楽天レビューで誹謗中傷されたら|削除依頼と開示請求の流れを解説

楽天レビューで誹謗中傷されたら|削除依頼と開示請求の流れを解説

楽天市場では、購入者が自由に商品レビューを投稿できる仕組みがあるため、販売者にとってレビューは、売上に直結する重要な情報です。しかし中には、事実と異なる内容や店舗・事業者を不当に貶める誹謗中傷的なレビューが投稿されてしまうケースも少なくありません。そのようなレビューを放置すると、商品の信頼性や店舗の評判が低下し、売上やブランド価値に深刻な影響が出る可能性があります。

楽天では一定の条件を満たせば、レビューの削除申請が認められたり、投稿者を特定するための発信者情報開示請求が可能な場合もあります。ただし、削除されやすいレビュー・されにくいレビューの違いがあるほか、法的手続を検討する場面では専門的な判断が求められます。

今回は、

・楽天レビューの削除ルール
・楽天レビューに対して削除依頼や開示請求を行う際の手順
・楽天レビューの削除依頼・開示請求を弁護士に依頼するメリット

などをわかりやすく解説します。

事業者・店舗運営者は、風評被害のリスクに備えるためにも、正確な知識を身につけて適切な対処を行いましょう。

楽天のレビュー削除依頼の基本ルールと判断基準

楽天市場では購入者のレビューが売上や店舗の評価に大きな影響を与えます。しかし、事実と異なるレビューや誹謗中傷的な投稿がされることもあり、削除依頼を検討するケースも少なくありません。そこでまずはレビュー削除の判断基準やルールを理解しておきましょう。

楽天市場のレビューガイドラインの概要

楽天市場では、誹謗中傷や虚偽の内容などレビュー投稿に関する禁止事項が定められています。このガイドラインに抵触すると判断された場合、出店者の申請によりレビューが削除される可能性があります。

主な禁止事項としては次のようなものが挙げられます。

・誹謗中傷・名誉毀損にあたる表現
・社会通念上不適切な表現
・個人情報を含む内容
・虚偽または誤解を招く内容
・商品や店舗と無関係な投稿
・宣伝・勧誘目的の投稿

ただし、削除判断は楽天側が行うため、出店者の申請がそのまま認められるとは限りません。

削除されやすいレビュー・されにくいレビューの違い

ガイドラインに明確に違反しているレビューは削除されやすい傾向にあります。例えば「詐欺業者」「犯罪者と同じ」「最悪な店」など、店舗の社会的評価を下げる表現は削除の対象となり得ます。

一方で、取引や商品に基づいた評価は削除されにくく、

・「発送が遅い」
・「梱包が雑」
・「品質に満足できなかった」

といった不満は、消費者にとって有益な情報として認められることが多いことから、削除は難しいといえます。

正当な批判と違法な誹謗中傷の境界線

レビューの削除判断では「批判か誹謗中傷か」が重要なポイントです。

正当な批判は、取引事実に基づく意見であり、口コミとしての役割があります。一方で誹謗中傷は、根拠なく人格や信用を攻撃するもので、違法行為に該当する可能性もあります。

また、虚偽の内容や「犯罪者扱い」などの表現は名誉毀損や信用毀損、業務妨害といった法的トラブルに発展することもあります。

なお、投稿が匿名であっても、後述する発信者情報開示請求で特定できる場合があります。

楽天に対するレビュー削除依頼の方法と流れ

削除依頼を行う際には、楽天市場の所定の申請手続に従う必要があります。削除の可否は、楽天側が判断するため、削除依頼を成功させるには適切な理由付けや証拠の提示が重要です。

楽天に対するレビュー削除依頼の方法と流れ

楽天市場への削除申請手続き

楽天レビューの削除依頼は、楽天が提供する専用フォームから申請します。申請の際には、問題のレビューURLやレビュー内容、削除を求める理由などを記載するのが基本です。

申請内容に不備があると審査が進まないことがあるため、入力項目は正確に記録することが大切です。また、レビューがガイドラインのどの禁止事項に該当するのかを明確に指摘すると認められやすくなります。

