【2020年最新版】SNSコンサル詐欺(情報商材詐欺)について弁護士が徹底解説!!

SNSコンサル詐欺とは

SNSコンサル詐欺とは、簡単にいうと主にInstagramやTwitterなどのSNSを利用したビジネスに対するコンサルティングをもちかけて金銭を騙し取る詐欺といえます。

詐欺の分類のなかでは、情報商材詐欺の一種ないし派生したものといえるでしょう。

そもそも情報商材とは、「情報」の内容自体が商品であるところ、購入者に対し「情報」を送らなかったり勧誘時の宣伝文句とまったく内容が違う「情報」を送ったりして金銭を騙し取る詐欺情報商材詐欺です。
よく見受けられるのは、競馬やパチンコなどギャンブルの必勝法、株式やFX・仮想通貨など投資の必勝ノウハウを情報商材とするものです。

そしてSNSコンサル詐欺は、SNSを利用したビジネスにおける情報やノウハウをコンサルティングすると勧誘し、金銭を支払わせたにもかかわらずコンサルティングを行わなかったり勧誘時と全然異なるコンサルティングしか行わないものが一般的です。

なお、最近SNSコンサル詐欺ではないかと話題になっている高校生社長の事案につき、代表弁護士の若林翔が動画で解説していますのでぜひご覧ください。

SNSコンサル詐欺を行う詐欺師の特徴

まずSNSを利用したビジネスについてコンサルティングで勧誘する以上、当該ビジネスによって成功しているかのように見せかけています
具体的には、札束やブランドの衣服・装飾品、高級車、ホテルのスイートルームなどの写真でアピールしていることが通例です。

また多くが、10代~20代の者が当事者または看板となっています。
人生経験が少ない者でも成功していると見せつけることで、自らもコンサルティングを受けて成功できるのではと思わせるためです。

さらに利用するSNSにおいて、いわゆるインフルエンサーといえるくらいのフォロワーや友達を有していることも特徴です。
多数のフォロワーや友達の存在を示すことで、多くの顧客や様々な人脈をもっていると装えるからです。

このようにSNSコンサル詐欺を行う詐欺師の特徴としては、SNSにて多くのフォロワーや友達がいる身なり羽振りのよい若者という傾向にあります。
なお、この特徴は情報商材詐欺全般についても同じ傾向といえます。

SNSコンサル詐欺の勧誘手口・内容

SNSコンサル詐欺の勧誘手口としては、自らの発信や投稿にくわえ、当該SNS内にて広告を用いて勧誘していることがよく見受けられます。

一方、勧誘内容としては、まず「確実に稼げる」や「月収(年収)○○万円になれる」などの甘い言葉を宣伝文句としています。

そして、どのように稼げるかについては、コンサルティングを受けることで自らのようにフォロワーや友達を増やすことができ、それが一定数になれば,企業からの広告依頼やタイアップ案件が月平均○○件くると案内しているものが多いです。

しかし実際にコンサルティング費用を支払うと、そもそも勧誘内容とまったく違う話であったりすることが往々にあります。
具体的には、コンサルティングどおりに行っても一定数のフォロワーや友達の人数に届かなかったり、一定数まで届いたとしても企業からの問い合わせは1件もこないというものです。

そのうえ問い合わせてみても、「努力が足りない」や「結果は保証しない」など述べ、返金を請求しても応じないのがほとんどです。

SNSコンサル詐欺の法的問題~契約を取り消すことはできるか~

SNSコンサル詐欺については、様々な法律にかかわる法的問題があり、各種法律により取り消しが可能な場合がありますので以下順に解説します。

1.特定商取引法

まずSNSコンサル詐欺の多くは、「業務提供誘引販売取引」(特定商取引法51条)に該当し、種々の規制に反して行われていることが現状です。

業務提供誘引販売取引とは、簡単に言うと、「ビジネスで収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、ビジネスに必要であるとして、商品・サービス等を売って金銭負担を負わせる取引のことです。

