残業代の計算方法を4ステップで解説|計算例や実際の解決事例も紹介

残業代の計算方法を4ステップで解説|計算例や実際の解決事例も紹介

「毎月残業しているけれど、会社から支払われている残業代が本当に合っているのか分からない」
「自分で残業代を計算して、未払いがないか確認したい」
「残業代を請求したいが、いくら請求できるのか知りたい」


このようなお悩みをお持ちではありませんか。

残業代は、「1時間あたりの基礎賃金 × 残業時間 × 割増率」という計算式で求められるため、基本的なルールを理解すれば自分でも計算できます。

ただし、残業代の計算には、基礎賃金に含める賃金・含めない賃金や、法定休日と所定休日の違い、深夜労働や月60時間を超える時間外労働の割増率など、押さえておくべきルールが数多くあります。

そのため、正確な残業代を計算するためには、こうしたポイントを理解することが大切です。

グラディアトル法律事務所では、これまで数多くの未払い残業代請求を取り扱い、数百万円規模の残業代を回収した実績があります。

給与明細や勤怠記録をもとに残業代を正確に計算し、会社との交渉から労働審判・訴訟まで一貫してサポートしますので、まずは当事務所までお気軽にご相談ください。

本記事では、残業代の計算方法を4つのステップで分かりやすく解説するとともに、具体的な計算例や間違えやすいポイント、特殊な勤務形態における計算方法まで詳しく紹介します。

未払い残業代がないか確認したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

【結論】残業代は自分でも計算できる

残業代計算は、一見すると複雑そうに思えるかもしれません。

しかし、必要な情報をそろえ、計算方法を理解すれば自分でも計算できます。

残業代の計算に必要なのは、「1時間あたりの基礎賃金」「残業時間」「割増率」の3つです。

これらを順番に確認していけば、自分の残業代が適正に支払われているか、おおよその金額を把握できます。

ここでは、残業代の基本的な計算式や計算に必要な要素、事前に準備しておくものについて解説します。

残業代の計算式

残業代は、次の計算式で求められます。

残業代=1時間あたりの基礎賃金 × 残業時間 × 割増率

たとえば、

・1時間あたりの基礎賃金:2,000円
・法定時間外労働:20時間
・割増率:25%

の場合は、

2000円 × 20時間 × 1.25=5万円

となります。

一見するとシンプルな計算式ですが、「1時間あたりの基礎賃金」や「割増率」の求め方には細かなルールがあります。

そのため、まずは計算に必要な要素を正しく理解することが大切です。

残業代を計算するために必要な3つの要素

残業代を計算するために必要な3つの要素

残業代を計算するには、

・1時間あたりの基礎賃金
・残業時間
・割増率

という3つの要素が必要です。

【1時間あたりの基礎賃金】

基礎賃金とは、残業代を計算する基準となる1時間あたりの賃金です。

月給制の場合は、基本給だけでなく各種手当も含めて計算するのが原則ですが、家族手当や通勤手当など、法律上は基礎賃金に含めない手当もあります。

また、月給をそのまま労働時間で割るのではなく、「月平均所定労働時間」で割って算出します。

【残業時間】

次に確認するのが残業時間です。

残業には、

・法定時間外労働
・深夜労働
・法定休日労働

などの種類があり、どの残業に当たるかによって適用される割増率が変わります。

そのため、単純に「何時間残業したか」だけではなく、どの種類の残業なのかを整理することが重要です。

【割増率】

残業代は、通常の賃金に一定の割増率を掛けて計算します。

代表的な割増率は以下のとおりです。

労働の種類割増率
法定時間外労働25%以上
月60時間を超える時間外労働50%以上
深夜労働(22時~5時)25%以上
法定休日労働35%以上

時間外労働と深夜労働が重なるなど、複数の割増率が加算されるケースもあります。

関連コラム:残業代の割増率と計算方法|モデルケースで金額をシミュレーション

計算前に準備しておくもの

残業代を正確に計算するためには、次の資料を準備しておくとスムーズです。

・給与明細・雇用契約書
・労働条件通知書・就業規則
・賃金規程・タイムカードや勤怠システムの記録
・シフト表・業務日報やメール、チャットの送信履歴など勤務時間がわかる資料