申請後は、楽天側の審査を経て削除の可否が判断されます。削除が認められた場合はレビューが非表示になり、却下された場合にはその旨が通知されます。

削除依頼文作成のポイントと注意点

削除依頼文は、感情的な主張ではなく、客観的な事実と基準に基づいて説明することが重要です。特に、以下のポイントは押さえておくべきです。

①何が問題なのかを具体的に示す例:「虚偽の事実を記載している」「人格攻撃に該当する」など、問題個所を特定します。
②ガイドラインとの関係を指摘する例:「名誉毀損にあたる表現が含まれるため、レビューガイドラインの禁止事項に該当」といった形で整理します。
③事実関係の資料を提示するトラブルが発生した取引証跡(注文情報、返品状況、配送状況等)がある場合は添付すると説得力が増します。

削除依頼文の内容が不十分な場合、「単なる店舗側の不満」と扱われてしまい、削除が認められにくくなることがあります。特に、誹謗中傷に近い表現や虚偽が疑われる場合は、法的観点を踏まえた整理が有効です。

削除までにかかる期間の目安

削除依頼に対する判断には一定の期間を要します。審査期間は、ケースによって異なるものの、目安としては数日〜数週間程度とされています。事案が複雑な場合や追加資料が求められた場合にはさらに時間を要することもあります。

また、削除申請が却下されるケースも珍しくありません。特に、レビューが「批判的ではあるものの取引に基づいている」と判断された場合は削除されにくい傾向があります。

楽天レビューが削除されない場合の法的対応

削除依頼を申請しても、楽天の判断で削除が認められないケースは少なくありません。そのような場合でも、誹謗中傷性が強いレビューや虚偽内容が含まれるレビューについては、法的手続による削除を検討する余地があります。

楽天レビューが削除されない場合の法的対応

裁判所に削除仮処分の申立てをする

レビュー投稿により店舗の信用や売上が侵害されている場合、裁判所に対し「削除仮処分」の申立てを行うことが可能です。

削除仮処分とは、本格的な裁判(本案訴訟)を待たずに、問題となっている投稿を迅速に削除してもらうための法的手続きです。

仮処分は、一般的な訴訟より迅速に進められる点が特徴で、レビューによる悪影響が継続している場合に適しています。特に、ECサイトではレビューの評価が売上やリピート率に直結するため、時間的な損害を回避する観点からも活用されるケースがあります。

申立ての際には、問題となるレビューが名誉毀損や信用毀損・業務妨害などの違法性を有することを資料や証拠に基づき説明する必要があります。この点で、法的観点での整理や証拠収集が重要となります。

削除仮処分の流れ

削除仮処分の手続きは、以下のような流れで進みます。

①証拠の確保問題の投稿をスクリーンショットやURL付きで保存します。削除仮処分では、「どの投稿が権利侵害をしているのか」を証拠として明示する必要がありますので、事前の証拠収集が重要です。
②削除仮処分申立書の作成名誉毀損やプライバシー侵害の法的根拠を整理し、裁判所に提出する申立書を作成します。申立書の作成には、専門的な知識と経験が必要ですので、弁護士のサポートが不可欠です。
③裁判所への申立て・審理(審尋)裁判所が内容を審査し、申立人と運営者の双方に意見を求める手続きを行います。
④担保金の供託裁判所が仮処分が相当であると判断すると、申立人に対して担保金を供託するように命じます。担保金の金額は、事案によって異なりますが30~50万円程度が相場ですが、通常は、後日返還されますので一時的な負担にとどまります。
⑤仮処分命令の発令・削除実行申立てが認められれば、裁判所が削除命令を出し、運営者が該当投稿を削除します。申立てから仮処分命令発令までの期間は、1~2か月程度です。

楽天レビューの投稿者を特定する「開示請求」とは

レビュー投稿者が匿名の場合、誹謗中傷や虚偽内容による被害が生じても、そのままでは相手方を特定できず、損害賠償請求などの法的手続が難しくなります。このような場合に検討されるのが「発信者情報開示請求」です。

発信者情報開示請求の仕組み

発信者情報開示請求とは、インターネット上で権利侵害を受けた被害者が、投稿者を特定するために行う法的手続です。名誉毀損や信用毀損などの侵害が認められると、裁判所を通じて、サイト運営会社や接続プロバイダに対してIPアドレスやログ情報、投稿者の住所・氏名などの情報開示を求めることが可能になります。

開示が認められるためには、問題のレビューが違法性を備え、権利侵害が生じていることを証明する必要があります。単なる感情的な不満や店舗との意見の相違だけでは認められにくく、虚偽性や社会的評価低下の程度などが審査のポイントになってきます。

