タイムカードないけど残業代もらえる!あれば役に立つ証拠16選!

タイムカードないけど残業代もらえる! あれば役に立つ証拠

「残業をいっぱいしているのに会社から残業代を支払ってもらえていない……タイムカードがないと残業代請求できないって聞いたんだけどどうなんだろう?」

「残業代を請求したいけど自分の会社はタイムカードがなくて、自分がどれくらい残業したかわからないし、証明できない…」

こんな感じでお困りではありませんか?

実は、タイムカードがなくても残業代を請求することはできます。タイムカードは残業していたことを証明するための証拠に過ぎない、いわば残業代請求のための道具でしかないのです。

弊所でも、タイムカードやシフト表がないけど残業はいっぱいしたから、残業代を請求したい!といった相談がありました。その事件では、業務上のメールやLINEのやり取りから残業時間を計算しました。

結果として1円ももらえていなかった残業代を、約500万円会社からもらうことができました!

ですから、タイムカードがないからといって残業代請求を諦める必要はありません!

そこで、今回は、

  • タイムカードがなくても残業代を請求できる2つの理由
  • 残業代を請求するにあたって有効な16種類の証拠
  • 残業代を請求する際の注意点
  • 残業代請求の方法

について取り上げます。

この記事を読んで、本当ならもらえるはずの残業代を会社から支払ってもらいましょう。

目次

タイムカードがない場合でも残業代請求は可能な2つの理由!

タイムカードがなくても残業代はもらえる。あれば役に立つ証拠

理由① タイムカードはあくまで証拠の一つ

残業代請求をするにあたって、タイムカードは証拠の一つに過ぎません。

労働者が残業代請求をする場合に、原則として残業をしたことを証明する必要があります。

タイムカードは、労働者がいつからいつまで働いたかということを記録しているものです。そうすると、タイムカードがある場合には、残業をしていた場合、どれだけの時間残業をしたのかということを「証明しやすく」なります。この「証明しやすく」なるという所がポイントです。

たしかに、タイムカードは労働時間を記録しているものですが、タイムカードだけが労働時間を記録しているものではありません。さらに付け加えると、労働時間を記録したもの以外でもどれだけ働いていたかを証明できるような証拠はたくさんあります。

残業代を請求するために必要なのは、タイムカードではなく、どれだけ働いたかを証明することです。

タイムカードがないからといって残業代請求を諦める必要はありません。

理由② 会社が勤怠管理していないことは違法

そもそも、会社が勤怠管理をすることは労働安全衛生法において義務とされています。したがって、会社が労働者の勤怠管理をしていないことは違法となります。

しかし、勤怠管理の方法は色々あり、タイムカードだけが勤怠管理の方法ではありません。つまり、会社は労働者の勤怠管理をしていれば法律上の義務を履行しているといえ、勤怠管理の方法までは法律上の義務として定められていないということです。

もっとも、勤怠管理をすること自体は法律上の義務ですから、タイムカードを含む勤怠管理がされておらず、労働者の労働時間を把握できていないような場合には、残業代請求について労働者に有利な判断がされることがあります

先ほども書いたとおり、残業代請求をするにあたっては、残業代を請求する側の人が、どれだけ働いたかを証明する必要があります。それにも関わらず、会社がちゃんとしていない不利益を労働者が被るというのはおかしいですよね。
そこで、会社が勤怠管理をしていないことによって、残業代を請求する側が証明できない場合には、会社が法律上の義務を守っていなかったということから、このぐらいは働いていたでしょうとおよその労働時間を推認するという方法が取られることがあります。

このような方法で判断がされた具体的な例については後ほど詳述します。

これまで書いたことをまとめると、

タイムカードのない残業代請求

以上の4点になります。

タイムカードがない場合の残業代請求の証拠16選!

先ほども書いたとおり、残業代請求においてタイムカードは証拠の一つに過ぎません。そこでこの章では、タイムカード以外にどのような証拠が残業代請求の証拠として認められるのか詳しく解説していきます。

残業代請求する際にタイムカードがない場合に代わりになる証拠

ここでは、上の表に挙げてある証拠について証拠としての有効度が高い順に解説していきます。

(☆の数が多いほど証拠として強力!)

