【一目でわかる】FX詐欺で用いられる8つの手口と返金を勝ち取る方法

FX詐欺の手口と返金を勝ち取る方法

ここ数年、FX詐欺の被害が急増しています。
手口も年々巧妙化しており、著名人のなりすましアカウントや、AIを悪用した自動取引、偽の取引画面など、見分けることが困難になってきました。

「利益は出ているのに出金できない」
「税金を払えば出金できると言われた」
「業者と連絡が取れなくなった」

このような状況に心当たりがある方は、FX詐欺の被害に遭っている可能性があります。
本記事では、「勧誘」「売買」「出金」の3つのタイミングに分けて、FX詐欺で使われる8つの典型的な手口を取り上げました。

FX詐欺の典型的な手口

さらに、万が一、被害に遭ってしまった場合の返金方法についても、弁護士の視点から具体的にお伝えします。FX詐欺から大切なお金を守るために、ぜひ最後までお読みください。

FX詐欺の「勧誘」で用いられる3つの手口

勧誘段階で用いられるFX詐欺の手口には、大きく3つのパターンがあります。

手口 具体例
SNSなどで著名人になりすました勧誘 InstagramやX(旧Twitter)で実在する著名人になりすましたアカウントからDMが届く
知人からの紹介による勧誘 信頼できる知人から、「表に出ていない投資話がある」などと紹介される
投資セミナー・オンライン講座での勧誘 無料セミナーに参加後、高額ツールを売りつけられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

SNSなどで著名人になりすました勧誘

近年増えているのが、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などで著名人になりすまして、勧誘してくる手口です。

■典型的な流れ

① SNSで、実在する著名人(芸能人・インフルエンサー等)を装う広告を流す
  (InstagramやFacebook、X(旧Twitter)など)
 ↓
② 著名人になりすましたアカウントからDMがくる
 ↓
③ 公式LINEやオープンチャットなどに誘導される
 ↓
④ 「あなただけ」などの甘い言葉でFXの投資話を持ちかけられる

特に最近は、生成AIの発展により手口が巧妙化しています。
実在する著名人の声を使った広告を打ち出したり、偽物のショート動画を掲載したりと、本物と偽物を見分けることが非常に難しくなっているのです。

知人からの紹介による勧誘

知人からの紹介によってFX詐欺に巻き込まれるケースも多発しています。
信頼している相手からの紹介だと信じてしまいがちですが、実は「加害者=被害者」という二重構造となっています。

つまり、紹介者自身も詐欺だと気づいていない可能性が高いです。

■典型的な流れ

① 友人・知人からFXの投資話を紹介される
  (「まだ表には出回っていない案件だから」など)
 ↓
② 「実際に儲かった」という話を聞かされる
  (※FXの取引画面で、実際に少額の利益が出ているケースもある)
 ↓
③ 師匠、メンターを名乗る人物を紹介されたり、高額な投資ツールを売りつけられる

「紹介した人数に応じて報酬が出る」というマルチ商法的な仕組みが取られていたり、実際には取引をしていないのに利益が出ているように見せかける「ポンジ・スキーム」が絡んでいるケースも多いです。

投資セミナー・オンライン講座での勧誘

無料の投資セミナーや、オンライン講座を入口とした詐欺も増加しています。

■典型的な流れ

① SNSなどの広告でセミナーの案内を見かける
 ↓
② ZoomやYouTube、Instagramのライブなどで無料セミナーを受講する
 ↓
③ 講師との個別面談に誘導される
 ↓
④ FX売買ツール、情報商材、高額サロンを案内される

特に増えているのが、生成AIを活用したツールや情報商材の販売です。
「AIを活用した最新ノウハウ」「AIを利用した最先端のFXツール」などという言葉が出てきたら、危険信号だと考えてください。

数十万円から数百万円もする高額商品を勧めてくるケースが多く、特別感や希少性を演出して判断力を鈍らせようとすることもあります。

FX詐欺の「売買」で用いられる3つの手口

FX詐欺では、売買の段階でも様々な手口が用いられます。

・自動売買ツール、FXアプリで利益が出ているように見せかける
・暗号通貨(仮想通貨)とFXを組み合わせて、流れを複雑にする
・海外FX業者・無登録業者へ誘導する など

これらの手口は単独で、用いられるわけではありません。
例えば、海外の無登録業者でFX売買を行わせる、入金は仮想通貨でしか受け付けないなど、複数の手口を組み合わせることで、被害者を混乱させるのです。

