出会い系詐欺とは?マッチングアプリ等を活用した詐欺手口を徹底解説

「出会い系詐欺を見抜く方法が知りたい」

「出会い系詐欺で騙し取られたお金は返ってくるのか」

新たな出会いを求める際には、マッチングアプリや出会い系サイトを利用するのもひとつの選択肢といえます。

しかし、出会い系業界では詐欺行為が横行しているのも事実です。

実際、出会い系サイトやマッチングアプリなどで高額な料金を支払ってしまい、後悔している方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、出会い系詐欺の手口や特徴、見極め方を解説します。

出会い系詐欺に遭った場合の対処法も詳しくまとめているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

出会い系詐欺とは?その手口を徹底解説

まずは、出会い系詐欺の定義や手口を詳しくみてみましょう。

出会い系詐欺とは

出会い系詐欺とは、悪質業者が出会い系サービスの利用者から高額な料金をだまし取る犯罪行為です。

一般的には、出会いサイトやマッチングアプリなどが利用されます。

悪質業者が運営する出会い系サービスで、実際に出会えることは基本的にありません。

知り合った相手と連絡を取り、出会うまでの過程でポイント購入などの課金を求められ、最終的には何も実らないまま終わってしまうのです。

出会い系詐欺はよくある詐欺手法のひとつですが、国民生活センターには年間数千件以上の相談が寄せられるなど、騙されてしまう人は後を絶ちません。(参考:PIO-NETに登録された相談件数の推移|国民生活センター

出会い系詐欺の手口

出会い系詐欺でよくみられる手口は以下のとおりです。

出会い系詐欺の手口

出会えそうで出会えない状況を作り出し、サービス利用料を騙し取るのが出会い系詐欺の常套手段といえます。

「もう少しで実際に会えるかも」という心理が強く働いてしまうので、高額な支払いにもついつい応じてしまうわけです。

しかし、一度冷静になれば、詐欺かどうかを見抜くことも難しくはありません

出会い系サービスを利用する際は、上記の点に着目し、少しでも怪しい雰囲気が出てきたときにはすぐに利用を中止しましょう。

出会い系サイトやマッチングアプリを利用した詐欺の手口6選

健全な事業者が運営する出会い系サイト・アプリであっても、それを悪用した詐欺行為が存在する点に注意しておく必要があります。

ここでは、出会い系サイトやアプリがきっかけとなる詐欺の手口を6つ紹介するので参考にしてみてください。

出会い系サイトやマッチングアプリを利用した詐欺の手口

投資詐欺|投資サイトなどに誘導されて投資金を騙し取られる

出会い系サイト・アプリを利用した詐欺の代表例は投資詐欺です。

出会い系サービスで知り合った相手と親交を深めたころに、「必ず儲かる」などと暗号資産やFXなどへの投資を勧められます。

そして、指定された口座にお金を振り込んだ途端、音信不通になってしまうのです。

手が込んでいるケースでは、偽サイトが作られていることもあります。

あたかも利益が出ているような画面が表示され、出資額を増やしたところで、相手方との連絡が途絶えてしまいます。

出会い系サービスで儲け話を持ち掛けられたときは、ほぼ確実に詐欺だと考えてよいでしょう。

デート商法|デートに誘われ高額な商品を購入させられる

デート商法は、恋愛感情を利用して高額な商品やサービスを契約させる詐欺の手口です。

たとえば、マッチングアプリで知り合った相手とデートするなかで宝石店に案内され、高額なアクセサリーの購入を迫られるケースなどが多く見受けられます。

そして、「ケチだと思われたくない」「プレゼントを買ってあげれば、良い関係になれるかもしれない」と被害者は要求を断れず、ついつい応じてしまうのです。

もちろん、デート商法での恋愛が成就することはなく、お金をだまし取られるだけで終わってしまいます。

結婚詐欺|結婚を名目に金銭を騙し取られる

出会い系サイト・アプリを利用した結婚詐欺もよくある手口のひとつです。

結婚詐欺の流れとしては、まず、出会い系サイトで知り合い、恋愛感情を抱いた相手から結婚を持ち掛けられます。

そして、婚約状態になったところで、「借金を清算してから結婚したい」「引っ越すためのお金が必要」などと、結婚を名目にした資金援助を求められるのです。

最後までお金を絞り取られたあとで突然連絡が取れなくなり、信頼していた相手が詐欺師だったと気づかされます。

国際ロマンス詐欺|親しくなった外国人に送金を迫られる

近年、特に問題視されている詐欺の手口が「国際ロマンス詐欺」です。

出会い系サービスで知り合った外国人と親しくなり、渡航費用を振り込んだり、投資の誘いに乗ってしまったりして、お金を騙し取られます。

相手は外国にいる前提なので、一度も会うことなく、突然音信不通になるケースがほとんどです。

被害者の年齢層が比較的高い点も特徴といえるでしょう。

美人局・ぼったくり|誘ってきた女性と共謀者から金銭を脅し取られる

美人局・ぼったくりも、出会い系サイトやマッチングアプリを利用した詐欺の代表例といえるでしょう。

美人局では、マッチングアプリで知り合った女性から誘われ、性行為に及んだあとで夫やパートナーを名乗る人物から慰謝料・口止め料などを要求されます。

また、デート中に連れていかれた飲食店で、法外な料金を請求される「ぼったくり」の手口も横行しています。

いずれのケースも「お金を払わなければただじゃおかないぞ」などと、脅迫・恐喝を受けることが多く、詐欺だとわかっていながら、支払いに応じてしまう人も少なくありません。

