「大島てる(事故物件公示サイト)」に、自宅や所有物件、実家や投資不動産に関する情報が掲載されてしまい、削除したいと考える方は少なくありません。事故物件として扱われた場合、入居希望者から敬遠され、売却価格の低下や賃料の下落につながるおそれもあります。また、事件や自殺などのセンシティブな情報が記載されている場合は、精神的負担やプライバシー侵害の問題も生じます。
しかし、大島てるに掲載された情報は、単に「嫌だから」「風評被害があるから」という理由だけでは削除されないケースが多く、削除依頼が認められるかどうかには一定の法的基準があります。記載内容が真実かどうかや公益性、名誉毀損・プライバシー侵害に該当するかなどが争点となることもあるため、削除の可否を判断するには、専門家である弁護士のアドバイスやサポートが不可欠です。
本記事では、
| ・大島てるに掲載される情報の特徴 |
| ・削除依頼が認められるケースと認められにくいケース |
| ・削除依頼の手続き |
| ・削除されない場合に検討すべき法的対応 |
などについて解説します。
削除依頼を検討している方は、まず削除可能性を把握した上で適切な対応を取ることが重要です。
大島てるとは?どのような情報が掲載されるサイトか
大島てるは、事故物件に関する情報を公開することで知られるサイトです。不動産取引や物件評価に影響することもあるため、まずはどのような情報が掲載されているのかを整理しておく必要があります。
大島てるの概要と目的
大島てる(通称・事故物件公示サイト)は、全国の事故物件に関する情報を閲覧できる情報サイトです。火災や事件、自殺や孤独死など、物件に心理的瑕疵が生じ得る事象を中心に扱っており、一般ユーザーが投稿した情報がサイト上に掲載される仕組みになっています。
不動産市場では、事故物件に関する情報は従来、仲介業者や近隣住民など限定された範囲でしか共有されないことが多く、取引時の情報格差が課題とされていました。この点を踏まえ、大島てるのサイトは、事故物件に関する透明性向上や情報共有を目的として運営されていると考えられます。
閲覧者側のメリットとしては、購入や賃貸を検討する際に潜在的なリスクを事前に把握できる点があります。とりわけ事故物件は市場価値や賃料に影響を及ぼし得るため、意思決定材料として有用とされることがあります。
一方で、物件の所有者や管理会社、投資家にとっては、情報が掲載され続けることで資産価値の低下、入居率の悪化、売却困難などの不利益が生じる可能性もあります。この利益相反的な構造が、大島てるの削除依頼や法的紛争の背景にあります。
掲載される情報の種類(事故物件・事件・自殺など)
大島てるに掲載される情報は多岐にわたりますが、中心となるのは以下のような心理的瑕疵に関連する事象です。
| ・事件(殺人、傷害致死等) |
| ・自殺 |
| ・事故死(火災・転落・溺水など) |
| ・孤独死・変死 |
| ・火災・爆発等の災害 |
| ・その他、不動産取引で重要とされる情報 |
掲載内容には、死亡の有無、事故の概要、発生時期など、個人のプライバシーに関わる情報が含まれる場合があります。また、投稿情報の正確性が担保されているわけではなく、噂レベルの情報や真偽に争いが存在する例も珍しくありません。この点は削除依頼において大きな論点となり、「真実性」と「公益性」が裁判所で判断された事例も存在します。
また、事故物件に関する情報は不動産取引上の心理的瑕疵につながるため、掲載情報によっては市場価値への影響や取引トラブルにつながる可能性があります。こうした背景から、大島てるに対する削除依頼は、不動産オーナーや遺族、管理会社、仲介事業者など多様な主体によって行われています。
大島てるの情報は削除依頼できるのか?
