「住み込み管理人でも残業代は請求できるのだろうか」
「夜間の待機時間や仮眠時間も労働時間になるのだろうか」
住み込み管理人として働いている方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
会社から「管理人は断続的労働だから残業代は出ない」と説明され、諦めてしまっている方もいるかもしれません。
しかし、住み込み管理人であれば全員が断続的労働になるわけではありません。
日常的に清掃や受付業務を行っていたり、夜間の対応が多かったりする場合には、断続的労働にあたらず、未払い残業代を請求できるケースもあります。
また、残業代を計算する際には、待機時間や仮眠時間が労働時間にあたるかどうかも重要なポイントになります。
そこで本記事では、住み込み管理人の残業代請求について、断続的労働との関係や労働時間の判断基準をわかりやすく解説します。
モデルケースや裁判例も紹介しますので、ご自身が残業代を請求できるか判断する参考にしてください。
目次
住み込み管理人が残業代請求できるかは「断続的労働」にあたるかが最初の分岐点
住み込み管理人の残業代請求で最初に確認すべきなのが、「断続的労働」にあたるかどうかです。
住み込み管理人は、一般的な会社員とは働き方が異なります。
日中に受付や清掃などの業務を行いながら、夜間は管理室で待機したり、緊急時の対応を求められたりすることも少なくありません。
こうした働き方は、労働基準法上の「断続的労働」として扱われる場合があります。
断続的労働にあたるかどうかによって、残業代請求の可否が大きく変わるため、まずはこの点を理解しておきましょう。

断続的労働とは?
断続的労働とは、仕事と仕事の間に手待ち時間や休憩時間が多く、常に忙しく働いているわけではない業務をいいます。
労働基準法41条3号では、一定の条件を満たし、労働基準監督署長の許可を受けた断続的労働について、労働時間や休憩、休日に関する規制の適用を除外できると定めています。
住み込み管理人や宿直員、守衛などが代表例です。
断続的労働にあたる場合は原則として残業代請求が難しい
住み込み管理人が断続的労働にあたり、労働基準監督署長の許可も受けている場合には、労働時間や休憩、休日に関する労働基準法の規定が適用されません。
そのため、一般的な労働者のように、
- 1日8時間を超えた
- 週40時間を超えた
という理由で残業代を請求することは難しくなります。
ただ、住み込み管理人であれば自動的に断続的労働になるわけではありません。
実際の仕事内容や勤務実態を踏まえて判断されます。
断続的労働にあたらない場合は残業代請求できる可能性がある
会社から「住み込み管理人だから残業代は出ない」と言われていても、それだけで残業代請求ができなくなるわけではありません。
住み込み管理人であっても、実際には日中から夜間まで継続的に業務を行っていたり、頻繁な呼び出し対応を求められていたりするケースがあります。
このような場合は、断続的労働にはあたらないと判断されることがあります。
つまり、住み込み管理人の残業代請求では、「住み込みかどうか」ではなく、実際にどのような働き方をしていたのかが重要なのです。
では、どのような場合に断続的労働ではないと判断されやすいのでしょうか。
次章では、住み込み管理人が残業代請求できる可能性があるケースをチェックリスト形式で確認していきます。
断続的労働ではない住み込み管理人は要確認|残業代請求できるケースをチェック
前章で説明したとおり、住み込み管理人であっても、断続的労働にあたらなければ残業代を請求できる可能性があります。
ただ、自分が断続的労働にあたるのかどうかは、なかなか判断が難しいものです。
そこで、まずは以下の項目を確認してみてください。
次のチェック項目に当てはまる数が多いほど、残業代を請求できる可能性があります。
| □ 実際に作業している時間が長く、手待ち時間が少ない □ 清掃、受付、ゴミ出し、設備点検などの通常業務が多い □ 日中業務と夜間対応が同じ勤務の中で混在している □ 居住者対応やクレーム対応が多く、精神的な緊張が大きい □ 防犯・防災対応など、気を抜けない業務が多い □ 危険な場所や有害な環境での対応を求められる □ 巡回の回数が1勤務で6回を超える □ 1回の巡回に1時間を超えることがある □ 巡回時間の合計が1勤務で4時間を超える □ 1回の勤務の拘束時間が12時間を超える □ 夜間勤務で4時間以上続けて眠れる時間がないのに、拘束時間が12時間を超える □ 勤務終了から次の勤務開始まで10時間以上の休息がない |
いかがでしたでしょうか。
複数の項目に当てはまる場合は、住み込み管理人であっても断続的労働にはあたらず、残業代を請求できる可能性があります。
その場合は、一度、残業代請求に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
住み込み管理人の残業代請求では「待機時間・仮眠時間」が労働時間にあたるかが重要
2章のチェックリストに複数当てはまった方は、残業代を請求できる可能性があります。
ただ、住み込み管理人の残業代を計算する際には、もう一つ大きなポイントがあります。
それが、待機時間や仮眠時間が労働時間にあたるかどうかです。
住み込み管理人は、実際に作業をしている時間だけでなく、管理室で待機している時間や仮眠時間が長くなる傾向があります。
そのため、これらの時間を労働時間として扱えるかどうかによって、請求できる残業代の額が大きく変わることも少なくありません。
住み込み管理人の「待機時間」が労働時間になるケース