 

【証拠1 IDカード】(☆☆☆☆☆)

会社がIDカードによって勤怠管理をしていることがあります。このIDカードはタイムカードと同等の証拠であると言えます。したがって、IDカードがある場合には、残業代を請求する際の証拠として十分なものであるといえます。

 

【証拠2 業務管理ソフト】(☆☆☆☆☆)

最近は、タイムカードではなく、業務管理ソフトを用いて勤怠管理をしている会社も多くあります。このようなソフトを使用することで、スマホ等で簡単に出退勤時刻を打刻できたりするということもあり、幅広く使用されています。このソフトは、勤怠管理をタイムカードとは違うツールを用いているだけなので、証拠としてはタイムカードと同等なものであるといえます。

 

【証拠3 業務上送受信した電子メールの時間記録】(☆☆☆☆☆)

仕事に使用しているパソコンで業務上の電子メールを送受信した場合、その時間は仕事をしていたものと推認することができます。なので、業務上のメールの記録は労働時間を証明することのできる証拠となります。

 

【証拠4 業務に使用した携帯電話の通話記録やメール】(☆☆☆☆☆)

会社から業務上使用するものとして社用携帯を支給されていることもよくあります。そして、その社用携帯を使用して通話をしたり、メールを送受信していた場合、その時間は仕事をしていたということを推認することができます。

 

【証拠5 使用者等の承認印や受理記録のある自己申告の記録】(☆☆☆☆)

労働者が自分の出退勤について、自己申告をしているというケースもあります。自己申告ということで、労働時間について正確性がタイムカード等に比べるとどうしても落ちてしまします。しかし、この自己申告の記録に対して、使用者等の責任ある人から承認印をもらったり、受理してもらえたという記録がある場合があります。このような場合には、労働者が自己申告した労働時間に対して、会社側が承知したと見ることができるので、自己申告した時間を労働時間として認めることができます。したがって、このような証拠も残業代を請求するには有効な証拠であるといえます。

 

【証拠6 職場で使用しているPCのログイン・ログオフ記録】(☆☆☆☆)

職場に着いて、仕事を始める時にまず最初にパソコンにログインするという方も多いと思います。そういう方は、パソコンにログインをした時間が仕事開始の時間とすることができます。そして、一日の仕事が終わって、帰ろうとする時にパソコンをログオフするという方も多いと思います。こちらもログイン記録と同様に、パソコンをログオフするまでは仕事をしていたということが推認されますので、ログオフをした時間が退勤時間であるとすることが可能です。

 

【証拠7 ビルの出退館記録】(☆☆☆☆)

オフィスビルなどでは、ビルに入館する時と退館する時に、カードで記録するということがあります。労働者は仕事をするためにオフィスビルに入館し、仕事が終わったからオフィスビルから退館するのが通常の行動です。そうだとすれば、特殊な事情がない限りは、ビルの出退館記録の時間≒労働時間ということが推認されます。したがって、ビルの出退館記録は残業代請求のするための有効な証拠の一つであるといえます。

 

【証拠8 警備会社の警備記録】(☆☆☆☆)

職場の施錠を警備会社が管理しており、その記録が残っている場合、その職場が開いた時間また閉まった時間というのを知ることができます。そして、職場が開いた時間と閉まった時間の間の時間は労働をしていたということが推認されるので、労働時間を証明するための有効な証拠となります。

 

【証拠9 会社のPCから自宅への帰宅メール】(☆☆☆☆)

次に、会社で使用しているパソコンから、帰宅する際にメールを送信している場合、その送信時間までは働いていたであろうことが推認されます。

 

【証拠10 IC乗車券】(☆☆☆)

昨今は、会社に通勤する際にSuicaなどのIC乗車券を利用することが多くなってきました。このIC乗車券は紙の切符と異なり、いつどこの駅の改札を通ったかが記録されています。そうすると、通勤時に使用する駅を通過した時間近くまでは仕事をしていたということが推認されます。実際にIC乗車券から労働時間を認定した判例も存在します。

