「X(旧Twitter)で著作権侵害があったため、著作権侵害の報告をしたい」
「X(旧Twitter)の著作権侵害報告フォームの使い方を知りたい」
「著作権侵害の報告をしても削除されないときはどうすればいい?」
X(旧Twitter)では、イラスト・漫画・写真などの創作物が無断転載されるトラブルが後を絶ちません。実際に当事務所でも、依頼者が描いた漫画がXで丸ごと転載され、著作権侵害として開示請求を行った結果、プロバイダ情報が判明し、投稿者本人から連絡が来て最終的に示談で解決した事例を扱っています。
2025年7月29日には、Xの著作権侵害報告フォームが正式に日本語対応し、これまで「英語での申請が難しい」「誤訳が不安」と感じていた方でも、安心して手続ができるようになりました。しかし、実務上は「報告しても削除されない」「アカウントが逃げてしまう」「繰り返し転載される」といったケースも少なくありません。
著作権侵害を放置すると、権利者の利益が著しく害されることになりますので、早めに専門家に相談して対処してもらうようにしましょう。
本記事では、
| ・X(旧Twitter)の「著作権侵害報告フォーム」の使い方 ・削除されないときの対処法 ・弁護士に相談すべきタイミング |
などをわかりやすく解説します。
Xで著作権侵害の被害にあった方が、泣き寝入りせずに適切な手続を進められるような内容になっていますので、最後までぜひお読みください
X(旧Twitter)の著作権侵害報告制度とは?
X(旧Twitter)は、作品の発信に便利な一方で、無断転載などの著作権侵害が起こりやすいプラットフォームです。これらの被害に対応するため、著作権侵害投稿を削除するための制度が用意されています。
X公式の「著作権侵害報告フォーム」の概要|2025年7月29日から日本語対応
Xには、著作権者が自分の作品を無断で使用された際に、その投稿の削除などを申請できる「著作権侵害報告フォーム」が用意されています。
このフォームでは、侵害されている投稿のURLや著作物の説明、権利者情報などを入力し、X側へ正式に削除対応を求めることができます。著作権者本人はもちろん、弁護士など代理人からの申請にも対応しており、SNS上で広まりやすい著作権トラブルに迅速に対応できる仕組みとなっています。
なお、この著作権侵害報告フォームは2025年7月29日から日本語にも対応しました。従来は英語表記のみで、「書き方が分からない」「伝わり方が不安」といった声が多くありましたが、日本語表示により手続が格段に利用しやすくなりました。
必要事項を迷わず入力でき、誤訳リスクもなくなったため、個人でも安心して申立てができるようになっています。
報告の対象となるコンテンツ(画像・動画・ツイート)
Xの著作権侵害報告制度で対象となるコンテンツは幅広く、主に以下のような投稿形式が申立ての対象になります。
| ・画像:漫画、イラスト、写真、スクショ画像など ・動画:自作動画、YouTube動画の無断切り抜き、アニメの抜粋など ・テキスト(ツイート内容):文章をそのまま転載した投稿 ・音声クリップ:スペース録音や音声コンテンツの無断使用 ・プロフィール画像 ・ヘッダー画像:第三者の著作物を無断使用している場合 |
特に、漫画やイラストは盗用されやすく、第三者が「面白い」と感じただけで丸ごと転載するケースも少なくありません。また、動画については「引用のつもりだった」という投稿者もいますが、引用の要件を満たさない限りは著作権侵害になります。
さらに、転載がリポスト(旧リツイート)ではなく、スクショ投稿である場合や、加工して一部を切り抜いた投稿であっても、著作権侵害に該当する可能性があります。
このように、Xの著作権侵害報告制度は、多様な形式の投稿に対応しており、被害者が適切に権利を守れるようになっています。
X(旧Twitter)で著作権侵害を報告する3ステップ
Xでは、著作権侵害の報告手続がフォーム化されており、必要事項を入力することで誰でも申立てができます。以下では、実際に削除申請を行う際の流れを4つのステップに分けて解説します。
【STEP1】X(旧Twitter)のヘルプセンターにアクセスする

まずは、X(旧Twitter)のヘルプセンターにアクセスします。