匿名の投稿者を特定するまでの流れ

発信者情報開示命令の手続きの流れは、以下のとおりです。非常に専門的な手続きになりますので、経験豊富な弁護士によるサポートが不可欠です。

①サイト管理者への申立て(発信者情報開示命令・提供命令)まず、運営者を相手に、投稿時のIPアドレスやタイムスタンプなどの開示を求めます。同時に、どのプロバイダが関与しているかを明らかにする「提供命令」も併せて申立てます。提供命令は数日で発令され、プロバイダの名称と所在地が判明します。
②プロバイダへの申立て(発信者情報開示命令・消去禁止命令)運営者からプロバイダが特定されたら、今度はそのプロバイダに対して、契約者情報(氏名・住所など)の開示を求めます。同時に、ログが削除されないよう「消去禁止命令」を申し立てるのが通常です。
③運営者からプロバイダへの情報提供と手続の併合プロバイダに開示請求を行った際は、必ずサイト管理者へその旨を通知します。通知を受けた運営者は、プロバイダへIPアドレスや発信時間を提供します。この段階で、裁判所は両方の手続を併合し、一体として審理を進めます。
④開示命令の発令と投稿者特定審理の結果、開示命令が発令されると、プロバイダから投稿者の氏名・住所が開示されます。これにより、投稿者の特定が完了し、損害賠償請求や刑事告訴などの次の法的手段へ進むことができます。

ログ保存期間という時間制限があるため早めの行動が重要

発信者情報開示請求で注意すべきポイントは、ログ保存期間に期限があることです。

IPアドレスや通信記録などは無期限に保存されているわけではなく、一般的には数ヶ月程度で削除されてしまいます。ログが失われると投稿者の特定が困難になるため、誹謗中傷レビューを発見した段階で早めに対応することが重要です。

レビューによって店舗の信用や売上に影響が生じている場合、削除依頼と並行して開示請求の準備を進めるケースもあります。また、投稿内容が刑事法上問題となる場合には告訴期限も意識する必要があります(後述)。

投稿者を特定できれば、損害賠償請求や和解交渉といった法的措置につなげることができ、被害を回復する可能性が高まります。

楽天レビューの投稿者特定後に可能な法的措置|損害賠償請求・刑事告訴

投稿者が特定できた場合、誹謗中傷レビューによる被害を回復するために民事・刑事の手続を検討できます。違法なレビューは単に削除するだけでなく、損害賠償や慰謝料として金銭的な回復を図ることも可能です。

名誉毀損・業務妨害による損害賠償請求

虚偽の内容や信用を低下させるレビューは、名誉毀損や信用毀損、業務妨害などの違法行為に該当する可能性があります。このようなレビューによって売上が減少したり、事業の評判が傷ついた場合、投稿者に対して損害賠償を請求できます。

損害賠償請求では、以下の損害が問題となることがあります。

・売上減少などの営業上の損害
・ブランド価値や信用の毀損
・社内リソースの対応コスト(CS対応・法務対応など)

EC事業者の場合、レビューは購買率やリピート率に直結するため、レビュー1件の影響が相対的に大きいことが指摘されます。特に楽天市場では、レビュー評価が検索順位や購入意欲に影響するため、事業性の高い損害として扱われやすい傾向があります。

慰謝料の相場と請求のポイント

慰謝料の相場は、ケースごとに異なりますが、誹謗中傷レビューが人格攻撃や虚偽に基づく場合には、精神的損害として慰謝料の支払いが求められることがあります。

慰謝料請求で重視されるポイントとしては、

・表現の攻撃性・悪質性
・公開範囲(不特定多数に閲覧されたか)
・被害期間の長さ
・店舗や事業者側の社会的評価への影響
・事実との乖離性

などが挙げられます。開示後に投稿者と任意交渉で解決(示談)することも多く、削除と謝罪、慰謝料支払いで解決するケースもあります。

悪質な場合の刑事告訴の可能性

レビュー内容が悪質な場合には刑事手続も視野に入ります。名誉毀損や信用毀損・偽計業務妨害といった犯罪に該当する可能性がありますので、刑事告訴が可能となります。

刑事告訴は、民事上の責任追及の手続き(損害賠償請求)とは異なり、損害の回復を目的とするものではありませんが、刑罰による抑止力が期待できますので、悪質なレビューの再発を防止できる可能性があります。