 

【証拠11 飲食店などの店舗の営業時間】(☆☆☆)

飲食店等は、あらかじめ営業時間が決められていることが多いです。例えば、その店の責任者となっているような人であれば、少なくともその営業時間にはそのお店で働いていたことが推認されます。また、営業を開始するにあたって、そのための準備をする時間等が必要な場合も多く、その時間も労働時間に含まれます。

 

【証拠12 パンフレットやチラシに営業時間が書いてあるもの】(☆☆☆)

こちらの証拠も飲食店等の営業時間と同様、そのお店のパンフレットやチラシに営業時間が記載してある場合には、その時間は営業しているだろうとされます。そして、営業している以上、そのお店で働いていることが推認されます。したがって、このようなものも労働時間を証明するための証拠となります。

 

【証拠13 会社から命じられた会議や行事、催し物のスケジュール表、会議録、議事録】(☆☆☆)

会社から所定労働時間外に会議や行事、催し物の開催を命じられることも度々あります。これらの予定の時間がスケジュール表に記載されている場合、その時間は仕事をしていたということが推認することができます。

また、会議録や議事録に日時が記載されている場合も考えられます。そのようなものがある場合には、その時間は会議をしていたことが証明できるので、労働時間を証明することができます。

 

【証拠14 業務日報、営業記録、報告書等に時間の記入があるもの】(☆☆☆)

1日の業務や、どこに営業に行ったのか等をまとめて記録を取っているということもよくあると思います。その中で、何時から何時までどのような業務をしていたのかということを記入している場合、その時間は労働をしていたということを推認することができます。しかし、使用者や責任者の承認印等がない場合には、あくまで自作したものということになるので、証拠としての有効度は一定程度下がってしまいます。もっとも、このような記録もできるだけ具体的に記載したり、毎日作成するなどすることによって、証拠としての有効度を上げることができます。

 

【証拠15 手帳やカレンダーに労働時間をメモしたもの】(☆☆)

自分の手帳やカレンダーに何時まで働いたということをメモしていることもあると思います。このメモに書いてある時間を労働時間と認定するということも可能です。しかし、このようなメモはあくまで自分で作成したものですので、客観的に証拠としての有効度が高いとはいえません。もっとも、できるだけ細かく、継続的に記録をつけておくことで、証拠としての信用性が上がり、有効度も上げることができます。

 

【証拠16 日記】(☆)

毎日日記を書くことが日課となっている人もいると思います。その日記の中に何時まで働いたということを書いてある場合、それが労働時間の証拠となることがあります。もっとも、この日記も手帳のメモ等と同様に、できるだけ細かく、継続して残しておくことで証拠としての信用性が高まり、有効度が上がるといえます。

 

小括

以上が、労働時間を証明することができると考えられる証拠及びその説明になります。しかし、これまでに挙げた証拠はあくまで例示したものです。この他にも労働時間を証明するための証拠は考えられます。大事なことは、残業代請求をするための証拠収集は1つに絞ることなく、とにかく色々なものを集めるということです。

 

タイムカード以外の証拠で残業代請求が認められた実際の判例

タイムカード以外の証拠での請求が認められた判例

⑴ パソコンのログ記録(東京地判平成18.11.10 PE&HR事件)

デスクワークをする人が、通常、パソコンの立ち上げと立ち下げをするのは出勤と退勤の直後と直前であることが経験上推認できるとされました。結果として、少なくともパソコンを立ち上げた時には出勤していて、立ち下げ後には帰宅等のため当日の業務を終えたという認定をしました。

⑵ 事業場の錠の開閉記録・入退館記録(東京地判平成8.3.28 電通事件)

勤務状況報告表があったものの、実際の労働時間は勤務状況報告表の時間よりかなり多かった主張され、実際の労働時間が争われた事件。

この事件では、オフィスビルの監理員が巡回をしており、その巡回の記録に退館記録を付けていました。勤務状況報告表と、退館記録の時間には差がありましたが、労働者が与えられている業務の量からして、退館記録の時間まで仕事をしていただろうと推認されました。