それぞれの手口を、詳しく見ていきましょう。

自動売買ツール、FXアプリなどを用いた手口

最近急増しているのが、AIによる自動売買ツールやFXアプリを利用した手口です。

■典型的な流れ

① 「AIを搭載した自動売買ツール」などと宣伝される
 ↓
② 実際に利益が出ている様子を見せられる
 ↓
③ 30万円〜100万円以上の投資金額を支払う
  (※売買ツール自体を売りつけるケースもある)
 ↓
④ リアルタイムの運用画面が表示されて、利益額が確認できる
  (※実際には取引されていない)
 ↓
⑤ 「利益が出ている」と信じて、さらに入金してしまう
 ↓
⑥ 何らかの理由で出金できなくなる

最初は小さな利益を見せて信頼を得た後、「今がチャンス」などと煽って、どんどん投資額を増やさせます。

少額の損失が出たり、相場に合わせた動きをしたりして、本物の取引のように見えますが、実際には取引は行われていません。最終的には、何らかの理由で出金できなくなります。

暗号通貨(仮想通貨)と組み合わせた手口

FXと仮想通貨(暗号資産)を組み合わせた複雑な投資話も増えています。
AIが自動でFXと仮想通貨の裁定取引を行う」「この仮想通貨でないと入金できない」などと説明され、理解しないまま投資して被害に遭うケースが多発しています。

■典型的な流れ

① FXと仮想通貨を組み合わせた「新しい投資法」を紹介される
 ↓
② 「この仮想通貨でないと入金できない」と特定の通貨購入を促される
 ↓
③ 複数の取引所で口座開設をさせられる
 ↓
④ 「ビットコイン」→「マイナー通貨」→「独自トークン」など通貨交換を繰り返す
 ↓
⑤ 最終的にお金の流れが辿れなくなる

いくつもの暗号通貨(仮想通貨)を経由することで、最終的にどこで消えたのかを辿れなくなってしまうのが、暗号通貨を組み合わせたFX詐欺の特徴です。

海外業者や無登録業者を利用した手口

金融庁に登録していない海外FX業者や、無登録業者を使った詐欺も後を絶ちません。
運用上限がある」「表には公開されていない」などと希少性を演出し、焦らせて判断力を奪う手口です。

■典型的な流れ

① 「海外業者」や「組合・プライベートファンド」等と称した無登録業者に誘導される
 ↓
② 日本語サポートで安心感を演出し、口座開設を促して入金させる
 ↓
③ 少額の入出金に応じて信頼を得る
 ↓
④ 高額な資金を追加入金させる 
 ↓
⑤ 入金後、サイトが閉鎖されたり音信不通になる
 ↓
⑥ 日本の法律では保護されなかったり、所在不明で連絡できなくなる

海外に拠点を置く無登録業者の場合、被害に遭っても追跡は困難です。さらに、「組合形式」「プライベートファンド」などと称して、金融庁の監督を逃れようとするケースもあります。

FX取引を行うときは、必ず金融庁の登録業者なのかを確認しましょう。

FX詐欺の「出金時」に用いられる2つの手口

利益が出たと思っても、様々な理由で出金されなかったり、「出金するため」という理由でお金が請求されるのもFX詐欺の典型的な手口です。

口座凍結などの理由で出金を拒否する

出金しようとした時に、さまざまな理由をつけて拒否する手口も後を絶ちません。

■典型的な流れ

① 取引画面では利益が表示されている
 ↓
② 出金申請をすると「審査中」などと表示される
 ↓
③ 「不正取引の疑い」「マネーロンダリング防止のため」といった理由が説明される 
 ↓
④ 「本人確認書類の再提出」「追加の証明書」などを要求される
 ↓
⑤ 書類を提出しても「審査に時間がかかる」と先延ばしにされる
 ↓
⑥ 最終的に出金されず、連絡がとれなくなる

他にも、「税務調査中」「金融庁からの指導」「ポジション保有中のためできない」など、様々な理由が用いられます。

正規のFX業者であれば、出金は通常1〜3営業日で完了するはずです。1週間以上かかる場合や、追加書類を何度も要求される場合は詐欺の可能性が高いでしょう。

■実際に出金トラブルになった事例

1年半前、「絶対にもうかる」とのインターネットの広告を見て50万円のFX自動売買ソフトを購入した。ソフトの代金は国内の業者に支払い、その業者の指示で海外に取引口座を作って100万円を入金した。
当初大きな利益が出たので信用し、約400万円を追加で入金した。約500万円が約2,000万円にもなったが、国内の業者に「引き出したい」と伝えてもいろいろ理由をつけて決済させてもらえず、現在まで1円も引き出せていない。
取引の終了を国内の業者に申し出たら、「現在の口座残高を調査する」とのメールが来た。
その数日後インターネットで確認したら、口座にはわずかしか残っていなかった。国内の業者のホームページに載っている電話番号は、現在つながらない状態だ。どうしたらよいか。(相談受付:2013年11月、契約者:60歳代、男性、徳島県)
(引用:国民生活センター)

