AVの違法ダウンロードはバレる?逮捕や損害賠償のリスクを解説

AVの違法ダウンロードはバレる?逮捕や損害賠償のリスクを解説
弁護士 若林翔
2026年08月18日更新

「AV(アダルトビデオ)を違法ダウンロードしたら逮捕されるの?」

「AVを違法ダウンロードしたけど、個人情報はバレないだろうか」

自分の行為を冷静に振り返って、不安になったという方がいるのではないでしょうか。

結論から言えば、AVの違法ダウンロード行為だけで個人情報がバレたり、逮捕されたりする可能性は低いです。著作権者はダウンロード行為よりも、アップロード行為を摘発する傾向にあるからです。

ただ、これはあくまで現時点でのことです。近年は違法ダウンロードの厳罰化が進み、AV制作会社も違法コンテンツ対策に力を入れているため、状況はいつ変わってもおかしくありません。

逮捕されなくても、AV制作会社から民事で高額な損害賠償を求められるケースは多数報告されています。

「大量にAVをダウンロードしてしまって、今更どうしよう…」

ご安心ください。AVの違法ダウンロードは、かなりリスクの高い行為ですが、早めに示談することで、何事もなかったように日常に戻れます。

AVの違法ダウンロードについて本記事でわかること

本記事を読むと、「自分の行為がAVの違法ダウンロードに該当するのか」「どれくらいリスクがあるのか」だけでなく、これから自分が取るべき最善の行動がわかるはずです。

最後まで読んで、自分の未来を守りましょう。

また、「AVで違法ダウンロードするとどうなるのか」については、YouTubeでも解説しています。サクッと内容を知りたい方は以下の解説動画をご覧ください。

目次

AVの違法ダウンロードは「親告罪」のため逮捕の可能性は低い

AVの違法ダウンロードと逮捕の可能性

AVを違法ダウンロードしても、基本的には逮捕に至る可能性は低いです。これは、AVの違法ダウンロードが問われる著作権法違反が「親告罪」だからです。

※親告罪とは?
著作権者などの被害者が告訴しなければ、起訴できない犯罪のことです。

ここで、AVの著作権者の立場になって考えてみてください。

AVの著作権者としては、作品をタダで見られては困ります。

そこで、著作権者としては、個別のダウンロード者ではなく、違法ダウンロードの水源となっている違法アップロード者の方を告訴対象にしたいと考えるケースが多いのです。

最近、AVのダウンロード方法として主流になっているのは、トレントなどのファイル共有ソフトを使った方法だからです。ファイル共有ソフトを使った場合は、仕組み上、ダウンロードと同時にアップロードも行ってしまいます。

そのため、自分では「ダウンロードしただけ」のつもりでも、実は違法アップロードも同時に行なっている可能性が十分に考えられるのです。

実際に弊所では、トレントでAVをダウンロードしたことで発信者情報開示請求を受けてご相談をいただくケースが増えています。

【グラディアトル法律事務所の事例】

AV動画をダウンロードのみしているつもりが、突然プロバイダから意見照会書が届いた事例

相談者は、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してAV動画をダウンロードしてしまいました。その後、プロバイダから、AVメーカーが著作権侵害を理由として発信者情報の開示を求めているとして、「発信者情報開示に係る意見照会書」が届きました。ダウンロードしたつもりの行為が、トレントの仕組み上、アップロードとして著作権者に把握されていたのです。

相談者は、開示後に高額な請求を受ける前に早期に示談したいと考え、弊所にご依頼いただきました。弁護士が相手方代理人と交渉したところ、請求対象の1作品以外にも同じメーカーの作品について複数の権利侵害が判明していることが分かり、1作品のみの示談では追加請求を受けるリスクがある状況でした。

そこで、同じメーカーの作品全体を対象とする包括和解を選択し、最終的に77万円を支払う内容で解決しました。示談が成立したことで、刑事告訴や裁判に発展することなく事件は終了しています。

AVの違法ダウンロードを告訴するかどうかは、AV制作会社や出演者らが決めます。いつ・誰が告訴をするかは、誰にも分りません。

AVの違法ダウンロードは、相手に爆弾のスイッチを握られているようなものと考えましょう。

損害賠償請求もブロックして0円で解決できる可能性も!

