ニコニコ動画で開示請求する方法|具体的な手順や期間・費用を事例をもとに解説

ニコニコ動画で開示請求する方法|具体的な手順や期間・費用を事例をもとに解説

「ニコニコ動画で誹謗中傷された…なんとかして投稿者を特定したい」

「開示請求を進めたいけれど、何から手をつけていいのかわからない」

ニコニコ動画では、誹謗中傷やプライバシー侵害などをともなう投稿が後を絶ちません。

そんなとき、対処法のひとつとして検討すべきは開示請求です。

一定の条件を満たせば、開示請求で投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴に踏み切ることができます。

しかし、開示請求の手続きは複雑なので、どのように進めていけばいいのか、具体的な手順を把握している人はそう多くないはずです。

そこで本記事では、ニコニコ動画の開示請求が認められる条件や具体的な手順などをわかりやすく解説します。

当コラムを運営するグラディアトル法律事務所では、ニコニコ動画の開示請求を数多く取り扱ってきました。

【グラディアトル法律事務所によるニコニコ動画の開示請求事例】

事案依頼者の氏名・画像を含む動画がニコニコ動画に無断掲載されていた。タイトルやタグにも氏名が表示されており、プライバシー侵害が発生していた。
弁護士の対応ニコニコ動画分とYouTube分について削除仮処分を申し立て、転載サイトについてはサーバー会社に対する開示請求を実施した。
結果開示請求で投稿者を特定。ニコニコ動画を含め、各プラットフォーム上の投稿削除にも成功した。

開示請求後の損害賠償請求や刑事告訴の進め方も含め、実践経験に基づくポイント・注意点を詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

