「SNSでのプライバシー侵害や個人情報を特定された事例にはどのようなものがある?」
「SNSでプライバシー侵害や個人情報特定の被害に遭ったときの対処法を知りたい」
「SNSのプライバシー侵害や個人情報特定を予防する対策とは?」
SNSは、いまや私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールとなっています。友人や知人との交流はもちろん、趣味やビジネスの場でも活用され、気軽に自分の考えや日常を発信できるのが大きな魅力です。しかし、その便利さの裏側には深刻なリスクが潜んでいます。特に、問題となっているのが、プライバシー侵害や個人情報の特定です。
「投稿した写真から住所が特定されてしまった」「名前や勤務先を勝手に晒された」「過去の経歴や前科を拡散されてしまった」といった被害は、もはや珍しいものではありません。実際に被害を受けた人のなかには、精神的な苦痛だけでなく、仕事や人間関係に大きな支障をきたしたケースも報告されています。さらに、一度ネット上に出回った情報は完全に削除することが難しく、放置すれば長期的に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクから身を守るためには、まずSNSにおけるプライバシー侵害の仕組みや具体的事例を知ることが重要です。そのうえで、被害を受けた場合にどのような削除請求や損害賠償請求が可能かを理解し、適切に行動することが求められます。また、事前にできる予防策を講じることで、被害を未然に防ぐことも可能です。
本記事では、
| ・SNSで実際に起きたプライバシー侵害・個人情報特定の事例 ・被害に遭ったときの具体的な対処法 ・日常的に実践できる予防策 |
などをわかりやすく解説します。
現在進行形で被害に悩んでいる方やこれからSNSを安全に利用したいと考えている方にとって有益な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
SNSにおけるプライバシー侵害とは?
SNSの普及により、誰もが簡単に情報を発信できるようになりました。しかし、その利便性の一方で、個人のプライバシーが侵害される事例も増えています。以下では、プライバシー侵害の成立要件とプライバシー情報の具体例を説明します。
プライバシー侵害の成立要件
一般的に、プライバシー侵害が法的に認められるためには、以下の3つの要件が必要とされています。
| ①私生活上の事実であること氏名・住所・電話番号・恋愛関係・病歴など、他人に知られたくない事実であること。 ②一般人が公開を望まない性質の情報であることその情報が社会的に公開されることを本人が望まないと客観的にいえること。 ③まだ公になっていない情報であること既に公開されている情報ではなく、非公開であることが前提となります。 |
これらの要件を満たす場合、SNSに書き込まれた内容が「プライバシー侵害」として違法と判断される可能性があります。
プライバシー情報に該当する具体例
SNSで問題となりやすいプライバシー情報には、以下のようなものがあります。
| ・住所や電話番号などの連絡先 ・勤務先や学校名、制服・名札などから推測できる情報 ・病歴や持病などの健康情報 ・過去の交際歴や性的な画像・動画 ・前科や処分歴などの社会的不利益につながる情報 |
このような情報は、本人の承諾なく公開されれば大きな不利益を被る可能性があり、SNSでプライバシー侵害があれば法的責任を追及できる場合があります。
SNSにおけるプライバシー侵害・個人情報特定の被害事例

SNSでのプライバシー侵害は、単なる誹謗中傷にとどまらず、生活基盤や社会的信用に直接影響を及ぼすケースが増えています。ときには就職活動や日常生活に支障をきたし、家族や勤務先にまで被害が及ぶこともあります。以下では、実際に多く報告されている被害事例を詳しく見ていきましょう。
SNSで氏名や住所を公開された
もっとも典型的な被害が、氏名や住所などの個人情報を無断で公開されるケースです。たとえば「この人が〇〇市に住んでいる」などと書き込まれたり、地図や建物の写真と一緒に晒されたりすることがあります。
一度住所が公開されると、見知らぬ人からの迷惑電話や訪問、誹謗中傷の手紙が届くなど、二次被害に発展する可能性が非常に高いです。特に、女性や子どもが被害者となった場合は、ストーカーやつきまとい行為につながるリスクも無視できません。
法律的には住所や氏名は、プライバシー性の高い情報にあたり、勝手に公開すればプライバシー侵害として法的責任を追及することができます。
過去の前科をSNSでバラされた
過去に刑事事件で有罪判決を受けた事実をSNSに書き込まれる事例も見られます。たとえ事実であっても、本人にとっては既に刑期を終えて社会復帰している以上、第三者に広められることは重大な人権侵害にあたります。
たとえば、「〇年前に窃盗で捕まった人だ」といった投稿は、就職や転職活動、近隣との人間関係に大きな悪影響を与えかねません。判例でも「過去の前科は、一般人が公開を望まない私生活上の事実」とされるため、違法なプライバシー侵害と認められる可能性があります。