結果として、勤務報告表の労働時間よりだいぶ長い時間労働していたということが、退館記録によって証明されました。

⑶ 運転報告書(大阪高判昭和63.9.29 郡山交通事件)

この事件は、タクシー会社に対して運転手が残業代を請求したというものです。このタクシー会社では、運転手が自動車を自宅に持ち帰ることを許容していて、運行記録計の装着もなかったことから、正確な労働時間がわかりませんでした。

この会社では、運転手が自分の運転状況を運転報告書という形でまとめていて、それを会社に提出していました。裁判所は、この運転報告書が客観的な資料として信用性が高いものであるとしました。したがって、この事件では、運転報告書に記載されている時間を元に労働時間が計算されました。

⑷ 店舗のレジスターの記録(東京地判平成21.4.16 トムの庭事件)

美容師の労働時間について、タイムカードで勤怠監理はしていたものの、タイムカードを打刻した後もレジ締め等の業務をしていたことがあったという事件です。

これに対して裁判所は、レジ締め時刻も終業時刻を証明するための証拠になると判断しました。結果として、タイムカードとレジ締め時刻のいずれか遅い方を終業時刻とすると認定しました。

⑸ 日記(東京地判平成19.8.24 三英冷熱工業事件)

この事件では、残業をしたことを裏付ける客観的な証拠がありませんでした。しかし、労働者が証拠として、残業時間を書いてある日記を証拠として提出しました。

裁判所は、この日記が労働者の書いたものであることは明らかであるとした上で、各日の冒頭に書いてある残業時間と、日記の本文の内容が概ね一致していることなどから、信用できる証拠だと判断しました。その結果、日記に書かれている時間を労働時間として残業代請求を認める判決を出しました。

 

労働時間がわかる証拠がない場合にも残業代請求が認められた判例

労働時間がわかる証拠がない場合にも残業代請求が認められた判例

上で書いたように、残業代を請求する場合、請求する側が残業時間を証明する必要があります。しかし、労働時間を証明する有効な証拠がないこともしばしばあります。

そのような証拠がないのは、会社側が勤怠管理をしていなかったからです。そして、勤怠管理をしていないという違法な状態であることの不利益を、労働者が被るのは不合理です。

そこで、判例は労働時間を推計的に計算するといった方法を用いて残業代請求を認めるという判断をしました。そのような判断をした代表的な判例を紹介します。

⑴ゴムノイナキ事件(大阪高判平成17.12.1)

【概要】

 従業員が会社に対して残業代請求をしたものの、タイムカード等がなく、会社が勤怠管理をしていませんでした。また、従業員が主張していた労働時間について、それを裏付ける客観性のある証拠もありませんでした。証拠としては従業員の家族が帰宅時間をノートに付けていたものぐらいでした。

【判決の要旨】

従業員の家族が帰宅時間を付けていたノートは、帰宅時間しか書かれておらず、それがすなわち退社時刻となるとは認定することはできないし、正確性にも問題があるとされました。しかし、タイムカード等による勤怠管理をしてなかったのは、会社の責任によるものであって、このことを従業員に不利益に扱うべきではなく、客観的な証拠がないことを理由に時間外労働の立証が全くされていないとすべきではないと判断しました。そこで、裁判所は、時間外労働時間を概括的に推認するとしました。この手法によって、裁判所はおよそ2年間で合計982時間の時間外労働時間があったと認定しました。

⑵フォーシーズンプレス事件(東京地判20.5.27)

【概要】

 この事件は、不当解雇を争う中で、残業代請求も同時にしたというものです。この事件でも、タイムカード等による勤怠管理がされておらず、労働時間を証明する客観的な証拠は従業員側から提出されませんでした。この事件では、残業をしていたこと自体は事実として認められるものとされていて、どうやって残業した時間を立証していくかが争点となりました。