ニコニコ動画の動画・コメント投稿者は開示請求で特定できる

ニコニコ動画に誹謗中傷などをともなう動画・コメントを投稿された場合は、開示請求で投稿者を特定できる可能性があります。

開示請求とは、プラットフォーム管理者やプロバイダに対して、投稿者の情報開示を求める手続きのことです。

裁判手続きを通してIPアドレスやログ情報を取得していくなかで、最終的に投稿者の氏名・住所などの情報を割り出すことができます。

開示請求の仕組み

ただし、開示請求が認められるためには一定の条件を満たす必要があり、必ずしも投稿者を特定できるわけではありません。

開示請求の可否に関しては個別の判断が必要になるので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

ニコニコ動画の開示請求が認められる条件

ここでは、ニコニコ動画の開示請求が認められる条件を解説します。

ニコニコ動画の開示請求が認められる条件

自分自身が条件を満たしているかどうかチェックしてみてください。

権利侵害されていること

ニコニコ動画の開示請求が認められる条件のひとつは、権利侵害が発生していることです。どのような投稿が権利侵害に該当するのか、具体的な例を挙げながら解説します。

【誹謗中傷を受けている】

誹謗中傷とは、根拠のない情報によって他人の名誉や社会的評価を傷つける行為です。

たとえば、「〇〇は犯罪者だ」「〇〇は詐欺師だ」といった嘘や悪口は誹謗中傷にあたり、開示請求の対象になり得ます。

一方、単なる個人の意見や批判にとどまる場合は誹謗中傷にあたらないため、開示請求は認められません。

とはいえ、誹謗中傷に該当するかどうかは個別の判断が必要です。

線引きが難しいケースも多いので、まずは弁護士に相談し、客観的な意見を求めることをおすすめします。

【個人情報が無断で公開されている】

本人の同意なく氏名・住所・電話番号・職場などの個人情報を投稿する行為は、プライバシー権の侵害にあたり、開示請求の対象になります。

個人情報の無断公開は、ストーキングや嫌がらせなどの二次被害につながるリスクもあるため、速やかに開示請求や削除請求を検討すべきです。

なお、自分自身がほかの媒体で公開している情報であっても、文脈によってはプライバシー権侵害と認められることがあります。

被害状況を証拠として記録したうえで、早めに弁護士へ相談しましょう。

【身の危険を感じる内容が投稿されている】

身の危険を感じる内容が投稿されている場合も、開示請求を検討しましょう。

「襲ってやる」「報復する」といった表現を含む投稿は、人身の安全に対する直接的な侵害行為です。

裁判手続きに進んだ場合でも、開示請求の正当性が認められる可能性は高いと考えられます。

放置しているとさらなるトラブルを招くおそれもあるので、決して一人で抱え込まず、早急に弁護士や警察に相談してください。

ログの保存期間が過ぎていないこと

開示請求が認められるもうひとつの条件は、プロバイダにログ情報が残っていることです。

ログとは、インターネット上の通信記録のことであり、投稿者を特定する際に利用します。

ログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、一般的には3ヵ月〜1年程度です。

保存期間を過ぎるとログ情報が削除され、投稿者の特定が困難になるため、被害に気づいた時点で速やかに行動しましょう。

ニコニコ動画の開示請求をおこなう際の流れ

ニコニコ動画の開示請求は大きく3つのステップに分けられます。

投稿者の特定までスムーズに進めるよう、おおまかな流れだけでも把握しておきましょう。

1.権利侵害の証拠を収集する

開示請求をおこなううえで、まず取り組むべきなのが権利侵害の証拠収集です。

客観的な証拠がなければ、開示請求は認められません

被害に気づいた時点で、以下のような情報をスクリーンショットしておきましょう。

  • 該当ページのURL
  • 投稿日時
  • コメントの内容
  • ユーザーID/ニックネーム

権利侵害にあたる投稿が繰り返される場合は、その都度、証拠を保存してください。

また、必要かどうか悩む情報もとりあえず保存しておきましょう。

取捨選択はあとで弁護士がおこなってくれるので、できるだけ多くの情報を集めておくことが大切です。

2.開示請求が得意な弁護士に相談する

開示請求の手続きは、自力でおこなうことも不可能ではありません。

しかし、高度な専門知識と法的判断が求められるので、できるだけ弁護士に依頼することをおすすめします。

開示請求を弁護士に依頼する主なメリットは以下のとおりです。

  • 開示請求の可否を判断してもらえる
  • 開示請求の複雑な手続きを任せられる
  • 見落としがちな証拠の補強をサポートしてもらえる
  • 法的観点で権利侵害を主張し、開示請求が認められる可能性を高められる
  • 開示後の損害賠償請求や刑事告訴もスムーズに進められる

