カラオケ配信はルールを守ればOK!著作権侵害を回避する方法を解説

カラオケ配信はルールを守ればOK!著作権侵害を回避する方法を解説

YouTube Live、Twitch、17LIVEなどのプラットフォームでカラオケ音源を流しながら生配信をしているという方もいるかもしれません。人気配信者になれば視聴者からの投げ銭(ギフト)により副収入が得られるなど魅力的なコンテンツですが、著作権との関係で注意すべき点があります。

特に、既存のカラオケ音源をそのまま使ったり、有名アーティストの楽曲をBGMとして流したりすると、著作権者の許諾が必要となるケースが多く、最悪の場合アカウント停止・収益化停止・損害賠償といった重大なトラブルにつながる可能性がありますので注意が必要です。

しかし、必要な権利関係を理解し、各プラットフォームのルールに沿って配信すれば、カラオケ配信は問題なく楽しむことができます。安全にカラオケ配信を行うためにも、基本的なルールを理解しておきましょう。

本記事では、

・カラオケ配信者が知っておくべき著作権の基本構造
・実際に起こりやすい侵害パターン
・合法的に配信するための方法と注意点

などをわかりやすく解説します。

「今の配信方法は大丈夫?」「安心してカラオケ配信を続けたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

目次

カラオケ配信者が知っておくべき著作権の基本構造

カラオケ配信を行ううえで重要なのが、「音楽には複数の著作権・著作隣接権が関わる」という点です。著作権は1つではなく、作詞家・作曲家・歌手・演奏者・レコード会社など、多数の権利者が関与しています。まずは、カラオケ配信に関係する主要な権利を理解することが、著作権トラブルを避ける第一歩になります。

カラオケ配信に関係する主要な権利

①演奏権(著作権)

演奏権は、楽曲を「演奏」したり「聞かせたり」する際に必要となる権利です。

あなたが配信で歌う行為は、この「演奏」に該当します。たとえ自分で歌ったとしても、著作権者(作詞家・作曲家)の権利を利用していることになります。

②公衆送信権(著作権)

音楽をインターネット上で公開し、視聴者が視聴できる状態にする行為は「公衆送信」に該当します。

ライブ配信はもちろん、アーカイブ動画を残す場合も公衆送信権の許諾が必要です。

③複製権(著作権)

配信のために音源をアップロードしたり、録画したりする行為は「複製」に当たる可能性があります。

特に、市販CDやカラオケ機器の音源を録音して利用する場合、原則として複製権の許諾が必要になります。

④原盤権(著作隣接権)

歌手や演奏者が関わる「実演」には著作隣接権が存在します。さらに、レコード会社は、収録された音源(マスター音源)に対して「原盤権」を持っています。

多くのカラオケ音源は、レコード会社が有する原盤をもとに制作されているため、原盤権者の許可も必要になります。

管理団体(JASRAC・NexTone)とレコード会社の役割の違い

著作権の管理は、主に以下の2つの団体が担っています。

・JASRAC(日本音楽著作権協会)
・NexTone(音楽著作権管理事業者)

これらの団体は、作詞家・作曲家など著作者の権利(演奏権・公衆送信権など)を管理しており、配信者が楽曲を利用する際の窓口になります。

一方、レコード会社やカラオケメーカーは、録音された音源(マスター音源)やカラオケ音源の原盤権を管理しています。

つまり、「楽曲の権利」と「音源の権利」は別物であり、許諾先も異なるという点に注意が必要です。

そのため、JASRACの許諾があれば曲を歌う許可は得られるが、音源利用の許可とは別問題

という点に注意しなければなりません。

配信プラットフォームの「包括契約」とは

YouTube、ニコニコ動画、ツイキャスなどの主要プラットフォームは、JASRAC・NexToneと「包括契約」を結んでいます。これは、ユーザーがアップした動画内で管理楽曲を歌ったり演奏したりする場合に、プラットフォーム側が著作権使用料を一括で支払う仕組みです。

しかし、ここで重要なポイントがあります。それは、包括契約でカバーされるのは「楽曲の権利」だけという点です。つまり、音源(原盤)の使用許諾までは含まれませんので、

・市販CD音源
・既存のカラオケ音源
・有名アーティストの歌入り音源

をそのまま配信に使うことは、包括契約では許諾されません。

配信者が合法的にカラオケ配信を行うためには、

・楽曲使用の許諾(著作権)
・音源使用の許諾(著作隣接権)