もっとも、意見照会書や高額な請求書が届いたとしても、請求されるがままに支払うしかないわけではありません。

請求金額に法的な根拠が伴っていない場合には、弁護士が交渉することで、支払いを拒否する「ブロック対応」という選択肢を取れるケースもあるからです。

実際に、弊所でブロック対応を行った事例を紹介します。

【グラディアトル法律事務所の事例】

50万円の損害賠償請求に対し、算定根拠が不十分として支払いを拒否した事例

相談者は、過去に別のAVメーカーと和解した経験があり、その後、新たに別の権利者から発信者情報開示請求の書類が届きました。前件で示談金の負担が大きかったこともあり、弁護士とリスクを検討したうえで、今回は安易に示談せず、請求に応じない方針を選択しました。

その後、発信者情報が開示され、相手方の代理人から、著作権侵害を理由に50万円を7日以内に支払うよう求める通知書が届きました。通知書には、支払わなければ民事・刑事の法的措置を検討する旨も記載されていました。

これに対し弁護士は、50万円という金額の算定根拠について客観的な証拠が示されていないことを理由に、請求には応じられない旨の回答書を送付しました。請求されるがままに支払うのではなく、根拠を求めて対応した事例です。

ただし、請求を拒否すれば、相手方から民事訴訟や刑事告訴をされるリスクもあります。

示談すべきか、ブロック対応を取るべきかは事案によって異なるため、請求が届いたら、自己判断せず弁護士に相談しましょう。

AVの違法ダウンロードに該当する行為2つ

次に、何をしたらAVの違法ダウンロードに該当するのかを押さえておきましょう。

AVの違法ダウンロードに該当するのは、次の2つの行為です。

AVの違法ダウンロードに該当する行為

有料のアダルト動画を無断でダウンロードする行為

1つ目は、有料のアダルト動画を無断でダウンロードする行為です。

有料のアダルト動画とは、FANZAやカリビアンコムなどのサイトが販売・配信しているAVを指します。これらの有料AVを、正規に購入せず、ファイル共有ソフトなどを使って無断でダウンロードするのは犯罪です。

違法サイトから動画をダウンロードする行為

2つ目は、違法サイトから動画をダウンロードする行為です。

「無料のAVならダウンロードしても違法にならないのでは?」と、考える方もいるかもしれません。

しかし、PornhubやXVIDEOSに限らず、AV制作会社の許可を得ずに無断でアップロードしているサイトは、すべて違法サイトとなります。

本来は有料で販売されているAVが、無料で全編視聴・ダウンロードできる状態になっているなら、無断でアップロードされた違法なものと考えるべきでしょう。

違法サイトから動画をダウンロードするのは、違法ダウンロードに該当するので注意しましょう。

AVのストリーミング再生は違法ダウンロードには該当しない

違法サイトの動画を視聴するのは合法

「ダウンロードはしていないが、違法サイトでAVを視聴したことはある」という方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、違法にアップロードされたAVをストリーミングで視聴しても、違法ダウンロードとはなりません。

ストリーミング再生とは、「埋め込み動画」とも呼ばれるもので、動画データを受信しながら、同時に再生する方法のことです。ブラウザ上で再生ボタンを押して視聴するだけの場合は、ストリーミング再生にあたります。

ダウンロードとの違いは、動画データのコピーが自分のデバイスに保存されるかどうかです。

ストリーミング再生では、視聴のために一時的なデータ(キャッシュ)が作られることはありますが、ダウンロードのように動画ファイルが手元に残るわけではありません。そのため、キャッシュが残っていたとしても、違法ダウンロードには該当しないと考えられています。

