結婚詐欺とは?手口と見分け方、対処法を解説|実際の解決事例も紹介

結婚詐欺とは?手口と見分け方、対処法を解説|実際の解決事例も紹介

「結婚を前提に付き合おう」

「将来は一緒に暮らそう」

そんな言葉を信じていた相手が、実はお金をだまし取る目的だったとしたら、とてもショックですよね。

こうしたトラブルは「結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)」と呼ばれています。

昔は婚活パーティーなどで実際に会ってから関係が始まるケースが多くありました。

しかし、最近ではマッチングアプリやSNSで知り合い、会う前からだまされてしまうケースが増えています。

メッセージのやり取りからは、相手は優しくて信頼できる人のように見えることがあります。

しかし、その裏で実は計画的にお金をだまし取ろうとしている場合もあるため、注意が必要です。

本記事では

・結婚詐欺とは何か
・結婚詐欺のよくある手口や見分け方
・結婚詐欺にだまされないための対策
・グラディアトル法律事務所の解決事例

などをわかりやすく解説します。

「もしかして自分もあてはまるかも」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)とは

結婚詐欺とはどのようなものか、まずは基本的な考え方を押さえておきましょう。

ここでは恋愛トラブルとの違いや犯罪として扱われるケースについても解説します。

結婚詐欺の定義

結婚詐欺とは、結婚するつもりがないにもかかわらず、結婚するように見せかけて相手を信用させ、お金や財産をだまし取る行為のことをいいます。

たとえば、「結婚資金が必要」「一緒に住むための費用を貸してほしい」などと言ってお金を受け取り、そのまま連絡が取れなくなるようなケースです。

ポイントは、最初から結婚する意思がないのに、あるように見せかけていることです。

単なる恋愛関係ではなく、「だます目的」があったかどうかが重要になります。

なお、最近ではマッチングアプリやSNSを通じて知り合い、会う前からやり取りを重ねて信用させるケースも増えています。

恋愛トラブルとの違い

結婚詐欺とよく似ているものに、単なる恋愛トラブルがあります。

たとえば、交際中にお金を貸したものの、別れてから返してもらえない場合などです。

このようなケースはトラブルではありますが、必ずしも詐欺になるとは限りません。

両者の違いは、相手に最初からだますつもりがあったかどうかです。

・最初からお金をだまし取る目的だった → 結婚詐欺の可能性あり
・本当に交際していたが結果的に返済されない → 単なるトラブルの可能性

詐欺罪が成立するケース

結婚詐欺は、条件を満たせば刑法の「詐欺罪」として処罰される可能性があります。

詐欺罪が成立するためには、次のような要素が必要です。

・相手をだます行為があること
・その結果として相手が信じてしまうこと
・信じたことによってお金や財産を渡してしまうこと
・相手に騙す意思があったこと

たとえば、「結婚するつもりだ」とウソをつき、お金を引き出す目的で交際していた場合には、詐欺罪が成立する可能性があります。

しかし、実際の事件では「本当に結婚するつもりだったのかどうか」が争われることが多く、証明が難しいケースも少なくありません。

結婚詐欺の典型的な手口【時系列で解説】

結婚詐欺は、いきなりお金をだまし取るのではなく、段階を踏んで進んでいくことが多いです。

ここでは、よくある結婚詐欺の手口を時系列に沿って見ていきましょう。

結婚詐欺の典型的な手口【時系列で解説】

出会い(マッチングアプリ・SNS)

最近の結婚詐欺は、マッチングアプリやSNSでの出会いから始まることがほとんどです。

プロフィールには、「医師」「会社経営者」「海外勤務」など、魅力的な肩書きが書かれていることが多くあります。

また、写真も、見た目が良く信頼できそうなものが使われています。

やり取りが始まると、すぐに丁寧で優しいメッセージが送られてきて、「この人はいい人だな」と思わせるのが特徴です。

信頼関係の構築(毎日の連絡・好意の演出)

やり取りが始まると、相手は毎日のように連絡をしてきます。

「おはよう」「仕事おつかれさま」など、日常的なメッセージを送り続けることで、距離を一気に縮めてきます。

また、「会いたい」「大切にしたい」など、好意を強く伝えてくることも多いです。

このようにして、短い期間で「信頼できる相手」「特別な存在」と思わせていきます。

結婚の約束(将来の話・親紹介の示唆)