の両方をクリアする必要があるのです。

なぜカラオケ配信は著作権問題になりやすいのか

カラオケ配信は気軽に行われがちですが、実際には以下のような理由で著作権侵害が起きやすい状況にあります。

・配信に使われる音源のほとんどが「原盤権」の対象
・有名曲はほぼJASRACまたはNexToneが管理
・プラットフォームの包括契約は「歌う権利」しかカバーしない
・リスナーに届く形で配信する以上は「公衆送信」に該当
・無断配信が発覚しやすく、権利者の監視も厳しい

つまり、配信者が軽い気持ちで「歌ってみた動画」や「カラオケライブ」を配信すると、複数の権利を一度に侵害してしまう可能性が高いのです。

カラオケ配信で実際に起こり得る著作権侵害の典型パターン

カラオケ配信は、配信者本人が歌っているため一見すると問題がないように思えます。しかし、前章で解説したとおり、配信には「楽曲の権利」と「音源の権利」が影響するため、無意識のうちに複数の著作権・著作隣接権を侵害してしまう事例が多くあります。以下では、実際の配信現場で起こりやすい著作権侵害のパターンを具体的に紹介します。

既存カラオケ音源の無断利用

もっとも多いトラブルが、カラオケ機器の音源をそのまま配信に使ってしまうケースです。

DAMやJOYSOUNDなどのカラオケ機器に搭載されている音源は、レコード会社やカラオケメーカーが持つ「原盤権」で保護されています。したがって、これらの音源を無許可で配信することは、原盤権の侵害に該当します。

特に、以下の行為は、著作権侵害となります。

・カラオケボックスで歌った様子をスマホで撮影し、そのまま音源入りで配信
・カラオケアプリの音源を使用してライブ配信
・カラオケ店のスピーカーから流れる音を録音して投稿

たとえJASRACなどが管理する楽曲であったとしても、音源の使用許可は別途必要であることに注意しましょう。

有名アーティストの曲をBGMに使った配信

雑談配信やゲーム配信の「BGM代わり」に、有名曲を流してしまうケースも非常に多く見られます。

しかし、YouTube、ニコニコ生放送、ツイキャスなどの主要プラットフォームがJASRACと包括契約を結んでいるのは、「利用者が自ら歌った場合」など一部の態様に限られ、音源をそのまま流す行為は含まれません。

つまり、

・市販CD
・iTunes購入曲
・サブスクで流している音源
・MV(ミュージックビデオ)

などを流す行為は、公衆送信権および原盤権の侵害になります。

BGM利用は軽く考えられがちですが、実際には権利者の監視も厳しく、特に収益化している配信者への対応は迅速です。

商用利用(ライブ配信での投げ銭・広告収入)

著作権侵害に該当するとさらに問題が深刻化するのが、商用利用を行っているケースです。

カラオケ配信で以下のような収益が発生する場合は、権利者からの法的対応が強化される傾向にあります。

・YouTubeの広告収入
・スーパーチャットや投げ銭
・メンバーシップによる収益
・ライブ配信アプリ内のギフト収入
・ファンクラブ向けの限定配信による収益

著作権者・原盤権者は、「無断利用で収益を得ている」と判断し、損害賠償請求に発展するケースもあります。特に、企業案件やPRを兼ねた配信での無断利用は、通常の個人よりも高いリスクがあるといえるでしょう。

他人の演奏の二次使用

最近増えているのが、他人の演奏を二次利用するケースです。

たとえば、

・友人がギターで弾いてくれた音源を無断で配信に利用
・YouTubeの「歌ってみた」「弾いてみた」の音源を使用
・カバー音源を勝手にBGMや伴奏として利用
・SNSで公開されていたピアノ伴奏をDLして使用

