Googleの検索結果を削除する3つの方法と弁護士に依頼するメリット

Googleの検索結果を削除する3つの方法と弁護士に依頼するメリット
弁護士 若林翔
2025年11月07日更新

「Googleの検索結果に誹謗中傷の記事が出て困っている…」

「Googleの検索結果から好ましくないサイトを削除することはできる?」

「Googleの検索結果を削除する具体的な方法を知りたい」

インターネットが普及した現代では、Googleの検索結果に自分の名前や過去の出来事が表示されることが少なくありません。なかには、氏名や住所、電話番号などの個人情報が公開されてしまったり、事実無根の誹謗中傷が拡散されたりするケースもあります。このような情報が検索結果に残り続けると、プライバシーの侵害や名誉毀損につながり、就職活動・転職・取引先との信頼関係など、日常生活や社会的評価に深刻な影響を与える可能性があります。

もっとも、インターネット上に掲載された記事や投稿を直接削除することは容易ではありません。サイト運営者や投稿者が応じなければ、その情報自体を完全に消すのは難しいのが現実です。しかし、記事そのものを消せなくてもGoogleの検索結果から削除することで、事実上多くの人の目に触れなくすることが可能です。検索結果を非表示にするだけでも、被害の拡大を防ぐうえで大きな効果があります。

本記事では、

・Google検索結果の削除が認められるケースと認められにくいケース
・専用フォームから申請する方法や裁判所に仮処分を申し立てる方法
・実際の判例や弁護士に依頼するメリット

なおついて詳しく解説します。

検索結果に望まない情報が表示されて困っている方にとって、実際にどのような手続きをとれば解決できるのかを理解するきっかけになるはずです。

記事自体の削除ができない場合は検索結果削除を検討しよう

インターネット上に公開された記事や投稿が自分に不利益をもたらす場合、まず考えられるのは「記事そのものを削除してもらう」という方法です。

しかし、運営者が削除依頼に応じない、投稿者と連絡が取れない、あるいはすでにサイト管理が放置されているといったケースでは、記事そのものを消すことは現実的に難しい場合があります。

このような場合に有効な手段となるのが、Google検索結果の削除です。記事自体は、ネット上に残っていても、検索結果に表示されなければ他人の目に触れる機会を大幅に減らすことができます。たとえば、自分の名前を検索しても該当ページがヒットしなければ、周囲の人がその情報にたどり着く可能性は低くなります。これは、就職活動や取引先との関係構築など、社会生活における信用を守るうえで大きな効果を持ちます。

被害を最小限に抑えるためには、記事の削除に固執するのではなく、検索結果からの削除という選択肢も積極的に検討することが重要です。

Googleの検索結果の削除が認められやすいケース

Googleの検索結果の削除が認められやすいケース

Googleの検索結果削除は、誰でもどんな情報でも必ず認められるわけではありません。申請が通るためには、法的な観点やGoogleのポリシーに照らして「削除が正当」と認められる必要があります。以下では、削除が認められやすい典型的なケースを紹介します。

プライバシー侵害が明白なケース

氏名、住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーなど、本人が一般公開を望まない個人情報が検索結果に表示されている場合は、削除が認められやすいです。

これらは本人の安全や生活に直結するセンシティブな情報であり、公開を放置すればストーカー被害や詐欺などの二次被害に発展するおそれがあるからです。Googleもプライバシー保護の観点から、こうした個人情報の削除には積極的に対応しています。

名誉毀損が成立するケース

「〇〇は前科持ちだ」「〇〇は不倫している」など、事実でない内容や根拠のない誹謗中傷が検索結果に表示されている場合も、削除が認められやすいケースです。

名誉毀損とは、社会的評価を下げるような虚偽の情報を摘示することを指します。インターネット上では噂が一気に拡散されるため、誤った情報を放置すると取り返しのつかない不利益を被ることもあります。

そのため、Googleへの申請や裁判所を通じた削除が正当と判断されやすいのです。

利用規約に明らかに違反しているケース

Googleには独自の検索ポリシーや利用規約が定められており、これに反するコンテンツは削除対象となります。たとえば、違法薬物や児童ポルノなどの違法コンテンツ、極端に暴力的な表現などが該当します。

これらは法令違反のリスクが高いため、Googleも厳格に対応しており、削除申請が通りやすい傾向にあります。

Googleの検索結果の削除が認められにくいケース

Googleの検索結果削除は、プライバシー侵害や明らかな名誉毀損であれば比較的認められやすいものの、必ずしもすべての申請が通るわけではありません。なかには「公益性が高い」「違法性が認められない」と判断され、削除が難しいケースもあります。以下では、Googleの検索結果の削除が認められにくい代表的なケースを紹介します。