関係が深まると、相手は結婚を意識させる話をしてきます。

「将来は一緒に住もう」「親にも紹介したい」など、具体的な話を出してくるため、本気で考えているように見えます。

中には、結婚式や新生活の話まで持ち出すケースもあります。

こうした言葉によって、「この人となら将来がある」と信じ込んでしまいやすくなります。

金銭要求(病気・投資・借金など)

十分に信頼関係ができたタイミングで、お金の話が出てきます。

理由としては、次のようなものがよくあります。

・急な病気やケガでお金が必要
・投資で一時的に資金が足りない
・借金の返済が必要
・結婚の準備にお金がいる

「すぐ返す」「結婚したら一緒に返そう」などと言われるため、ついお金を渡してしまう人も少なくありません。

突然の失踪

お金を受け取ったあと、相手と連絡が取れなくなるケースが多いです。

電話がつながらなくなり、メッセージも既読がつかなくなります。

また、SNSやアプリのアカウント自体が消えてしまうこともあります。

この時点で、はじめて「だまされたかもしれない」と気づくことが多いです。

結婚詐欺師の特徴

結婚詐欺をする人には、いくつか共通した特徴があります。

結婚詐欺師に騙されないようにするためにも、よくある特徴を覚えておきましょう。

結婚詐欺師の特徴

ハイスペックを装う(医師・経営者など)