返金を装って、さらにお金を請求する

出金できないと焦る被害者に対して、「税金」「保証金」を払えば出金できるとさらなる入金を迫る手口も増えています。

■典型的な流れ

① 出金申請をすると「条件を満たしていない」と連絡がくる
 ↓
② 出金には「税金」「保証金」などが必要と説明される
 ↓
③ いくら払っても出金されず、最後は連絡が取れなくなる

本来、FX取引の利益に対する税金は、出金後に自分で確定申告をして納めるものです。業者が代わりに徴収することはありません。

「税金を払わないと出金できない」と言われたら、ほぼ100%詐欺だと考えておきましょう。

FX詐欺の手口から身を守る3つのポイント

では、どうすればFX詐欺による被害を防げるのでしょうか?
ここからは、FX詐欺の手口から自分を守るために意識するべきポイントを3つ紹介します。

少額の利益が出ても安心しない

1つ目のポイントは、少額の利益が出ても安心しないことです。

FX詐欺では、少額の利益が実際に入金されるケースもちらほら見受けられます。しかし、少額が出金できたからといって、その業者が信頼できるわけではありません。
これは、「ちゃんと出金されるんだ」という安心感を持たせて、大きな金額を振り込むことへのハードルを下げるのが狙いです。

実際には、そのまま入金が続けられることはなく、10万円、100万円と投資額を増やしたところで、「口座が凍結された」「公的機関の調査が入った」といった理由で急に出金できなくなります。

金融商品取引業の登録業者なのかを確認する

2つ目のポイントは金融商品取引業の登録業者なのかを確認することです。

日本でFX業を営むには、必ず「金融商品取引業」への登録が必要です。登録業者を利用すれば、少なくとも「利益が出たが出金できない」「連絡が取れない」といったトラブルは避けられるでしょう。

因みに、金融商品取引業へ登録されているかは、金融庁のホームページから確認できます。

「確実に儲かる」という言葉を鵜呑みにしない

結局、最も大切なのは、「確実に儲かる」という言葉を鵜呑みにしないことです。
プロのトレーダーでも大きな損失を出すことがあるのがFXの世界です。「月利10%保証」「年利100%以上確実」などという甘い言葉は、すべて嘘だと考えてください。

FXにはリスクがつきものだということを忘れずに、冷静な判断を心がけましょう。

FX詐欺の手口で入金したお金は返金できる?

FX詐欺の手口で返金を勝ち取る流れ

FX詐欺の手口だと気づいたとき、最も気になるのは「お金は戻ってくるのか」という点でしょう。結論、迅速に行動を起こせば、返金される可能性はあります。

ただし、返金される金額や・返金の可能性は時間の経過とともに急速に低下していきます。返金を勝ち取るなら、FX詐欺だと気づいた時点で、速やかに弁護士へ相談することが必要です。

FX詐欺で返金を実現するまでの基本的な流れを、以下にまとめました。

① 振り込め詐欺救済法による口座凍結をする
 ↓
② 加害者の氏名や住所を特定する
 ↓
③ 内容証明郵便で返金の交渉を持ちかける
 ↓
④ 民事訴訟や刑事告訴を提起して、示談に持ち込む など

このうち、最も理想的なのは、相手の口座に残高が残っているうちに口座凍結することです。お金が引き出されていなければ、比較的早く返金を受けられる可能性があります。

口座に残高が残っていない場合は、加害者の氏名・住所を特定して、本格的な法的手続に移行していきます。ただし、返金がされるまでに時間がかかることが多く、海外業者の場合は、所在を特定するために複雑な手続きが必要となるケースもあります。

FX詐欺の手口だと気づいたときの相談先3つ

FX詐欺だと気づいたとき、相談先としては、弁護士・警察・公的機関の相談窓口の3つが考えられます。それぞれ「できること・できないこと」がありますが、振り込んだお金の返金を目指すなら弁護士一択です。

