風俗本番強要は強制性交等罪で逮捕・実刑も!?新井浩史氏の実刑判決確定を受けて《風俗トラブル》

派遣型のメンズエステ店で、セラピストの女性に対して性的な暴行をしたとして、強制性交等罪(旧強姦罪)で逮捕されていた俳優の新井浩文氏について、東京高裁は懲役4年の実刑判決を言い渡した。

デリヘル等の風俗店では、本番強要等の風俗トラブルが多い。

このような風俗の本番強要事例においても、新井氏と同様に強制性交等罪で逮捕され、実刑判決となる可能性があるのだろうか。

まずは、新井氏のニュースを見てみよう。

新井浩文氏の強制性交等罪実刑判決ニュース

性的暴行の罪 俳優の新井浩文被告 懲役4年の実刑判決 東京高裁

俳優の新井浩文被告が、セラピストの女性に性的な暴行をした罪に問われた事件の裁判で、2審の東京高等裁判所は、「1審のあとに被害者に慰謝料を支払い和解を成立させた」として懲役5年とした1審判決を取り消し、懲役4年を言い渡しました。

俳優の新井浩文被告(41)は、おととし、東京世田谷区の自宅マンションで、派遣型のエステ店で働く女性セラピストに性的な暴行をした罪に問われ、1審では求刑通り、懲役5年が言い渡されました。

これに対し、被告は控訴し、「同意があったと思っていた」と無罪を主張して争っていました。

17日の2審の判決で東京高等裁判所の細田啓介裁判長は、「被害者は被告に性的行為を求められ、動揺した状態に陥り、抵抗するのは著しく難しい状況だった。1審の認定に誤りはない」と指摘して、被告側の主張を退けました。

一方で、「1審のあとに被害者に300万円の慰謝料を支払うなどして和解を成立させた。刑を1年減らすべきだ」として1審判決を取り消し、懲役4年を言い渡しました。

NHKニュース 2020年11月17日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201117/k10012716501000.html

強制性交等罪について

強制性交等罪とは、被害者の犯行を著しく困難にさせる程度の暴行・脅迫を用いて性交、肛門性交、口腔性交を行う罪をいう。

刑法(強制性交等)
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

改正前の強姦罪とは、以下の点で異なる。

・性交のみならず、肛門性交、口腔性交も含まれる

・懲役3年以上から、5年以上に厳罰化

・被害者が女性に限られなくなった

・親告罪ではなくなった

上記表について、産経ニュースより引用

 

風俗での本番強要と強制性交等罪

メンズエステはもとより、デリヘル等の性風俗店においても本番行為(性行為)は禁止されているのが通常だ。

対価を得て不特定多数の客と性行為をすることは売春に該当し、店は売春の周旋や場所の提供をしていたとして、売春防止法違反で刑事罰を受けるおそれがあるからだ。

とはいえ、風俗での本番トラブルは後を絶たない。

魅力的な女性キャストから性的なサービスを受けたら、本番行為をしたくなってしまう客の気持ちは分からなくもない。

また、風俗のキャストとしても、本番をした方が指名が取れる、本番をした方が楽などと考え、本番行為に応じるキャストがいることも事実だ。

そのような状況下において、本番についての同意の有無が争いになる。

風俗における本番行為においても、キャストの同意がなく、その反抗を著しく困難にさせる程度の暴行・脅迫を用いて性交等をした場合には、強制性交等罪に該当する

風俗の本番強要と逮捕・強制性交等罪については、以下のページも参照して欲しい。

リンク:風俗本番トラブルについて

 

強制性交等罪の量刑と執行猶予・実刑

前述の如く、刑法が改正され、強姦罪から強制性交等罪になり、厳罰化された。

3年以上の懲役から、5年以上の懲役となった。

そして、法律上、執行猶予をつけることができるのは、3年以下の懲役の場合に限られる。

厳罰化された強制性交等罪は、5年以上の懲役のため、そのままでは執行猶予をつけることができず、実刑となってしまう

もっとも、情状に酌量事由がある場合には、減刑をすることができるため、その場合には、2年半以上の懲役刑を選択することができるため、3年以下の懲役刑が選択されれば、執行猶予をつけることができるようになるのだ。

刑法(刑の全部の執行猶予)
第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

(酌量減軽)
第六十六条 犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。

(酌量減軽の方法)
第七十一条 酌量減軽をするときも、第六十八条及び前条の例による。

(法律上の減軽の方法)
第六十八条 法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。

では、強制性交等罪の量刑相場はどうなっているのだろうか?