セクストーション|送付した性的な画像をネタに金銭を要求される

セクストーションは、性的な画像・動画をネタに金銭を要求する手口のことです。

一般的な流れとしては、まず、出会い系サイトなどで知り合った相手から性的な画像や動画の交換を促されます。

そして、自撮り画像などを送付してしまうと、「この画像をばらまくぞ」と脅され、口止め料を要求されるのです。

また、ビデオ通話で性的な行為を見せ合い、その映像を録画する手口も報告されています。

被害者は羞恥心から周囲に相談できないまま、複数回にわたって金銭を支払わされることも少なくありません。

出会い系詐欺の特徴は?見分け方のポイント

出会い系詐欺が疑われる場合は、以下のような特徴があるかどうかで見分けられることがあります。

出会い系詐欺の特徴

出会い系サイト・アプリで知り合った人物と実際に会えない状況のなかで、利用料を支払い続けている場合は、出会い系詐欺に騙されている可能性が高いです。

一旦利用を停止し、弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

逮捕事例でみる出会い系詐欺の手口の実際

ここでは、出会い系詐欺の逮捕事例を紹介するので、自身が置かれている状況と類似する点がないかチェックしてみてください。

出会い系サイトの利用料を騙し取る詐欺の逮捕事例
出会い系サイトに登録した女性から利用料名目で現金を詐取したとして、警視庁は27日、詐欺グループ幹部で東京都江東区の職業不詳の男(41)を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕したと発表した。・・・男は仲間と共謀し、21年2月~22年7月、運営する出会い系サイトに会員登録した千葉県の40歳代女性ら2人に「男性と連絡を取り合うにはチャット利用料が必要」などとうそを言い、計約1100万円を詐取した疑い。(引用:読売新聞オンライン)
16日新たに組織的犯罪処罰法違反の疑いで逮捕されたのは、東京都新宿区のアルバイトの女(36)です。女は詐欺グループが運営する出会い系サイトに会員登録した県外の40代の女性に対し「手続き費用を支払えば連絡先を交換できる」などと嘘のメールを送り、現金あわせておよそ131万円を振り込ませた疑いが持たれています。(引用:東北放送)
出会い系サイト・アプリを利用した詐欺の逮捕事例
マッチングアプリで知り合った男性を飲食店に誘導して高額請求し、うそをついて金をだまし取ったとして、警視庁保安課は19日までに、詐欺などの疑いで、飲食店従業員○○容疑者(22)=東京都新宿区=ら20代の男女6人を逮捕、再逮捕した。同課によると、6人は店の関係者で、女の容疑者が男性に接触して店に誘導。容疑者らは「トランプゲームに負けた方が酒を飲もう」と持ちかけて大量に注文して高額請求し、男性がATMに行く際の付き添いなどの対応中に「予約のキャンセルが生じた」とうそを言ったとみられる。(引用:共同通信)
詐欺と組織犯罪処罰法違反の疑いで熊本県警に逮捕されたのは、東京都渋谷区に住む中国籍の大学生の男(22)です。男は他の人物と共謀し、去年(2024年)3月、熊本県北部に住む67歳の男性をだまして現金500万円を他人名義の口座に振り込ませた疑いが持たれています。警察によりますと、男のグループは架空の女性になりすましてマッチングアプリを通じて男性と接触し、「投資で一緒にお金を増やそう」などと嘘を言って、別の人物が管理する他人名義の口座に現金を振り込ませたということです。(引用:東北放送)

出会い系詐欺に遭った場合にまずやるべきこと

ここでは、出会い系詐欺に遭った場合にまずやるべきことを3つ紹介します。

出会い系詐欺に遭った場合にまずやるべきこと

冷静な対応がとれるかどうかで被害金の回収率も変わってくるので、落ち着いて行動しましょう。

できるだけ多くの証拠を集める

出会い系詐欺に遭った場合は、できるだけ多くの証拠を集めるようにしましょう。

証拠がなければ、被害回復や加害者への責任追及が困難になるためです。

出会い系サービスの利用料を騙し取られたケースでは、以下のような証拠が役に立ちます。

  • 出会い系サイトのURL
  • メール・チャットの履歴
  • 振込明細書・領収書
  • クレジットカードの利用履歴
  • 相手方の連絡先

また、出会い系サービスを利用した投資詐欺やロマンス詐欺などの被害に遭った場合は、加害者のアカウント名やプロフィール情報などもスクリーンショットで保存しておきましょう。

