「マスク必要ならあげる」と訪問「コロナに効く」と漢方薬販売、書類不備容疑で2人逮捕

ニュース内容

訪問販売の際に必要な書類を客に渡さなかったとして、大阪府警は16日、漢方薬販売会社社長、〇〇容疑者(42)=大阪市阿倍野区=ら2人を特定商取引法違反(不備書面の交付)の疑いで逮捕した。「新型コロナウイルスに効く」とうたって高齢者に約15万円で漢方薬を販売していたといい、府警は他にも被害があるとみて調べている。

他に逮捕されたのは、同社従業員、〇〇容疑者(41)。逮捕容疑は共謀して15日午後、大阪府羽曳野市の女性(83)宅を訪問し、クーリングオフ(契約解除)などについて書かれた書類を渡さずに漢方薬30カプセルの売買契約を結んだとしている。いずれも容疑を認めている。

府警生活経済課によると、〇〇容疑者が「マスクが必要ならあげる」などと言って訪問し、「コロナにも効く」と購入を持ちかけていた。〇〇容疑者は薬と振込用紙だけを渡して立ち去り、女性が代金を振り込む前に親族が府警に通報した。

〇〇容疑者は「15日だけで7、8軒を回った」と供述。以前は公民館などに客を集めて販売していたが、感染拡大で集会が難しくなり、訪問販売に切り替えたという。【堀祐馬】

毎日新聞 2020年4月17日 09時48分

弁護士からのコメント

今回のニュースは、「新型コロナウイルスに効く」とうたった漢方薬の訪問販売の際に必要な書類を客に渡さなかったとして、特定商取引法違反(不備書面の交付)の疑いで逮捕されたというものです。

再三お伝えいたしておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した詐欺や悪徳商法が目に見えて増加しています。

コロナ詐欺に関する情報は下記ページにまとめていますので、よければご参照ください。

今回のニュースにおいては、逮捕されることになった特定商取引法違反(不備書面の交付)について解説したいと思います。

そもそも特定商取引法は、今回のニュースにある訪問販売をはじめとした特定の商取引において一般消費者が不当な損害を受けることを防止するために作られた法律です。

そして訪問販売については、商品の種類・価格・引渡時期や支払の時期・方法にくわえ、クーリングオフに関する事項などを記載した書面を交付することが義務とされています(特定商取引法4条)。

この交付義務に違反、具体的には交付しなかったり、虚偽記載、記載不備などがあった際には、6月以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり)が科せられる可能性があります(特定商取引法71条1号)。

今回のニュースでは振込用紙だけしか渡さなかったとあるので、記載不備があるとして交付義務違反を認定し、逮捕に至ったのでしょう。

私見ですが、新型コロナウイルスが感染拡大している最中に、全国で不足している「マスクが必要ならあげる」などと言って訪問し、「コロナにも効く」とうたって購入を持ちかけていた点を非常に悪質な手口ととらえて、警察も動いたのではないかと思われます。

なお、現在は特定商取引法違反(不備書面の交付)のみの疑いで逮捕していますが、今後の捜査によりコロナに効くと騙して購入させたとなれば、詐欺罪で再逮捕される可能性もあるでしょう。

最後にコロナに便乗した詐欺・悪徳商法に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。