「Tiktokで誹謗中傷をした相手を特定したい」
「開示請求という方法で相手を特定できると聞いたが、どのような手続きなのかがわからない」
「開示請求を成功させるポイントを教えてほしい」
TikTokは、手軽に動画を投稿できる一方で、匿名性を悪用した誹謗中傷や無断転載が多発しています。実際に当事務所にも「根拠のない動画を投稿された」「顔写真を勝手に使われて困っている」といった相談が増えています。
このような被害に遭った場合、ただ削除申請をするだけでは投稿者の責任追及はできません。被害者が慰謝料請求や刑事告訴まで見据えるなら「発信者情報開示請求」が必要です。これは、TikTok運営やプロバイダを通じて投稿者の情報を特定する法的手続きです。
グラディアトル法律事務所では、TikTokへの開示請求を数多く行っております。Youtuberから依頼を受けたTikTokへの開示請求では、54件の開示の裁判のうち51件が認容され、3件が棄却された事例もあります。
もっとも、開示請求が認められるかどうかは投稿内容や証拠の有無によって左右され、必ず成功するわけではありません。当事務所の実感としては、証拠を残して早めに動いたケースほどスムーズに開示まで進められる傾向があります。
本記事では、
| ・TikTokで開示請求の対象となる投稿例 ・特定が難しいケース ・発信者情報開示請求の手続きの流れ ・成功させるための実務的ポイント |
などを詳しく解説します。
また、当事務所で実際に開示請求に成功した事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
開示請求の対象となり得るTiktokの投稿例
| 類型 | 投稿の例 | 侵害され得る権利・ポイント |
|---|---|---|
| 名誉毀損 | 「この会社は詐欺」「この人は不倫してる」 | 事実を断定して評判を下げる内容は対象になりやすい(単なる意見より危険) |
| プライバシー侵害 | 住所・電話番号・勤務先の晒し/家族の顔を無断公開 | 本人が公開していない秘匿性の高い情報ほど対象になりやすい |
| 侮辱・人格攻撃(差別含む) | 「死ね」「社会のゴミ」/差別的表現 | 事実なしでも、人格を踏みにじる内容は侮辱・人格権侵害になり得る(反復は不利) |
| 著作権侵害(無断転載) | 他人のYouTube動画を切り抜き転載 | 無断利用は権利侵害。拡散や収益化が絡むと争点化しやすい |
| なりすまし | 本人の名前・写真で偽アカ作成し投稿 | 信用・人格権侵害。 プロフィールや動画内容で「本人装い」が判断材料 |
TikTokで発信者情報開示請求が認められるためには、投稿が何らかの「権利侵害」にあたる必要があります。単に不快に感じるだけでは足りず、法律上保護される権利を侵害していることが前提です。以下では、実際に開示請求の対象となり得る典型的な投稿例を見ていきましょう。
名誉毀損の投稿
「この会社は詐欺をしている」「この芸能人は不倫している」といった投稿は、対象者の社会的評価を低下させるため、名誉毀損に該当する可能性が高いです。
実務上、TikTokは拡散力が大きいため、数時間で数万再生されることも珍しくありません。そのため、被害の広がりが速く、削除や開示請求の緊急性が特に高い傾向があります。
【当事務所の見解】
経験上、単なる意見や批評ではなく「事実を摘示した表現」が使われている場合、開示が認められやすい印象です。たとえば「この店はまずい」という評価的意見より、「この店は食中毒を出した」という事実断定の方が名誉毀損と判断されやすいです。
プライバシー侵害の投稿
「自宅住所を動画で晒す」「家族の顔を無断で公開する」といったプライバシー侵害も、開示請求の対象になります。TikTokは日常生活の動画が多いため、プライバシー情報が含まれやすいのが特徴です。
【当事務所の見解】
実務上、被害者本人が自ら公開していない情報(住所・電話番号・勤務先など)が含まれているかどうかが重要です。特に、秘匿性の高い情報が晒されたケースでは、裁判所の判断も厳格で、早期に開示が認められやすい傾向があります。
差別的な表現や人格否定を含む投稿
人種差別的な言動や「死ね」「社会のゴミ」といった人格否定の発言も、名誉毀損や侮辱にあたり得ます。
これらの投稿は精神的苦痛を強く与えるため、慰謝料請求まで視野に入れた開示請求が可能です。
【当事務所の見解】
「侮辱罪」が厳罰化されたこともあり、単なる悪口であっても法的に対応できる余地が広がっています。私たちの経験上、特に繰り返し投稿された場合は「人格権侵害」として重く扱われやすいです。
YouTubeからの無断転載