大島てるに掲載された情報は、一定の条件を満たす場合に削除依頼が認められることがあります。ただし、単に「掲載されたくない」という理由だけでは削除が難しいケースも多く、法的基準や判断要素を理解しておく必要があります。

削除依頼が認められる可能性があるケース
削除依頼が認められる可能性があるのは、掲載された情報によって名誉権やプライバシー権が侵害されていると評価される場合です。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
| ①事実と異なる情報が掲載されている場合(虚偽情報)例:死亡事故ではないにもかかわらず「自殺物件」と記載されている、火災の規模や原因が誤って記載されているなど ②事故内容が必要以上に詳しく書かれている場合例:死因の詳細・個人の属性・遺族に関する情報などが過度に掲載されているケース ③公益性が認められず、単なるゴシップ的内容である場合事故物件として公表する必要性が乏しいと評価されるケースでは、削除の余地が生じます。 |
また、削除依頼において論点となるのが「真実性」と「公益性」です。
事故物件に関する情報が真実かつ公益性が認められる場合には削除は困難ですが、内容が虚偽または不正確である場合や公益性が低い場合には削除が認められる可能性が高まります。裁判例でも、虚偽情報や名誉毀損に該当すると判断された例では削除による救済が認められています。
削除が難しいケース・認められにくいケース
削除依頼が認められにくいケースとしては、以下のような場合が挙げられます。
| ・掲載内容が真実である場合 |
| ・一定の公益性が認められる場合 |
| ・不動産取引において重要な情報と認められる場合 |
| ・事件・事故に関して社会的関心が高い場合 |
大島てるに掲載される事故物件情報は、不動産取引の意思決定に関わる情報として扱われる傾向にあり、裁判所も一定の公益性を認めることがあります。そのため、事実として事故や事件が発生していた場合には、削除依頼が認められないケースが多いのが実情です。
実際に、横浜地裁の事例では、掲載情報が真実であることを理由に削除請求が退けられています(詳細は第5章で解説)。
大島てるへの削除依頼の方法
大島てるに掲載された情報を削除したい場合、サイトに対して直接削除依頼を行うことが可能です。ただし、削除依頼の方法は限られており、掲載されている情報の内容によっては削除が認められないケースもあります。以下では、削除依頼の手続きと必要書類について説明します。

大島てるへの削除依頼は郵送による方法のみ
大島てるへの削除依頼は、現時点では電子メールや電話では受け付けられておらず、郵送による書面提出のみが原則となっています。削除依頼書には、掲載情報の内容、削除を求める理由、投稿との関係性などを記載し、資料を添付した上で以下の宛先に送付します。
| 〒162-0815東京都新宿区筑土八幡町6-7株式会社大島てる |
ただし、削除依頼書を送付したからといって必ず削除されるわけではなく、掲載情報の真実性や公益性などを考慮したサイト側の判断により、削除に応じないケースもあります。また、削除依頼文の内容が不十分な場合や必要資料が欠けている場合には、追加資料の提出を求められることもあります。
【テンプレート】削除依頼文の書き方
削除依頼文には、少なくとも以下の項目を記載することが望ましいとされています。
(削除依頼文の記載項目例)
・送付日
・依頼者氏名・連絡先
・該当物件の住所・建物名・部屋番号
・掲載情報の内容(投稿タイトル等)
・削除を求める理由(虚偽情報・プライバシー侵害など)
・掲載情報との関係性(所有者・管理会社・遺族等)
・添付資料の説明
| (削除依頼書テンプレ例) 大島てる 御中 私は、貴サイトに掲載されている下記物件に関し、削除を依頼いたします。 【物件情報】住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇建物名:〇〇マンション〇号室 【掲載内容】(削除を求める掲載内容を記載) 【削除を求める理由】(虚偽情報、不必要な個人情報、プライバシー侵害等を記載) 【掲載情報との関係】(所有者、管理会社、遺族、相続人等) 【添付資料】(根拠資料の内容を記載) 以上、何とぞご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 氏名:住所:連絡先: |
