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風営法と未成年(18歳未満・みてこ)〜女子高生ホステスにキャバクラ経営者ら逮捕〜

弁護士 若林翔 2022/01/06更新

キャバクラ,ホスト,風俗などの風営法で規定されるナイトビジネスと未成年(18歳未満)の関係は重要だ。

夜の業界では,18歳未満の未成年を「みてこ」と呼ぶ。

「みてこ」とは,身分証が提示できない子の略で,キャバクラなどの夜の店でキャストとして働くことができず、客として入店することもできない人を指す。

風営法では,未成年者に対する規制があり,特に18歳未満の未成年・みてこについては厳しく規制がなされている。

18歳未満の未成年を雇用する年少者雇用では逮捕事例もあるので,店舗経営者は注意をしてほしい。

未成年(18歳未満)雇用で逮捕されたニュース

ここでは、実際に18歳未満の未成年をキャストとして働かせて風営法違反で逮捕されたキャバクラ(セクキャバ)の事例と風営法のみならず児童福祉法違反の罪でも逮捕されたデリヘルの事例を紹介する。

東京・立川市のキャバクラで女子高校生(17)をホステスとして働かせていたとして、経営者の男ら2人が逮捕された。

風営法違反の疑いで逮捕されたのは、立川市のキャバクラ「スーパースプラッシュ」の経営者◯◯容疑者(26)と店長◯◯容疑者(39)の2人。
警視庁によると2人は、去年、高校1年生の女子生徒をホステスとして雇い、接客をさせた疑いが持たれている。
店では20分に1回、客に胸を触らせるなどのショータイムがあり、女子生徒は40日間の出勤で、給与として125万円を受け取っていたという。
調べに対し、◯◯容疑者は「他にも5人くらい18歳未満の子がいた」などと容疑を認め、◯◯容疑者は「17歳とは知らなかった」と否認しているという。
http://www.news24.jp/articles/2017/03/13/07356307.html

児童福祉法違反(淫行させる行為)・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反(年少者雇用)事件被疑者の逮捕
苫小牧市内において営業していた無店舗型性風俗特殊営業において、18歳未満の被害者2人を風俗従業員として雇い入れ、6~7月、苫小牧市内で無店舗型性風俗営業を行い、遊客を相手にいかがわしい行為をさせたデリバリーヘルス店経営の男(33歳)を8月8日、児童福祉法違反(淫行させる行為)・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反(年少者雇用)の被疑者として逮捕しました。
http://www.chuou-syo.police.pref.hokkaido.lg.jp/ziken.html

小山署は19日、風営法違反(年少者雇用)の疑いで、小山市、風俗店経営の男(34)を逮捕した。
6月14~7月7日までの間、小山市駅東通り1丁目の風俗店で、18歳未満に客の接待をさせた疑い
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/accident/news/20170720/2757989

風営法の未成年(18歳未満)雇用の罰則規定

このように,キャバクラでも風俗店でも,18歳未満の未成年者を雇用したり,業務委託契約を結んだりして、キャストとして働かせると逮捕されてしまう。

具体的には,風営法22条1項3号は,キャバクラやホストクラブなどの「風俗営業」について,18歳未満のキャストに客の「接待」をさせることを禁止している。

ここでいう「接待」とは,キャバクラやホストクラブのキャストが客に対してする接客行為だと考えてもらえれば間違いないだろう。

ガールズバーなどでは,「接待」をすることにより無許可営業となってしまうため,この「接待」の定義が問題となる。風営法上の「接待」の詳細は,以下の記事を参照して欲しい。

風営法の「接待」とは?ガールズバーでの逮捕事例の多い「接待」について、その定義と警察が重視する4つの判断基準

また,風営法31条の3第3項1号では,デリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業店については,十八歳未満の者を客に接する業務に従事させることを禁止している。

