名誉毀損裁判にかかる費用まとめ|種類別の相場と費用を抑える方法

名誉毀損裁判にかかる費用まとめ|種類別の相場と費用を抑える方法
弁護士 若林翔
2025年12月25日更新

「名誉毀損をした相手を訴えたいが、どのくらいの裁判費用がかかるかわからず不安」

「名誉毀損の裁判費用の相場を知りたい」

「名誉毀損罪での刑事告訴を弁護士に頼んだ場合も費用はかかる?」

インターネットやSNSの普及により、名誉毀損をめぐる裁判は一般の方にとっても身近なものになってきています。しかし、いざ裁判を検討しようと思っても「費用はどのくらいかかるのか」「相手に請求できるのか」など、不安や疑問を抱える方は多いのではないでしょうか。

名誉毀損の裁判には、収入印紙や郵便切手代といった裁判所に納める費用のほか、担保金や弁護士費用など複数の費用が発生します。また、削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求など、手続きの種類によって必要な費用の相場は大きく異なります。さらに刑事告訴を検討する場合にも、弁護士に依頼するかどうかで費用負担が変わってきます。

本記事では、

・名誉毀損裁判にかかる費用の種類と相場
・名誉毀損裁判における弁護士費用の相場
・名誉毀損の刑事事件化(刑事告訴など)にかかる費用

などを詳しく解説します。

訴訟を検討している方はもちろん、裁判の見通しを立てたい方にとっても参考になる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

名誉毀損の民事裁判にかかる費用の種類

名誉毀損の民事裁判にかかる費用の種類

名誉毀損の被害に遭い、裁判を起こそうとするときには、いくつかの費用が発生します。裁判所に納める費用から、弁護士に依頼する費用まで種類はさまざまですので、まずはどのような種類の費用が生じるのかを理解しておくことが大切です。以下では、主な4つの費用について説明します。

訴訟手数料|収入印紙代

裁判を起こす際には、裁判所に「訴訟手数料」を納める必要があります。これは訴状に収入印紙を貼ることで納付します。金額は、請求する損害賠償額などの「訴額」に応じて変わり、たとえば100万円を請求する場合には1万円、300万円なら2万円といった具合に定められています。

訴訟手数料は、裁判をする際に必ず発生する費用であり、訴額が大きくなるほど高額になる点を押さえておきましょう。

予納郵券|郵便切手代

裁判手続では、裁判所から相手方に書面を送付する必要があるため、郵便切手代も前もって裁判所に納めます。これを「予納郵券」と呼びます。

金額は、裁判所や事件の内容によって異なりますが、数千円から1万円程度が一般的です。なお、郵送費用は、訴訟が進む中で追加で必要になることもあります。

担保金

仮処分(投稿の削除、発信者情報開示の仮処分など)を申し立てる場合、裁判所から「担保金」を納めるよう命じられるケースがあります。これは、仮処分が誤って行われ相手方に損害を与えてしまった場合、その損害を補填するための保証金です。

担保金の額は、ケースバイケースですが、名誉毀損事件では10万~30万円程度が目安とされています。

なお、仮処分が正当な申立てであれば、後日担保金は返還されます。

弁護士費用

名誉毀損裁判は、専門的な法律知識が必要となるため、多くの場合は弁護士に依頼することになります。その際には「相談料」「着手金」「報酬金」などの弁護士費用が発生します。

弁護士費用は、事件内容や法律事務所によって異なりますが、相談料は1時間あたり1万円程度、着手金は数十万円程度が相場です。勝訴して損害賠償を獲得した場合には、得られた金額の一定割合(たとえば10~20%程度)が報酬金として発生します。

名誉毀損の民事裁判の種類ごとの裁判費用の相場

名誉毀損の民事裁判の種類ごとの裁判費用の相場

名誉毀損に関する裁判といっても、目的や手続の内容によってかかる費用は異なります。投稿を削除するための仮処分、投稿者を特定するための発信者情報開示請求、損害賠償請求訴訟など、それぞれに必要な費用の目安をみていきましょう。

投稿の削除仮処分の申立て|1万円程度(+担保金10~30万円程度)

