告訴までされてしまう可能性があった。

①を採用した場合のリスクを相談者に十分説明したうえで,任意交渉という形で対応した弁護士が依頼を受けた。
①の場合には予め先手を打って,こちらが先に「風俗店から恐喝されています」と警察に被害の相談をするという方法もある。そうすることで,こちらが一方的な加害者になるリスクを減らすのだ。

ちなみに,当事務所では警察署への同行もオプションで選択できる。

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風俗トラブルの交渉内容

依頼を受けて弁護士はすぐに,依頼者の前でデリヘル店に電話をした。担当者が不在であったものの,風俗トラブルは早期解決がなによりなためすぐに折り返しをもらえるよう伝えて一旦電話を切る。伝言の内容も「◯◯さんの代理人として交渉を担当する△△と申します。以後◯◯さんへのご連絡は控えてもらうようお願いします」といったものだ。

今後は弁護士が依頼者の盾になって事件解決に動いていくのだが,お店に弁護士から電話してもらい依頼者も安堵したようで,すっきりした顔で帰っていった。

当日中にお店の別部署と名乗る担当者から電話がきた。規模の大きいグループだけあって風俗トラブル専門の部署まであるものなのか。

伝言を聞いた担当者としては,「お店のルールを破ったのだから,まずは誠意ある謝罪を」とのこと。
もし依頼者からの謝罪がないようであれば,強制性交等罪で刑事告訴するという脅しも付け加えられた。

弁護士としても想定するところではあったが,依頼者の意向は刑事告訴のリスクも含めた上での全突っぱねなため「それは難しいです」と担当者にお伝えする。

担当者としても納得がいかないようで,お店側がその気なら裁判で争いましょうと弁護士から伝える前に「じゃあ裁判するわ」とガチャ切りされてしまった。

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実際に刑事告訴されるケースは多くはないが,あるにはある。しかも,その場合には最悪実刑となり,刑務所に入れられてしまう。

そのリスクも覚悟したうえで依頼者は全突っぱねという手段を選んだわけだが今回は刑事事件化はしなかった。

警察から被害届を受理したとの相談もないようだし,もちろん裁判所からの訴状も届いてない。

依頼者にもその旨を報告して事件は解決できた。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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