TikTokに他人のYouTube動画を無断転載した場合、著作権侵害となり得ます。
無断転載は、クリエイターにとって死活問題であり、再生数が伸びるほど損害も拡大するため、開示請求で投稿者を特定して損害賠償請求に進むケースもあります。
【当事務所の見解】
著作権侵害では「営利目的かどうか」が重視される傾向があります。
TikTokは、広告収入やアフィリエイトと結びつく場合も多く、「趣味だから大丈夫」とはいえません。特に、企業やクリエイターが被害者の場合、早期に法的措置を取るべきです。
なりすましの投稿
他人になりすましてアカウントを作成し、本人の写真や名前を使って動画を投稿する行為も開示請求の対象です。
なりすましは、単なる迷惑行為にとどまらず、被害者の信用や人間関係を壊すリスクがあります。
【当事務所の見解】
実務では「アカウントのプロフィール情報」や「動画内の発言内容」が本人を装っているかどうかの判断材料になります。なりすましは、被害者の人格権侵害に直結するため、裁判所でも重視されやすく、開示が認められる可能性は比較的高いと感じています。
開示請求をしてもTiktokの投稿者の特定が難しいケース
発信者情報開示請求は、強力な法的手段ですが、すべてのケースで投稿者を特定できるわけではありません。以下では、実務上「特定が難しい」とされる典型的なケースを紹介します。当事務所の経験としても、証拠や時期によって結果が大きく左右される印象があります。
投稿内容が権利侵害にはあたらないケース
開示請求が認められるためには、投稿が名誉毀損やプライバシー侵害など「権利侵害」に該当することが前提です。
たとえば「このラーメンは自分の口に合わなかった」といった単なる感想や評価は、権利侵害にはあたりません。
【当事務所の見解】
経験上、依頼者の方は「不快だから削除したい」というお気持ちが強いのですが、裁判所の基準はあくまで「権利が侵害されているかどうか」です。不快さや迷惑だけでは開示が認められないため、権利侵害に当たる表現かどうかを慎重に検討する必要があります。
証拠が不十分なケース
開示請求では「どの投稿が問題なのか」を明確に示す必要があります。
具体的には、
| ・問題の動画のURL ・投稿日時 ・画面キャプチャ(動画・コメント欄含む) |
といった証拠を残しておかなければ、裁判所に「本当に権利侵害があったのか」を立証できません。投稿が削除されてしまうと証拠が失われ、開示請求が難しくなります。
【当事務所の見解】
実際の案件でも「削除を先に求めてしまい、証拠が残っていない」ために開示ができなかったケースがありました。私たちは依頼者に対して、削除申請より先に「証拠保全」を徹底するようアドバイスしています。
投稿から時間が経ちすぎているケース
プロバイダが保有するアクセスログは、永久に保存されるものではありません。多くのプロバイダでは数か月~半年程度で削除されるのが一般的です。投稿から時間が経過しすぎていると、ログが消えてしまい、開示が不可能となります。
【当事務所の見解】
「半年前に投稿された動画で相談に来られたが、すでにログが消えていた」という事例は少なくありません。私たちの経験上、TikTokの投稿は気付いた時点ですぐに行動することが何より重要です。開示を求めるだけでなく、ログを消さないように「ログ保存仮処分」を申し立てることも有効な手段です。
| 補足:投稿者の特定は難しいが削除は可能投稿者の特定ができなくても、TikTokの運営会社に対して「削除申請」を行うことは可能です。誹謗中傷やプライバシー侵害が明らかな場合、開示までは認められなくても削除は比較的スムーズに進むケースがあります。※「Tiktok 削除」にリンク |
Tiktokの投稿者を特定するための発信者情報開示請求の手順

TikTokの投稿者を特定するためには、「発信者情報開示請求」と呼ばれる一連の手続きを踏む必要があります。これは単に運営会社に問い合わせるだけではなく、裁判所を通じた仮処分や訴訟が必要になるため、専門的な知識と迅速な対応が求められます。以下では、実際の流れを具体的に説明します。
Tiktokに対するIPアドレス・タイムスタンプの開示請求|発信者情報開示の仮処分
まずはTikTokを運営する事業者(海外法人)に対し、投稿者のアクセス元情報(IPアドレスやタイムスタンプ)の開示を求めます。通常は任意開示に応じないため、日本の裁判所に「発信者情報開示の仮処分」を申し立てるのが一般的です。
【当事務所の見解】
海外事業者が相手の場合でも、日本の裁判所を通じて手続きを進めることが可能です。当事務所の経験では、TikTokに関しても仮処分を申し立てることで開示に至った例が多数あります。
IPアドレスから投稿者が利用したプロバイダを特定