待機時間であっても、会社の指揮命令下に置かれている場合には労働時間と判断されます。
たとえば、次のようなケースです。
- 管理室で待機するよう指示されている
- 居住者や利用者からの連絡にすぐ対応しなければならない
- 自由に外出できない
- 緊急時には直ちに対応する義務がある
このような場合、待機中に実際の作業をしていなくても、自由に時間を使うことができません。
そのため、待機時間は労働時間と評価され、残業代請求が可能です。
住み込み管理人の「仮眠時間」が労働時間になるケース

仮眠時間についても、名称だけで判断されるわけではありません。
実際には眠ることができず、対応を求められている場合には労働時間と扱われます。
たとえば、次のようなケースです。
- 仮眠中でも電話対応を求められる
- 警報やトラブルが発生したら対応しなければならない
- 夜間の巡回業務がある
- 頻繁な呼び出しがあり十分に睡眠を取れない
このような状況では、形式上は仮眠時間でも、実質的には労働から解放されていないと考えられます。
待機時間・仮眠時間が労働時間にならないケース

反対に、待機時間や仮眠時間がすべて労働時間になるわけではありません。
たとえば、
- 自由に外出できる
- 電話対応や緊急対応の義務がない
- 仮眠時間中に呼び出されることがほとんどない
- 実際に十分な睡眠を取ることができる
といった場合には、労働時間にはあたらないと判断されることがあります。
重要なのは、「待機」や「仮眠」という名称ではなく、その時間をどれだけ自由に使えたかです。
住み込み管理人の残業代請求で迷ったときの判断基準

待機時間や仮眠時間が労働時間にあたるかで迷ったときは、
「労働から解放されていたか」
という視点で考えるとわかりやすいでしょう。
自由に外出したり、好きなことをしたり、十分に休息を取れたりするのであれば、労働時間にはあたりません。
反対に、いつ呼び出されるか分からず、常に対応できる状態を求められているのであれば、労働時間と評価される余地があります。
住み込み管理人の残業代請求では、この判断が争点になることが少なくありません。
次章では、実際のモデルケースをもとに、どのような場合に残業代請求が認められやすいのかを見ていきましょう。
【モデルケース】住み込み管理人の残業代はどのような場合に認められる?
住み込み管理人の残業代請求では、
- 断続的労働にあたるか
- 待機時間や仮眠時間が労働時間にあたるか
という2つのポイントが重要になります。
そこで、よくある勤務実態をもとに、残業代請求の可否を見ていきましょう。
断続的労働にあたらず、待機時間・仮眠時間も労働時間になるケース

