TikTokでは、流行りの音楽を使った動画が日々大量に投稿され、誰でも気軽にバズを狙える時代になりました。しかしその一方で、音楽の使い方を誤ったことで「著作権侵害」と判断され、炎上やトラブルに発展するケースが増えています。
「少しだけ使っただけ」「加工しているから問題ない」「他の人も同じ音源を使っている」などの認識で投稿した動画が、突然削除されたり、アカウントにペナルティが科されたりすることも珍しくありません。
特に注意すべきなのが、TikTokの公式音源以外の音楽を使うケースです。CD音源やサブスク音源を取り込んで使ったり、誰かが勝手にアップした非公式音源を利用したりすると、著作権や著作隣接権を侵害するおそれがあります。場合によっては、権利者から警告や削除要請が届くだけでなく、損害賠償請求や刑事責任を問われるリスクも否定できません。
また、著作権侵害は法的リスクだけでなく、SNS上での炎上や信用低下といった二次被害にもつながります。アカウントが特定され、学校や職場に知られてしまうケースもあり、軽い気持ちでの投稿が私生活に大きな影響を及ぼすこともあります。
本記事では、
| ・TikTokの音楽利用でどのような行為が著作権侵害にあたるのか ・炎上や法的トラブルを避けるために安全に投稿するためのルール ・万が一トラブルが起きた場合の適切な対処法 |
などを詳しく解説します。
TikTokで安心して動画投稿を続けたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
TikTokの公式音源以外の音楽を使うのは危険!著作権侵害のおそれのある6つのケース
TikTokのアプリ内に用意された「公式音源」は、著作権処理がなされていますので、それをつかえば著作権侵害を回避できます。しかし、公式音源以外の音楽を使った投稿は、著作権侵害となるリスクが非常に高いため注意が必要です。
以下では、TikTokで特にトラブルになりやすい6つのケースを紹介します。

市販の楽曲を自分でアップロードして使うケース
CDをパソコンに取り込んだ音源やSpotify・Apple Musicなどのサブスク音源を録音し、TikTok動画のBGMとして使用する行為は、著作権侵害にあたる可能性が高いです。
これらの楽曲には、作詞・作曲者の「著作権」だけでなく、レコード会社などが持つ「著作隣接権」も存在します。個人的に購入・契約しているからといって、SNS投稿で自由に使えるわけではありません。
他人が投稿した非公式音源を利用するケース
TikTok上には、公式音源ではない楽曲が「音源」として登録されていることがあります。しかし、その中には権利者の許可を得ずにアップロードされた非公式音源も少なくありません。
「TikTok内にあるから安全」と思いがちですが、非公式音源を使用した投稿者も著作権侵害の責任を問われる可能性があります。
歌ってみた・演奏動画など他人の録音を無断で使うケース
(例:歌唱・演奏者の権利も侵害)
他人が投稿した「歌ってみた」「弾いてみた」動画の音声を切り抜いて使用する行為も注意が必要です。
この場合、原曲の著作権に加えて、歌唱者や演奏者が持つ著作隣接権(実演家の権利)を侵害するおそれがあります。録音された音声には複数の権利が重なっているため、無断使用は非常にリスクが高いといえます。
音源を加工して使うケース(スロー・ピッチ変更など)
音楽をスロー再生したり、ピッチを変更したりすると「別の音源だから大丈夫」と誤解されがちですが、加工しても著作権は消えません。
原曲が特定できる場合、たとえ一部であっても著作物の利用と判断され、著作権侵害となる可能性があります。
テレビ番組・映画・アニメの音声を抜き取って使うケース
テレビ番組や映画、アニメの名シーンの音声を抜き出してTikTokに投稿する行為も危険です。
これらの映像作品には、脚本・音楽・ナレーションなど複数の著作物が含まれており、音声だけであっても無断使用は著作権侵害に該当するおそれがあります。
ライブ・イベントの録音を投稿するケース
ライブ会場やイベントで録音した音声をTikTokに投稿する行為も注意が必要です。
多くのライブやイベントでは、録音・撮影自体が禁止されていることがあり、著作権だけでなく契約違反や不法行為として問題になる場合もあります。
TikTokでバズる前に知っておきたい…音楽利用の著作権侵害によるリスク
TikTokで音楽を無断使用すると、「動画が消されるだけ」と軽く考えてしまいがちですが、実際には想像以上に大きなリスクが伴います。以下では、音楽の著作権侵害によって生じる代表的なリスクを具体的に説明します。
動画削除・アカウントペナルティを受けるリスク
著作権侵害が疑われる動画は、事前の通知なく削除されることがあります。さらに、違反が繰り返されると、アカウントの機能制限や凍結(アカBAN)、おすすめ表示されにくくなるシャドーバンが行われる可能性もあります。
一度ペナルティを受けると、フォロワー数や再生回数が大きく落ち、アカウント運用自体が困難になるケースも少なくありません。
権利者から警告やクレームが届くリスク