特に、給与明細には基本給や各種手当、勤怠記録には実際の労働時間が記載されているため、残業代を計算するうえで重要な証拠になります。

必要な資料がそろったら、次章で紹介する4つのステップに沿って、実際に残業代を計算していきましょう。

残業代の計算方法を4ステップで解説

残業代の計算方法を4ステップで解説

残業代の計算に必要な「基礎賃金」「残業時間」「割増率」の3つの要素を理解したところで、実際に残業代を計算してみましょう。

ここでは、初めての方でも迷わないよう、4つのステップに分けて計算方法を解説します。

STEP1|1時間あたりの基礎賃金を計算する
STEP2|残業時間を整理する
STEP3|割増率を確認する
STEP4|残業代を計算する

STEP1|1時間あたりの基礎賃金を計算する

最初に、残業代の計算の基準となる「1時間あたりの基礎賃金」を計算します。

月給制の場合は、次の計算式で求めるのが一般的です。

1時間あたりの基礎賃金=基礎賃金 ÷ 月平均所定労働時間

【月平均所定労働時間の計算方法】

月平均所定労働時間とは、会社が定める1年間の所定労働時間を12か月で割った時間です。

たとえば、

・年間休日:120日
・1日の所定労働時間:8時間

の場合は、

(365日-120日)×8時間÷12か月=約163.3時間

となります。

会社によって年間休日数や所定労働時間は異なるため、必ず自分の会社の就業規則や雇用契約書を確認しましょう。

【基礎賃金に含める賃金・含めない賃金】

基礎賃金には、基本給だけでなく一部の手当も含まれます。一方で、労働基準法では、一定の手当は基礎賃金から除外すると定められています。

基礎賃金に含めるもの基礎賃金に含めないもの
基本給通勤手当
役職手当家族手当※
職務手当住宅手当※
資格手当別居手当
地域手当子女教育手当
精皆勤手当臨時に支払われた賃金(結婚祝金など)
能率手当・業績手当(毎月固定的に支給されるもの)1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

※家族手当・住宅手当は、扶養家族の人数や家賃などに応じて支給される場合は原則として基礎賃金に含まれません。一方で、一律に支給される場合などは基礎賃金に含まれることがあります。

手当の名称だけで判断できるわけではないため、給与明細だけでなく、就業規則や賃金規程で支給条件を確認することが大切です。

基礎賃金を誤って計算すると、その後に計算する残業代もすべて誤ってしまうため、最初のステップで正確に確認しておきましょう。

STEP2|残業時間を整理する

次に、残業時間を種類ごとに整理します。

残業代の割増率は、どのような残業をしたかによって異なるためです。

代表的な残業の種類は次のとおりです。

法定内残業
法定時間外労働
深夜労働
法定休日労働

【法定内残業】

会社が定めた所定労働時間を超えたものの、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えていない労働です。

法律上の割増賃金は不要ですが、就業規則で支払うと定めている会社もあります。

【法定時間外労働】

1日8時間または週40時間を超えて働いた時間です。

原則として25%以上の割増賃金が必要になります。

【深夜労働】

午後10時から午前5時までの労働です。

時間外労働かどうかにかかわらず、25%以上の深夜割増が発生します。

【法定休日労働】

法律で定められた週1日の法定休日に働いた場合です。

35%以上の割増賃金が必要になります。

なお、会社には、「法定休日」と「所定休日」があります。

法定休日:労働基準法で会社に付与が義務付けられている休日
所定休日:会社が独自に定める休日(土曜日や祝日など)