FX詐欺の手口だと気づいたときの相談先

警察は、FX詐欺の刑事責任を問うことはできます。しかし、目的はあくまでも加害者の逮捕・刑事処罰なので、返金請求は行ってくれません。加害者は罰金を払うかもしれませんが、被害者の手元にお金が返ってくるわけではないのです。

公的機関の相談窓口も、具体的なサポートを求めることは難しいでしょう。
FX詐欺の相談にはのってくれますが、相手を突き止めて返金交渉をしたり、民事訴訟を提起してくれるわけではありません。

一方で、弁護士は詐欺の被害金額を返金してもらうために、あらゆる方法を取れます。実際に法的手段に移らなくても、弁護士から内容証明郵便を送っただけで、相手が態度を急変させることも珍しくありません。
特に、ポンジ・スキームなどが用いられている場合、相手は騒ぎ立てられることを恐れているので、連絡した段階で返金されるケースも多いです。

1つだけデメリットがあるとすれば、費用がかかることです。
被害金額によってはコスト割れするケースもあるので、着手するべきかも含めた判断が必要でしょう。

ただし、信頼できる弁護士なら、最初に「返金の見込みがあるか・コスト割れしないか」を説明してくれるはずです。中には、初回相談を無料で受け付けている弁護士事務所もあるので、まずは相談してみてください。

FX詐欺だと気づいたら、グラディアトル法律事務所へご相談ください

もしあなたが、「FX詐欺でお金を騙し取られた」、「入金した途端に連絡が取れなくなった」「どうやって取り戻せばいいか分からない」といった悩みを抱えているなら、ぜひ弊所グラディアトル法律事務所にご相談ください。

グラディアトル法律事務所は、これまでFX詐欺を含む数多くの投資詐欺事件を手がけて、被害金の返金を実現してきた実績豊富な法律事務所です。
FX詐欺はもちろん、仮想通貨詐欺、情報商材詐欺など、あらゆる詐欺案件で返金を実現しています。

依頼者を「守る」だけではなく、「攻め」の提案を行い、依頼者の利益を勝ち取る。そして、依頼者とともに「戦う」弁護士でありたい。

これが私たちの想いです。
初回相談は無料です。まずは勇気を出して、私たちグラディアトル法律事務所へご相談ください。

まとめ

最後に、記事のポイントをQ&A形式でまとめます。

Q1. FX詐欺にはどのような手口がありますか?
A. 勧誘、売買、出金などのタイミングで、それぞれ次のような手口が用いられます。

【勧誘で用いられる手口】

・SNSなどで著名人になりすました勧誘
・知人からの紹介による勧誘
・投資セミナー・オンライン講座での勧誘 など

【売買で用いられる手口】

・自動売買ツール・FXアプリを用いた手口
・暗号通貨(仮想通貨)と組み合わせた手口
・海外業者や無登録業者を利用した手口 など

【出金で用いられる手口】

・口座凍結などの理由で出金を拒否する
・返金を装って、さらにお金を請求する など

Q2. FX詐欺の手口から身を守るポイントは何ですか?
A. 主に以下の3つのポイントが重要です。

・少額の利益が出ても安心しない
・金融商品取引業の登録業者なのかを確認する
・「確実に儲かる」という言葉を鵜呑みにしない

Q3. FX詐欺で入金したお金は返金できますか?
A. 迅速に行動を起こせば、返金される可能性はあります。返金の基本的な流れは以下のとおりです。

・振り込め詐欺救済法による口座凍結をする
・加害者の氏名や住所を特定する
・内容証明郵便で返金の交渉を持ちかける
・民事訴訟や刑事告訴を提起して、示談に持ち込む

時間の経過とともに返金の可能性は急速に低下するため、早急な対応が必要です。

Q4. FX詐欺の手口だと気づいたときはどこに相談するべきですか?
A. 弁護士・警察・公的機関の3つがありますが、返金を目指すなら弁護士一択です。

・弁護士 → 相談、返金交渉、民事訴訟のすべてに対応可能
・警察 → 刑事処罰は可能だが、返金請求は行ってくれない
・公的機関 → 相談にはのってくれるが、具体的なサポートは期待できない

以上です。
FX詐欺の被害に遭った方や、詐欺かもしれないと不安な方は、ぜひグラディアトル法律事務所にご相談ください。FX詐欺に精通した弁護士が、全力であなたをサポートします。

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FX詐欺でお困りの方は、詐欺事件に強いグラディアトル法律事務所へご相談ください。初回相談無料です。

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Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。