著作権者やレコード会社などの権利者は、TikTokに対してDMCA通知(著作権侵害申立て)を行うことができます。
その結果、投稿者に対して警告が届いたり、動画の削除要請が行われたりすることがあります。これを無視すると、より厳しい措置や法的手続きに進む可能性が高まります。
損害賠償を請求されるリスク(民事責任)
著作権侵害は、民事上の不法行為にあたるため、損害賠償請求を受ける可能性があります。
請求額は、楽曲の使用料相当額がベースになりますが、悪質性や拡散状況によっては高額になることもあります。
「趣味で投稿しただけ」という事情は、免責理由にはなりません。
最悪の場合は刑事罰につながるリスク
著作権侵害は、悪質な場合や営利目的と判断された場合、刑事事件として処罰対象になることがあります。
著作権法では、侵害行為に対して10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金が規定されており、決して軽い違反ではありません。
SNSで炎上・拡散されるリスク
著作権侵害が発覚すると、SNS上で「無断使用」「常識がない」と批判され、炎上するリスクがあります。
炎上が起きると、動画削除だけでは済まず、過去の投稿まで掘り返され、アカウントの信頼性が大きく損なわれることになります。
学校・職場など、私生活への影響が広がるリスク
炎上や拡散によってアカウントが特定されると、学校や職場に知られてしまうケースもあります。
「たかがSNS投稿」と思っていても、信用低下や評価への影響など、私生活にまで悪影響が及ぶ可能性がある点には十分注意が必要です。
TikTokで著作権侵害を避けて安全に音楽を使うために守るべき4つの基本ルール
TikTokで音楽を使った動画を安全に投稿するためには、感覚や自己判断に頼るのではなく、ルールを正確に理解したうえで運用することが重要です。以下では、著作権侵害を避けるために必ず押さえておきたい4つの基本ルールを説明します。

公式音源だけを使う|TikTokが権利処理している音源は安全
TikTokアプリ内で提供されている「公式音源」は、原則としてTikTok側が権利処理を行っています。そのため、通常の個人利用の範囲であれば、公式音源を使うことで著作権侵害のリスクは大幅に下がります。
動画投稿時には、必ず「楽曲を選ぶ」機能から音源を追加し、外部から取り込んだ音楽を使わないことが基本です。
非公式音源を絶対に使わない|無許可アップロードの可能性が高い
TikTok上には、公式音源ではない楽曲が音源として表示されることがあります。
しかし、それらは権利者の許可を得ずにアップロードされた可能性が高く、安全とはいえません。
「みんな使っている」「以前は削除されなかった」という理由で使用すると、後から一斉削除や警告が行われるケースもあります。非公式音源には手を出さないことがもっとも確実な予防策です。
フリー音源は利用規約を必ず確認する|「商用可・改変可」など条件に注意
フリー音源であっても、すべてが自由に使えるわけではありません。
利用規約には、「商用利用不可」「クレジット表記が必要」「改変禁止」などの条件が定められていることがあります。条件に違反すると、フリー音源であっても著作権侵害と判断される可能性があります。
使用前には必ず利用規約を確認し、TikTok投稿が条件を満たしているかをチェックしましょう。
自作・録音音源も注意して使う|演奏者や会場の権利に触れることがある
自分で演奏・歌唱した音源や、イベント会場で録音した音声であっても、必ずしも自由に使えるとは限りません。
他人が演奏している場合は、実演家の権利が発生しますし、ライブ会場やイベントでは撮影・録音・投稿自体が禁止されていることもあります。
「自分で録音したから大丈夫」と思い込まず、誰の権利が関係しているのかを意識して利用することが重要です。
TikTokの音楽利用で著作権侵害の疑いが生じたときの対処法
TikTokに投稿した動画について、「著作権侵害ではないか」と指摘されたり、削除や警告を受けたりした場合、対応を誤るとトラブルが拡大するおそれがあります。以下では、著作権侵害の疑いが生じたときに取るべき適切な対処法を説明します。
問題のある動画を速やかに削除する|拡散を防げばリスクが軽減
著作権侵害の可能性があるとわかった場合、まず行うべきなのは該当動画を速やかに削除することです。
削除が遅れると再生数や拡散が進み、損害額が大きく評価される可能性があります。早期に削除することで、悪質性が低いと判断され、法的リスクが軽減されるケースもあります。
どの権利に触れたかを確認する|音源の出所・権利者を特定
次に重要なのは、どの権利を侵害した可能性があるのかを整理することです。
楽曲の著作権なのか、レコード会社の著作隣接権なのか、実演家の権利なのかによって、対応方法が変わる場合があります。音源の出所や使用状況を確認し、権利者が誰かを把握することが必要です。
権利者から連絡が来たら誠実に対応する|無視すると状況が悪化
権利者や代理人弁護士から警告や連絡が届いた場合、無視することは絶対に避けるべきです。