これらの行為は、

・楽曲の著作権
・演奏者の著作隣接権(実演家の権利)
・録音した人の原盤権

など、複数の権利侵害に該当する可能性があります。

YouTubeやSNSには伴奏動画が多くアップされていますが、「利用してOK」と明確に書かれていない限り、原則として勝手に利用することはできません。

カラオケ配信はルールを守れば合法|著作権法違反を回避して配信を行うための4つの方法

カラオケ配信はルールを守れば合法|著作権法違反を回避して配信を行うための4つの方法

カラオケ配信は、必要なポイントを理解し、正しい手順を踏めば、合法的に楽しむことは十分に可能です。以下では、配信者が著作権法違反を避けつつ歌える、実務的に安全性の高い4つの方法を紹介します。

私的に楽しむ範囲でのカラオケ動画撮影

まずもっとも安全なのは、著作権法30条の「私的使用」にあたる範囲でカラオケ動画を楽しむ方法です。自宅で録画した動画を自分だけで視聴したり、家族・ごく親しい知人の間だけで共有したりする分には、カラオケ音源が含まれていても著作権侵害には該当しません。

ただし、この「私的使用」は範囲が非常に狭く、少しでも公開性が高まると対象外になってしまいます。

たとえば、YouTubeの限定公開やDiscordの大規模コミュニティで共有する行為は、「公衆に向けた送信」と判断される可能性が高く、私的利用の枠を超えてしまいます。そのため、あくまでも家庭内レベルでの使用に限られるという点をしっかり押さえておきましょう。

楽曲を利用しないアカペラでのカラオケ配信

音源を使わずにアカペラで歌う方法は、法律的に問題の少ない配信スタイルです。

市販CDやカラオケ機器の音源、他人が演奏した伴奏を使用しないことで、原盤権や実演家の権利を侵害するおそれがありません。また、多くの配信プラットフォームはJASRAC・NexToneと包括契約を結んでいるため、管理楽曲であればアカペラ歌唱の配信は包括契約の範囲内で利用が認められます。

ただし、配信時に歌詞テロップが映り込むと「歌詞の複製・公衆送信」に当たることがあります。また、歌詞の一部を勝手に変えて歌うと、著作者人格権(同一性保持権)の問題が生じる可能性もあります。

安全性は高いものの、歌詞の取り扱いだけは特に注意が必要です。

JASRAC・NexToneの管理楽曲を利用したカラオケ配信|音源・歌唱部分は自前で用意

現在もっとも一般的に行われているのが、楽曲は包括契約の対象となっている管理楽曲を使い、伴奏だけ自分で用意する方法です。ギターやピアノの生演奏を録音したり、DTMで自作カラオケを制作したりすることで、原盤権や実演家の権利問題を避けることができます。

自作音源のメリットは、法律的なリスクが少ない点にあります。YouTubeで大量にある「歌ってみた動画」が成立しているのも、この自作伴奏方式が確立しているためです。

一方で、以下のような音源には注意が必要です。

・DAM・JOYSOUNDのカラオケ音源
・市販CDを加工した音源
・YouTubeの伴奏動画をダウンロードした音源

これらを使用すると原盤権・複製権の侵害につながります。

「音源は自作または明確に許可されたもののみ」というルールが最重要ポイントです。

カラオケ会社のプラットフォームを利用したカラオケ配信|音源の用意は不要

もっとも確実かつ安全なのが、カラオケメーカーが提供する公式の動画投稿サービスを利用する方法です。代表的なものには、第一興商の「DAM★とも」やJOYSOUNDの「うたスキ動画」があります。これらのサービスでは、音源に関わる許諾がすべてクリアされているため、利用者は特別な許可を得る必要がありません。

公式サービスのメリットとしては、

・音源を自分で用意する必要がない
・著作権侵害のリスクがほぼゼロ
・有名曲を高音質で歌える

といった点が挙げられます。

ただし、外部プラットフォームへの転載が禁止されている場合があるため、規約の確認は欠かせません。

カラオケ配信をする際の著作権法上の注意点

カラオケ配信をする際の著作権法上の注意点

カラオケ配信は、ルールを守れば合法的に行うことができます。しかし、配信スタイルによっては思わぬ著作権侵害につながるケースもあるため、配信者は特に注意する必要があります。以下では、カラオケ配信で誤解されやすい著作権上のポイントやプラットフォームごとの扱いの違いについて説明します。