令和2年の強制性交等罪の量刑について、最高裁判所から提供を受けたデータを基に法務省刑事局において作成されたデータによると、以下のようになっている。

執行猶予付き判決 19%(執行猶予48件/全体250件)

3年以下の懲役 25%

5年以下の懲役 40%

7年以下の懲役 21%

このように、執行猶予付き判決が19%、懲役刑については3〜7年の間の判決が86%となっている。

性犯罪の量刑に関する資料(法務省刑事局)より

 

強制性交等罪における執行猶予の判断基準

上記のデータによれば、執行猶予付き判決は19%だ。

では、どのような場合に執行猶予がつくのだろうか?

強制性交等罪の量刑で考慮される要素は以下のとおりだ。

  • 単独犯か複数犯か
  • 凶器を使用したか
  • 示談の成否
  • 被害感情
  • 暴行脅迫の程度
  • 被害結果の重大性
  • 同種前科の有無
  • 加害者と被害者の関係性

これらの事情を総合考慮して判断されることになる。

特に、重要なのが、被害感情と示談の成否だ。

執行猶予がついている事案では、示談が成立して、被害者の宥恕(許し)を得ているケースが多い。

そのため、強制性交等罪で執行猶予付き判決を狙うのであれば、示談を成立させ、被害者に許してもらうことが最も重要になる

執行猶予となった元ミスター東大候補生の強制性交等罪で逮捕され、執行猶予となった件の以下の記事も参照して欲しい。

リンク:元ミスター東大候補者,強制性交罪で懲役3年,執行猶予5年!

風俗本番強要と強制性交等罪のまとめ

以上で見てきたように、強制性交等罪は、起訴されたら約8割が実刑となる。

そして、その過半数が5年以上の懲役刑だ。

デリヘル等の風俗店での本番強要も強制性交等罪に該当しうる行為で、逮捕・起訴されてしまえば、重罪となる。

風俗等で遊ぶときには、キャストの気持ちを思いやり、楽しく綺麗に遊んで欲しいものだ。

その他の風俗トラブルでの逮捕事例と逮捕されないための対処法については、以下の記事も参照して欲しい。

風俗トラブル逮捕事例(盗撮・本番強要)と逮捕されないための対処法!

 

追記:風俗本番強要の強制性交致傷罪での逮捕事例!

デリヘルで本番強要をして、その際にキャストに怪我を負わせたとして、強制性交致傷罪で逮捕された事件がニュースになった

デリヘル女性に性的暴行でけが、容疑で男逮捕 唐津署

東松浦郡玄海町内の住宅で20代女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、唐津署は5日、強制性交致傷の疑いで、自称福岡県春日市大土居2丁目、建設作業員の男(64)を逮捕した。

逮捕容疑は4日午前0時55分ごろから同1時55分ごろまでの間、男が所有する東松浦郡玄海町今村の住宅で、デリバリーヘルスの20代女性の両腕を押さえ付けるなどして性的暴行を加え、左腕などに約10日間のけがを負わせた疑い。「腕をつかんだだけで、けがをさせるつもりはなかった」と一部否認している。

同署によると、女性の送迎を務める男性から同署に通報があった。2人は初対面だったという。

2021,5,6 佐賀新聞LiVE

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/671843

前述したように、強制性交致傷罪は非常に重い罪だ。

この事件の解説及び強制性交致傷罪の構成要件・量刑についての解説は、以下の記事を参照してほしい。

デリヘル本番強要逮捕事例【風俗トラブル/強制性交致傷罪】

 

 

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