SNS使う「国際ロマンス詐欺」容疑で男を逮捕 愛知県警

ニュース内容

SNSを使って見知らぬ異性と連絡を取り、好意を抱かせて金をだまし取るいわゆる「国際ロマンス詐欺」で、被害者から振り込まれた金を受け取ったとして3日、男が逮捕されました。

組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された千葉市の会社員・江川嘉暁容疑者(31)はおととし12月、自分名義の口座に振り込まれた現金200万円を犯罪で得た金と知りながら引き出した疑いがもたれています。

外国人を名乗りSNS上で知り合った相手に好意を抱かせ、金をだまし取るいわゆる「国際ロマンス詐欺」で振り込ませた金とみられ、今回の被害者は金を振り込むため、勤務先から約1000万円を横領したとして去年、実刑判決を受けていました。

調べに対し、江川容疑者は認否を留保していて、警察は共犯者や金の流れについて調べています。

2020/3/4 6:00 中京テレビ

弁護士からのコメント

今回のニュースは、いわゆる「国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)」で、被害者から振り込まれた金を受け取ったとして逮捕されたというものです。

そこで今回は、「国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)」について解説したいと思います。

なお「国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)」については、今回の被害者が横領で実刑判決を受けた事件も含め、弊所の代表弁護士若林翔が動画で解説したものがありますので、あわせてご覧くださいませ。

1.国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)とは

「国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)」とは、主に外国人を含むグループがSNSなどで知り合った相手を言葉巧みに騙して、恋人や婚約相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させたり振り込ませたりする詐欺のことをいいます。

2.国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)の手口

まずSNS上などのプロフィールについて、金銭を騙し取るために準備したストーリーにあわせて虚偽の情報で作りこみます

具体的には、名乗る職業や年齢に応じた写真を用意し、経歴等を作成します。

この点、軍人を名乗ることが多い理由として、そもそも軍のことについて情報を得ることが難しいうえに、テレビ電話ができなかったり、なかなか連絡ができなかったりすることも軍事機密などと言って、騙しやすい点が挙げられるでしょう。

次にプロフィール記載や投稿からターゲットを選んで、友達申請やメッセージなどでコンタクトをとってきます。

この点、たしかに被害者となった性別として女性の方が多いですが、男性もターゲットにされています。
性別問わずターゲットに選ばれやすいタイプとしては、下記が挙げられます。

  • 40歳代以降
    (一般的に若年層と比べて金銭的余裕があるため)
  • 家庭や仕事以外で付き合いが少ないとみられる
    (潜在的に他人との出会い・ふれあいを欲している可能性)
  • 海外志向や憧れがうかがわれる
    (ターゲットが喜ぶ内容に話を合わせてしやすい)

なおターゲットを選ぶのに、独身であるか既婚者であるかは問いません。
既婚者であっても、現状に不満や離婚願望を持っている者も少なからずいるからです。

そして、恋愛感情を表現することが苦手な日本人では想像もつかないような甘い言葉を囁き、恋人や婚約相手になったかのように関係を構築していきます。

恋愛感情を持たせることで、冷静な判断をできなくさせるためです。

それから、プレゼントを送った、近々日本に行けるようになったなど被害者が喜ぶようなことを伝えてきます。
ただ、その後に予期せぬトラブルがあったとして、プレゼントが届かない、日本に行けないと言って、理由や名目は何にしろ金銭が必要と要求しています。

被害者は既に恋愛感情を持ってしまっていますから、なんとかプレゼントを受け取りたい、実際に会いたいと考えて金銭を支払ってしまいます。

その際、金銭を受け取る、振り込む相手が日本に住むグループの共犯者です。
今回のニュースで逮捕された被疑者も、グループの1人だったということが高いでしょう。

ここで1度支払ってしまうと、詐欺師はむしり取れるだけむしり取ろうと考えますので、何かと理由をつけて追加で金銭が必要と伝え、あるだけの金銭を騙し取ろうとしてきます。

このような手口で、国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)のグループは詐欺を行い、金銭を騙し取ります。
結婚詐欺(婚活詐欺)と同様に、被害者は金品を騙し取られる財産的被害にくわえて、心まで弄ばれたことによる精神的被害も受けるため、その意味で悪質といえます。

3.国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)に遭わない対策

そもそも見ず知らずの相手方からの友達申請やメッセージに対しては、安易に返信等しないようにすべきです。
返信等する前に、相手方の写真や投稿などに記載している情報をインターネットで検索しましょう。

というのは、国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)である場合には他人の情報を勝手に流用し、少し変えるなどしても多くのターゲットに対し使いまわしていることがよく見受けられます。
ですので、同じ写真で違う名前が複数存在する(逆もしかりです)との検索結果があらわれることがしばしばあるからです。

また詐欺被害に関する掲示板やサイトで、相手方情報がでてくることもあります。

このように相手方の情報をインターネットで検索することで、検索結果から国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)の可能性があるのかどうか一定程度判別することができるので、必ず行うべきです。

次に相手方とやり取りを行っている際には、少しでも不審点があれば問い合わせましょう。
相手方はあれやこれやと言い訳をしてくると思いますが、納得できないところがあれば、それ以上の連絡はやめるべきです。

そして何かしらの金銭を要求された場合には、一人で決断せず誰かに相談しましょう。
弁護士はもちろん、警察、家族や友人など相手方と関係のない人間であれば誰でもいいです。

どうしてもこの段階になると、恋愛感情が芽生えているため自らで冷静な判断を下すのは難しいことが多いからです。
詐欺だと思われるとの意見をもらった場合にはショックかもしれませんが、結果として相談せず金銭を騙し取られて財産的被害まで遭うことよりは精神的被害だけですんだと思えるはずです。

最後に国際ロマンス詐欺(国際恋愛詐欺)に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。