このストリーミング再生とダウンロードの違いは、実際の裁判でも判断が示されています。

ストリーミング再生とダウンロードの違いに関する裁判例(東京地判平成28年4月21日)

ストリーミング再生とダウンロードの違いが問題となった裁判例として、東京地判平成28年4月21日があります。

この裁判は、AVメーカーが、自社の作品2本を動画共有サイト「FC2アダルト」に無断でアップロードした個人に対し、著作権(公衆送信権)侵害を理由に約1,475万円の損害賠償を求めたものです。

このなかでAVメーカー側は、「ストリーミングの再生回数は、ダウンロードされた回数と同じように扱うべきだ」と主張し、再生回数をもとに高額な損害額を算定していました。

しかし、裁判所は次のように述べて、この主張を退けました。

本件においてはダウンロードを伴わないストリーミング配信が行われたにとどまり、(中略)データを受信した者が当該映像を視聴した後はそのパソコン等に上記データは残らないというのであるから、受信複製物が作成されたとは認められないと解するのが相当である。
(出典:東京地判平成28年4月21日

ストリーミング再生では、視聴者のパソコンに動画データのコピー(複製物)が残らない。だからダウンロードと同じようには扱えない、というのが裁判所の判断です。

無修正AVであってもダウンロードのみや単純所持は違法ではない

無修正のAVであっても、ダウンロードのみの場合や、単純に所持しているだけの場合は、違法ではありません。

これは、刑法175条が処罰の対象としているのが、わいせつ物を「頒布」したり「公然と陳列」したりする行為だからです。ダウンロードして自分で視聴したり、保存しておいたりする行為を処罰する規定は、刑法にはありません。

そのため、無修正のAVであったとしても、ダウンロードのみの場合や単純所持については刑法上の処罰規定はなく、刑法に違反することはありません。

(わいせつ物頒布等)第百七十五条 
1.わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2.有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

ただし、自分で見るためではなく、有償で頒布する目的でわいせつ物を所持・保管すると、わいせつ物有償頒布目的所持罪(刑法175条2項)として処罰対象になります。

「有償頒布目的」なら、ダウンロードのみの単純所持であっても関係ないため、注意しましょう。

無修正AVのアップロードの違法性や海外サーバーを利用して販売する場合の違法性・逮捕リスクについては、以下の記事をご参照ください。

関連コラム:無修正AV・動画は海外サーバーでも違法!?法律・判例を弁護士が解説!

AVを違法ダウンロードして逮捕される可能性が高いケース3つ

AVの違法ダウンロードは犯罪です。

ただし、「個人で楽しむダウンロード」なら、訴えられたり逮捕されたりすることは少ないのが現状としてあります。

とはいえ、以下の3つに該当するケースは、処罰される可能性が高くなるので注意が必要です。

AVの違法ダウンロードで逮捕される可能性が高い3つのケース

詳しく見ていきましょう。

トレントやShareなどのファイル共有ソフトでダウンロードした

トレントやShare(シェア)などのP2P型ファイル共有ソフトでダウンロードすると、逮捕される確率が飛躍的に上がります。

なぜなら、P2P型ファイル共有ソフトはダウンロードすると同時にアップロードされる仕組みだからです。

「ダウンロードしただけなのに、アップロードしてない!」という方もいるかもしれませんが、トレントやShareは「ダウンロード=アップロード」です。

一般的なサーバーとP2P型ファイル共有ソフトの違い

アップロードすると、個人で楽しむ範囲を大きく超えて、データを不特定多数に拡散する加害者になります。

実際に、ビットトレントによるAVの著作権侵害について、都内の警察署に刑事告訴が複数件受理されたことも公表されています。(出典:ビットトレントによるAV著作権侵害で新たに刑事告訴が複数件受理(PR TIMES・2026年3月31日)