所定休日に働いたからといって、必ず35%の休日割増が適用されるわけではありません。

法定休日か所定休日かによって適用される割増率が変わるため、就業規則などで確認しておきましょう。

STEP3|割増率を確認する

残業時間を整理したら、それぞれに適用される割増率を確認します。

主な割増率は次のとおりです。

労働の種類割増率
法定時間外労働25%以上
月60時間を超える時間外労働50%以上
深夜労働(22時~5時)25%以上
法定休日労働35%以上

なお、複数の条件に該当する場合は割増率が加算されます。

たとえば、

・時間外労働+深夜労働=50%以上
・月60時間超の時間外労働+深夜労働=75%以上
・法定休日労働+深夜労働=60%以上

となります。

STEP4|残業代を計算する

最後に、これまで整理した内容を計算式に当てはめます。

たとえば、

・基礎賃金:2,000円
・法定時間外労働:20時間
・割増率:25%

の場合は、

2000円×20時間×1.25=5万円

が残業代になります。

実際には、時間外労働、深夜労働、休日労働が混在していることも少なくありません。

その場合は、それぞれの時間ごとに割増率を適用して計算します。

次章では、営業職やITエンジニアなどを例に、実際の残業代がどのように計算されるのかを具体的なモデルケースで紹介します。

モデルケースでわかる残業代の計算例

ここまで解説した計算方法を踏まえて、実際に残業代を計算してみましょう。

ここでは、営業職やITエンジニア、飲食店スタッフ、介護職・看護師を例に、残業代がどのように計算されるのかを紹介します。

※計算を分かりやすくするため、1時間あたりの基礎賃金は分かりやすい数字に設定しています。また、実際の残業代は、給与や勤務形態によって異なります。

営業職|月給30万円・毎月20時間残業した場合

営業職|月給30万円・毎月20時間残業した場合

【モデルケース】

営業職として働くAさん(30代)は、基本給や各種手当を含めた月給30万円で働いています。

定時は18時ですが、顧客対応や資料作成のため毎日1時間程度残業しており、毎月の法定時間外労働は約20時間です。

給与明細には残業代が支払われていますが、「この金額で本当に合っているのだろうか」と疑問に思い、自分で計算してみることにしました。

【条件】

1時間あたりの基礎賃金:1900円
法定時間外労働:20時間
割増率:25%

【計算式】

1900円 × 20時間 × 1.25=4万7500円

このケースでは、毎月の残業代は4万7500円となります。

【弁護士によるポイント解説】

営業職では、会社が「営業手当」を支給していることがあります。

しかし、その手当が固定残業代に当たるのか、単なる営業手当なのかによって残業代の計算方法は変わります。

給与明細に営業手当が記載されている場合は、支給目的も確認しましょう。

関連コラム:営業職でも残業代は支払われる!よくある会社側の違法な手口を解説

ITエンジニア|月70時間残業した場合(60時間超あり)

ITエンジニア|月70時間残業した場合(60時間超あり)

【モデルケース】

IT企業でシステム開発を担当するBさん(20代)は、プロジェクトの納期が近づき、1か月で70時間の時間外労働をしました。

会社から残業代は支払われていますが、「60時間を超えた残業は割増率が高くなる」と聞き、本当に正しく計算されているのか確認したいと考えています。

【条件】

1時間あたりの基礎賃金:2500円
法定時間外労働:70時間

【計算】

60時間まで
2500円 × 60時間 × 1.25=18万7500円
60時間超
2500円 × 10時間 × 1.50=3万7500円

合計22万5000円

【弁護士によるポイント解説】

中小企業でも、現在は月60時間を超える時間外労働には50%以上の割増率が適用されます。

会社がすべて25%で計算している場合は、未払い残業代が発生している可能性がありますので、早めに弁護士に相談しましょう。

関連コラム:SEが残業代請求する際の4つのポイントをモデルケースで弁護士が解説

飲食店スタッフ|深夜勤務が多い場合

飲食店スタッフ|深夜勤務が多い場合

【モデルケース】

飲食店でホールスタッフとして働くCさん(20代)は、夕方から深夜までのシフトで勤務しています。

閉店後の片付けまで担当することが多く、午後10時以降も働く日が続いています。

給与明細には残業代が支払われていますが、深夜勤務の割増賃金が正しく計算されているのか気になり、自分で確認することにしました。

【条件】

1時間あたりの基礎賃金:1800円
午後10時以降の時間外労働:10時間
割増率:50%(時間外25%+深夜25%)