また、場合によっては「名誉毀損」として刑事事件化することもあり、投稿者は、名誉毀損罪で逮捕されるリスクもあります。
元交際相手がSNSで自分との性的な画像をアップされた
近年深刻化しているのが、いわゆるリベンジポルノです。元交際相手が交際中に撮影した性的画像や動画をSNSに投稿し、本人の社会的評価を傷つけたり、精神的苦痛を与えたりするケースが後を絶ちません。
この行為は、2014年に施行された「リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)」によって明確に禁止されており、投稿者は3年以下の懲役(拘禁刑)または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
被害者は、精神的ダメージだけでなく、学校や職場での信頼関係の喪失、家族への影響など、生活全体に深刻な打撃を受けます。一度拡散されてしまうと削除も困難であるため、初動の対応が非常に重要です。
SNSに投稿した写真から居住地が特定された
「家の近くの公園で撮影した写真を載せただけ」「カフェで食事した写真をシェアしただけ」といった無意識の投稿から、居住地が特定されてしまう事例も後を絶ちません。
特に、スマートフォンのカメラにはGPS機能が搭載されており、写真のメタデータから正確な位置情報を取得できる場合があります。また、背景に映り込んだ建物や電柱、郵便受けなどから自宅周辺を推測されることもあります。
このような場合、加害者は、「特定しただけ」と主張するかもしれませんが、意図的に公開していない居住地情報を晒せばプライバシー侵害に該当します。さらに、その情報を悪用して自宅に押しかけられるなど、現実の被害に発展するリスクも大きいです。
制服や名札から勤務先が特定された
学生や社会人が制服や名札を付けたままSNSに写真を投稿し、そこから学校名や勤務先が特定される事例も多発しています。たとえば、アルバイト先の制服姿を撮った写真から店舗名が判明し、そこに嫌がらせ電話やクレームが殺到するといったケースです。
勤務先が特定されると、本人だけでなく会社や学校にまで被害が及びます。企業にとっては風評被害につながり、本人は懲戒処分や退職に追い込まれることすらあります。特に、未成年の場合、いじめや不登校といった深刻な二次被害に直結する危険があります。
法的には、勤務先情報もプライバシーの一部として保護されており、無断で公開することは違法となり得ます。
SNSでプライバシー侵害・個人情報特定の被害に遭ったときの対処法

SNSでプライバシー侵害や個人情報の特定被害に遭った場合、放置すると被害は拡大しやすく、長期的なダメージにつながります。特に、ネット上に出回った情報は完全に消し去ることが難しいため、できるだけ早い段階で適切な対応を取ることが重要です。以下では、被害者が実際に取るべき代表的な対処法を紹介します。
投稿者やSNS運営会社に削除請求をする
SNSでプライバシー侵害・個人情報特定の被害に遭ったときは、すぐに問題となる投稿の削除請求を行うようにしてください。対応が遅れると被害が拡大するおそれがあるため、迅速な対応が重要です。
投稿の削除を行う方法としては、主に以下のような方法があります。
| ①投稿者本人に直接削除を依頼するSNSのダイレクトメッセージ機能などを利用して削除を求める方法です。ただし、加害者が悪意を持っている場合には逆効果となる可能性もあるため注意が必要です。 ②SNS運営会社に削除申請を行う各SNSには「通報」や「報告」機能が用意されています。Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどでは、プライバシー侵害や嫌がらせ行為に関する専用フォームがあり、申請により削除やアカウント凍結が行われるケースがあります。 ③仮処分による削除請求運営会社が任意に削除しない場合、裁判所に「仮処分命令」を申し立てることも可能です。仮処分は、迅速な判断を求められる手続きであり、裁判所から命令が出れば、運営会社は投稿の削除に応じてくれます。 |
なお、削除請求を行う際には、証拠保全が重要です。投稿内容やスクリーンショット、URLを残しておかないと、削除後に法的措置を取るのが難しくなるため注意しましょう。
投稿者を特定して損害賠償請求をする
削除だけでは被害が収まらない場合や、精神的・経済的損害を受けた場合には、投稿者の特定と損害賠償請求を検討すべきです。
| ①発信者情報開示請求投稿者が匿名アカウントの場合、SNS運営会社やプロバイダに対し「発信者情報開示請求」を行うことで、加害者の氏名・住所・IPアドレスなどを開示させることが可能です。この手続きは専門的かつ複雑な内容となっていますので、迅速に対応するためにも弁護士を通じて行うのがおすすめです。 ②損害賠償請求(慰謝料請求)加害者が特定できた場合、プライバシー侵害や名誉毀損に基づく不法行為として、民事訴訟で損害賠償を請求することが可能です。精神的苦痛に対する慰謝料だけでなく、就職活動や営業活動に影響があった場合には逸失利益が認められる場合もあります。 |
刑事責任の追及