AV制作会社各社も違法コンテンツ対策に注力しており、AV制作会社から民事で訴えられ、損害賠償を求められるケースも増えてきています。

【グラディアトル法律事務所の事例】

トレントでAV動画100作品以上をダウンロードした事例

相談者は、トレントを利用してAV動画をダウンロードしてしまい、プロバイダから発信者情報開示に係る意見照会書が届きました。対象作品だけでなく、他の作品も定期的にダウンロードしていたため、1作品だけの示談では、後から追加請求を受ける可能性がある状況でした。

弁護士は、プロバイダへの回答とあわせて相手方代理人と示談交渉を行い、追加請求のリスクを抑えるため、AVメーカーの作品全体を対象とする包括和解で進めました。

最終的に、相談者は100作品以上を対象として、88万円を支払う内容で包括和解しました。期限どおりに支払えば相手方は刑事告訴を行わないことも和解内容に定められ、事件は終了しています。

トレントによる損害賠償金の算出方法はいくつかありますが、自分がダウンロード(アップロード)した動画のダウンロード数で算出されることが多いです。

P2P型ファイル共有ソフトの場合、「知らない間に大勢がダウンロードしている」ことも十分ありえるため、高額な請求をされることもあります。

P2P型ファイル共有ソフトの1つである「トレント」を利用した違法ダウンロードについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

関連コラム:
トレントは逮捕されないはデマ!逮捕事例と逮捕を避ける方法を解説
トレントはダウンロードのみも違法!バレる仕組みやリスク回避法紹介

ダウンロードしたAVをFC2などのサイトにアップロード(転載・頒布)した

ダウンロードしたAVをFC2などのサイトにアップロード(転載・頒布)すると、逮捕される恐れがあります。

お伝えしているように、違法アップロードは著作権者に与える損害が大きく、悪質性が高いからです。

逮捕されなくても、民事訴訟で損害賠償請求される可能性があります。

児童ポルノをダウンロードした

児童ポルノをダウンロードすると、児童ポルノ禁止法に抵触し、刑事事件として罰せられます。

児童ポルノは国内外からの要請もあり、非常に厳しい取り締まりが行われています。サイバーパトロールで見つかるケースが多く、インターネットサイトから児童ポルノに該当する動画をダウンロードしたとして、警部や自衛官らが書類送検されています。

違法ダウンロードが関係するサイバー犯罪の検挙件数でも、児童ポルノと著作権法では4倍近く差があることから、児童ポルノは逮捕されやすいといえるでしょう。

児童ポルノと著作権法違反のサイバー犯罪検挙数

出典:令和4年度版 犯罪白書,P196

児童ポルノの罰則は下記の通りです。

児童ポルノの刑事罰

出典:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律,第7条1項・2項

ただし、児童ポルノのダウンロードを、トレントなどのファイル共有ソフトで行うと、さらに罪が重くなります。トレントでダウンロードすると、自動的にアップロードとなり、「不特定多数の人がダウンロードできる状態」を提供してしまうからです。

児童ポルノをトレントで不特定多数に提供した場合の刑事罰

出典:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律,第7条6項

関連コラム:児童ポルノの単純所持で逮捕される?逮捕されるケース・事例・対処法

AVの違法ダウンロードは調べられると簡単にバレる!

AVの違法ダウンロードは、下記のいずれかの方法でバレます。

AVの違法ダウンロードがバレる4つのきっかけ

違法ダウンロードによるAV業界の被害は大きく、AV制作会社は違法コンテンツ対策を強化しています。

特に、トレントなどのP2P(ピアツーピア)型ファイル共有ソフトに対しては、AV制作会社が専用のソフトを活用して、自社の作品が違法にやり取りされていないかを厳重に調べています。

専用ソフトによって、違法ダウンロードをしている利用者のIPアドレスを検出し、どのIPアドレスにおいて、いつ・どの作品が・どのようにやり取りされたのかという証拠まで収集しているのです。