ネット上で名誉毀損をされた場合、まずは問題となっている投稿の削除を求めていくことになります。サイト管理者などが任意に削除に応じてくれないときは、裁判所に投稿の削除仮処分の申立てをすることになり、その際の費用は、以下のとおりです。

・収入印紙代(申立手数料):2000円程度
・予納郵券(郵便切手代):数千円から1万円程度
・担保金:10万円~30万円程度

なお、担保金は、裁判所の判断によって異なりますが、相手方に与える影響を考慮して設定されます。事件終了後に返還されることが多いものの、一時的にまとまった額を預ける必要があります。

発信者情報開示請求(仮処分・訴訟)|3万円程度(+担保金10~30万円程度)

ネット上で名誉毀損をした投稿者を特定するには、まず発信者情報の開示を請求する必要があります。この手続きには「仮処分」と「訴訟」の2種類があります。

①仮処分の場合
・収入印紙代:2000円
・予納郵券(郵便切手代):数千円から1万円程度
・担保金:10万円~30万円程度
②訴訟の場合
・収入印紙代:1万3000円
・予納郵券(郵便切手代):数千円から1万円程度

IPアドレスや契約者情報は、任意に開示してもらえるケースはほとんどありませんので、通常は、仮処分・訴訟といった法的手続きが必要になります。

損害賠償請求訴訟|数万円程度

加害者に対して慰謝料などの損害賠償を請求する場合は、通常の民事訴訟を提起することになります。

・収入印紙代:請求金額に応じて変動
・予納郵券(郵便切手代):数千円から1万円程度

たとえば、

・100万円を請求→1万円
・200万円を請求→1万5000円
・300万円を請求→2万円

といった収入印紙代がかかります。

名誉毀損裁判の種類ごとの弁護士費用の相場

名誉毀損裁判の種類ごとの弁護士費用の相場

名誉毀損裁判にかかる弁護士費用は、依頼内容によって大きく異なります。以下では、グラディアトル法律事務所の費用体系をもとに、削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求の弁護士費用を紹介します。なお、これらの一連のすべての手続きを行った場合のトータルの弁護士費用の相場としては、20~100万円程度となります。

法律相談料|無料

名誉毀損裁判を弁護士に依頼する場合、まずは弁護士との法律相談が必要になります。

法律相談料は、1時間あたり1万1000円(税込)が相場ですが、当事務所では、初回相談料無料で対応しています。

経済的な負担を少しでも軽減したいという方は、当事務所の無料相談をぜひご利用ください。

投稿の削除請求|5~30万円程度

掲示板やSNSに書き込まれた名誉毀損の削除を求める手続きです。

【任意請求】
・着手金:0円~
・報酬金:5万円~
【仮処分申立て】
・着手金:20万円~
・報酬金:10万円~

比較的短期間で解決できるケースが多く、まずは被害の拡大を防ぎたい方が利用しやすい手続きです。

投稿者を特定するための発信者情報開示請求|5~50万円程度

投稿者の身元を明らかにするために、サイト運営者やプロバイダに対して行う手続きです。裁判所を通じて行うケースが多く、専門的な対応が必要となります。

【任意請求】
・着手金:0円~
・報酬金:5万円~
【仮処分申立】
・着手金:20万円~
・報酬金:10万円~
【訴訟提起】
・着手金:10万円~
・報酬金:10万円~

開示請求には複数の段階があり、対象となる投稿数やプロバイダの数が増えると追加費用が発生する場合もあります。

投稿者に対する損害賠償請求|10万円~

投稿者を特定した後に、慰謝料や営業上の損害について賠償を求める手続きです。交渉による解決か、裁判による解決かによって費用が異なります。

着手金・報酬金:要見積もり

このように、削除請求は比較的低額から対応可能ですが、発信者情報開示請求や損害賠償請求は裁判を伴うため費用も高くなります。被害の程度や解決したい範囲に応じて、どの手続を選ぶか検討することが重要です。

名誉毀損の刑事事件化(刑事告訴など)にかかる費用

名誉毀損の刑事事件化(刑事告訴など)にかかる費用

名誉毀損行為は、民事上の損害賠償請求だけでなく、刑法に基づく名誉毀損罪として刑事告訴を行うことも可能です。刑事告訴をすることで、加害者に刑罰が科される可能性があるほか、捜査機関を通じて投稿者や発言者の特定を進められるというメリットがあります。