開示請求の弁護士費用は依頼内容によっても異なりますが、総額で50万円~100万円程度かかるものと考えておきましょう。

なお、グラディアトル法律事務所の料金体系は以下のとおりです。

項目料金
着手金33万円(税込)〜
報酬金22万円(税込)〜

まずは法律事務所の無料相談に申込み、見積もりを取ることから始めましょう。

3.発信者情報開示命令を申し立てる

弁護士と今後の対応方針を決めたあとは、発信者情報開示命令の申立てに進みます。

発信者情報開示命令とは、インターネット上で不適切な投稿をしてきた相手の情報を開示するよう求める手続きです。

2022年の法改正で新設された制度であり、従来型の発信者情報開示請求と比較して手続きが簡略化されている点が特徴といえます。

発信者情報開示請求と発信者情報開示命令の違い

発信者情報開示請求の申立ては、ドワンゴ(ニコニコ動画の運営事業者)の所在地を管轄する東京地方裁判所に対しておこないます。

裁判所から開示命令が出されると、プロバイダから投稿者の氏名・住所などの情報が開示され、投稿者を特定できるようになります。

ニコニコ動画の開示請求に要する時間は3ヵ月~1年程度

ニコニコ動画の開示請求にかかる期間は、一般的に3ヵ月~1年程度です。

  • 発信者情報開示命令:3ヵ月~4ヵ月程度
  • 発信者情報開示請求:6ヵ月~1年程度

発信者情報開示命令を利用した場合、従来型の発信者情報開示請求よりも、特定までの期間を短縮できる可能性が高いです。

ただし、従来型のほうが結果的に早く特定できるケースもあるので、弁護士とも相談しながら最適な方法で手続きを進めることが大切です。

なお、開示請求は裁判所を通じた手続きなので、申し立てた側の都合で早めることはできません。

権利侵害をともなう動画を見つけた時点で素早く証拠を集め、弁護士に相談することが、開示請求をスピーディーに終わらせる最短ルートです。

ニコニコ動画の開示請求を成功させるためのポイント

次に、開示請求を成功させるためのポイントを詳しく解説します。

ニコニコ動画の開示請求を成功させるためのポイント

できるだけ早く開示請求に着手する

開示請求を成功させるうえで、何より重要なのが迅速な行動です。

前述のとおり、プロバイダが保存するログには保存期間があり、一般的には3ヵ月~1年程度で削除されてしまいます

そして、ログが削除されると、投稿者の特定が事実上不可能になるケースがほとんどです。

被害に気づいた時点では「様子を見よう」と考える方も多いですが、時間の経過とともに開示請求が成功する可能性は下がっていきます。

少しでも早く証拠を保全し、弁護士と相談しながら手続きを進めることが大切です。

削除請求のタイミングは慎重に判断する

問題のある投稿を早く削除したい気持ちはわかりますが、削除請求のタイミングは慎重に判断してください。

投稿が削除されると、権利侵害の事実を示す証拠がなくなり、開示請求が難しくなるためです。

証拠を保存できている状態であっても、実際の投稿があるかどうかでは説得力が大きく異なります。

そのため、基本的には開示請求が完了してから、投稿の削除を求めるのが望ましいといえるでしょう。

ただし、被害が深刻化するおそれがある場合は、証拠保全したうえで、削除請求を先に進めたほうがよいかもしれません。

どちらを優先すべきかは個々の状況によって異なるため、弁護士のアドバイスを受けるようにしてください。

ニコニコ動画の開示請求に成功したあとの流れ

開示請求によって投稿者を特定できた場合は、損害賠償請求や刑事告訴に踏み切るケースが一般的です。

具体的にどのような手続きを進めていくことになるのか、詳しくみていきましょう。

ニコニコ動画の開示請求に成功したあとの流れ

損害賠償請求で金銭の支払いを求める

開示請求で投稿者を特定したあとは、損害賠償請求を検討しましょう。

誹謗中傷や個人情報の無断公開などによって精神的・経済的な損害を受けた場合、その賠償を相手に求められます

請求できる主な損害項目は、慰謝料や風評被害による逸失利益などです。

損害賠償金の金額は権利侵害の内容によっても異なりますが、たとえば、名誉毀損やプライバシー侵害を理由に慰謝料請求する場合は10万円~50万円程度が目安です。

まずは弁護士を通じて相手方に示談交渉を申し入れ、合意が得られない場合は民事訴訟に移行する流れが一般的といえます。

また、弁護士費用を含め、開示請求に要した費用の一部または全部は相手方に請求できる可能性があります。

刑事告訴で処罰を求める

投稿者に対する処罰感情が強い場合は場合は、刑事告訴をおこないましょう。

刑事告訴とは、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める手続きのことです。

ニコニコ動画上の投稿で成立しうる犯罪には、以下のようなものが挙げられます

犯罪名成立要件投稿例
名誉毀損罪事実を公然と摘示し社会的評価を低下させていること「〇〇は詐欺師だ」
侮辱罪事実摘示なしで公然と侮辱していること「〇〇はクズでバカだ」
脅迫罪生命・身体・財産等への害悪を告知していること「〇〇の家を特定した。襲ってやる」
信用毀損罪虚偽の風説や偽計を用いて、他者の経済的信用を毀損していること「株式会社〇〇は倒産寸前だ」
業務妨害罪虚偽の風説や偽計を用いて、他者の業務を妨害していること「〇〇が販売している商品は偽物だから買うな」