TikTokから開示されたIPアドレスをもとに、投稿者が利用したプロバイダ(NTT、ソフトバンクなど)を特定します。プロバイダがわかれば、次のステップとして契約者情報を請求できるようになります。
ただし、この段階で対応が遅れると、プロバイダが保持しているログ(通信記録)が消えてしまうおそれがありますので注意が必要です。
プロバイダに対するログ保存仮処分の申立て
プロバイダは、一定期間しかログを保存しないため、情報が消える前に「ログを消さないでほしい」という仮処分(ログ保存仮処分)を裁判所に申し立てます。
【当事務所の見解】
実際には「ログ削除禁止を求める通知」を送るだけで対応してくれるプロバイダも存在します。ただし、確実を期すなら仮処分を行う方が安全です。私たちもリスク回避のため、経験上任意に保存に応じてくれるプロバイダ以外に対しては、原則として仮処分を併用しています。
プロバイダに対する契約者情報の発信者情報開示請求訴訟の提起
最後に、プロバイダに対して契約者情報(氏名・住所など)の開示を求める訴訟を提起します。これが認められれば、投稿者を特定することが可能となります。
【当事務所の見解】
ここまで進むと「相手を特定できるかどうか」がほぼ確定します。開示に成功した後は、慰謝料請求や刑事告訴などの次のステップに進めます。経験的には、早期に証拠を確保していれば高い確率で投稿者の特定が可能です。
【プロバイダ責任制限法改正】簡略化された「発信者情報開示命令」により投稿者の特定が可能に!
2022年のプロバイダ責任制限法改正により、新たに「発信者情報開示命令」という制度が導入されました。従来は複数の裁判手続きを踏まなければならなかった発信者情報開示が、ワンストップで行えるようになり、TikTok投稿者の特定が容易になっています。
従来の開示手続きの問題点
改正前は、TikTokの投稿者を特定するために複数の裁判を経なければなりませんでした。
まずTikTok運営会社に対して仮処分を申し立て、IPアドレスとタイムスタンプを開示させる。次に、そのIPアドレスをもとにプロバイダを特定し、ログ保存仮処分で証拠を確保。そのうえで、契約者情報の開示訴訟を提起する――と、手間も時間もかかる流れでした。
このように手続きが段階的に分かれていたため、半年〜1年以上の長期化や、ログが削除されてしまい開示できなくなるリスクが現実的な問題となっていました。
発信者情報開示命令の仕組み
このような課題を解消するため、2022年のプロバイダ責任制限法改正で導入されたのが「発信者情報開示命令」です。
この制度を使うと、裁判所に一度申し立てをするだけで、
| ・TikTok(SNS事業者)からIPアドレスやタイムスタンプを取得 |
| ・プロバイダから契約者情報を取得 |
といった流れを一括して進めることが可能になりました。従来は二段階に分かれていた裁判が一本化されたことが大きな特徴です。
新制度のメリット
発信者情報開示命令の最大のメリットは、スピードと確実性の向上です。
これまで半年以上かかっていた手続きが、数か月で終わるケースが増えました。また、訴訟回数が減ったことで裁判費用・弁護士費用の負担も軽減しました。さらに、ログが削除される前に一気に情報を押さえられるため、特定失敗のリスクが大幅に減少しています。
当事務所の実感
当事務所でも、TikTok案件で発信者情報開示命令を活用しています。以前は「プロバイダに請求する時点でログが消えてしまった」という事例が多かったのですが、新制度導入後は特定に成功する割合が明らかに上がっています。
Tiktokへの開示請求を成功させるポイント

TikTokでの誹謗中傷や無断転載について発信者情報開示請求を行う際、ただ形式的に手続きを踏むだけでは必ずしも成功するとは限りません。投稿者の特定を確実に進めるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
投稿の削除申請をする前に証拠を残しておく
誹謗中傷やプライバシー侵害の投稿は、削除されると証拠が失われてしまいます。そのため、削除申請を行う前に、必ず以下のような形で証拠を保全しておくことが大切です。
・スクリーンショットの保存(画面全体がわかる形で撮影)
・URLの記録
・投稿日時や投稿者アカウント名の保存
・動画の場合は可能な限りダウンロードや録画
当事務所でも、証拠保全が不十分なために開示請求が難しくなったケースを経験しています。逆に、しっかり証拠を残していたことで、裁判所にスムーズに権利侵害を主張でき、短期間で投稿者特定につながった事例もあります。
誹謗中傷などに気付いたときはすぐに行動する