【ケース】
Aさんは、150戸規模のマンションで夫婦住み込み管理人として働いています。
勤務時間は午前8時から午後5時とされていますが、実際には午前6時頃からゴミ出し対応や清掃を行っています。
日中は受付業務、共用部分の清掃、設備点検の立会い、住民対応などを担当しています。
夜間も設備トラブルや住民からの苦情対応があり、月に15回程度は呼び出されています。
仮眠時間中も携帯電話を携行するよう指示されており、深夜に対応することも珍しくありません。
【考えられる結論】
残業代請求が認められる可能性が高いケースです。
【理由】
日中から夜間まで継続的に業務があり、「手待ち時間が多い勤務」とはいえません。
また、仮眠時間中も呼び出しが頻繁にあり、実質的に労働から解放されていない状態です。
そのため、このケースは断続的労働にはあたらず、待機時間や仮眠時間も労働時間として評価される可能性があります。
断続的労働にはあたらないが、待機時間・仮眠時間の扱いが争いになるケース

【ケース】
Bさんは、90戸規模の分譲マンションで住み込み管理人として勤務しています。
平日は午前8時から午後4時まで受付業務や共用部分の清掃を担当しています。
その後も管理室に待機するよう求められており、住民からの問い合わせや宅配業者への対応があれば対応しなければなりません。
夜間の呼び出しは月に2〜3回程度です。
仮眠時間中に起こされることは多くありませんが、緊急連絡が入れば対応する義務があります。
【考えられる結論】
残業代請求が認められる余地はありますが、争いになりやすいケースです。
【理由】
日中に継続的な業務を行っているため、断続的労働にはあたらない可能性があります。
ただ、待機時間や仮眠時間まで労働時間に含められるかは別問題です。
管理室での待機中にどれだけ自由に行動できたのか、外出制限があったのか、実際の呼び出し頻度はどうだったのかによって結論が変わる可能性があります。
断続的労働にあたり、残業代請求が難しいケース

【ケース】
Cさんは、地方にある20室程度の社員寮で住み込み管理人として勤務しています。
業務は朝夕の巡回が中心で、1回あたり20分程度です。
そのほかは宅配便の受け取りや簡単な設備確認を行う程度で、日中は自室で自由に過ごせます。
夜間の呼び出しは年に数回程度しかありません。
仮眠時間中に起こされることもほとんどなく、毎日まとまった睡眠時間を確保できています。
【考えられる結論】
残業代請求は難しい可能性があります。
【理由】
実際の業務量が少なく、手待ち時間や休息時間が十分に確保されています。
巡回回数も少なく、夜間対応もほとんどありません。
待機時間や仮眠時間中も労働から解放されていると評価されやすく、断続的労働にあたる可能性が高いケースです。
住み込み管理人の未払い残業代はいくら請求できる?|残業代の計算方法
4章のモデルケースで見たように、住み込み管理人の残業代請求では、勤務実態によって結論が大きく変わります。
では、残業代を請求できるケースでは、実際にどのくらいの金額になるのでしょうか。
ここからは、未払い残業代の基本的な計算方法と具体例をみていきましょう。
残業代の計算方法
住み込み管理人の残業代は、以下のような計算式に基づいて計算します。
1時間あたりの基礎賃金×割増賃金率×残業時間
月給制の住み込み管理人の場合、1時間あたりの基礎賃金は、月給を基準として以下のように計算します。
1時間あたりの基礎賃金=月給÷1か月の平均所定労働時間
1か月の平均所定労働時間=(365日-1年間の所定休日日数)×1日の所定労働時間÷12か月
上記の月給には以下のような手当は含まれませんので注意が必要です。
| ・家族手当 | ・通勤手当 |
| ・別居手当 | ・子女教育手当 |
| ・住居手当 | ・臨時に支払われた手当 |
| ・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
また、「割増賃金率」は、残業時間に応じて、以下のように定められています。
| ・時間外労働……25%以上 ・深夜労働(午後10時から翌午前5時まで)……25%以上 ・休日労働……35%以上 ・月60時間を超える時間外労働……50%以上 |
このように残業代の計算は、非常に複雑な計算となりますので、正確に残業代を計算するには専門家である弁護士に任せるのが安心です。
なお、残業代計算方法の詳細は、以下の記事もご参照ください。
関連コラム:残業代の計算方法を4ステップで解説|計算例や実際の解決事例も紹介
具体例
たとえば、月給30万円で働く住み込み管理人のケースを考えてみましょう。
所定労働時間は1日8時間、月の平均所定労働時間は173時間とします。
この場合、1時間あたりの基礎賃金は約1734円です。
仮に、マンションの住み込み管理人として勤務しており、
- 日中は受付業務や清掃業務を担当
- 夜間も住民対応や設備トラブル対応がある
- 会社は午後10時から午前6時までを「仮眠時間」と扱っている
という状況だったとします。
しかし実際には、仮眠時間中も呼び出し対応が多く、
裁判などで「1日あたり3時間分は労働時間にあたる」と認定された場合、どうなるでしょうか。
1日3時間×月20日勤務=月60時間
の未払い残業が発生していたことになります。
この60時間が深夜時間帯の労働であれば、
1734円×1.25×60時間
となり、1か月あたり約13万円の未払い残業代が発生します。
これが2年間続いていた場合、未払い残業代だけで約312万円になります。
住み込み管理人の場合、勤務実態によって請求額が数十万円から数百万円以上変わることも珍しくありません。
そのため、正確な金額を把握したい場合は、弁護士に相談したうえで計算することをおすすめします。
住み込み管理人が残業代請求を進める流れ