お金を受け取ったあと、加害者はすぐに証拠隠滅を始めるケースが多いので、詐欺被害に気づいたらできるだけ早く証拠収集を始めてください。

出会い系サービスの管理会社に通報する

出会い系サービスで出会った相手に騙された場合は、管理会社に通報するのもひとつの方法です。

管理会社に通報しておけば、事件化した際に捜査への協力を得られる可能性があります。

また、アカウント凍結などの措置がとられるケースもあり、早期の通報は自分自身を守るだけでなく、被害の拡大を防ぐことにもつながります。

ただし、加害者との交渉に管理会社が関与することは基本的にありません。

被害金の返金に向けた手続きは、別途進めていく必要があります。

専門機関に相談する

出会い系詐欺は重大な犯罪なので、一人で抱え込むことはおすすめしません。

一刻も早く専門機関に相談して、アドバイスを受けるようにしてください。

ただし、相談先によって対応範囲に以下のような違いがあります

出会い系詐欺に関する主な相談先

被害金の返金を望むのであれば、弁護士に相談しましょう。

専門的な知識を有する弁護士のサポートがあれば、返金の可能性も大きく高まります。

弁護士

出会い系詐欺に遭った場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

被害金の回収手続きを一任できるのは、弁護士だけです。

経験豊富な弁護士であれば、証拠収集や加害者の特定などを迅速に進められます。

交渉や訴訟対応も任せられるため、手続きにかかる手間や精神的負担を抑えられるのも大きなメリットといえるでしょう。

ただし、相談するタイミングが遅れると、弁護士が介入できる余地も小さくなります。

初回相談であれば無料で応じてくれる法律事務所も多いので、被害に気づいたときはできるだけ早い段階で相談することが大切です。

グラディアトル法律事務所は詐欺事件を得意としており、数多くの返金実績を有しています

最短即日の対応も可能なので、状況が悪化する前にまずは一度ご相談ください。

警察

出会い系詐欺に遭った場合は、警察にも相談しておきましょう。

出会い系詐欺は犯罪なので、警察に相談すれば捜査を進めてくれる可能性があります。

場合によっては、連絡が取れなくなった加害者を特定できることもあるでしょう。

ただし、警察が対応してくれるのは、あくまでも刑事上の問題だけです。

被害金の返金は民事上の問題になるので、警察の協力を得ることはできません。

消費生活センター

出会い系詐欺の被害に遭った場合は、消費生活センターに相談してみるのもよいでしょう。

消費生活センターは、地方公共団体が運営する消費者のための相談窓口です。

専門知識を持ったスタッフから、活用するべき制度や適切な相談先などに関してアドバイスを受けられます

消費生活センターは全国の市区町村に設置されており、誰でも無料で相談可能です。

ただし、返金に向けた具体的な手続きまでは任せられないので注意してください。

出会い系詐欺で騙し取られたお金の返金方法

ケースバイケースですが、適切に対処すれば出会い系詐欺で騙し取られたお金を返金してもらえる可能性があります。

具体的には、以下のような方法が考えられるでしょう。

  • 内容証明郵便で返金を求める
  • 民事訴訟で損害賠償請求をおこなう
  • 刑事告訴で示談に持ち込む
  • 振込先の口座を凍結する
  • チャージバックを申請する
  • 決済代行会社・電子マネー発行会社に問い合わせる

ただし、返金手続きを円滑に進めるには専門的な知識が求められます。

自力で進めようとするとさらなるトラブルにつながるおそれもあるので、まずは弁護士に相談し、アドバイスを受けることが重要です。

(リンク:「出会い系詐欺 返金」)

まとめ 

本記事のポイントは以下のとおりです。

◆ 出会い系詐欺は悪質業者がサイト・アプリで利用者から料金をだまし取る犯罪行為
◆ 出会い系詐欺では高額なポイントを購入しても実際に出会うことはできない
◆ 出会い系サイトを利用した詐欺の手口も多い
◆ やり取りが長引く場合や会話がかみ合わない場合は出会い系詐欺を疑うべき
◆ 出会い系詐欺に遭ったときは証拠の確保が重要
◆ 出会い系詐欺で騙し取られたお金は返金されることもある

出会い系詐欺の手口は巧妙化しており、いつの間にか騙されてしまう人も少なくありません。

しかし、被害金を取り戻せる可能性は残されています

泣き寝入りするのではなく、弁護士とも相談しながら、返金に向けた手続きを進めていきましょう。

グラディアトル法律事務所では、経験豊富な弁護士が24時間・365日体制で相談を受け付けています

初回相談は無料、LINEでの相談にも対応しているので、困ったときはいつでもご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。