結婚詐欺師は、自分をよく見せるために、魅力的な職業や経歴を名乗ることが多いです。

たとえば、「医師」「会社経営者」「外資系企業勤務」など、収入が高そうで信頼できそうな肩書きを使います。

また、「海外出張が多い」「忙しくてなかなか会えない」といった設定をつくることもあります。

こうした話を信じてしまうと、「この人なら将来も安心できそう」と思いやすくなります。

身元を明かさない・会えない理由が多い

結婚詐欺師は、自分の本当の情報を知られないようにします。

・自宅や職場を教えない
・身分証を見せない
・電話やビデオ通話を避ける

さらに、「仕事が忙しい」「海外にいる」などの理由をつけて、なかなか会えないことも多いです。

不自然に感じても、もっともらしい理由を説明されると、納得してしまうことがあります。

交際初期から結婚をほのめかす

出会って間もないのに、結婚の話をしてくるのも特徴のひとつです。

「こんなに気が合う人は初めて」
「早く一緒に暮らしたい」

など、強い言葉で気持ちを伝えてきます。

普通の恋愛よりも、関係が進むスピードがとても早いのが特徴です。

相手を安心させることで、警戒心を下げるねらいがあります。

お金の話を切り出すタイミングが早い

信頼関係ができてきた頃に、お金の話をしてくるのもよくあるパターンです。

「少しだけ助けてほしい」
「すぐに返すから大丈夫」

といった言い方で、お金を求めてきます。

最初は少額でも、だんだん金額が大きくなることもあります。

本当に困っているように見えるため、信頼関係ができてきた段階だと断りにくくなってしまう人も多いです。

結婚詐欺に遭いやすい人の特徴

結婚詐欺は、誰でも被害に遭う可能性があります。

しかし、その中でも以下のような特徴がある方は被害に遭いやすい傾向があります。

このような特徴に複数あてはまる方は、婚活において特に注意が必要です。

結婚願望が強い

「早く結婚したい」
「そろそろ家庭を持ちたい」

と強く思っている人は、結婚詐欺のターゲットになりやすいです。

結婚を意識していると、「結婚したい」という言葉をかけられたときに、相手を信じやすくなってしまいます。

また、ハイスペックな条件の人から言い寄られると、「このチャンスを逃したくない」と思い、多少怪しいと思う言動があっても気づかないふりをしてしまいます。

孤独や不安を抱えている

「ひとりでさみしい」
「誰かに支えてほしい」

と感じていると、優しくしてくれる相手に心を開きやすくなります。

結婚詐欺師は、こうした気持ちを見抜いて、やさしい言葉や態度で近づいてきます。

その結果、「この人しかいない」と思い込んでしまうのです。

相手を信じやすい

人を疑うのが苦手で、「相手はきっと本当のことを言っている」と思いやすい人も注意が必要です。

もちろん、人を信じることは大切ですが、すべてをうのみにしてしまうと、だまされるリスクが高くなります。

特に、お金の話が出てきたときは、いったん立ち止まって考えることが重要です。

恋愛経験が少ない

恋愛経験があまりない人は、相手の言動が普通かどうかを判断するのがむずかしいことがあります。

たとえば、出会ってすぐに結婚の話をされても、「こんなものなのかな」と思ってしまうことがあります。

その結果、不自然な点に気づきにくくなってしまいます。

【要注意】結婚詐欺の見分け方チェックリスト

結婚詐欺は、あとから「おかしいところがあった」と気づくことが多いです。

次のチェックリストで、当てはまるものがないか確認してみましょう。

  • ⬜︎ 出会ってすぐに結婚の話をしてくる
  • ⬜︎ 「運命だ」「すぐに一緒に暮らしたい」など、関係の進みが早すぎる
  • ⬜︎ 家族や友人に会わせてくれない
  • ⬜︎ 自宅や職場など、くわしい情報を教えてくれない
  • ⬜︎ 仕事や収入の話があいまい、または話がコロコロ変わる
  • ⬜︎ 「海外勤務」「忙しい」などの理由でなかなか会えない
  • ⬜︎ 電話やビデオ通話を避けることが多い
  • ⬜︎ SNSや連絡手段が限られている(特定のアプリだけなど)
  • ⬜︎ 急なトラブル(病気・借金・投資など)でお金が必要だと言ってくる
  • ⬜︎ 「すぐ返す」「結婚したら一緒に返そう」と言ってお金を求めてくる
  • ⬜︎ お金を渡したあと、さらに追加でお金を求めてくる
  • ⬜︎ お金の話を断ると態度が変わる、または不機嫌になる