【計算式】

1800円 × 10時間 × 1.50=2万7000円

このケースでは、深夜の時間外労働に対する残業代は2万7000円となります。

【弁護士によるポイント解説】

午後10時から午前5時までの労働には、深夜割増(25%)が適用されます。

さらに、法定時間外労働にも該当する場合は、時間外割増と深夜割増の両方が加算されます。

飲食業やサービス業では、この深夜割増が適切に支払われていないケースも少なくありませんので、一度確認してみるとよいでしょう。

関連コラム:飲食店でも残業代は請求できる|店長・固定残業代の問題と計算方法

介護職・看護師|休日出勤した場合

介護職・看護師|休日出勤した場合

【モデルケース】

介護施設で働くDさん(40代)は、人手不足のため、急きょ休日出勤を依頼されることが増えています。

ある月には、法定休日に8時間勤務しましたが、通常の時給とほとんど変わらない金額しか支払われていませんでした。

「休日出勤には割増賃金があるはず」と思い、残業代を計算してみることにしました。

【条件】

1時間あたりの基礎賃金:2000円
法定休日労働:8時間
割増率:35%

【計算式】

2000円 × 8時間 × 1.35=2万1600円

このケースでは、法定休日に勤務したことによる残業代は2万1600円となります。

【弁護士によるポイント】

休日出勤だからといって、すべて35%の割増率が適用されるわけではありません。

35%以上の休日割増が必要なのは、労働基準法上の「法定休日」に勤務した場合です。

所定休日に勤務した場合は、勤務時間によって時間外労働として25%以上の割増率が適用されることもあります。

まずは、その日が法定休日なのか所定休日なのかを確認することが重要です。

関連コラム:介護職の未払い残業代は請求できる?残業になる業務と解決事例を解説

残業代計算で間違えやすい5つのポイント

残業代は計算式自体はシンプルですが、基礎賃金や残業時間、割増率の考え方を誤ると、実際の金額と大きな差が生じることがあります。

ここでは、残業代を計算する際によくある間違いを5つ紹介します。

残業代計算で間違えやすい5つのポイント

給与明細の総支給額をそのまま使ってしまう

残業代は、給与明細の総支給額を基準に計算するものではありません。

残業代の計算に使うのは「基礎賃金」です。

たとえば、総支給額に含まれる通勤手当や家族手当などは、原則として基礎賃金には含まれません。

一方で、役職手当や職務手当などは基礎賃金に含まれることがあります。

総支給額をそのまま使うと、本来より多く計算したり少なく計算したりする原因になるため注意が必要です。

法定休日と所定休日を混同する

休日出勤をしたからといって、必ず35%以上の休日割増が適用されるわけではありません。

35%以上の割増賃金が必要なのは、労働基準法上の「法定休日」に働いた場合です。

一方、会社が独自に定めた「所定休日」に勤務した場合は、法定労働時間を超えた部分について時間外労働として25%以上の割増率が適用されるケースがあります。

休日の種類によって計算方法が変わるため、就業規則などで法定休日を確認しておきましょう。

深夜割増を忘れる

午後10時から午前5時まで働いた場合は、深夜割増(25%以上)が適用されます。

さらに、その時間帯が法定時間外労働にも該当する場合は、時間外割増と深夜割増が重なり、割増率は50%以上になります。

飲食業や医療・介護、運送業など、夜勤や深夜勤務がある職場では特に見落としやすいポイントです。

月平均所定労働時間を間違える

月給制の場合、1時間あたりの基礎賃金は「月平均所定労働時間」で計算します。

そのため、単純に「1か月=160時間」などと決めつけてしまうと、正しい金額にならない可能性があります。

年間休日数や1日の所定労働時間は会社ごとに異なるため、就業規則や雇用契約書を確認し、実際の月平均所定労働時間を使用しましょう。

残業時間を正しく把握できていない

正しい残業代を計算するためには、残業時間を正確に把握することも重要です。

タイムカードや勤怠システムだけでなく、パソコンのログイン・ログアウト履歴、メールやチャットの送信履歴、業務日報なども勤務時間を裏付ける証拠になります。

会社の勤怠記録だけでは実際の労働時間が反映されていないケースもあるため、未払い残業代を請求する場合は、自分でも勤務時間が分かる資料を保管しておくことをおすすめします。

特殊な勤務形態の残業代計算

ここまで一般的な残業代の計算方法を解説しましたが、勤務形態によっては計算方法や考え方が異なる場合があります。

ここでは、フレックスタイム制や固定残業代(みなし残業代)、裁量労働制、管理職(管理監督者)の残業代計算について解説します。

特殊な勤務形態の残業代計算

フレックスタイム制

フレックスタイム制では、日ごとの労働時間ではなく、「清算期間」の総労働時間を基準に残業代を計算します。

たとえば、1か月を清算期間としている場合、その期間の総労働時間が法定労働時間の総枠を超えた部分が時間外労働となります。

そのため、ある日は10時間働き、別の日は6時間働いたとしても、清算期間全体で法定労働時間を超えていなければ、残業代が発生しないことがあります。

フレックスタイム制だから残業代が支払われないというわけではなく、清算期間全体で時間外労働があれば、通常どおり割増賃金を請求できます。

固定残業代(みなし残業代)