【判決の要旨】

従業員側が証拠として提出した手帳や、仕事リスト表等は信用性が高いものとは言い切ることができないので、その通りに労働時間を計算することはできないとされました。しかし、ゴムノイナキ事件と同様に、本来会社がすべき勤怠管理をしていればこのような問題は生じなかったものであり、その不利益を従業員が負うべきではないと判断しました。そこで、裁判所は、従業員が会社に請求した額の6割を時間外労働手当として認める旨の判決をしました。

小括

上記2つの判例では、時間外労働を証明する客観的な証拠がなくても、会社が勤怠管理をしていないことを理由として、従業員側の立証しなければいけないレベルを下げて、おおよその労働時間で計算するという方法が取られました。この判例からもわかるとおり、タイムカードがなくても残業代請求をすることは可能です。

 

タイムカードがない管理職の場合でも残業代が出る

「管理職だからタイムカードはないし、残業代は出ないよ」というのを聞いたことはありませんか?

この「管理職=残業代が出ない」という認識には誤解があるので解説していきます。

管理職=管理監督者ではないということです。

管理監督者と管理職の関係図

結論として、会社において管理職とされている場合にも残業代を請求することができることは多々あります。

管理職だと残業代が出ないというのは、管理職が労働法上の「管理監督者」に該当するからと思われているからです。

たしかに、労働法上の「管理監督者」は残業代を請求することはできません。しかし、いわゆる管理職に当たる人が全員「管理監督者」に当たるとは限りません。

管理監督者とは、経営者と一体的な立場にあり、自らの労働条件を決定できる権限を持っている者です。

店長や課長などの肩書がついていたとしても、管理監督者に該当しないとされ、残業代が認められた判例があります。

これについての詳しい解説は省略しますが、実際に管理職に当たる人の残業代が認められた判例が多数あります。例えば、マクドナルドの店長が「管理監督者」には該当せず、残業代請求を認めた判例です【日本マクドナルド事件】(東京地判平成20.1.28)。

管理監督者についてはこちらの記事で詳しく書かれているので、参考にしていてください。

「管理職の残業代は出ない」は間違い!違法なケースや請求方法を解説

 

残業代請求には時効がある

残業代請求には時効がある

前の職場でいっぱい残業していて残業代を請求しようと思い、証拠もたくさん集めた。あとは会社に請求するだけだ!となりました。でも実は、残業代請求には時効があるのです。

時効期間

残業代請求の時効期間は3年間です。(2024年3月時点)

つまり、残業代が支払われるべき日から3年経過すると、いくら残業時間を証明することができたとしても、残業代を請求することはできなくなってしまいます。

対処方法

残業代請求の時効期間は3年間と言いましたが、実はこの時効を止める方法があります。

【残業代支払いの訴えを提起する】

裁判所に、残業代支払の訴えを提起することで、時効が中断します。ですので、裁判中に時効が進んで、残業代請求ができなくなるということはありません。

【催告をする】

こちらは、最初の一手として行うことが多い方法です。会社に対して、未払いの残業代を支払ってくださいという内容の内容証明郵便を送ることで、6ヶ月間時効の完成が猶予されます。

残業代請求の時効期間と時効を阻止する方法については、以下の記事をご参照ください。

残業代の時効は3年!時効を阻止する方法と残業代請求の流れを解説

 

残業代請求の3つの方法

残業代を請求する3つの方法

  • 会社に自分で請求する
  • 労基署に相談する
  • 弁護士に依頼する

という3つの方法が考えられます。以下、この3つの方法を比較していきます。

タイムカードのない残業代請求をしたい場合におすすめする相談先

会社に対して自分で請求する

会社に対して、自分で残業代を計算して、いくら支払ってくださいと請求する方法があります。しかし、残業代の計算はとても複雑で、頑張ってやろうと思ってもなかなか難しいというのが現実です。