X(旧Twitter)でのカラオケ配信は著作権侵害のおそれあり

YouTubeやニコニコ動画、ツイキャスなどはJASRAC・NexToneと包括契約を結んでいるため、管理楽曲を自分で歌う行為は包括契約の範囲で許容されています。

しかし、X(旧Twitter)は、JASRAC・NexToneとの包括契約を締結していません。

そのため、Xでのカラオケ配信は原則として以下のような問題が生じます。

・管理楽曲を歌うと、作詞・作曲者の著作権(演奏権・公衆送信権)を無断で利用した扱いになる
・カラオケ音源を使用すると、原盤権・複製権など複数の権利侵害が併発する
・配信がリアルタイムであっても「公衆送信」に該当する

つまり、X(旧Twitter)上では「アカペラであっても著作権者の許諾が必要」という扱いとなります。この点は多くの利用者が誤解しやすいため、Xでのカラオケ配信は避けることを強く推奨します。

JASRAC・NexToneの管理楽曲以外の曲を利用するには個別の許可が必要

日本で流通している楽曲の多くはJASRACかNexToneのいずれかが著作権管理を行っていますが、すべての曲が管理対象というわけではありません。特に以下のタイプの楽曲は、管理団体が扱っていないことがあります。

・インディーズアーティストの楽曲
・海外アーティストの一部の作品
・廃盤曲や管理委託されていない古い楽曲
・レーベル直轄で管理されている楽曲(例:特定アニメ作品)

管理されていない曲については、著作者本人や出版社から個別の許諾を得なければ利用できません。

また、管理団体がカバーしているのは楽曲の権利のみで、「公式の音源」を配信で流す許可までは含まれていません。特に、カラオケ音源やレコード会社の音源を使う場合には、作詞・作曲の権利(JASRAC/NexTone)と音源の権利(レコード会社・原盤権者)の両方の許可が必要です。

どちらか一方だけ許可があっても合法にはならない点が最大の注意点です。

「替え歌」「改変」「一部改変」は著作者人格権侵害のおそれあり

カラオケ配信で意外と見落とされるのが、歌詞やメロディを勝手に変更する行為です。

著作権には「著作者人格権」という人格的な権利があり、この中に「同一性保持権」が含まれています。

同一性保持権とは、著作者の意図に反して作品を改変されない権利です。

そのため、以下のような行為は、著作者人格権の侵害に該当する可能性があります。

・歌詞の一部を自分で付け加える
・下ネタなどに置き換える替え歌
・メロディラインを意図的に変更して歌う
・原曲の雰囲気を変えるような大幅リアレンジ

特に、替え歌はエンタメ要素として人気がありますが、許諾を得ずに行うと法的にはアウトです。たとえアカペラであっても、替え歌は、著作者の権利を侵害する可能性があります。

カラオケ配信の著作権侵害が問題になった判例

【事案の概要】

被告は、カラオケ店で「DAM」端末を利用して歌唱し、その様子をスマホで撮影しました。

動画にはDAMが制作したカラオケ音源(原盤音源)がそのまま収録されていました。

被告は、この動画を動画サイトにアップロードしたところ、DAM音源のレコード製作者である原告(第一興商)が、原盤の送信可能化権(著作隣接権)の侵害にあたるとして、

・動画の送信可能化の差止め
・動画データの消去

を求めて訴えました。

【判決の内容】

裁判所は、原告の主張を全面的に認め、被告に対して以下を命じました。

・動画の送信可能化を禁止
・動画データの消去を命令

被告は、「動画は自分の歌が主体」と主張しましたが、動画にDAM音源が収録されている以上、送信可能化権の侵害が成立すると判断されました。

また、すでにアップロード済み動画が削除されていても、PC等にデータが残っていれば再アップの可能性があるため差止め・消去は必要とされています。

【ポイント】

この判例が示すもっとも重要な点は、カラオケ音源の無断使用は、配信者の歌唱が主体であっても原盤権の侵害になるという事実です。動画の中にカラオケ音源がわずかに含まれているだけで、レコード製作者の送信可能化権を侵害する行為と判断されます。音量が小さい、歌が主役であるといった事情は一切考慮されません。