これを多くのSNSコンサルでいえば、企業等から「収入が得られる」と勧誘し、SNSビジネスに必要であるとして、コンサルティング費用を支払わせるものですので、業務提供誘引販売取引にあたるということです。

そしてSNSコンサルにおける代表的な規制違反として、SNS上にて勧誘し問い合わせを受ける特徴からか、取引(契約)に際しクーリングオフ条項をはじめ法律上要求されている契約書面(特定商取引法55条)を交付していなかったり、交付していたとしても虚偽や不備のあることがよく見受けられます。

結論として上記のような交付義務違反が認められる場合には、契約者はたとえクーリングオフ期間が過ぎていたとしてもクーリングオフが可能となります。

なお交付義務違反に対しては、6月以下の懲役または100万以下の罰金(併科あり)の刑罰が科せられる可能性があります(特定商取引法71条1号)。

2.消費者契約法

またSNSコンサル詐欺の多くは、消費者保護法の規制する行為をしていることが見受けられます。

具体的には、「確実に稼げる」「絶対儲かる」と勧誘している際には、断定的判断の提供行為に該当します(消費者契約法4条1項2号)。
断定的判断の提供とは、将来における変動が不確実な事項について、確実であると告げることです。

他には、企業からの広告依頼やタイアップの平均金額・件数等についても、実際の数字より異なることを伝えていれば不実告知行為にも該当しえます(消費者契約法4条1項1号)。
不実告知とは、契約の重要事項について事実と異なる説明をすることです。

このように断定的判断の提供や不実告知など消費者を誤認・困惑させる不当な勧誘の場合には、消費者は契約を取り消すことができます。

3.民法

SNSコンサルにおいて、当初から騙す行為があって錯誤に陥り、それに基づき金銭を支払ったといえる場合には、民法上の詐欺としても取り消すことが可能となります(民法96条)。

4.まとめ

特定商取引法・消費者契約法・民法といずれの法律によるにせよ契約を取り消した場合には、契約者は支払った金銭の返金請求(不当利得返還請求・民法703条)を行うことができます。

SNSコンサル詐欺に遭わない対策

SNSコンサル詐欺に遭わない対策としては、勧誘者の情報や勧誘内容が本当かどうか慎重に吟味し、少しでも不審な点があれば手を出さないようにすべきです。

前述のとおりSNSコンサルにおいては、勧誘の当事者・看板となっている者について、当該SNSにて多くのフォロワーや友達がいており、かつ身なり羽振りをよく見せています。

しかしフォロワーや友達については、専門の業者に依頼するなどして増やすことも可能であり、よくよく見ればいわゆる捨てアカがほとんどだったという話も現実にあります。
札束やブランドもの、高級車などの写真についても、誰かから借りたものであったり、ネット上にあった写真を流用していただけということもあります。

このように勧誘の当事者・看板となっている者の情報は、実際は偽装されたものであることもままありますので注意して確認すべきです。

また勧誘内容についても、フォロワーや友達が一定数になれば、それだけで企業から問い合わせや依頼がきて収入が得られると宣伝してるものはSNSコンサル詐欺の疑いが強いです。

というのも、たしかに企業は自らの商品やサービスに対し広告効果が得られるであろうインフルエンサーに対しては問い合わせを行うこともあるでしょう。

しかし企業は広告費用やタイアップ費用を支払う以上、当然フォロワーや友達の数だけでなく、その性別や年代など詳細な情報も精査し、かつ1つ1つの投稿にどれだけの影響力があるかなども検討するものです。
フォロワーや人数のみで、広告効果がどこまであるか測れるものではまったくありません。

それにもかかわらず、単にフォロワーや友達の数のみで企業から問い合わせ・依頼がきて収入が得られるとする勧誘内容は、ウソと言わざるを得ないでしょう。

最後にSNSコンサル詐欺はもちろん情報商材詐欺に遭ったかもと思った場合には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

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Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。