住み込み管理人の残業代請求では、
「断続的労働にあたるのか」
「待機時間や仮眠時間は労働時間なのか」
といった専門的な判断が必要になります。
そのため、ご自身だけで会社と交渉を進めるのではなく、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。
ここでは、弁護士に依頼した場合の一般的な流れを解説します。
弁護士に相談・依頼する
残業代請求を検討している場合は、まず弁護士へ相談しましょう。
住み込み管理人の残業代請求では、勤務実態をもとに請求額を計算しなければなりません。
そのためには、勤務表や業務日報、会社とのやり取りなど、さまざまな資料を整理する必要があります。
早い段階で弁護士に相談すれば、どのような証拠を確保すべきかアドバイスを受けることができます。
また、請求できる見込みやおおよその請求額についても確認できるため、今後の方針を立てやすくなります。
関連コラム:残業代請求は弁護士に依頼すべき?総回収金額1億円以上の弁護士が解説
未払い残業代の金額を計算する
依頼を受けた弁護士は、収集した資料をもとに未払い残業代の金額を計算します。
住み込み管理人の残業代請求では、勤務時間の認定が大きな争点になることが少なくありません。
特に、待機時間や仮眠時間のうち、どこまでを労働時間として評価できるのかによって請求額が大きく変わります。
弁護士は、勤務表や業務日報、メール、LINEなどの資料を分析しながら勤務実態を整理します。
そのうえで、請求できる残業代や遅延損害金などを計算し、会社へ請求する準備を進めます。
会社に内容証明郵便の送付する
請求額の計算が終わったら、弁護士は会社に対して内容証明郵便を送付します。
内容証明郵便とは、「いつ、どのような内容の通知を送ったのか」を証明できる郵便です。
会社に対して未払い残業代を請求する意思を正式に伝えるとともに、支払いを求める根拠や請求額を明確に示します。
弁護士名で請求を行うことで、会社が真剣に対応するようになり、早期解決につながるケースも少なくありません。
関連コラム:残業代請求の内容証明郵便完全ガイド|記載事項・文例・送り方を解説
会社と交渉をする
内容証明郵便を送付した後は、弁護士が会社との交渉を行います。
住み込み管理人の残業代請求では、
「断続的労働にあたる」
「待機時間や仮眠時間は労働時間ではない」
などと会社側が反論してくることがあります。
弁護士は収集した証拠をもとに勤務実態を主張し、未払い残業代の支払いを求めます。
交渉によって合意に至った場合は、合意書を作成して解決となります。
交渉が決裂したときは労働審判・裁判を検討する
会社が支払いに応じない場合は、弁護士が労働審判や訴訟の手続を進めます。
労働審判は、原則として3回以内の期日で解決を目指す制度であり、比較的短期間で結論が出ることが特徴です。
一方、労働審判では解決できないケースでは、訴訟を選択することもあります。
どの手続が適切かは事案によって異なりますが、弁護士が見通しを説明しながら進めるため、依頼者は安心して解決を目指すことができます。
住み込み管理人の残業代請求が認められた裁判例
それでは、実際に住み込み勤務の労働時間性が争われた裁判例を見ていきましょう。
裁判所がどのような事情を重視しているのかを知ることで、ご自身のケースの見通しを考える参考になります。
最高裁平成19年10月19日判決
【事案の概要】