また、動画を削除したからといって責任がなくなるわけではない点も重要です。データが配信者の手元に残っている以上、再度アップロードする可能性があるとされ、消去命令まで認められました。つまり、一度無断利用を行うと、削除するだけでは不十分で、権利侵害として法的責任を問われる可能性が残り続けるということです。

このように、カラオケ音源の利用は著作権ではなく「原盤権」という別の強い権利が関わるため、軽い気持ちでアップロードした動画であっても、結果的に重大な法的リスクを負うことになります。

カラオケ配信者は、この判例が示すように「音源を使えば即アウト」という厳しいルールを前提に、配信方法を慎重に選ぶ必要があります。

カラオケ配信が著作権侵害と判断された場合に生じる法的責任

カラオケ配信において許可なく音源や楽曲を利用すると、著作権法上の侵害に該当し、配信者はさまざまな法的責任を負う可能性があります。単に動画が削除されるだけでなく、収益が失われたり、損害賠償を求められたり、場合によっては刑事罰の対象になることもあります。以下では、著作権侵害が認定された場合に配信者に降りかかる主な影響について説明します。

区分具体的な不利益・責任典型的に問題になるポイント
プラットフォーム上の制裁(実務上まず起きる)動画削除/配信停止/収益化停止/警告(ストライク等)/アカウント停止・永久BAN自動検知・権利者申立てで即対応されやすい。収益化チャンネルは打撃が大きい
民事責任(損害賠償・差止め)権利者から損害賠償請求(使用料相当・得た利益・再生回数等で増減)/**差止め・削除(消去)**請求収益化(広告・投げ銭)や反復侵害、警告無視で増額されやすい。楽曲だけでなく**音源(原盤)**を使うと請求主体が増える(レコード会社・カラオケメーカー等)
刑事責任(著作権法違反)10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金(併科の可能性あり)商業規模、反復、警告無視、高額収益など「悪質性」が高いと刑事化リスクが上がる

アカウントの停止・収益化の停止

著作権侵害が発覚した場合、まず影響を受けるのが配信プラットフォーム上での制裁です。

YouTube、ニコニコ動画、TikTokなど主要な配信サービスでは、権利者からの申し立てがあれば、

・動画の削除
・著作権警告(YouTubeの「著作権ストライク」など)
・生配信の停止
・収益化の停止
・ひどい場合にはアカウントの永久停止

といった措置が取られます。

特に、YouTubeでは、3回の著作権ストライクでアカウントが完全削除され、チャンネル自体を復活させることができません。動画に含まれる音源が短時間であっても自動検知されるため、配信者が「気づかないうちに違法行為をしていた」というケースも少なくありません。

収益化をしている配信者の場合、アカウント停止は、実質的に収入の完全喪失を意味します。これは法的責任とは別に、事実上の大きなペナルティとなります。

損害賠償請求

著作権侵害が認定されると、配信者は、権利者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

損害額は、事案によって異なりますが、以下のような要素が考慮されます。

・動画の再生回数・配信回数
・動画によって得た広告収入・投げ銭額
・権利者が通常受け取るべき使用料
・悪質性(再三警告を無視しているなど)

特に、収益化しているチャンネルの場合、「無断で音源を使って利益を得た」と評価されやすく、損害額が大きくなる傾向があります。

また、先に紹介した判例のように、カラオケ音源の利用は原盤権の侵害となるため、レコード会社やカラオケメーカーから請求されるケースもあります。

動画を削除していても、データが残っていれば「将来の再アップを防ぐ」という理由で消去命令が認められる場合もあり、民事責任は非常に重く扱われます。

著作権法違反による刑事罰|10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金

著作権侵害は、場合によっては刑事罰の対象となります。具体的には、10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金が科されるため、非常に重い刑罰といえます。

著作権法の刑事罰(著作権法119条)

特に、以下のような場合、刑事事件として扱われる可能性が高くなります。

・商業的な規模で無断配信を行っている
・多数の動画で繰り返し侵害している
・権利者からの警告を無視し続けている
・収益化により高額の利益を得ている

一般的に、個人配信者がすぐに刑事罰の対象になるわけではありませんが、悪質性の高いケースでは捜査が行われることがあります。特に、音源利用は原盤権という強い権利に触れるため、権利者の監視も厳しく、摘発されるリスクがある点に注意が必要です。