なお、IPアドレスは「インターネット上のあなたの住所」のようなものであり、IPアドレスだけでは氏名や住所などの詳細な個人情報まではわかりません。

ただし、次のいずれかの方法を通じてIPアドレスの開示請求が認められれば、違法ダウンロードした人の氏名や住所が特定できます。

AVの違法ダウンロードで法的責任を問われる2つのケース

なお、総務省がプロバイダ各社に行ったアンケート調査によれば、2024年にプロバイダへ申し立てられた発信者情報開示請求の総数154,484件のうち、約95.6%にあたる147,746件が、特定のファイル共有ソフトを用いたアダルト動画の著作権侵害を内容とする事案でした。

発信者情報開示請求の総数154,484件のうち、約95.6%にあたる147,746件が、特定のファイル共有ソフトを用いたアダルト動画の著作権侵害を内容とする事案

出典:総務省アンケート調査「発信者情報開示請求件数の割合

さらに、上記アンケート調査については、「プロバイダに対し、任意で回答を求めたものであり、実態としては更に大量の請求がなされている可能性があります。」との注釈も追記されています。

したがって、AVの違法ダウンロード後すぐに身元がバレるわけではありませんが、身元が特定されるリスクは十分にあるといえるでしょう。

開示請求が来たらどうなる?示談・告訴されるまでの流れ

AVの違法ダウンロードの開示請求前後の流れ

AVの違法ダウンロードで開示請求が来たら、「この後どうなるのだろう」「逮捕される?」と心配になるでしょう。

ご安心ください。違法行為がかなり悪質でない限りは、逮捕されないと考えられます。

告訴するには、時間も費用もかかるからです。

多くの場合は、開示請求後は逮捕ではなく、損害賠償を求める示談交渉に進みます。

ここでは、トレントでAVを違法ダウンロードしたAさんを例に、開示請求から示談・告訴までの流れを紹介します。

トレントなどの共有ソフトで違法ダウンロードをする

Aさんは、トレントなどの共有ソフトでAVを違法ダウンロードしたとします。

トレントは、ダウンロードすると同時にアップロードする仕組みです。そのため、AさんはAVをダウンロードしただけのつもりでも、アップロード者になってしまいます。

このとき、水面下では、AVの著作権者が動いています。

著作権者は、ネットワーク監視システムや調査会社を利用して違法コンテンツ対策を行っており、トレントで違法アップロードしたAさんのIPアドレスを突き止め、アップロードされた内容(タイトル、分数、本数)などの証拠を集めているのです。

この時点で、Aさんのもとには何の通知も届きません。Aさんは、自分が把握されていることに気づかないまま過ごしています。

一定期間後に「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届く

証拠を集めた著作権者は、次に、AさんのIPアドレスからプロバイダ(通信回線業者)を特定し、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行います。

もっとも、プロバイダは、契約者であるAさんの個人情報を無断で開示できません。

そこで、プロバイダはAさんに対して、「あなたの氏名や住所の開示を求められていますが、開示してよいですか」と意見を確認します。この確認書面が、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」(以下、意見照会書)です。

意見照会書には、請求者であるAVメーカーの名称やIPアドレス、通信日時のほか、対象となったAVの作品タイトルまで記載されています。Aさんは、身に覚えのある作品名が書かれた書面が突然自宅に届いたことで、初めて自分が特定されつつあることを知るのです。

なお、ダウンロードした時期と意見照会書が届く時期には、タイムラグがあります。

特定や請求の手続きに時間と費用がかかるため、ダウンロードから数ヶ月〜1年以上経って届くケースも珍しくありません。

「意見照会書」に回答する

意見照会書には回答期限があり、多くの場合は1〜2週間に設定されています。

Aさんが選べる回答は、次の3つです。

  1. 無視する
  2. 拒否の回答をする
  3. 同意の回答をする

意見照会書が届いているということは、あなたの違法ダウンロードは完全にバレており、証拠はすでに確保されていると考えられるからです。

無視や不同意の回答をしても、プロバイダから任意の開示を受けることがあり、罪から逃れることはできません。

また、不同意や無視をすることで、相手方には何十万円かの費用が追加で掛かった場合、その費用も請求されて、支払わないといけないお金を拡大させてしまうリスクもあります。