固定残業代(みなし残業代)とは、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度です。

たとえば、「月30時間分の固定残業代を含む」と定められている場合でも、実際の残業時間が30時間を超えた分については、追加で残業代を支払わなければなりません。

また、

・固定残業代と基本給が明確に区別されていない
・何時間分の残業代なのか分からない

などの場合は、固定残業代制度自体が無効と判断される可能性があります。

その場合は、固定残業代を含めた給与全体を基礎に残業代を計算し直せることもあります。

関連コラム:みなし残業代(固定残業代)とは?違法になる例をモデルケースで解説

裁量労働制

裁量労働制では、実際の労働時間ではなく、あらかじめ定めた「みなし労働時間」を働いたものとみなされます。

そのため、みなし労働時間が法定労働時間の範囲内であれば、実際に長時間働いても時間外労働の残業代は原則として発生しません。

一方で、次のような場合は残業代が発生する可能性があります。

・みなし労働時間自体が法定労働時間を超えている場合
・深夜労働(午後10時~午前5時)
・法定休日労働

裁量労働制だから残業代を一切請求できないというわけではないため、自分の勤務実態を確認することが重要です。

関連コラム:裁量労働制の残業代を徹底解説|請求できる場合やモデルケースを解説

管理職(管理監督者)

「管理職だから残業代は支払われない」と説明されるケースは少なくありません。

しかし、会社で管理職と呼ばれているだけでは、法律上の「管理監督者」に当たるとは限りません。

管理監督者と認められるためには、

・経営者と一体的な立場にあること
・勤務時間や出退勤について大きな裁量があること
・地位に見合った待遇を受けていること

などの要件を満たす必要があります。

これらの要件を満たしていない、いわゆる「名ばかり管理職」の場合は、残業代を請求できる可能性があります。

また、法律上の管理監督者に該当する場合でも、深夜労働に対する割増賃金は支払われなければなりません。

勤務形態が特殊だからといって、必ずしも残業代を請求できないわけではありません。

制度の内容や実際の働き方によって結論は異なるため、不明な点がある場合は弁護士に相談することをおすすめします。

関連コラム:「管理職の残業代は出ない」は間違い!違法なケースや請求方法を解説

【解決事例】未払い残業代の回収に成功したグラディアトル法律事務所の事例を紹介

残業代の計算方法が分かっても、「実際に会社へ請求できるのか」「本当に回収できるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。

ここでは、グラディアトル法律事務所が実際に解決した未払い残業代請求の事例を紹介します。

未払い残業代300万円を回収した事例

【事案の概要】

依頼者は、食料品加工会社に20年以上勤務していた50代の男性です。

毎朝3時~5時頃に出社し、食品加工や配送業務を担当していました。

退勤は15時を過ぎる日も多く、1日12時間近く勤務することもありましたが、長年にわたり十分な残業代や深夜割増賃金は支払われていませんでした。

退職を機に未払い残業代を請求したいと考え、グラディアトル法律事務所へ相談されました。

依頼者はタイムカードや給与明細などの証拠を保管していたため、弁護士がそれらをもとに未払い残業代を計算し、まずは会社へ内容証明を送付して任意交渉を開始しました。

しかし、会社側から誠実な回答が得られなかったため、労働審判を申し立てました。

労働審判では、会社側は「固定残業代制度が有効である」などと反論しましたが、証拠を精査した結果、その主張は認められませんでした。

最終的には、依頼者の意向も踏まえて早期解決を優先し、未払い残業代・深夜割増賃金として300万円を支払う内容で和解が成立しました。

【弁護士によるポイント解説】

この事例では、タイムカードや給与明細などの客観的な証拠が残っていたことが、未払い残業代を立証するうえで大きなポイントとなりました。

また、会社側は固定残業代制度を主張しましたが、固定残業代が有効と認められるための要件を満たしていないことを弁護士が具体的に反論した結果、有利な条件で和解することができました。