いくつも当てはまる場合は、結婚詐欺の可能性があります。少しでも不安を感じたら、ひとりで判断せず、家族や友人、専門家に相談することが大切です。

結婚詐欺の手口に騙されないための対策

結婚詐欺は、事前にいくつかのポイントを押さえておくことで被害を防ぐことができます。

ここでは、結婚詐欺の手口に騙されないための重要なポイントを紹介します。

結婚詐欺の手口に騙されないための対策

身元確認を徹底する

相手のことをよく知らないまま関係を深めるのは危険です。

・運転免許証などの身分証を確認する
・名刺や勤務先の情報をチェックする
・自宅や職場の話に不自然な点がないか確認する

たとえば、「○○社」に勤めているという話が出たときは、「あの辺りだと、○○という店がおいしいよね」などと探りを入れてみるのも効果的です。

うまく話題に乗ってこれないようなら嘘をついている可能性が高いでしょう。

このような身元確認を徹底することで、ほとんどの結婚詐欺の被害は防げます。

金銭の貸し借りをしない

結婚詐欺師の目的は、お金を騙し取ることです。

そのため、金銭の貸し借りや贈与をしないという対策で、被害を防ぐことができます。

なぜなら、結婚詐欺師もお金をとれない相手とやり取りを続けるのは無駄だと感じるからです。

相手から頼まれると断りづらいと感じる方も多いかもしれません。

しかし、少額だからと言ってお金を渡してしまうと、どんどん金額が大きくなっていきます。

それを防ぐには最初の1回を断る勇気を持つことが重要です。

冷静に第三者へ相談する

恋愛関係の中では、相手のことを信じたい気持ちが強くなり、冷静な判断がむずかしくなります。

そのため、少しでも不安を感じたら、家族や友人など第三者に相談するようにしてください。

自分では気づかなかった不自然な点を、客観的に指摘してもらえるはずです。

特に、次のような場合は必ず誰かに相談しましょう。

・お金の話が出てきたとき
・結婚の話が急に進んだとき
・相手の情報にあいまいな点があるとき

家族や友人に相談するのが恥ずかしいなら、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

違和感を見逃さない

結婚詐欺では、小さな違和感がいくつも積み重なっていることが多いです。

たとえば、

・話の内容に一貫性がない
・都合の悪い質問には答えない
・会う約束を何度も先延ばしにする

こうした点があっても、「たまたまだろう」と流してしまうと危険です。

「なんとなくおかしい」と感じたときは、その感覚を大切にしてください。

一度立ち止まって考えることで、被害を防げることもあります。

結婚詐欺に引っかかっているかも?と思った場合の対応

「もしかしてだまされているかもしれない」と感じたときは、以下のような行動をとるようにしましょう。

証拠(LINE・振込履歴)の保存

結婚詐欺を理由に返金や慰謝料を請求するには、だまされたことを証明する証拠が必要になります。

そのため、まずは以下のような証拠を残すようにしてください。

・LINEやメールのやり取り
・SNSのメッセージ
・振込の記録や明細
・相手のプロフィール画面

相手とのやり取りや記録は「すべて消してしまいたい」と思うかもしれません。

しかし、証拠がなければなにもできません。

そのため、証拠は消さずに保存しておきましょう。

これ以上お金を渡さない

すでにお金を渡してしまっている場合でも、これ以上は絶対に渡さないようにしてください。

相手は、「もう少しで解決する」「これが最後だから」などと言って、さらにお金を求めてくることがあります。

しかし、これに応じてしまうと被害がさらに大きくなってしまいます。

どんな理由を言われても、きっぱり断ることが大切です。

警察・弁護士への相談

結婚詐欺の可能性がある場合は、早めに警察や弁護士に相談しましょう。

警察に相談することで、事件として対応してもらえる可能性があります。

また、弁護士に相談すれば、お金を取り戻すための方法や今後の対応についてアドバイスを受けることができます。

「まだ確信がないから相談しづらい」と思う方もいます。

しかし、少しでも不安があれば弁護士に相談して問題ありません。

相手との接触を断つ

相手とのやり取りは、できるだけ早くやめることが大切です。

連絡を取り続けると、言葉巧みに説得されて、再びお金を渡してしまう可能性があります。

また、「だまされているかもしれない」という状態で連絡を取り続けるのは、精神的にも大きな負担になります。

連絡先をブロックするなどして、きっぱりと関係を断ちましょう。

結婚詐欺の被害金は取り戻せる?

結婚詐欺でだまし取られたお金を取り戻すのは、法的には可能です。

しかし、実際には回収困難なケースも少なくありません。

だからといってすぐにあきらめてしまうのではなく、回収可能かどうかの判断も含めて一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

法的には返金請求可能だが実際には困難なケースもある

結婚詐欺でお金をだまし取られた場合、法律上は返してもらうよう請求することができます。

たとえば、

・だまされたことを理由に返金を求める
・貸したお金として返してもらうよう求める

といった方法があります。

しかし、実際には相手と連絡が取れなくなっていたり、所在がわからなかったりすることも多く、スムーズに返金されないケースがあります。

回収が難しい理由(身元不明・証拠不足)

結婚詐欺の被害金が回収しにくい理由には、次のようなものがあります。

・相手の本名や住所がわからない
・連絡が取れず、居場所も不明
・証拠となるやり取りが残っていない
・相手にお金が残っていない

結婚詐欺師は、最初から逃げることを考えて行動しています。

そのため、相手の身元を特定できないケースも少なくありません。

また、不利な証拠を残していないことも多いため、証拠不足により請求がむずかしいケースもあります。

返金できる可能性があるケース

結婚詐欺の返金が難しいケースがあるのは事実です。

しかし、だからといって返金を諦めた方がよいというわけではありません。

実際にグラディアトル法律事務所では、結婚詐欺の事案で1000万円の返金に成功した事例もあります。

つまり、適切な方法をとれば返金できる可能性があるということです。

特に、以下のようなケースであれば返金できる可能性があります。

「だまされているかもしれない」と感じたときはすぐに弁護士に相談することをおすすめします。

・相手の本名や住所がわかっている
・振込先の口座など、相手の情報がある程度わかる
・LINEやメールなどのやり取りがしっかり残っている

結婚詐欺の(婚活詐欺・恋愛詐欺)逮捕事例

ここでは、結婚詐欺での逮捕事例について、実際のニュースをもとに紹介します。

「結婚を前提に同棲しよう」女性をだまし金を振り込ませる 千葉県の男を逮捕
マッチングアプリで知り合った女性に対し、結婚を前提とした同棲を持ちかけ、現金をだまし取ったとして、千葉県の27歳の男が詐欺の疑いで逮捕されました。
逮捕された男は、2024年9月下旬ごろ、山形県鶴岡市に住む20代の女性から現金90万円をだまし取った疑いがもたれています。
男はマッチングアプリで女性と知り合い、LINEでやり取りを続ける中で好意を持たせたうえで、「結婚を前提に同棲しよう」「一緒に住む家を契約するため、頭金を振り込んでほしい」などとうそを言い、お金を振り込ませていました。
このような手口は、「SNS型ロマンス詐欺」と呼ばれるものです。男は容疑を認めており、警察は余罪についても調べを進めています。
(出典:TUYテレビユー山形 2025年4月29日)https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuy/1884617?display=1