※上記はあくまで一例であり、削除理由や添付資料の内容に応じて加筆が必要となる場合があります。
削除依頼時に必要となる資料・証拠
削除依頼を行う際には、掲載情報の誤りやプライバシー侵害を示すための資料を添付することが望まれます。必要となる資料は、ケースによって異なりますが、具体的には以下が挙げられます。
| ・登記事項証明書・賃貸借契約書等の権利関係を示す資料 |
| ・事故の内容が事実と異なることを示す資料 |
| ・亡くなった方に関する情報が過剰であることを示す資料 |
| ・投稿が噂や推測であることがわかる資料 |
| ・プライバシー侵害や名誉毀損を主張するための資料 |
特に、虚偽情報を理由とする場合には、削除依頼側に一定の立証責任が生じるため、資料が不十分だと削除が認められないことがあります。また、遺族や管理会社が削除を求めるケースでは、死亡届や死因に関する資料が求められることもあります。
実務上は、削除依頼の書面作成や資料の収集に専門的判断が必要になる場合もあるため、弁護士に相談しながら進めることで適切な主張と資料提出が可能となります。
削除されない場合に検討すべき法的対応|削除仮処分の申立て
大島てるが削除依頼に応じない場合には、裁判所に対して「削除仮処分」を申し立てる方法が検討されます。仮処分は、本訴(通常の裁判)による判断を待たずに、インターネット上の情報を一時的に削除・非表示にできる制度です。
もっとも、事故物件に関する情報は、不動産取引における心理的瑕疵として扱われることが多く、裁判所も一定の公益性を認める傾向があります。そのため、掲載内容が真実である場合や公益性が高いと判断された場合には、削除仮処分が認められないケースも少なくありません。実務上、内容が虚偽であることや過度なプライバシー侵害が生じている場合など、例外的なケースでのみ削除が認められる傾向にあります。
このように、法的手段による削除にも一定の限界があるため、不快な情報であったとしても常に削除が認められるわけではないと理解しておきましょう。
大島てるの掲載内容に関する裁判例
以下では、大島てるに掲載された情報の違法性について争われた裁判例を紹介します。
削除依頼が認められなかった裁判例|横浜地裁平成23年3月23日判決
大島てるに掲載された情報の削除が争われた判例として、横浜地方裁判所平成23年3月23日判決があります。本件では、原告(物件所有者)が、マンションに関する「死体遺棄」の記載によって経済的損害や名誉侵害を受けたとして、損害賠償や記事の削除、謝罪文の掲載を求めました。
裁判所は、刑事事件の公訴事実や証拠関係から、当該マンション内に遺体が存在した事実が認められるとして、掲載内容は真実と判断しました。さらに、犯罪に関する事実は公共の利害に関するものであり、一定の公益性も認められると指摘しました。そのため、情報の掲載について違法性が阻却され、削除請求や損害賠償請求は棄却されました。
また、原告は名誉侵害を主張しましたが、記事の内容が物件自体に関するものであったことから、所有者個人の社会的評価に直結しないとして、人格権侵害も否定されています。
本判決は、事故物件情報の真実性が認められる場合には、削除が認められにくいことを示した典型例といえます。
発信者情報開示請求が認められた裁判例|東京地裁令和元年8月6日判決
大島てるの投稿に関して、情報の開示が認められた裁判例も存在します。東京地方裁判所令和元年8月6日判決では、原告が、事故物件情報掲示板に投稿された内容によって名誉が侵害されたとして、発信者情報開示請求を行いました。
裁判所は、投稿内容が「80代女性が遺棄され死亡した」との文言であり、原告の母親の死亡と関連付けられる文脈から、原告またはその関係者が遺棄したと理解され得ると判断しました。結果として、投稿内容は原告の社会的評価を低下させるものであり、名誉権侵害が認められるとされました。