夫婦でマンションの住み込み管理人として働いていた管理員が、勤務先に対して未払い残業代を請求した事案です。
管理人らは、午前9時から午後6時までを所定労働時間とされていました。
しかし実際には、午前7時のごみ置場の開錠から午後10時の消灯まで、住民対応や設備管理などの業務を行っていました。
また、管理員室の窓口を閉めた後も、宅配便の受渡しや住民からの呼び出しに対応していました。
そこで管理人らは、待機時間も含めて残業代を請求しました。
【裁判所の判断】
最高裁は、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいうとしたうえで、実際に作業をしていない時間であっても、労働から解放されていない場合には労働時間にあたると判断しました。
本件では、管理人らは住民からの要望にいつでも対応できる状態で待機することを求められていました。
そのため、管理員室の隣の居室で過ごしていた時間も含め、平日の午前7時から午後10時までの時間は労働時間にあたると判断しました。
【ポイント】
この判例は、
「待機時間=休憩時間」とは限らないことを示した重要な判例です。
住み込み管理人の場合、実際に作業をしていない時間があっても、住民対応や緊急対応のために待機を求められていることがあります。
そのような時間は、労働から解放されていないとして労働時間と評価される可能性があります。
住み込み管理人の残業代請求では、「何時間作業したか」だけでなく、「待機中にどれだけ自由に過ごせたか」が重要な判断材料になるのです。
福岡地裁小倉支部令和3年8月24日判決
【事案の概要】
障害者向けグループホームに住み込みで勤務していた職員2名が、運営会社に対して未払い残業代を請求した事案です。
原告らは、日中は就労支援施設で勤務し、勤務終了後もグループホームで利用者の見守りや介助を行っていました。
夜間は仮眠を取っていましたが、利用者のトイレ介助や相談対応、徘徊への対応などのために起こされることがありました。
そこで原告らは、夜間の待機時間や仮眠時間も含めて労働時間にあたるとして、未払い残業代を請求しました。
【裁判所の判断】
裁判所は、利用者対応をしていない時間であっても、必要があれば直ちに対応することが予定されていたことに着目しました。
そのうえで、原告らは利用者対応から完全に解放されておらず、使用者の指揮命令下に置かれていたとして、多くの待機時間や夜間時間について労働時間にあたると判断しました。
また、実際に利用者対応をしていない不活動時間についても、必要に応じて対応する義務がある以上、労働時間に該当すると認定しています。
【ポイント】
この判例は、「仮眠していた=労働時間ではない」とは限らないことを示しています。
住み込み勤務では、実際に作業をしている時間よりも、待機時間や仮眠時間の方が長いことも少なくありません。
しかし、その時間中も呼び出しへの対応が義務付けられていたり、利用者や住民への対応から自由になれなかったりする場合には、労働時間と認められる可能性があります。
実際にこの事案では、未払い残業代と付加金を合わせて数千万円の支払いが命じられました。
住み込み管理人の残業代請求でも、「実際に何回対応したか」だけではなく、「いつでも対応しなければならない状態だったか」が重要な判断ポイントになるといえるでしょう。
住み込み管理人の残業代請求を弁護士に相談するメリット