刑事告訴そのものに費用はかかりません。しかし、被害者本人が作成した告訴状では、法的な要件を満たさず受理されないケースも少なくありません。そのため、名誉毀損事件を告訴する際には、弁護士に依頼するのが一般的です。

弁護士費用は事務所によって異なりますが、参考としてグラディアトル法律事務所の費用目安をご紹介します。

・着手金:33万円~
・報酬金:33万円~(告訴が受理された時点で報酬金発生)
・日当・実費:出廷や捜査機関との対応にかかる費用

弁護士に依頼すれば、告訴状の作成や必要な証拠の整理、警察・検察とのやり取りまで一任することができます。その結果、告訴が受理される可能性が高まり、名誉毀損の被害に対して実効的な刑事手続きを進めやすくなるのです。

名誉毀損裁判で裁判費用や弁護士費用は回収できる?

名誉毀損の裁判を検討する際、実際にかかる費用を最終的に取り戻せるのかどうかは重要なポイントです。以下では、裁判費用と弁護士費用がどのように扱われるのかを説明します。

裁判費用は原則として敗訴者負担

民事裁判では、裁判費用(収入印紙代や予納郵券など)は原則として敗訴者が負担する仕組みになっています。

そのため、勝訴した場合には、支払った訴訟費用の大部分を相手方に請求できる可能性があります。もっとも、全額が自動的に戻るわけではなく、判決や和解の内容によっては一部自己負担となることもあります。

弁護士費用は原則として本人負担

弁護士費用は、原則として本人の自己負担となります。これは、裁判自体は弁護士への依頼が必須ではないため、その費用をすべて相手に負担させるのは公平ではない、という考え方に基づいています。

ただし、ネット上での名誉毀損事件では、匿名で投稿した相手方を特定するための発信者情報開示請求という法的手続きが必要になりますので、その際の弁護士費用は、「調査費用」として全部または一部を相手に請求できる可能性があります。また、損害賠償請求の裁判では、認容額の1割程度を弁護士費用相当額として相手に請求することが可能です。

費用回収を見据えた戦略が大切

名誉毀損裁判で発生する費用のうち、裁判所に納める費用は相手方に請求できる可能性が高い一方、弁護士費用は大部分を自分で負担することになります。

そのため、訴訟を起こすかどうかを検討する際には、費用対効果や回収可能性も考慮して戦略を立てることが重要です。弁護士に相談することで、勝訴の見込みや回収できる範囲について具体的なアドバイスを受けられるでしょう。

名誉毀損裁判をお考えの方はグラディアトル法律事務所に相談を

名誉毀損裁判をお考えの方はグラディアトル法律事務所に相談を

名誉毀損の裁判を検討している方にとって、もっとも大きな不安は「本当に勝てるのか」「費用に見合う結果が得られるのか」という点ではないでしょうか。名誉毀損裁判は、証拠の集め方や訴訟の進め方によって結果が大きく変わるため、専門的な知識と経験が不可欠です。

グラディアトル法律事務所は、インターネット上の名誉毀損・風評被害案件を数多く取り扱ってきた実績を有しており、削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求といった一連の手続きをワンストップで対応できるのが強みです。

また、費用についても明確な基準を設けており、依頼者が安心して手続きを進められるようサポート体制が整っています。初回無料相談を通じて、事件の見通しや費用感を確認したうえで依頼できるため、「費用倒れになるのでは」という心配を最小限に抑えることが可能です。

名誉毀損の被害を受けて「投稿を削除したい」「加害者を特定したい」「損害賠償を請求したい」とお考えの方は、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。専門家に依頼することで、迅速かつ的確に権利を守るための一歩を踏み出せるでしょう。

まとめ

名誉毀損裁判には、収入印紙代や郵便切手代、担保金などの裁判費用に加え、弁護士費用も発生します。手続きの種類によって必要な費用や相場は異なり、費用の一部は回収できる可能性があるものの、多くは自己負担となります。そのため、費用対効果や勝訴の見込みを踏まえた判断が欠かせません。

グラディアトル法律事務所は、名誉毀損に関する削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求の実績が豊富です。事前に費用の見通しを含めて丁寧にご説明いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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