違法ダウンロード行為が事実なら、意見照会書が来たらすぐに弁護士に相談し、誠実に対応するのがベストです。

なお、トレントの利用に身に覚えがない場合には、意見照会書に対して、「拒否」の回答をすることも考えられます。その際にも、まずは弁護士に対応方法を相談しましょう。

トレントの利用に身の覚えがない場合は拒否の回答でOK

示談・損害賠償請求・告訴へと進む

Aさんが意見照会書に回答し、氏名・住所がAVメーカーに開示されると、法的手段をとられることになります。

多くの場合、まずは損害賠償を求める示談交渉から始まります。相手方の弁護士から、金額の提示を含む通知書が届くのが一般的です。

示談が成立すれば、裁判や刑事告訴に進むことなく事件は終了し、Aさんの違法行為が家族や周囲にバレることもありません。一方、示談交渉が決裂すると、民事訴訟や刑事告訴に進む可能性があります。

開示された後に何が起こるのか、民事・刑事それぞれのリスクの詳しい内容は、次章で解説します。

AVを違法ダウンロードしたときの刑事・民事上のリスク

発信者情報が開示されて違法ダウンロードがバレたときに生じるリスクは、「刑事」と「民事」の2種類に分かれます。

刑事は、警察・検察による捜査を経て、罰金や拘禁刑などの刑罰を科されるかどうかの問題です。民事は、著作権者から損害賠償を請求されるかどうかの問題です。

結論から言えば、現実に警戒すべきなのは、刑事よりも民事のリスクです。順に見ていきましょう。

刑事事件化(逮捕・起訴)のリスクはほぼない

まず刑事についてです。AVの違法ダウンロードで有罪となった場合の罰則は、以下のとおりです。

AVの違法ダウンロードの刑事罰

出典:著作権法119条3項

罰則だけを見ると重く感じますが、開示請求を受けた人が、そのまま逮捕・起訴される可能性はほぼありません。

1章で解説したとおり、著作権法違反は親告罪であり、告訴には時間も費用もかかります。著作権者にとっては、刑事告訴よりも、民事の損害賠償請求で損害を回収する方が合理的だからです。

また、示談条項にも、「支払いが完了すれば刑事告訴を行わない」という条項を含めるのが一般的です。適切に対応すれば、刑事リスクはほぼ遮断できます。

ただし、例外が児童ポルノです。児童ポルノは親告罪ではないため、被害者や権利者の告訴がなくても、警察が捜査・摘発できます。単純所持だけでも処罰の対象となり、サイバーパトロールによる摘発も活発なため、「開示請求→示談交渉」という流れには乗らず、いきなり刑事事件として立件されるリスクがあります。

特にトレントで児童ポルノをダウンロードした場合は、仕組み上アップロードを伴うため、不特定多数への提供として重い罪が科せられる可能性があります。

児童ポルノの場合は逮捕される前に自首を

民事上は高額な損害賠償請求をされるリスクがある

一方で、民事上は高額な損害賠償請求をされるリスクがあります。

著作権者(AV制作会社やAV女優)が裁判所で手続きを行うことで、あなたは著作権侵害行為によって生じた損害や使用料相当額などを、請求されるのです。

このとき、著作権者であるAV制作会社は、「譲渡数量×1本あたりのライセンス料」といった計算式を根拠に、損害賠償額を算定してくるケースが多いです。

トレントで違法ダウンロードした場合の損害賠償額の算定例

したがって、違法ダウンロードしたものが複数だったり、人気作品だったりすると、高額な損害賠償を請求されやすい傾向があります。

トレント裁判の損害賠償額と算定基準!知財高裁の判例を丁寧に解説

判例が示すAV違法ダウンロードの損害賠償額と算定基準

トレントによる著作権侵害の損害賠償額については、知財高裁が算定基準を示しています。

大まかにいえば、侵害者がトレントを利用していた期間内のダウンロード回数と、配信形式の「1DLあたりの利益」をもとに計算するという考え方です。

裁判では、著作権者側が「ダウンロード回数×販売価格」の計算式をもとに損害賠償を主張していましたが、裁判所はこれを採用しませんでした。そして、販売価格の4割弱を販売利益とし、損害額算定の1要素として判断しています。