ただし、刑事手続には告訴期限(犯人を特定できた日から6か月)があるため、投稿者を特定した後は早めに手続きを進めること重要です。

楽天レビューの削除依頼・開示請求を弁護士に依頼するメリット

誹謗中傷レビューの削除依頼や投稿者特定(開示請求)は、ガイドラインの理解や違法性の判断、証拠整理など専門的な作業を伴う場合があります。状況によっては法的手続を併用する必要もあるため、弁護士に依頼することで手続を円滑に進めることができます。

違法性判断を踏まえた適切な対応が可能

楽天市場では、批判と誹謗中傷が混在するレビューも多く見られます。「削除されやすい投稿か」「名誉毀損や業務妨害に該当するか」「開示を求められるレベルか」といった判断には、法的な観点が欠かせません。

弁護士であれば、

・名誉毀損・信用毀損・業務妨害の該当性
・虚偽性や社会的評価低下の程度
・削除依頼の戦略と文章作成
・証拠収集のポイント

などを踏まえたうえで、適切な対応方針を立てることが可能です。これは削除依頼が却下された後の仮処分や開示請求につなげやすくなるという実務上のメリットにもなります。

削除依頼・開示請求を一貫して任せられる

誹謗中傷レビューへの対応は、削除申請→仮処分→開示請求→損害賠償請求というように複数のプロセスが連続することも珍しくありません。投稿者が匿名であれば発信者情報開示請求が必要になり、さらに民事・刑事のどちらで責任追及するかの判断も生じます。

弁護士に依頼することで、以下のような一貫した対応が可能になります。

・楽天への削除申請
・仮処分や開示請求の検討・実施
・投稿者との示談交渉
・損害賠償請求や刑事告訴

店舗側の業務負担を軽減しながら、もっとも合理的なルートで解決を目指すことができます。

事業者・店舗の評判リスクを最小限に抑えられる

EC事業者にとって評判やレビュー評価は、売上に直結する重要な資産です。一件のレビューでも、検索順位・購買率・リピート率などに影響が出ることがあり、放置することは長期的な損失につながりかねません。

さらに、誹謗中傷レビューは、第三者にも拡散されるリスクがあり、ブランド価値の低下や顧客離れを招く可能性もあります。

弁護士に依頼することで、適切なタイミングでの削除・特定・交渉が行え、不要な炎上や追加トラブルを避けながら被害を最小限に抑えることが期待できます。

また、早期対応によりログ保存期限や告訴期限といった「時間の壁」を越えやすくなる点も事業者にとって大きなメリットです。

楽天レビューの削除依頼・開示請求でお悩みの方はグラディアトル法律事務所に相談を

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楽天レビューによる誹謗中傷や虚偽の内容は、店舗や事業者にとって売上・信用・ブランド価値に大きな影響を与えます。レビューを放置すれば、検索順位や購買率の低下、リピート率低下にもつながる可能性があるため、早期の対応が重要です。

しかし、削除依頼を出しても楽天側で却下されるケースは少なくなく、投稿者が匿名であれば開示請求が必要になる場合もあります。

グラディアトル法律事務所では、誹謗中傷レビューや発信者情報開示請求に関する豊富な実務経験をもとに、状況に応じた最適な解決ルートをご提案しています。削除依頼から仮処分、開示請求、示談交渉、損害賠償請求、刑事告訴まで一貫した対応が可能で、違法性の判断や証拠整理も含めてサポートします。

誹謗中傷問題では、ログ保存期間があるため時間が経過するほど投稿者特定が難しくなるケースがあります。また、刑事告訴の検討においても期限が関係する場合があり、相談時期は結果に影響します。さらに、「削除できるのか」「開示可能性があるのか」「損害賠償を請求すべきか」など、案件ごとに適切な判断は異なります。

事案に応じた最適は判断をするには、経験豊富な弁護士のサポートが不可欠ですので、楽天レビューでお困りの方は、まずは一度ご相談ください。

まとめ

楽天レビューは、店舗や事業者の売上や信用に直結する重要な要素である一方、虚偽や誹謗中傷を含む投稿によって不利益を受けるケースも少なくありません。まずは楽天のガイドラインに沿って削除依頼を行い、それでも解決しない場合には仮処分や発信者情報開示請求といった法的手続を検討することが可能です。投稿者が特定できれば、損害賠償請求や示談、刑事告訴などの選択肢が広がります。

誹謗中傷レビューは、時間の経過によってログ消失や証拠散逸が生じるため、早期の検討が重要です。対応に迷う場合は、早期にインターネットトラブルに強い弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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