TikTokのログは永久保存されるわけではありません。特に、アクセスログの保管期間は、プロバイダによって異なり、数か月で消去されてしまうこともあります。そのため、発見した時点で早めに行動に移すことが重要です。
「少し様子を見てから」と対応を遅らせた結果、開示請求をしても「すでにログが削除されているため特定不可能」となることは珍しくありません。被害が深刻化する前に、できる限り迅速に専門家へ相談すべきです。
ネットトラブルに強い弁護士に相談する
発信者情報開示請求は、法律の専門知識だけでなく、SNS運営会社やプロバイダの実務運用に関するノウハウが必要です。そのため、一般的な法律事務所では対応に時間がかかってしまうケースもあります。
インターネット問題に精通した弁護士であれば、これまでの経験から「どの程度の証拠があれば開示が認められやすいか」や「申立ての文言をどのように工夫すべきか」といった実践的な判断を行えます。当事務所でも、過去の豊富なTikTok案件の経験を踏まえ、最適な戦略を提案しています。
開示請求によりTiktokの投稿者を特定後の対応

TikTokで発信者情報開示請求を行い、投稿者を特定できた後は「次にどう行動するか」が重要です。単に相手を突き止めただけでは被害は回復しません。ここからは、被害者が取り得る主な対応策を説明します。
慰謝料などの損害賠償請求
誹謗中傷やプライバシー侵害が明らかになった場合、投稿者に対して慰謝料や損害賠償を請求できます。
特に、次のような場合は、裁判でも高額の慰謝料が認められる傾向にあります。
| ・芸能人や企業経営者など社会的評価が高い人物への名誉毀損 |
| ・プライベートな写真や住所の晒し(プライバシー侵害) |
| ・差別的・人格否定的な表現を繰り返した投稿 |
請求方法としては、まずは弁護士を通じて示談交渉を行い、それでも解決できなければ訴訟へ移行する流れです。当事務所の経験でも、投稿者を特定した後、示談交渉や訴訟を行い、慰謝料の支払いに至ったケースが多くあります。
犯罪行為については刑事告訴
投稿内容が悪質で「脅迫罪」「名誉毀損罪」「侮辱罪」などの犯罪に該当する場合、警察に刑事告訴を行うことも可能です。刑事事件化することで、投稿者に刑罰が科される可能性があるほか、再発防止の効果も期待できます。
特に近年は、SNSを通じた誹謗中傷による自殺事例が社会問題化しており、警察も積極的に対応する傾向が強まっています。民事での損害賠償と並行して刑事告訴を検討することは、被害者の心理的安心にもつながります。
Tiktokの開示請求はグラディアトル法律事務所にお任せください

TikTokでの誹謗中傷や無断転載、なりすまし被害は、被害者の生活や信用に深刻なダメージを与えます。しかし、投稿者を特定し、責任を追及するには専門的な知識と経験が欠かせません。
グラディアトル法律事務所は、インターネット上の名誉毀損・誹謗中傷問題に特化した実績を多数有しており、TikTokに関する開示請求や削除請求についても豊富な経験を積んでいます。
当事務所の特徴は次のとおりです。
| TikTok案件の実績多数: TikTokへの対応にも慣れており、豊富な経験に基づいて開示請求をスムーズに処理 スピード対応:ログが消える前に仮処分や発信者情報開示命令を迅速に進め、投稿者特定の成功率を高めます 総合サポート:開示請求だけでなく、削除申請、示談交渉、損害賠償請求、刑事告訴まで一貫して対応 依頼者の負担軽減:精神的に大きなストレスとなる相手方との交渉も、弁護士が全面的に代行 |
特に近年では、プロバイダ責任制限法改正による「発信者情報開示命令」を積極的に活用し、従来より短期間での投稿者特定に成功した事例も増えています。被害者の「できるだけ早く安心したい」という声に応えることを第一に、戦略的なリーガルサポートを提供しています。
TikTokでの誹謗中傷や無断転載でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談から被害状況を丁寧に伺い、最適な解決方法をご提案いたします。
まとめ
TikTokは拡散力が大きい一方で、誹謗中傷や無断転載など深刻な被害を受けやすいコンテンツでもあります。被害を受けた場合、発信者情報開示請求によって投稿者を特定し、慰謝料請求や刑事告訴といった法的対応を取ることが可能です。特に、プロバイダ責任制限法の改正により導入された「発信者情報開示命令」によって、従来よりも短期間・低コストで投稿者を特定できるようになりました。
ただし、開示請求には証拠の確保や迅速な対応が不可欠であり、専門的な知識が求められます。TikTokでの被害に悩んでいる方は、経験豊富な弁護士に相談し、確実な解決に向けて早めに行動することをおすすめします。