出典:令和4年知財高裁判決(令和4年4月20日)

つまり、AV制作会社側が主張する請求額と、裁判所の基準で計算した金額との間に、開きがある可能性もあるのです。

高額な損害賠償を請求されたら、提示された金額を鵜呑みにせず、弁護士に相談して算定根拠を確認するのがおすすめです。

実際に、請求金額の根拠を争って、支払いをせずに終えた事例を紹介します。

【グラディアトル法律事務所の事例】

88万円の和解金を求める警告書が届いたが、支払わずに対応した事例

相談者は、数年前に意見照会書を受け取った後、AVメーカー側の代理人から和解案(1作品22万円・包括55万円)の通知を受けていました。その後、あらためて届いた警告書では、個別8万円・包括88万円と、以前とは異なる金額が提示されていました。

相談者は、金額が変動していることや算定根拠が不明なことに疑問を持ち、弁護士に相談しました。弁護士は、請求金額を裏付ける客観的な証拠が示されていないとして、支払いには応じられない旨を相手方に通知しました。

その後、相手方から連絡がないまま一定期間が経過し、本件は一旦終了となりました。提示された金額をそのまま支払う必要があるとは限らないことを示す事例です。

AVを違法ダウンロードして開示請求が来たら弁護士に相談しよう!

AVの違法ダウンロードは弁護士へ相談

AVを違法ダウンロードして発信者情報開示請求が来たら、すぐに弁護士に相談しましょう。

「発信者開示請求が届く=AVの違法ダウンロードの証拠を抑えられている」と考えられるからです。

あなたの将来を守るには、初期対応が非常に大切です。

発信者情報開示請求に対してパニックになり、自己判断で不誠実な対応をしてしまうと、状況がこじれる可能性があります。

発信者情報開示請求が来た段階で弁護士に依頼すると、あなたの不安やストレスは確実に減るでしょう。そして、あなたにとって、ベストな形で解決に持ち込むことができます。

もちろん、ご自身で示談交渉することは可能です。

しかし、

「たくさんダウンロードした。本数は覚えていない」

「かなり前からダウンロードしていたから…」

など、ダウンロードした本数が多くてトレント利用の方は、損害賠償請求額が高額になりやすいです。

弁護士に依頼すると、弊所の実績では、1作品のみの和解で20〜40万円程度、同じメーカーの全作品を対象とする包括和解で55〜88万円程度で示談が成立するケースが多いです。

無事に示談することができれば、あなたの違法行為は家族や職場にバレません。

ですが、示談は当事者同士の話し合いで成立するため、著作権者によっては、示談に応じてもらえないこともあります。

スムーズに解決するためには、法律のプロである弁護士に依頼するのがいいでしょう。

関連コラム:トレント利用は即時に弁護士へ!費用と全額ブロックできた2つの事例

AVの違法ダウンロードを相談するならグラディアトル法律事務所へ!

AVの違法ダウンロードの相談はグラディアトル法律事務所へ

「AVの違法ダウンロードをしてしまったけれど、どこに相談すればいいのだろう…」

「相談するのが恥ずかしい…」

このように感じる方は、ぜひ弊所グラディアトル法律事務所へご連絡ください。

グラディアトル法律事務所は、著作権法だけでなく、AV業界を含めた違法ダウンロードやインターネット分野に詳しい弁護士が揃っています。

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解決実績が200件以上!AV制作会社側からの解決実績も多い