未払い残業代の請求では、「残業代を正しく計算すること」はもちろん、「それを裏付ける証拠をそろえること」も同じくらい重要です。

会社との交渉が難航するケースも少なくないため、早い段階で弁護士に相談することで、より有利に解決できる可能性があります。

タイムカードがなくても300万円を回収した事例

【事案の概要】

依頼者は、電気工事会社で約3年間働いていた男性です。

長時間労働が続いていましたが、会社ではタイムカードによる勤怠管理が行われておらず、残業代も支払われていませんでした。

さらに、現場での労災事故や上司からのパワハラも重なり、退職後に未払い残業代を請求したいと考え、グラディアトル法律事務所へ相談されました。

タイムカードはありませんでしたが、依頼者はLINEでの業務報告や録音データ、銀行口座の入出金履歴などを保管していました。

当事務所では、これらの資料をもとに勤務実態を整理し、未払い残業代を計算して会社へ請求しました。

しかし交渉では解決に至らなかったため、労働審判を申し立てました。

その結果、解決金300万円を支払う内容で和解が成立しました。

【弁護士によるポイント解説】

未払い残業代請求では、タイムカードがなければ請求できないと思われがちですが、そのようなことはありません。

LINEやメール、業務日報、パソコンのログイン履歴、銀行口座の入出金履歴などを組み合わせることで、勤務時間を立証できるケースは少なくありません。

証拠が十分ではないからと諦める前に、手元にある資料を整理したうえで弁護士へ相談することが重要です。

未払い残業代の計算・請求はグラディアトル法律事務所にお任せください

未払い残業代の計算・請求はグラディアトル法律事務所にお任せください

未払い残業代は、自分でおおよその金額を計算することはできます。

しかし、実際に請求する場面では、基礎賃金の算定方法や固定残業代制度の有効性、労働時間の認定など、専門的な判断が必要になるケースが少なくありません。

このようなケースに対応するには、労働問題に詳しい弁護士のサポートが不可欠です。

グラディアトル法律事務所では、これまで数多くの未払い残業代請求を取り扱い、数百万円規模の回収実績もあります。

また、タイムカードがないケースや、退職後の請求、固定残業代や名ばかり管理職が争点となる複雑な事案にも対応しています。

残業代が支払われていないかもしれないと感じたら、一人で悩まず、まずはグラディアトル法律事務所へお気軽にご相談ください。

残業代計算に関するよくある質問

残業代計算に関するよくある質問

ここでは、残業代の計算について特によく寄せられる質問をまとめました。

計算方法や請求のルールで迷いやすいポイントを中心に解説します。

残業代は1分単位で計算されますか?

はい。残業代は原則として1分単位で計算しなければなりません。

会社が15分単位や30分単位で一律に切り捨てることは認められていません。

ただし、1か月分の残業時間を集計した結果として生じる30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げるといった事務処理は、一定の条件のもとで認められています。

タイムカードがなくても計算できますか?

タイムカードがなくても、残業代を計算・請求できる可能性があります。

たとえば、勤怠管理アプリの記録、パソコンのログイン履歴、業務メールやLINE、業務日報、GPSの位置情報などから勤務時間を立証できるケースがあります。

タイムカードがないことだけを理由に諦める必要はありません。

関連コラム:タイムカードがなくても残業代請求できる!証拠の集め方・ない場合の対処法

休日出勤はすべて35%割増になりますか?

いいえ。35%以上の割増となるのは、労働基準法上の「法定休日」に働いた場合です。

会社が独自に定めた所定休日に出勤した場合は、必ずしも35%割増になるわけではなく、勤務時間や労働時間の状況によって25%以上の時間外割増などが適用されることがあります。

関連コラム:休日出勤は残業代の対象?残業代の対象外となる2つのケースを解説

残業代の時効は何年ですか?

現在、未払い残業代の請求権は原則として3年で時効となります。

時効が成立すると、その期間の未払い残業代を請求できなくなる可能性があります。

そのため、残業代が支払われていないと感じたら、給与明細や勤怠記録などの証拠を確保したうえで、できるだけ早く対応することが大切です。

関連コラム:残業代の時効は3年!時効を阻止する方法と残業代請求の流れを解説

まとめ

残業代は、「1時間あたりの基礎賃金」「残業時間」「割増率」の3つが分かれば、自分でもおおまかな金額を計算することができます。

しかし、基礎賃金に含める手当の判断や、法定休日・所定休日の違い、固定残業代制度の有効性など、実際の計算には専門的な知識が必要になる場面も少なくありません。

そのため、自分で計算した結果が、本来請求できる金額より少なくなってしまうケースもあります。

残業代が適正に支払われていないと感じたら、給与明細や勤怠記録などを確認し、早めに対応することが大切です。

計算方法に不安がある場合や、会社との交渉が難しい場合は、一人で判断せず、労働問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力。数多くの夜のトラブルを解決に導いてきた経験から初の著書「歌舞伎町弁護士」を小学館より出版。 youtubeやTikTokなどでもトラブルに関する解説動画を配信している。

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