トップページ右上のメニューから「ヘルプセンター」を選択するか、検索エンジンで「X ヘルプセンター 著作権」などと検索すれば、該当ページがすぐに表示されます。
【STEP2】著作権侵害の申立てフォームに進む

ヘルプセンターにアクセスしたら、検索窓に「著作権」と入力し、検索結果の「著作権」を選択します。すると、「知的財産権に関する問題のヘルプ」というページが表示されますので、そこから著作権侵害の報告をすることができます。
【STEP3】必要な情報を入力する
X(旧Twitter)の公式フォームでは、著作権者本人か代理人かの選択、侵害されたと主張する投稿の情報、自分の著作物の説明など、必要事項が順番に表示されます。
このフォームは、2025年7月29日から日本語に対応し、内容も整理されてよりわかりやすくなりました。英語での説明に苦手意識があった方でも、手続きをスムーズに進めることができます。
フォームでは、著作権侵害を証明するために次のような情報を入力します。
| ・あなたに関する情報(氏名、住所、電話番号、会社名など) ・著作権を侵害している素材のプラットフォーム(X、Vine、Periscope) ・著作物について(著作物の種類、オリジナルの作品に関する説明、オリジナル作品へのリンク) ・著作権を侵害している素材について(素材のURL、侵害についての説明) |
特に重要なのが、侵害投稿のURLと著作物の説明です。
この2つが明確でないと、X側の審査に時間がかかったり、削除が認められなかったりすることがあります。
【STEP4】フォームを送信する
すべての項目を入力したら、申立て内容を確認し、フォームを送信します。
通常は数日以内に、X運営からメールまたはアプリ通知が届き、削除の可否や追加確認の連絡が入ります。
X(旧Twitter)に著作権侵害の報告をしても削除されないときの対応
著作権侵害報告フォームから申請しても、必ず削除されるとは限りません。「明らかな無断転載なのに対応されない」「何週間も放置されている」という相談は少なくなく、削除が行われない理由は、説明が不足していたり、権利関係の確認に時間がかかるケースなさまざまです。以下では、報告しても削除されない場合に取り得る追加の法的対応を紹介します。

弁護士による法的根拠に基づいた削除申請
Xが削除対応を保留している場合でも、弁護士が法的根拠を示して削除申請を行うことで、対応が早まるケースがあります。
弁護士が行う削除申請では、
| ・著作権法上の保護対象であること ・無断転載が事実であること ・依頼者が著作権者であること ・被害状況(拡散数・営業的損害など) |
弁護士が行う削除申請では、
を明確に示したうえで、削除の必要性を論理的に説明します。
X運営は、大量の報告を受けているため、法的裏付けのある申請のほうが優先して審査される傾向があります。特に、作品の一次公開元や制作過程などを添付資料として提出することで、削除の判断が下りやすくなります。
裁判所を利用した削除仮処分の申立て
侵害投稿が短時間で拡散してしまう場合や、営業上の損害が発生している場合には、裁判所に削除仮処分を申し立てる方法があります。
削除仮処分とは、正式な判決を待たずに迅速に権利侵害の投稿を削除してもらう法的手続きです。
仮処分は法的強制力があるため、著作権侵害の立証が可能な事案であれば、X(旧Twitter)の運営側が任意に削除しなかった投稿でも裁判所命令で削除される可能性が高いです。
加害者を特定して損害賠償請求をするための発信者情報開示請求
無断転載を繰り返す悪質な投稿者に対しては、発信者情報開示請求によって投稿者の身元を特定し、損害賠償を請求することができます。
従来は、X(旧Twitter)への発信者情報開示の仮処分とプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟という2段階の手続きが必要でしたが、2022年の法改正により「発信者情報開示命令制度」が新設されたことで、一体的に手続きを進めることが可能になりました。
これにより従来よりも迅速に投稿者の特定が可能となっています。
なお、開示請求により身元が判明すると、多くのケースでは投稿者本人が謝罪と示談に応じる傾向があり、長期化するトラブルを早期に解決しやすくなる点も大きなメリットです。
X(旧Twitter)での著作権侵害が争われた裁判例の紹介