また、投稿内容が真実と認められる事情や公益性に基づく違法性阻却事由も見当たらないことから、名誉侵害の違法性が肯定されました。
本判決は、大島てるの掲載情報について、投稿者を特定して損害賠償請求に進むルートが存在することを示した例といえます。ただし、開示請求が認められるのは、虚偽情報や名誉侵害が明らかなケースに限られ、事故物件情報そのものの真実性が高い場合には開示が認められにくい点には注意が必要です。
弁護士に大島てるの削除依頼を相談・依頼するメリット
大島てるの削除依頼は、単に書面を送付すれば認められるものではなく、真実性や公益性、プライバシー侵害の程度などが問題となることがあります。削除されない場合には、削除仮処分や発信者情報開示請求など法的手段を検討する必要もあり、個人で対応するには負担が大きいといえるでしょう。そのため、削除依頼を検討中の方は早めに弁護士に相談することをおすすめします。
削除依頼が可能なケースかどうか判断できる
削除依頼が認められるかどうかは、掲載内容が虚偽かどうか、過度な個人情報が含まれているか、不動産取引上の公益性があるかなど、ケースごとに判断基準が異なります。
弁護士であれば、事案を整理した上で削除の可能性を評価し、削除依頼を行うべきか、法的手段を併用すべきかといった判断が可能です。無駄な手続きや費用を避けるうえでも、専門家の判断は有用です。
法的根拠に基づいた削除依頼文の作成ができる
削除依頼文は、単に「削除してほしい」と伝えるだけでは不十分で、掲載情報の問題点を法的に整理して主張する必要があります。名誉権侵害、プライバシー侵害、虚偽情報、公益性の有無など、論点を適切に提示することで削除が認められる可能性が高まります。
また、必要な添付資料や証拠の選定についても、弁護士がサポートすることで手続の精度が向上します。
法的手段により削除請求ができる
削除依頼に応じてもらえない場合でも、弁護士が代理人として削除仮処分の申立てや発信者情報開示請求を行うことで、法的ルートから削除や損害賠償請求を目指すことができます。特に、虚偽情報や名誉侵害が明らかなケースでは、法的対応が有効な手段となり得ます。
個人では困難な手続を代行できる点は、弁護士に依頼する大きなメリットといえます。
大島てるの削除依頼でお悩みの方はグラディアトル法律事務所に相談を

大島てるの削除依頼は、投稿内容が真実か虚偽か、どこまでプライバシー情報に踏み込んでいるか、公益性があるかなど、複数の法的要素を検討する必要があります。また、削除依頼は郵送手続に限られており、依頼書の内容や添付資料が不十分な場合には削除が認められません。さらに、削除に応じてもらえない場合には、削除仮処分などの法的手段も検討する必要があり、個人での対応には時間と労力がかかります。
グラディアトル法律事務所では、インターネット上の風評被害や名誉毀損案件を多数取り扱っており、大島てるに関する削除依頼や損害賠償請求にも対応しています。掲載内容が削除可能なケースかどうか、どの手段が最も有効か、証拠収集や資料作成はどうすべきかなど、専門的な視点からアドバイスが可能です。
また、掲載内容が虚偽である場合や、投稿が遺族や関係者のプライバシーを侵害している場合には、削除依頼だけでなく、発信者に対する損害賠償請求といった追加の選択肢も視野に入れた対応も可能です。
大島てるに掲載された情報により、不動産価値の低下や入居者の減少、精神的な負担を感じている方は、一人で抱え込まずに当事務所までご相談ください。
まとめ
大島てるに掲載された情報は、物件の売買や賃貸に影響を与えることがあり、削除を希望する相談も少なくありません。しかし、掲載内容が真実である場合や、不動産取引における公益性が認められる場合には、削除が認められにくい点に注意が必要です。
一方で、虚偽情報や不必要な個人情報の記載、名誉侵害が認められる場合には、削除依頼や発信者情報開示請求が認められる余地があります。削除依頼の際には、適切な資料の準備や法的観点からの主張が重要となるため、専門家に相談することをおすすめします。
大島てるの掲載情報でお困りの場合は、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所にご相談ください。