そして,これらの風営法違反には,一年以下の懲役百万円以下の罰金が規定されている。

(禁止行為等)
第二十二条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
三 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。

(接客従業者に対する拘束的行為の規制等)
第三十一条の三
3 無店舗型性風俗特殊営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。
二 十八歳未満の者を客とすること。

第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
四 第二十二条第一項第三号の規定又は同項第四号から第六号まで(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

なお,風俗店でのサービスは,児童福祉法上の「淫行」にあたるため,児童福祉法違反でも処罰されうる。

この場合の罰則は,10年以下の懲役300万円以下の罰金と非常に重い。

風営法上の年齢確認義務

では,風俗店やキャバクラに面接に来た女の子が18歳未満だと知らなかった場合はどうか?
もちろん風俗営業を行う者には,生年月日を確認する義務がある。

女の子が嘘をついていた場合はどうか?

風営法上は,従業者が18歳未満であることについて知らなかったことについて無過失であることを立証できなければ処罰を逃れることができない(同法50条2項)。

では,どのような場合に無過失にあたるのか?

これについて,大阪高判昭和63年2月24日の裁判例がある。

この事例では,年齢について虚偽の履歴書を持って面接に来た女の子に対して,店側が住民票の提出を求めたが,提出されず放置したまま採用してしまったケースだ。
店側の弁護人である弁護士が年齢確認について無過失だったと主張し,控訴した事例だ。

判決では,年齢確認について,無過失といえるためには,外観的事情に依拠して18歳以上であると信じたのみでは足りず,信頼しうる客観的資料を提出させて正確な調査をするなど,社会通念上,年齢調査の確実を期するために可能な限りの注意を尽くしたといえることが必要であるとし,控訴を棄却した。

要するに,ちゃんと住民票とかで確認しないとダメだよっていうことだ。

大阪高判昭和63年2月24日

右事実によると、被告人Xは、Bが作成したA子名義の履歴書の記載のほか、右両名の供述、A子の体格、服装及び既に同棲生活をしていることなど、主として面接時における外観的事情に基づいて、A子の年令を一八才以上と認定したものと認められるところ、風営法四九条四項が、年少者の健全な育成を図る趣旨から、同条項所定の一定の罪につき、雇主において一八才未満の者の年令を知らなかったとしても、そのことについて過失のないときを除いて、処罰を免れないとした法意にかんがみると、右の過失がないといえるためには、雇主が、本件について右に認定したような外観的事情に依拠して、その者が一八才以上であると信じたのみでは足りず、さらに進んで本人の戸籍抄本、住民票などの信頼しうる客観的資料を提出させたうえ、これについて正確な調査をするなど、社会通念上、風俗営業を営む者として、その年令調査の確実を期するために可能な限りの注意を尽したといえることが必要であるとされる。
そうすると、右と同旨の見解に立って、被告人Xの本件における年令調査が不十分であったとして、A子の年令を知らなかったことにつき、同被告人に過失がなかったとはいえないとした原判決の判断は相当であって、原判決に所論のような法令の適用の誤りは存しない。論旨は理由がない。

高校生を働かせることは違法か?

風営法では,高校生を働かせることは違法なのか?

18歳の女子高生は?

20歳を超えた定時制高校の高校生は?

キャバクラ,ホストクラブ,デリヘルなどの風俗店等のナイトビジネス関連の顧問弁護士としてよく相談される質問だ。

風営法では,「十八歳未満の者」をキャストとして働かせることを禁止しており,高校生であるかどうかは問われていない。

そして,18歳「未満」とは,17歳以下を指し,18歳は含まれない。

そのため,18歳以上の高校生をキャバクラなどのキャストとして働かせることは風営法上禁止されていない

とはいえ,警察などの捜査機関は18歳であっても高校生をキャバクラなどで働かせることはよくないことだと考えているようで,捜査機関から目をつけられる可能性が高まるため,高校生は採用しない方がいいよと回答している。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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