カラオケ配信での著作権侵害トラブルを防ぐために弁護士ができること

カラオケ配信は、著作権・原盤権・著作者人格権など、複数の権利が複雑に絡み合う分野です。配信者自身がすべての権利関係を把握し、適法・違法のラインを見極めることは容易ではありません。そのため、トラブルを未然に防いだり、すでに権利者から指摘を受けている場合には、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。以下では、カラオケ配信に関して弁護士が提供できる主なサポートを紹介します。

利用許諾の法的チェック

弁護士は、配信内容が著作権侵害にあたるかどうかを適切に判断することができます。

カラオケ配信では、曲の管理状況や音源の権利関係、配信プラットフォームの包括契約などを総合的に判断する必要がありますので、著作権に関する専門的な知識が不可欠な分野です。

たとえば、

・自作伴奏に管理楽曲を乗せたい場合
・海外楽曲やインディーズ曲を利用したい場合
・SNSライブで歌唱する場合

といったケースでは、一般の配信者が自分だけで判断するのは困難です。

弁護士が関与すれば、「どこまでが安全か」を明確にでき、安心して配信を続けられます。

権利者との交渉を代理

動画を配信していると、レコード会社やカラオケ会社から突然「削除依頼」や「警告文」が届くことがあります。

これに配信者本人が対応すると、過大な責任を負ってしまうことがあります。

弁護士は、

・権利者とのやり取り
・警告への回答
・損害賠償請求の妥当性チェック
・必要以上の責任を負わないための交渉

をすべて代理できます。

特に、収益化しているチャンネルでは、適切な初期対応がその後の損害額に大きく影響します。弁護士に依頼することで、冷静かつ法的に妥当な対応が可能になります。

配信者向けの著作権コンプライアンス支援

弁護士は、トラブル発生時だけでなく、継続的に安全な配信を行うための助言も提供できます。

たとえば、

・事前の動画チェック
・音源の権利状況の調査
・配信ルールの策定
・収益化チャンネル向けのリスク管理

といったサポートが可能です。

特に、カラオケ配信者は、知らないうちに権利侵害を繰り返すことがありますので、専門家による事前のチェックが欠かせません。弁護士が関与することで、安全な運用体制を整え、長期的に安心して活動を続けることができます。

カラオケ配信で著作権侵害が不安な方はグラディアトル法律事務所に相談を

カラオケ配信で著作権侵害が不安な方はグラディアトル法律事務所に相談を

カラオケ配信は、演奏権・公衆送信権・原盤権・著作者人格権など、思っている以上に多くの権利が絡む分野です。配信者自身では「自分の配信が大丈夫なのか」「どこまでが合法なのか」を判断するのは難しく、知らないうちにルールを超えてしまうケースも少なくありません。特に、カラオケ音源の無断利用は、原盤権侵害となり、動画の削除だけでなく、損害賠償請求やアカウント停止といった深刻な結果につながることがあります。

このようなトラブルを防ぐためには、早い段階で専門家に相談し、配信内容に問題がないか確認しておくことが大切です。

グラディアトル法律事務所では、著作権やインターネットトラブルに精通した弁護士が、配信者の状況に応じて適切なアドバイスを行っています。また、利用予定の音源や配信方法のチェックはもちろん、権利者から通知が届いたときの対応、収益化チャンネルのリスク管理まで幅広くサポートしています。

安全に配信活動を続けたい方、すでに権利者から連絡を受けて不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。適切な対処と予防策を講じることで、安心して音楽配信を楽しむことができます。

まとめ

カラオケ配信は、適切な方法を守れば合法的に楽しむことができますが、カラオケ音源や市販音源の無断利用は、原盤権など複数の権利を侵害するおそれがあります。特に、動画に音源が少しでも含まれていれば違法となる可能性が高く、アカウント停止や損害賠償など深刻な結果を招くこともあります。

一方で、アカペラでの配信や自作伴奏を使った歌唱、カラオケ会社の公式サービスの利用など、著作権侵害を避けながら安全に配信できる方法も存在します。配信者は、各サービスのルールや楽曲の管理状況を正しく理解し、適法な範囲で活動することが大切です。

不安がある場合は、専門家に相談することでリスクを回避し、安心して配信を続けることができますので、まずはグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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