また、会社に対して送る書面を作成したりするのも、専門家ではない人からすると、何を書いたらいいのかも分かりづらいと思います。

そして、残業代をきちんと支払ってくれていない会社に対して、労働者が自分で請求したとしても、それに素直に応じてくれるとは考えづらいです。労働者という立場で自分の賃金について交渉するというのは、やりづらい面もあります。せっかく頑張って請求したのにその努力が報われないという可能性が非常に高いので、この方法は正直おすすめできません。

労基署に相談する

会社が残業代を支払ってくれないとの支払ってもらいたいと労基署に相談に行くという方法もあります。

労基署に相談に行くと、残業代の計算方法や請求書の作成方法等を教えてもらうことができます。そうして作った請求書等を会社に自分で送るという流れです。労基署が実際に会社に対して働きかけるのは、請求書等を送っても会社が支払ってくれないと分かった時です。そして、労基署が会社に対してすることは、会社の調査や、是正勧告・指導に留まり、強制的に残業代を回収するということはしてくれません。また、労基署は、会社が残業代を支払わなかったからといって絶対に動いてくれるというものでもありません。

残業代を支払ってもらうために労基署に相談に行くという方法は考えられますが、請求自体は自分でしなければいけないことや、残業代の回収可能性可能性も高いとはいえないので、あまりおすすめすることはできません。

弁護士に依頼する

3つ目の方法は、残業代請求を弁護士に依頼するという方法です。弁護士は法律の専門家ですので、法律に基づいた解決をすることができます。

弁護士に依頼した場合の流れとしては、まず弁護士が依頼者と協力して残業代請求に必要な証拠を収集します。そして、証拠に基づいて残業代を計算した上で、会社に対して支払うように請求します。この時に会社が残業代を支払ってくれなかった場合には、残業代支払請求の裁判を起こし、強制的に残業代を回収することが可能です。

また、弁護士に依頼をすることで、

  • 会社と労働者が直接やりとりをする必要はなく、全て弁護士が代理人として会社と交渉するという形になります。会社に対して残業代を請求するのが怖かったり、気まずいということもあるかと思います。しかし、弁護士に依頼をした場合にはそのような事にはならないと考えられます。
  • 複雑な残業代の計算も、弁護士であれば正確にすることができます。
  • 証拠を精査することによって自分で計算するより金額が増える可能性がある

 

残業代請求は弁護士に依頼がおすすめ

弁護士に相談するというのはなんかちょっと怖いなと思ったり、費用も高そうだなと思ったりすると思います。たしかに弁護士に依頼した場合はどうしても弁護士費用がかかってしまいます。しかし、会社から残業代を回収できれば、その中から弁護士費用も支払うことができます。これに対して、他の2つの方法だと、色々やったけど結局残業代がもらえなかったという結果になって、頑張った分の時間と努力が無駄になってしまいかねません。ですから、たとえ費用がかかったとしても、弁護士に依頼する方がメリットが大きいといえると思います。

また、一見残業したことを証明するような証拠がないような場合にも、相談を受けた弁護士は、「こんな証拠ありませんか?」と相談者に聞いて、色々な視点から残業時間を証明しようと試みます。この色々な視点というのは残業時間を立証するために何が必要かを熟知している弁護士ならではのものといえます。

以上のことから、残業代請求をしようとお考えの方は、まず弁護士に相談するということをおすすめします。

 

弁護士への相談・依頼ならグラディアトル法律事務所へ

タイムカードのない残業代請求はグラディアトルへ

残業をたくさんしているのにタイムカードがないから残業代請求ができないと思っていた方も、このコラムを読んで、諦める必要はないということをお分かりいただけたと思います。また、残業代請求をするために、弁護士に依頼をすることが一番いい方法だと思った方もいらっしゃると思います。

当事務所はこれまでに労働関連の案件を数多く取り扱っております。実際に、タイムカードやシフト表がないけど残業代を請求したいという依頼を受け、LINEやメールのやり取りから残業時間を計算して約500万円もの残業代をもらえたという解決事例もあります。

また、当事務所は原則、初回相談無料となっておりますので、気軽に相談することができます。ですので、もし会社に対して残業代請求することをお考えなら、ぜひグラディアトル法律事務所にご相談を!

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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