この事件では、相手に結婚や同棲をイメージさせて信じ込ませたうえで、お金を振り込ませています。

実際にはそのような意思がなかったと考えられるため、「だます行為」があったと判断されています。

また、マッチングアプリやLINEでのやり取りだけで信頼関係を築き、お金をだまし取っている点も特徴です。

最近はこのように、会う前からだまされてしまうケースが増えています。

結婚詐欺はこのように実際に逮捕されることもある重大な犯罪です。

少しでも不自然に感じる点があれば、早めに専門家に相談することが大切です。

結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)の判例

ここでは、結婚詐欺師が詐欺罪として起訴され有罪になった刑事事件の裁判例と結婚詐欺師に対する損害賠償請求が認められた民事事件の裁判例を紹介します。

結婚詐欺の刑事事件の判例|仙台地裁平成30年1月24日判決)

この事件は、既婚者である結婚詐欺師が、婚活パーティー等で知り合った女性8名に対して、既婚者であることを隠して、航空会社従業員を装うなどして、合計3500万円余を騙し取った事件です。

被告人は有罪となり、詐欺罪で懲役7年の実刑判決となっております。

【主文】被告人を懲役7年に処する。未決勾留日数中470日をその刑に算入する。
【量刑の理由】本件は、被告人が、8名の女性に対し、いわゆる結婚詐欺を行い、合計3500万円余りをだまし取ったという事案である。
被告人は、婚活パーティー等で知り合った女性と交際し、マンションの購入等をしなければ交際継続等が難しくなるなどと言葉巧みにだまして金銭の交付を受けたもので、犯行態様は巧妙である。
被告人は、多数の女性を繰り返しだましていたもので、常習性が高いことも明らかである。
被害金額の合計が高額であることはいうまでもない。
被害者4名について合計約210万5000円が、返済又は取り立てがされていること(Aについて約5万円、Bについて102万5000円、Cについて51万円、Gについて52万円)が認められるが、それ以外については、弁償されておらず、その見込みもない。
被害女性らは、多大な精神的苦痛も被っており、被告人に対する厳罰を望むのも理解できる。
以上によれば、本件は、詐欺の事案の中でも相当に重い部類に属する。
また、被告人は、Hに対しては一応反省の態度を示すものの、その他の被害者に対しては、だましていない旨述べており、真摯な反省の態度はみられない。
そうすると、被告人には、罰金前科があるにとどまることなどの事情を踏まえても、被告人に対しては、主文の刑に処するのが相当と判断した。

結婚詐欺の民事事件の判例|東京地裁平成28年11月30日判決

事案の概要

この事件では、婚活パーティで知り合った女性が、交際相手の男性から結婚するように見せかけられ、お金をだまし取られたとして損害賠償を求めました。

男性は既婚者であることを隠したまま、女性に対して「結婚したい」などと伝え、交際を続けていました。

女性はこれを信じ、結婚を前提に関係を深める中で、

・株式購入の名目で約170万円
・事業資金の名目で約80万円

を支払いました。

さらに、結婚を見据えて仕事を辞めて引っ越しまでしていました。

裁判所の判断

裁判所は、男性について、最初から結婚する意思がなかったにもかかわらず、結婚するように見せかけて女性を信じ込ませたと認定しました。

そして、女性がその言葉を信じた結果、お金を支払ってしまったことから、男性の行為は「不法行為」にあたると判断しています。

その結果、裁判所は、

・だまし取られたお金(約250万円)
・精神的苦痛に対する慰謝料(80万円)

を合わせて、約330万円の支払いを命じました。

ポイント

この判例のポイントは、次のとおりです。

・結婚する意思がないのに、それを装った点が重く評価されている
・お金だけでなく、精神的苦痛についても慰謝料が認められている
・仕事を辞める、引っ越すなど、人生への影響も考慮されている