名誉毀損の違法性阻却事由が認められるケース

名誉毀損にあたる表現であっても、報道や公益目的であれば違法性が阻却される場合があります。

たとえば、重大な犯罪の報道において加害者の実名や事件内容が公開されるケースが典型例です。この場合、社会的に知る意義が大きく、表現の自由や国民の知る権利が優先されるため、削除申請が通りにくくなります。

裁判所においても、報道機関が公共性・公益性を有する範囲で正確に伝えている場合には、名誉毀損の違法性が否定されることがあります。

同定可能性が認められないケース

同定可能性とは、情報の対象が「特定の人物である」と第三者から認識できるかどうかを意味します。

たとえば、「ある会社の社員が不祥事を起こした」とだけ書かれており、氏名や顔写真が明記されていなければ、誰のことを指しているか特定できません。このような場合は、本人に対するプライバシー侵害や名誉毀損が成立しにくいため、Googleに削除を求めても認められにくいのです。

Googleの検索結果を削除する2つの方法

Googleの検索結果を削除する2つの方法

Googleの検索結果を削除する方法は、大きく分けて「Googleに直接申請する方法」と「裁判所を通じて削除を求める方法」の2つがあります。それぞれ手続きの流れや必要な準備が異なり、どの方法を選ぶかは状況に応じて判断する必要があります。

Googleの専用フォームから削除申請をする

もっとも一般的なのが、Googleが提供している専用フォームから削除を申請する方法です。プライバシー侵害や名誉毀損などの理由を記入し、削除を希望するURLや検索キーワードを指定して申請します。Googleの審査担当者が内容を確認し、基準に該当すると判断されれば検索結果から削除されます。

比較的スピーディーに対応されるケースも多く、まず試してみるべき手段といえるでしょう。

検索結果削除の仮処分の申立てをする

Googleへの申請で削除が認められない場合や緊急性が高く一刻も早く情報を消す必要がある場合には、裁判所に「検索結果削除の仮処分」を申し立てる方法があります。

これは司法の判断を仰いで削除命令を得る手続きであり、法的拘束力がある点が大きな特徴です。

もっとも、申立書の作成や証拠の準備、担保金の供託など専門的な知識を要するため、弁護士に依頼して進めるの必要があります。

Googleの検索結果の削除方法①|専用フォームから削除申請

Googleの検索結果の削除方法①|専用フォームから削除申請

Googleは、利用者のプライバシーや安全を守るために、検索結果削除を求める専用フォームを用意しています。まずはこの申請フォームを利用するのがもっとも一般的で、比較的手続きが簡単に行える方法です。

Googleの専用フォームを表示

Googleの公式ヘルプページには、削除理由ごとに専用フォームが設置されています。

たとえば、

など、削除理由に応じてフォームが異なるため、自分のケースに合ったページを選択することが大切です。

専用フォームに必要事項を記入・送信

フォームには、削除を求める対象のURL、検索キーワード、削除を求める理由などを具体的に記載します。また、申請者本人であることを確認するために、氏名や連絡先の記入が必要です。場合によっては、運転免許証などの本人確認書類の提出を求められることもあります。

申請を送信すると、Googleの審査担当者が内容を確認し、削除の可否を判断します。削除が認められれば、数日から数週間程度で検索結果から該当ページが表示されなくなります。

ただし、削除が認められない場合もあるため、その場合は再度の申請や、次に紹介する「仮処分申立て」などの法的手段を検討する必要があります。

Googleの検索結果の削除方法②|検索結果削除の仮処分の申立て

Googleの検索結果の削除方法②|検索結果削除の仮処分の申立て

Googleの専用フォームからの削除申請が認められない場合や迅速に削除を実現する必要がある場合には、裁判所に「検索結果削除の仮処分」を申し立てる方法があります。仮処分は裁判所が一時的に削除を命じる手続きであり、法的拘束力を持つ点が特徴です。以下では、検索結果削除の仮処分の申立ての手続きの流れを説明します。

裁判所に検索結果削除の仮処分の申立て

まず、検索結果削除仮処分の申立書を作成し、裁判所に提出します。この書面には、削除を求める理由や削除対象となるURL、名誉毀損やプライバシー侵害が認められる具体的根拠などを記載します。

法的知識や経験が必要になりますので、申立書の作成や手続きは、専門家である弁護士に任せるのがおすすめです。

審尋

申立てが受理されると、裁判官が事情を確認する「審尋(しんじん)」が行われます。ここでは、削除を求める必要性や緊急性について、申立人側が裁判所に出向いて説明し、裁判官が妥当性を判断します。

担保金の供託

裁判所が仮処分を認める場合、申立人に対して、担保金の供託を命じます。これは、削除が不当であったと認められた場合に備え、相手方に損害が生じた際の補填に充てられるものになります。

