弁護士コラム

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コンカフェの風営法違反の逮捕事例:弁護士が問題点と対策も解説

コンカフェの風営法違反の逮捕事例:弁護士が問題点と対策も解説

今回は、必要な風営法の許可を取らずにコンセプトカフェ(以下、コンカフェ)を営業していたとして、お店の代表者と誤解されたキャストが逮捕された事例を紹介する。

そして、事例を踏まえたうえで、

  • コンカフェの営業に必要な許可
  • コンカフェ勤務での逮捕リスク
  • コンカフェの店舗・経営者の遵守事項

などをわかりやすく解説もしている。

コンカフェで働いている方はもちろん、経営者やこれから開業しようとしている方にぜひ読んでもらいたい。

コンカフェの風営法違反の逮捕事例

 事案の概要

Kさんは関西在住の20代男性。

数年前から、メンズコンセプトカフェ(メンズコンカフェ)のキャストとして勤務。

接客やチェキ撮影、パフォーマンスなど、店舗の指示に従って働き、店舗の運営には一切関与していなかった。

そのため、勤務店舗が、実は風営法で必要な許可を受けずに営業していたことは、まったく知らない状況だった。

ところが、そんなある日、警察が無許可営業の情報を得て店舗に立ち入り。

その際、勤務歴が最も長かったKさんが“責任者”と誤解され、風営法違反(無許可営業)の疑いで現行犯逮捕された。

事件解決までの流れ

事件解決までの流れ

Kさんが逮捕された直後、ご家族が風営法違反に強い当事務所を見つけ、相談に来られた。

できるだけ早く日常に戻してあげたいとのことで、その場でご依頼いただくことに。

(※刑事事件では、当事者本人だけでなく家族が代理で弁護士に依頼することも可能だ。)

担当弁護士はすぐに接見に向かい、Kさんから以下の事情を確認した。

  • Kさんはアルバイトスタッフであり経営的権限を持っていなかった
  • 店舗が無許可で営業していることを知らなかった
  • 店舗の管理者は別に存在していた

それを踏まえ、Kさんに対し、取り調べでは事実を正確に述べ、経営に関与していなかったことを明確に説明するようアドバイス。

一方で、担当弁護士は、風営法違反となる無許可営業だったことについて知らなかったゆえ故意がないことを検察に伝え、裏付ける証拠も提出した。

その結果、Kさんは勾留延長されず早期に釈放され、最終的に不起訴処分で無事解決となった。

ポイントとしては、取調べ内容および弁護士の証拠提出等から、

・単なるアルバイトであり、無許可営業の主体ではなかったこと
・風営法違反となる無許可営業についての認識もなかったこと

を考慮し、検察官は早期釈放・不起訴処分にしたものと考えられる。

コンカフェ営業に必要な許可と逮捕リスクおよび遵守事項

コンカフェは、メイド服やコンセプトに沿った衣装を着たキャストと会話を楽しんだり、チェキ撮影・パフォーマンスを行ったりするカフェ店舗だ。

そのため、「キャバクラのように隣に座らないし風営法の届出は不要」と誤解されがちでもある。

しかし、実際には多くのコンカフェが風俗営業1号(接待飲食等営業)に該当する可能性が高い。

ここではコンカフェの営業に必要な許可と、逮捕リスクおよび遵守事項を解説する。

コンカフェ営業のために必要な許可

コンカフェを営業する場合、まず必要なのは、飲食店営業許可(食品衛生法)である。

言わずもがな、飲み物や食べ物を提供するからだ。

問題となるのは、コンカフェの営業に風俗営業1号許可が必要かどうかだ。

風営法の1号営業とは、

接待をして、客に遊興又は飲食をさせる営業」(風営法2条1項1号)

と定義されている。

そして、その「接待」とは、

歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(風営法2条3項)

とされている。

すなわち、隣に座らなくても「接待」に該当することがあるのだ。

具体的には、以下のような行為がある場合、「接待」と判断されやすくなる。

  • チェキ撮影で密着する
  • 過度に会話を盛り上げて客の滞在を積極的に促す
  • 特定の客に特別サービスを行う
  • 客と一緒に乾杯し、遊興的雰囲気を作る

そのため、多くのコンカフェは、営業実態からすれば、風営法の1号営業に該当し、許可が必要になるであろう。

なお、 無許可営業となると、5年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金(風営法49条柱書・1号)が科される可能性がある。

下記にも風営法1号、無許可営業についての記事を書いているので、参考にして欲しい。

【罰金3億円?】風営法・無許可営業の最新リスクと回避方法

風営法の1号営業とは?1号営業の許可条件や申請手続きなどを解説

コンカフェ勤務での逮捕リスク

今回の事例でKさんが逮捕された理由としては、以下が考えられる。

  • 最も勤務歴が長かったため、警察に「責任者」と誤認された。
  • キャストとして接待行為を行い、売上に応じた報酬を受け取っていたため、無許可営業への関与が疑われた。
  • 無許可営業の実態も知っていたのではと判断された。

実際、経営権限がなくても、接客をしていたキャストが“共犯”と疑われ、逮捕されることは珍しくない。

そのためアルバイトで働く際も、店舗が必要な許可を得ているかどうか確認することは、逮捕リスクをなくすためにも非常に重要である。

コンカフェの店舗・経営者の遵守事項

前述のように、コンカフェは「風営法の許可がいらない」と誤解されることが多い。

しかし、実際は風営法の1号営業に該当するケースが大多数だ。

そのため、店舗・経営者は、以下の点を必ず確認・遵守する必要がある。

 絶対に遵守すべきこと

  • 飲食店営業許可の取得
  • 風俗営業1号許可の取得(接待と判断される可能性のあるサービスを行う場合)

経営スタイルに応じて必要なこと

  • 1号営業の場合は、深夜0時以降の営業はしないこと
  • 接待をしないコンカフェで深夜0時以降営業する場合は「深夜酒類提供飲食店」の届出
  • キャストへのコンプライアンス教育
  • 接待行為や営業内容に関する内部ルールの明文化

なお、許可や届出が必要なのかどうか判断が難しい場合も少なくない。

したがって、店舗・経営者は弁護士や行政書士へ相談してチェックを受けるべきである。

まとめ

今回は、メンズコンカフェのキャストが、無許可営業の疑いで逮捕されたものの、弁護士による迅速な対応により早期釈放・不起訴となった事例を紹介した。

近年、コンカフェは摘発件数が増えており、

  • 無許可営業
  • 営業実態が接待に該当している
  • 深夜営業の無届出
  • キャスト管理不十分

などが理由で捜査・逮捕に至るケースが多くみられる。

安全に営業を続けるためには、

  1. 必要な届出・許可の手続きを取ること
  2. 法律を守った営業を行うこと
  3. 疑問点があれば早期に弁護士へ相談すること

が何より重要だ。

最後に、コンカフェの開業・経営・勤務にすこしでも不安のある方は、グラディアトル法律事務所にぜひいちど相談してほしい。

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