住み込み管理人の残業代請求では、一般的な残業代請求とは異なる争点が生じることがあります。
そのため、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
残業代請求できるか判断してもらえる
住み込み管理人の場合、
「断続的労働にあたるのか」
「待機時間や仮眠時間は労働時間なのか」
といった点が問題になります。
会社から「残業代は出ない」と説明されていても、実際には請求できるケースも少なくありません。
弁護士に相談すれば、勤務実態を踏まえて残業代請求の見込みを判断してもらえます。
証拠収集や残業代計算を任せられる
住み込み管理人の残業代請求では、勤務時間を立証するための証拠が重要です。
ただ、実際にはタイムカードがないケースも少なくありません。
弁護士であれば、勤務表や管理日報、メール、LINEなどから勤務実態を整理し、適切な請求額を計算することができます。
会社との交渉や裁判を任せられる
残業代を請求すると、会社と対立することもあります。
ご自身で交渉を進めると、会社の反論に対応できず、不利な条件で合意してしまう可能性もあります。
弁護士に依頼すれば、会社との交渉から労働審判、裁判まで一貫して対応してもらえます。
精神的な負担を減らしながら、適正な解決を目指すことができるでしょう。
住み込み管理人の残業代請求はグラディアトル法律事務所にお任せください

住み込み管理人の残業代請求では、勤務実態の分析が重要です。
特に、
- 断続的労働にあたるのか
- 待機時間や仮眠時間は労働時間なのか
といった点は、請求の可否や請求額を大きく左右します。
グラディアトル法律事務所では、労働問題や未払い残業代請求に関する豊富な相談実績があります。
ご依頼いただいた場合は、勤務実態の調査、証拠の整理、残業代の計算はもちろん、会社との交渉や労働審判、裁判まで一貫して対応いたします。
また、会社とのやり取りを弁護士に任せることで、ご自身の負担を大きく軽減することも可能です。
住み込み管理人の残業代請求を検討されている方は、ぜひグラディアトル法律事務所へご相談ください。
住み込み管理人の残業代請求に関するQ&A

最後に、実際の相談でよくいただく質問とその回答をまとめました。
同じような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
住み込み管理人は24時間労働になりますか?
いいえ。
住み込み管理人だからといって、自動的に24時間労働になるわけではありません。
労働時間にあたるのは、会社の指揮命令下に置かれている時間です。
そのため、自由に外出できる時間や、労働から解放されている休憩時間・睡眠時間は労働時間に含まれません。
実際には、勤務実態を踏まえて個別に判断されます。
断続的労働と言われたら請求できませんか?
必ずしもそうではありません。
会社から「断続的労働だから残業代は出ない」と説明されるケースがあります。
しかし、実際の勤務内容が断続的労働にあたらない場合もあります。
また、労働基準監督署長の許可を受けていなければ、断続的労働として扱われない可能性もあります。
まずは勤務実態を確認することが大切です。
労基署の許可があれば残業代は出ませんか?
労働基準監督署長の許可を受けた断続的労働者には、労働時間や休憩、休日に関する規制が適用されません。
そのため、時間外労働や休日労働に対する残業代請求は難しくなります。
ただ、深夜労働に対する割増賃金の支払義務は残ります。
また、許可の対象となる業務内容と実際の勤務実態が大きく異なる場合には、別途争いになることもあります。
タイムカードがなくても請求できますか?
はい、請求できる可能性があります。
住み込み管理人の場合、タイムカードが設置されていないケースも少なくありません。
その場合でも、勤務表、管理日報、メール、LINE、業務報告書、写真などが証拠になることがあります。
実際の残業代請求でも、タイムカード以外の証拠によって労働時間が認定されるケースは数多くあります。
証拠が少ないからと諦めるのではなく、まずは弁護士へ相談してみるとよいでしょう。
まとめ
住み込み管理人が残業代を請求できるかどうかは、「住み込み勤務だから」という理由だけでは決まりません。
重要なのは、断続的労働にあたるのか、そして待機時間や仮眠時間が労働時間にあたるのかという点です。
実際には、管理室での待機や夜間対応、住民からの呼び出しへの対応などが労働時間と認められ、残業代請求が認められた裁判例もあります。
また、タイムカードがなくても、管理日報やメール、LINEなどの証拠によって労働時間を立証できる場合があります。
住み込み管理人の残業代請求は、勤務実態の分析や証拠の整理が重要です。
「自分も請求できるかもしれない」と感じた方は、一人で判断せず、労働問題に詳しい弁護士へ早めに相談することをおすすめします。
このような豊富な経験をもとに、一人ひとりの状況に応じた最適な解決方法をご提案しています。