実際に、SNS上での無断転載をめぐって損害賠償・発信者情報開示請求が認められた裁判例は多数あり、裁判所もSNSでの著作物の利用を重大な侵害として判断しています。以下では、X(旧Twitter)での著作権侵害が争われた最近の裁判例を紹介します。
写真の著作物が争いになった事案|東京地裁令和6年8月8日判決
【事案の概要】
本件は、原告がX(旧Twitter)に投稿された複数の投稿によって、自己の写真を無断転載されたこと(著作権侵害)や、揶揄的な内容を投稿されたこと(名誉感情侵害)を理由に、投稿者の身元特定のためプロバイダに発信者情報の開示を求めた事案です。
対象となった投稿は5件でしたが、実際に投稿されたかどうか、写真の著作物性、原告が著作権者といえるか、名誉感情侵害が成立するかなど、多くの点が争われました。
【裁判所の判断】
裁判所は、5件の投稿のうち1件について添付された写真は、原告自身が工夫を凝らして撮影した創作的表現が認められるとして著作物性を肯定し、画像はその創作的部分を切り取って掲載した複製投稿であるため、複製権・公衆送信権の侵害が明白だと判断しました。
【ポイント】
写真の著作権侵害を主張する際には「誰が撮影したか」の立証が欠かせず、裁判所は構図やアングルなどの創作性にも着目して著作物性を判断しています。
「漫画村」サイトに自社作品を無断掲載された事案|東京地裁令和6年4月18日判決
【事案の概要】
本件は、出版社であるKADOKAWA・集英社・小学館が、いわゆる「漫画村」サイトに自社作品の画像データを無断で閲覧可能にされたとして、サイト運営に関与した被告に対し、出版権・独占的利用権の侵害を理由に損害賠償を求めた事案です。
原告らは、アクセス推計(SimilarWeb)等から作品1巻あたり少なくとも7410回閲覧されたと主張し、著作権法114条3項(受けるべき金銭額)等に基づく損害額を請求しました。
【裁判所の判断】
裁判所は、被告が開設当初から閉鎖まで一貫して運営・技術面に積極関与していたと認定しました。
損害額は、各作品の販売価額(税込)から一律10%控除した金額に閲覧数7410回を乗じ、さらに弁護士費用10%を加算して算定しています。その結果、被告は次の支払義務を負うとされました。
| KADOKAWA:4億0575万5964円 集英社:4億2923万0844円 小学館:9億0165万5469円 |
【ポイント】
損害額の算定について、SimilarWeb等のアクセス推計を基礎に、作品1巻あたり7410回という統一閲覧回数を用いて、著作権法114条3項の「受けるべき金銭額」を販売価額(税込)−10%で画一算定した点が実務上重要です。
イラスト画像の著作権が争われた事案|東京地裁令和3年7月16日判決
【事案の概要】
本件は、原告である医師が、自身の似顔絵イラスト(原告イラスト画像)をTwitterアカウントのプロフィール画像として無断使用されたうえ、同アカウントから揶揄的な投稿が行われたとして、発信者情報の開示を求めた事案です。
原告は、イラストレーターから著作権を譲渡された著作権者であり、投稿者はそのイラストを無断で複製・アップロードしていました。
【裁判所の判断】
裁判所は、まず原告イラスト画像について、イラストレーターからの著作権譲渡が証拠で確認できるとして、原告が著作権者であることを認定しました。
そのうえで、問題となったプロフィール画像の使用について、
| ・原告に無断で原告イラスト画像をプロフィール画像として複製・送信している |
| ・X(旧Twitter)上にアップする行為は複製権・公衆送信権の典型的な侵害である |
と判断し、著作権侵害の明白性は認められると結論づけました。
【ポイント】
プロフィール画像としてX(旧Twitter)にアップロードする行為は、第三者が自由に閲覧できる状態に置くことになるため、複製権・公衆送信権の侵害に直結します。
また、本件では原告がイラストレーターから著作権を正式に譲渡されていたことが証拠で立証されており、裁判所は著作権者性を迷わず認定しました。その結果、無断使用の違法性判断もスムーズに進みました。
X(旧Twitter)の著作権侵害報告を弁護士に相談すべきタイミング