対応を怠ると、交渉の余地がなくなり、損害賠償請求や訴訟に発展するリスクが高まります。事実関係を確認したうえで、誠実かつ冷静に対応する姿勢が重要です。
損害賠償の請求があり得る場合は専門家に相談する|自己判断は危険
損害賠償請求や刑事責任の可能性がある場合、自己判断で対応するのは非常に危険です。
著作権侵害の範囲や金額の妥当性、交渉の進め方は専門的な判断が必要となるため、早い段階で弁護士などの専門家に相談することが、問題を最小限に抑える近道といえます。
TikTokの音楽利用による著作権侵害トラブルで弁護士ができること
TikTokの音楽利用をめぐる著作権侵害トラブルは、対応を誤ると損害賠償請求や刑事責任に発展するおそれがあります。このような場面では、早い段階で弁護士に相談することが重要です。以下では、著作権侵害トラブルにおいて弁護士がどのようなサポートを提供できるのかを説明します。
権利者との交渉を代行し、法的リスクを最小限に抑える
著作権侵害が疑われる場合、権利者やレコード会社、管理団体などから直接連絡が来ることがあります。
弁護士に依頼すれば、これらの交渉窓口をすべて弁護士が引き受けることが可能です。感情的な対立や不用意な発言を防ぎつつ、法的に適切な範囲での解決を目指します。
これにより結果として、損害賠償額の抑制や早期解決につながる可能性が高まります。
DMCA通知・削除要請への対応方法をアドバイスする
TikTokでは、DMCA通知などにより動画が削除されたり、警告が表示されたりすることがあります。
弁護士は、その通知内容が法的に妥当なものかどうかを精査し、異議申立てが可能か、削除対応で足りるのかなどを判断します。
誤った対応をするとアカウント停止などの不利益を受けるおそれがあるため、専門家の判断を踏まえた対応が重要です。
損害賠償請求に対する法的対応を行う
権利者から損害賠償請求を受けた場合、請求額が妥当かどうかを見極める必要があります。
弁護士は、使用態様や再生回数、悪質性の有無などを踏まえ、過剰な請求に対しては減額交渉や和解交渉を行います。
不用意に支払ってしまう前に相談することで、経済的な負担を大きく減らせる可能性があります。
刑事事件化のおそれがある場合のサポートも可能
営利目的での使用や繰り返しの侵害行為が問題視された場合、刑事事件として捜査対象となる可能性もあります。
そのような場合でも、弁護士が早期に関与することで、事情説明のサポートや捜査機関対応を行い、不起訴処分や刑事責任の軽減を目指した弁護活動が可能です。
「警察から連絡が来た」「呼び出しを受けた」といった段階でも、早めの相談が重要です。
二度とトラブルにならないための運用アドバイスを提供する
トラブル解決後も、弁護士は再発防止のための運用アドバイスを行います。
どの音源を使用すべきか、公式音源と非公式音源の見分け方、法人・個人アカウントで注意すべき点など、今後安心してTikTokを運用するための具体的な指針を示します。
これにより、同様の著作権トラブルを繰り返すリスクを大幅に下げることができます。
TikTokの音楽利用による著作権侵害トラブルはグラディアトル法律事務所にお任せください

TikTokの音楽利用をめぐる著作権侵害トラブルは、初動対応を誤ると、動画削除だけで済まず、損害賠償請求や刑事責任にまで発展するおそれがあります。このようなリスクを最小限に抑えるためにも、早期に弁護士に相談することをおすすめします。
グラディアトル法律事務所では、TikTokやYouTubeなどのSNSに関する著作権トラブルについて、数多くの相談・解決実績を有しています。DMCA通知への対応、権利者からの警告・削除要請への対応、損害賠償請求に対する交渉など、状況に応じた最適な解決策を提案することが可能です。
また、刑事事件化のおそれがあるケースについても、刑事弁護に精通した弁護士が対応し、不起訴処分や責任軽減を視野に入れたサポートを行います。
さらに、トラブル解決後は、再発防止のためのSNS運用ルールの整備や、安心して投稿を続けるためのアドバイスも行っています。
「この音楽の使い方は大丈夫なのか」「すでに警告が届いている」といった段階でも、早めにご相談いただくことで、問題が大きくなる前に対応できる可能性があります。
TikTokの音楽利用による著作権侵害でお悩みの方は、グラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。
まとめ
TikTokで音楽を使った動画を投稿する際は、著作権への正しい理解が欠かせません。公式音源以外の音楽を安易に使用すると、動画削除やアカウント停止、損害賠償請求、さらには刑事責任を問われるリスクもあります。
「少し使っただけ」「加工したから大丈夫」といった認識は通用せず、炎上や信用低下につながるおそれもあるため注意が必要です。
安全に投稿するためには、公式音源の使用を徹底し、フリー音源や自作音源であっても利用条件を確認することが重要です。万が一トラブルが生じた場合は、早めにグラディアトル法律事務所までご相談ください。