担保金の金額はケースによって異なりますが、検索結果削除の仮処分であれば、数十万円程度が一般的です。

仮処分命令の発令

裁判所が申立てを認めると、Googleに対して検索結果を削除するよう命じる仮処分命令が発令されます。

これにより、検索結果から該当のページが非表示となり、第三者の目に触れる可能性を大幅に減らすことができます。

Google検索結果削除についての判例|最高裁平成29年1月31日決定

Google検索結果削除に関する代表的な判例として、平成29年1月31日に言い渡された最高裁決定があります。これは、過去に刑事事件を起こした人物が、自身の名前を検索すると当時の報道記事が表示されることから、その削除を求めた事案です。

この事案で最高裁は、検索結果の削除が認められるかどうかを判断するための基準を示しました。具体的には、

・表現の自由や国民の知る権利
・個人のプライバシー権や名誉権
・公益性や公共性、記事内容の真実性
・事件からの経過時間や社会的影響の有無

といった諸要素を比較衡量し、個人の権利が優先される場合には検索結果の削除を命じることができるとしました。

この事件では、児童買収により逮捕されたという事実は公共の利害に関する事項といえ、「居住県+氏名」を条件とした場合の検索結果であることから、伝達される範囲はある程度限られたものといえるとして、検索結果削除は認められませんでした。

この最高裁決定は、検索結果削除に関する実務の基本的な指針となっており、以後の裁判所の判断にも大きな影響を与えています。つまり、Google検索結果の削除が認められるかどうかは、「個人の権利」と「社会の知る権利」のどちらがより重視されるかを裁判所が慎重に判断するということです。

Googleの検索結果の削除を弁護士に依頼するメリット

Googleの検索結果の削除を弁護士に依頼するメリット

Googleの検索結果削除は、自分で申請できるケースもありますが、専門的な知識が必要となる場面も少なくありません。削除が認められるかどうかは、法的根拠や証拠の有無によって大きく左右されるため、専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。

法的根拠に基づく削除申請により成功率を高めることができる

弁護士は、プライバシー権や名誉権の侵害といった法律上の根拠を踏まえて申請書を作成できます。そのため、Googleの審査においても説得力が増し、削除が認められる可能性を高めることができます。

また、仮処分の申立てを行う際にも、法的な主張を整理し、裁判所に認められやすい形で提出することが可能です。

証拠収集から申請手続きまですべてを任せることができる

削除申請では、削除を求める対象ページのURL、掲載内容のスクリーンショット、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる具体的な根拠を示す必要があります。これを自分一人で準備するのは大きな負担ですが、弁護士に依頼すれば証拠収集から書類作成、申請手続きまで一貫して任せることができます。

依頼者は、精神的な負担を軽減しながら手続きを進めることができる点が大きなメリットといえるでしょう。

投稿者を特定して損害賠償請求ができる

検索結果削除はあくまで被害拡大を防ぐ手段に過ぎません。根本的な解決のためには、記事や投稿を行った人物を特定し、発信者情報開示請求や損害賠償請求を行う必要があります。

弁護士に依頼すれば、このような追加的な法的措置まで視野に入れて対応できるため、被害者の権利回復に大きく貢献します。

Googleの検索結果の削除はグラディアトル法律事務所にお任せください

Googleの検索結果の削除はグラディアトル法律事務所にお任せください

Googleの検索結果に不適切な情報が表示され続けると、プライバシー侵害や名誉毀損によって、日常生活や仕事に大きな悪影響を及ぼしかねません。自分で削除申請を試みても、十分な理由が示せず不認可となってしまうケースも多くあります。そのようなときこそ、インターネット問題に精通した弁護士のサポートが重要です。

グラディアトル法律事務所では、Google検索結果の削除に関して豊富な実績を有しており、専用フォームからの申請はもちろん、仮処分の申立てなど法的手続きを含めた総合的な対応が可能です。依頼者の方の状況を丁寧にヒアリングし、最適な解決方法を提案いたします。

さらに、削除手続きだけでなく、投稿者の特定や損害賠償請求といった追加的な対応もサポートしています。

Google検索結果の削除でお困りの方は、ぜひ一度グラディアトル法律事務所にご相談ください。初回相談から具体的な解決策まで、専門家がしっかりとサポートいたします。

まとめ

Google検索結果に望まない情報が表示され続けると、プライバシー侵害や名誉毀損など深刻な問題につながります。記事そのものを削除できなくても、検索結果から非表示にすることで被害を防ぐことが可能です。

本記事では削除が認められるケースや手続き方法を解説しましたが、成功には法的知識が欠かせません。グラディアトル法律事務所では、専用フォームからの申請はもちろん、仮処分の申立ても含めた豊富な実績で依頼者をサポートしています。検索結果削除でお困りの方は、ぜひご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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