Xの著作権侵害報告フォームは、誰でも利用できる仕組みですが、実際には「削除されない」「やり取りが不安」「加害者を特定したい」といった問題が起こりやすく、個人では対応が難しいケースも多くあります。以下では、どの段階で弁護士に相談すべきか判断するためのポイントを説明します。

著作権侵害報告をしても反応がないとき
もっとも多い相談が、報告しても削除されない・返答が届かないケースです。
| ・送信から1〜2週間経過しても動きがない |
| ・「審査中」のまま停止している |
| ・追加情報の案内すら来ない |
このような状態が続く場合、申立て内容が十分でなかったり、権利関係の裏付けが弱いと判断されている可能性があります。
弁護士が介入すると、著作権法上の保護対象であることの補強、無断転載である証拠の整理、侵害状況の説明文の再構成により、運営側が判断しやすい形に整えられるため、削除の実現に向けて進展することが期待できます。
繰り返し著作権侵害をされるとき
無断転載が継続して行われる、または別アカウントで何度も投稿されるような場合は、投稿者の特定(発信者情報開示請求)を検討すべき段階です。
特に、
| ・同一ユーザーが転載を繰り返している |
| ・アカウントを変えて再投稿している |
| ・注意をしても応じない |
| ・「引用」「ファンアートだから許される」など誤った主張をしている |
といったケースでは、削除だけでは再発防止ができません。
弁護士が入れば、発信者情報開示請求を経て、投稿者の身元を特定し、謝罪・再発防止・損害賠償まで求めることが可能になります。
自分では対応が難しいと感じるとき
著作権侵害の削除申請は、「文章を書く」だけに見えて、実際には専門性と慎重な裏付けが求められます。
| ・著作物の説明方法が分からない |
| ・自分が著作権者であることをどう証明すべきか悩む |
| ・相手アカウントの悪質性をどう伝えるべきか不安 |
| ・Xの返信内容が専門的で理解できない |
このようにストレスや不安を抱えた時点で、弁護士に相談した方が賢明です。専門家が介入するだけで、心理的負担が軽くなり、手続の見通しも明確になります。
加害者を特定して法的責任を追及したいとき
「削除だけでは不十分」「損害賠償・謝罪を求めたい」という場合は、弁護士への相談が必須です。
発信者情報開示請求は、法律的にも手続的にも複雑で、専門家でなければ適切に進めることができません。
弁護士に依頼すると、
| ・Xへの一次開示請求 |
| ・プロバイダへの二次開示請求 |
| ・損害賠償請求・示談交渉 |
| ・必要に応じて裁判手続 |
まで一貫して対応できます。
X(旧Twitter)の著作権侵害報告はグラディアトル法律事務所に相談を

X(旧Twitter)で著作権侵害が起きた場合、削除申請だけでなく、加害者の特定や損害賠償請求など、状況に応じて必要な手続は変わります。しかし、「削除されない理由がわからない」「どこまで手続を進めるべきか判断できない」と悩まれる方は少なくありません。
グラディアトル法律事務所では、SNS上の著作権侵害案件を多数扱っており、
| ・著作権侵害の削除申請サポート |
| ・Xやプロバイダへの発信者情報開示請求 |
| ・加害者との示談交渉 |
| ・刑事告訴 |
など、被害の内容に応じた的確なサポートが可能です。
特に、匿名アカウント相手のトラブルでは、法的な手続きを迅速に行うことが早期解決の鍵となります。当事務所では、状況を丁寧にヒアリングしたうえで、最短ルートでの解決方針をご提案します。
無断転載の被害に遭ったら、ひとりで悩まず、早めに経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。
まとめ
X(旧Twitter)では、画像・漫画・動画などの無断転載が後を絶たず、著作権侵害の被害は誰にでも起こり得ます。2025年7月29日から著作権侵害報告フォームが日本語対応となり、個人でも手続がしやすくなりましたが、報告しても削除されないケースや、繰り返し侵害が行われるケースも少なくありません。
削除が進まない場合は、弁護士による専門的な削除申請、裁判所での削除仮処分、発信者情報開示請求など、法的な対応によって解決を図ることができます。無断転載を放置すると被害が拡大しやすいため、早めの相談が重要です。
X(旧Twitter)での著作権侵害でお困りの方は、グラディアトル法律事務所までご相談ください。