グラディアトル法律事務所は、トレントなどの違法ダウンロードをはじめとするインターネットトラブルの解決実績が200件以上あります。

高い損害賠償額の場合でも、1円でも低く下げられないか交渉できるテクニックを駆使します。

弊所では、トレントを使ってAVをダウンロードしたケースは、ほとんど示談で解決しております。AVの場合は、示談金20〜60万円くらいで、合意を得ております。

もしあなたのもとに、法外な損害賠償請求が届いたら、弊所へご連絡ください。「攻めの提案」であなたに有利になるように毅然とした態度で立ち向かいます。

著作権法やインターネット分野に詳しい

グラディアトル法律事務所には、著作権法やインターネット分野に詳しい弁護士が揃っているのが特徴です。

サイバー犯罪やインターネットトラブルのメディアインタビューなども受けており、最新のIT事情を熟知しています。

違法ダウンロードのトラブルを弁護するには、専門的な知識が必要です。

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AVの違法ダウンロードに関するよくある質問

Q1. 意見照会書を無視するとどうなりますか?

A. 無視しても手続きは止まらず、開示に向けて進んでいきます。プロバイダから任意の開示を受けることがあるほか、無視によって相手方に余分な手続き費用がかかると、その費用まで上乗せして請求されるリスクもあります。

意見照会書が届いたら、無視せず、まず弁護士に相談してください。

Q2. 開示に同意しなければ、住所や名前は特定されずに済みますか?

A. いいえ、不同意と回答しても特定を防げるとは限りません。著作権者側はIPアドレスや通信記録などの証拠をすでに確保しており、不同意でもプロバイダから任意の開示を受けることがあるためです。

トレントの利用に身に覚えがない場合には不同意の回答も考えられますが、どう回答すべきかは事案によるため、回答前に弁護士に相談しましょう。

Q3. ダウンロードしたAVのファイルを削除すれば、請求や処罰を避けられますか?

A. いいえ。著作権者側が、あなたがダウンロード(アップロード)した時点の通信記録を証拠として押さえていれば、手元のファイルを削除しても、過去にダウンロード(アップロード)したという事実は分かります。ただし、これ以上の侵害を続けないという意味で、トレントの利用停止とファイルの削除自体は行うべきです。

Q4. 家族名義の回線でダウンロードした場合、誰が責任を負いますか?

A. 損害賠償の責任を負うのは、原則として、実際にダウンロードした本人です。ただし、意見照会書は回線の契約者(名義人)宛てに届くため、家族名義の回線を使っていた場合、家族が先に書面を目にする可能性があります。家族に知られたくない事情がある場合も含めて、早めに弁護士に相談してください。

Q5. 何年も前のダウンロードについて、今から請求されることはありますか?

A. ないとは言えません。ダウンロードから意見照会書が届くまでには数ヶ月〜1年以上のタイムラグが生じることもあります。

Q6. トレントをインストールしただけ・ダウンロードを途中でやめた場合もリスクはありますか?

A. インストールしただけならリスクはありませんが、ダウンロードを途中でやめた場合はリスクが残ります。トレントはファイルを細かい断片(ピース)に分けてやり取りする仕組みのため、ダウンロードが完了していなくても、受信した断片を他の利用者に送信していれば、著作権侵害が成立し得るからです

まとめ

本記事では、AVの違法ダウンロードについて詳しく解説してきました。

最後に、記事の内容をおさらいしましょう。

◎AVの違法ダウンロードだけで逮捕される可能性は現時点では低いが、トレントの利用は別

AV業界では違法コンテンツの撲滅に向けて、監視活動を強化しています。

特に、トレントはダウンロードと同時にアップロードをしてしまうため、監視システムで特定され、発信者情報開示請求を受けるケースが急増しています。

◎バレたときに現実に警戒すべきなのは、民事の高額な損害賠償請求

もっとも、請求額がそのまま正当な金額とは限りません。適切に対処すれば、誰にも知られずに解決することができます。

誰にだって過ちはあるものです。過ちを潔く認め、反省するなら、何も恥じることはありません。

我々はあなたの心が一日でも早く平穏を取り戻せるように、サポートいたします。

弊所では、弊所では、24時間365日いつでも相談を受け付けています。あなたの好きなタイミングでお気軽にご連絡ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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