事案によっては名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)、リベンジポルノ防止法違反などの刑事事件として立件されることもあります。被害届を警察に提出し、刑事手続を通じて加害者を処罰する道も選択できます。
弁護士に相談して対応を進める
SNSに関する削除請求や発信者情報開示請求は、専門的な知識や裁判所への申立てを要するため、弁護士に依頼することがもっとも確実かつ迅速な方法です。
| ・書類作成や申立手続を代行してもらえる ・投稿の違法性や損害額を法律的に評価してもらえる ・相手方との交渉を任せられるため、二次被害を防げる |
特に、プライバシー侵害や個人情報特定の被害は、放置すれば拡散が進み、取り返しがつかなくなるため、早期の法律相談が推奨されます。
SNSのプライバシー侵害・個人情報特定の被害事例を踏まえた予防策

プライバシー侵害や個人情報特定の被害は、発生してから対応するよりも、事前にリスクを防ぐ工夫をする方がはるかに有効です。以下では、実際の被害事例を踏まえて、日常的にできる予防策を紹介します。
写真や動画は位置情報をオフにして撮影する
スマートフォンで撮影した写真には、Exif情報(位置情報や撮影日時などのデータ)が含まれていることがあります。これをオンにしたままSNSにアップすると、自宅や行きつけの場所が特定されるリスクがあります。
| ・撮影時は位置情報サービス(GPS)をオフに設定する ・投稿前に写真のメタデータを削除するアプリを利用する ・背景に表札・住所・学校の看板などが映り込んでいないか確認する |
このような基本的な配慮で、居住地や行動範囲が特定されるリスクを大幅に下げられます。
プライベートな情報はSNSに載せない
SNSは「誰にでも公開されてしまう前提」で利用するのが安全です。
| ・本名や電話番号、メールアドレスは絶対に公開しない ・勤務先や学校を特定できる情報は避ける ・恋人や家族に関するセンシティブな内容は載せない |
特に、ちょっとした近況報告が思わぬ形で拡散され、プライバシー侵害に発展することがあります。
閲覧者を限定してSNSにアップする
SNSには公開範囲を限定できる機能があります。友人のみに公開、特定のグループのみに公開といった設定を利用することで、リスクを抑えられます。
| ・Instagramなら「非公開アカウント」に設定する ・Facebookなら「友達限定」「カスタム公開」を使う ・X(旧Twitter)なら「鍵アカウント」にする |
ただし、信頼できる相手でもスクリーンショットを拡散される可能性は残るため、本当に見られて困るものは載せないという意識が必要です。
被害に気付いたときは迅速に対処する
どれだけ注意していても、予期せぬ形でプライバシーが侵害されることはあります。そのため、被害を発見したら素早く動くことが大切です。
| ・該当投稿をスクリーンショットやURLで保存して証拠化する ・SNSの通報機能を使って削除依頼を行う ・状況に応じて警察や弁護士に相談する |
初動が遅れると情報が拡散し、完全な削除が難しくなります。「気付いたときにすぐ行動」が被害拡大を防ぐ最大のポイントです。
SNSでのプライバシー侵害・個人情報特定で困ったときはグラディアトル法律事務所に相談を

SNSでのプライバシー侵害や個人情報の特定は、被害者に大きな精神的苦痛を与えるだけでなく、仕事や学校生活、人間関係にまで深刻な影響を及ぼします。一度インターネット上に拡散した情報は完全に消去することが難しく、時間が経てば経つほど被害は拡大してしまいます。そのため、被害に気付いた段階ですぐに弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士は、SNS運営会社や裁判所に対する削除請求や仮処分申立てを適切に行えるほか、匿名アカウントに対しては発信者情報開示請求を行い、投稿者を特定して損害賠償請求につなげることができます。さらに、被害者自身が加害者と直接交渉する必要がなくなるため、二次被害や精神的負担を避けられる点も大きな安心材料です。
グラディアトル法律事務所は、SNS削除や発信者情報開示などネットトラブルに精通した法律事務所です。これまで多数の案件を解決してきた実績があり、最新の判例や各SNS運営会社の対応傾向を踏まえた戦略的なサポートを行っています。全国対応が可能で、オンライン相談にも対応しているため、遠方の方でも迅速にご依頼いただけます。
「SNSで住所を晒された」「元交際相手に写真を拡散された」など、プライバシー被害でお困りの方は、迷わず当事務所にご相談ください。私たちがあなたの権利を守り、被害の拡大を防ぎながら解決に導きます。
まとめ
SNSは、便利ツールである一方で、プライバシー侵害や個人情報特定といった深刻な被害を招くリスクがあります。氏名や住所の公開、写真からの居住地特定、リベンジポルノなど、被害は多岐にわたり、放置すれば生活や社会的信用に重大な影響を及ぼします。被害に遭った場合は、迅速な削除請求や投稿者の特定が不可欠です。
グラディアトル法律事務所では、SNSトラブルに精通した弁護士が、証拠保全から削除・損害賠償請求まで一貫してサポートします。少しでも不安を感じたら、お気軽にご相談ください。
