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【風俗トラブル裁判例】盗撮の示談書が脅迫で無効とされた判例

弁護士 若林翔 2024/03/25更新

盗撮本番といった風俗トラブルでは、裁判をせずに当事者間の示談で解決することが多い

風俗店側としても、トラブルになった客側としても、事を荒立てたくないと考えることが多いからだろう。

そのため、風俗トラブルについての裁判例は極めて少ないのだ。

今回は、その珍しい裁判例についてご紹介しよう。

この裁判例は、風俗店で盗撮した客と風俗店が交わした示談書が風俗店側の脅迫行為により無効となったものだ。

具体的には、、店が盗撮客に100万の示談書書かせて20万支払わせて、残金80万を裁判で請求したんだけど、示談書が脅迫によるものとして無効になり、店は客に20万円返せよって判決が出てしまった事案だ。

風俗トラブルの裁判例の事案の概要と結論の要旨

《事案の概要》

客が風俗店を利用した際に携帯電話で盗撮をしてしまったという風俗トラブル事案

その風俗店には、「盗撮等の発見時に迷惑料が発生する」旨の掲示があった。

盗撮発覚後、慰謝料・迷惑料名目で合計金100万円を払う旨の示談をし、示談書を作成した。

客は風俗店に対して、100万円のうち20万円を支払った。

客は弁護士に相談し、残金80万の支払いを拒否したため、店側は残金80万円を求める訴訟を提起した。

客は、その訴訟において、すでに支払っていた20万円の返金を求める反訴を提起した。

《判決概要》

店の請求を棄却し、客の20万の請求を認容した。

示談書は脅迫により書かされたものであり取り消され、無効

 

風俗トラブルの示談書が脅迫で無効となった理由

この裁判例は、以下の事実関係を認定し、風俗での盗撮の示談書を脅迫で無効だと判断した。

・本件店舗閉店後である午後11時30分ころまで(サービス開始は午後10時頃)、容易に外に出られない本件スペースに被告を留まらせたこと

・携帯電話等の所持品を原告が預かった状況下で交渉したこと

・客が風俗店側に対し、「100万円は高くないですか。」などと述べて抵抗したが、風俗店側が払わないなら家に帰さないなどと述べたこと

・本件撮影行為に関して執拗に100万円の賠償を求め、20万円の即時支払を求めたこと

 

う〜ん、なんともいえない裁判例…

風俗で盗撮した客に、風俗店の事務所スペースで20分ちょい交渉して、示談書書かせたらそれが脅迫って…

風俗店側が携帯等を預かっていて、「払わないなら家に帰さない」ってところはやりすぎだとは思うけども。。。

店側からみると厳しい裁判例だ。

原告が風俗店の経営会社ではなく、働いている女性キャストだったなら話は違っていたのかも。

風俗トラブルの示談書を書いてしまった方へ

「風俗で本番や盗撮をしてしまい、脅迫されて高額な示談書を書いてしまった。」という相談を多く受けている。

この判例のように、示談書を書いてしまったとしても脅迫で無効になる場合があるため、諦めないで欲しい。

グラディアトル法律事務所の弁護士が担当した風俗トラブル事案でも、示談書を書いてしまった後に弁護士が代理人として交渉し、示談書が無効だと主張して0円で解決できたケースや、大幅に減額をして解決ができたケースがある。

他方で、本番強要や盗撮行為自体は立派な犯罪でもあるので、対応方法を間違えると逮捕されてしまうリスクもある。

適切な対応をするためには、風俗トラブルの経験豊富な弁護士に代理で交渉してもらうべきだろう。

風俗トラブルにあってしまったら、是非一度、弁護士に相談して欲しい。

 

風俗で恐喝・脅迫被害にあった際の対処法、風俗トラブルにおける示談の重要性等については、以下の記事もご参照ください。

デリヘルで恐喝・脅迫された場合の対処法5つを風俗弁護士が徹底解説!

風俗トラブルの示談とは?示談をしない危険性と解決事例を解説!

 

本番・盗撮の被害にあった風俗店やキャストへ

風俗での本番強要や盗撮は犯罪行為だ。

風俗店のキャストを守るためにも、本番強要や盗撮被害にあった場合には、しっかりと対応をする必要があるだろう。

しかし、この判例のように、対応方法を誤ると、せっかくの示談が脅迫で無効になってしまうリスクがある。

それどころか、恐喝罪で逮捕されるリスクもある。

実際に恐喝罪で逮捕されてしまった事例もあるの。詳細は、以下の記事を参照してほしい。

風俗嬢が盗撮の示談金を請求し,恐喝罪で逮捕!

また、脅迫・恐喝だといわれないように、以下の点に気をつけて欲しい

・話し合いは録音・録画する

・携帯や荷物などを預からない

・喫茶店等開けた場所で話し合いをする

・110番通報などで警察を呼んで話し合いをする

など。

本番・盗撮などの風俗トラブルで脅迫・恐喝したと言われないようにするためには、風俗トラブルに強い顧問弁護士との顧問契約が有効だ。

風俗トラブルへの適切な対応方法について、顧問弁護士に適宜アドバイスをもらうことができるからだ。

また、現場に駆けつけた警察官とのやりとりや本番・盗撮客との交渉を弁護士に任せることも可能だ。

実際に、当事務所の弁護士が顧問先の風俗店側の代理人として、盗撮客と交渉し、その後、盗撮をした客に対して損害賠償請求をした裁判では、盗撮客側の脅迫の主張は認められず、請求金額100万円満額の和解で終了した。

この事案では、客と風俗店側が交渉を始めるところから最後に示談書を書くところまで全て録画をしていた。

 

風俗店の顧問弁護士について、ご検討の方は、是非一度、ご相談ください。

風俗顧問でグラディアトル法律事務所ができること

 

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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