このように、結婚詐欺は単なる恋愛トラブルではなく、損害賠償の対象となる重大な問題であることがわかります。

【解決事例】結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)の手口がわかる実際の3つの事例を紹介

ここでは、実際によくある結婚詐欺の流れがわかるグラディアトル法律事務所の3つの解決事例を紹介します。

どのようにだまされてしまうのか、イメージしながら見てみましょう。

結婚詐欺で慰謝料350万円+約1000万円の返金に成功した事例

結婚詐欺で慰謝料350万円+約1000万円の返金に成功した事例

【事案の概要】

Xさん(35歳)は、婚活パーティーで出会ったY氏から、「結婚を前提に付き合ってほしい」と言われ、1年ほど付き合いました。

その期間、Y氏は余命1か月で病院代がかかる、お金を用立ててほしいとのことで、1000万円近く貸すことに。お金を渡してから、急に連絡の頻度が落ちます。

もしかしたら結婚詐欺にあったかも…?とのことで、弊所にご相談に来ました。

【結果】

約1000万円の返金と別に350万円の慰謝料を勝ち取ることに成功!

【増額ポイント】

・弊所で調査した結果、既婚者(妻子持ち)であることが判明し、これを秘していた
・「結婚を前提に」交際を申し込んだり、「結婚したら返す」と告げたりして多額の金銭を要求

婚約破棄により慰謝料100万円を得ることができた事例

婚約破棄により慰謝料100万円を得ることができた事例

【事案の概要】

Xさんは、Y氏と交際期間1年間、Y氏から婚約指輪をもらい、両家のあいさつも済ませ、式場の見学もしていました。

ところが、同棲半年後、Xの妊娠がわかり、Y氏から婚姻届けにサインするのを断られたため、なくなくXさんは妊娠中絶をしました。

婚約破棄をされた…とのことで、弊所にご相談に来ました。

【結果】

100万円の慰謝料を勝ち取ることに成功!

【増額ポイント】

・相手との子を妊娠、中絶
・式場の見学をしていた
・婚約指輪をもらっていた
・両家のあいさつも済んでいた

既婚者と知らず交際したケースで慰謝料250万円を得た事例(貞操権侵害)

既婚者と知らず交際したケースで慰謝料250万円を得た事例(貞操権侵害)

【事案の概要】

Xさんは、出会い系アプリで出会ったY氏と半年交際し、Y氏との子どもを授かり、妊娠報告をすると、Y氏はまったく喜ばず…そのとき、Y氏から既婚者であると告げられたとのことで、弊所に相談に来られました。

【結果】

Y氏との任意交渉の結果、中絶費用(30万円)とは別に250万円を支払ってもらうことに成功!

【増額ポイント】

・既婚者ということを隠していた
・相手との子供を妊娠、中絶
・「結婚したいね」と告げられていた
・既婚者にもかかわらず出会い系アプリをしていた

結婚詐欺の被害に遭ったかも?と思ったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

結婚詐欺の被害に遭ったかも?と思ったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

結婚詐欺は、早く気づいて対応することで、被害の拡大を防げる可能性があります。

「もしかしてだまされているかもしれない」と感じた時点で、一人で悩まず、できるだけ早く専門家に相談することが大切です。

グラディアトル法律事務所では、これまで多くの結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)に関する相談や解決実績があります。

マッチングアプリやSNSを利用した最新の手口にも対応しており、被害の状況に応じた適切なアドバイスとサポートが可能です。

また、証拠の集め方や今後の対応方針についても、わかりやすく丁寧にご説明いたしますので、初めての方でも安心してご相談いただけます。

「まだ被害かどうかわからない」という段階でも問題ありません。

結婚詐欺の被害に遭ったかもしれないと感じたときは早めに当事務所までご相談ください。

少しでも不安を感じたら、できるだけ早くご相談ください。

まとめ

結婚詐欺とは、結婚する意思がないのにそれを装い、お金をだまし取る悪質な行為です。

最近ではマッチングアプリやSNSを使い、会う前から信頼関係を築いてだます手口も増えています。

「すぐに結婚の話をする」「お金を求めてくる」などの特徴に気づくことが、被害を防ぐポイントです。

また、少しでも違和感を覚えた場合は、その感覚を大切にし、相手を疑ってみることが重要です。

万が一、被害にあった場合でも、早めに証拠を集めて専門家に相談することで、被害回復につながる可能性があります。

一人で抱え込まず、早めにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTiktokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。