告訴状が警察に受理されると捜査が始まり、加害者は逮捕・起訴され、刑罰に処される可能性があります。

また、刑罰をおそれた相手が示談に応じてきやすくなることも、刑事告訴に踏み切るメリットのひとつです。

弁護士の介入によってニコニコ動画の開示請求に成功した事例

ニコニコ動画・転載サイト・YouTube上に、自身の氏名や画像を含む動画が掲載されていたことから、弊所にご相談いただいた事例です。

事案依頼者の氏名・画像を含む動画がニコニコ動画に無断掲載されていた。タイトルやタグにも氏名が表示されており、プライバシー侵害が発生していた。
弁護士の対応ニコニコ動画分とYouTube分について削除仮処分を申し立て、転載サイトについてはサーバー会社に対する開示請求を実施した。
結果開示請求で投稿者を特定。ニコニコ動画を含め、各プラットフォーム上の投稿削除にも成功した。

本事案のように、複数のプラットフォームに動画が広がっている事例は決して珍しくありません。

ここまでくると自力での対応は難しいので、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。

ニコニコ動画の開示請求に関してよくある質問

最後に、ニコニコ動画の開示請求に関してよくある質問をまとめました。

ニコニコ動画の開示請求に関してよくある質問

同様の疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

生放送の動画・コメント投稿者も開示請求で特定できる?

条件さえそろっていれば、生放送の投稿者も開示請求で特定できます。

ニコニコ生放送もニコニコ動画と同じくドワンゴが運営するサービスであり、開示請求の手続きは基本的に同じです。

権利侵害の事実があり、ログの保存期間内であれば、生放送中の動画・コメントの投稿者についても特定できる可能性があります。

ただし、リアルタイム配信の性質上、証拠の保全が難しい点には注意が必要です。

問題のある投稿を発見した際はすぐにスクリーンショットを撮るなど、適切に対応してください。

開示請求すれば必ず投稿者を特定できる?

開示請求をおこなっても、必ず投稿者を特定できるわけではありません。

特に以下のようなケースでは、投稿者の特定が難しいと考えられます。

  • ログの保存期間が過ぎている場合
  • 海外プロバイダを経由している場合
  • VPN(仮想プライベートネットワーク)が使用されている場合
  • 公共のWi-Fiから投稿されている場合

ただし、一見特定が難しいケースでも、専門家の視点からなら特定の糸口が見つかることもあります。

自己判断であきらめる前に、まずは弁護士に相談することが大切です。

開示請求の弁護士費用は相手に請求できる?

開示請求にかかった弁護士費用の一部は、相手に請求できる可能性があります。

民事訴訟で損害賠償請求が認められた場合、弁護士費用も損害として認定されることがあるためです。

最近では、弁護士費用の全額請求が認められるケースも出てきています。

相手のアカウントが削除されていても開示請求で特定できる?

アカウントが削除されていても、開示請求で投稿者を特定することはできます

なぜなら、アカウントが削除されたあとも、ログ情報は一定期間保存されているからです。

そのログ情報からたどっていけば、投稿者の氏名や住所などを特定できる可能性があります。

アカウントがすでに削除されているからといって諦める前に、まず弁護士に相談し、開示請求の可否を判断してもらいましょう。

ニコニコ動画の開示請求はグラディアトル法律事務所におまかせを!

本記事のポイントは以下のとおりです。

  • 権利侵害の事実があり、ログの保存期間内であれば、ニコニコ動画の投稿者を開示請求で特定できる可能性がある
  • 開示請求の手続きには期限があるため、被害に気づいた時点で速やかに行動することが重要
  • 開示請求後は損害賠償請求・刑事告訴といった法的措置を取ることができる

開示請求は専門的な法律知識を要する手続きであり、自力での対応には限界があります。

そのため、被害が拡大する前に、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。

グラディアトル法律事務所では、開示請求・削除請求を得意とする弁護士が24時間・365日相談を受け付けています。

初回相談は無料、LINEでの相談にも対応しているので、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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