保険契約を装い850万円詐取容疑 会社役員を逮捕 北見署

ニュース内容

北見署は26日、詐欺の疑いで、東京都府中市宮町1、会社役員林寛之容疑者(43)を逮捕した。

逮捕容疑は東京の生命保険会社の代理店を北見市で営んでいた2017年8月ごろ、顧客である兵庫県姫路市の会社経営の男性(74)に保険契約を勧め、自社名義の口座に保険料として約850万円を送金させ、だまし取った疑い。同署は林容疑者の認否を明らかにしていない。

02/27 05:00 北海道新聞

弁護士からのコメント

今回のニュースは、顧客である男性に保険契約を勧め、自社名義の口座に保険料として約850万円を送金させ、だまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されたというものです。

このような架空保険(勧誘)詐欺は、残念ながら頻繁に行われています。

架空保険(勧誘)詐欺 についての詳細は下記ページでも記載しておりますので、よければご参照ください。

今回はなぜ保険自体が詐欺の手口として利用されやすいかについて解説したいと思います。

そもそも保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を、加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた、助け合いの制度です。

そして民営の保険(民間の損害保険会社、生命保険会社が販売している保険)については、下記3種類があり、それぞれの保険内容によって保険料は異なってきます。

  • 人の生死に関して保険金が支払われる生命保険(定期保険、終身保険など)
  • 偶然の事故による損害について保険金が支払われる損害保険(自動車保険、火災保険など)
  • 生命保険と損害保険の中間に位置する保険(医療保険、がん保険など)

人々は、将来起こるかもしれない危険に対する不安感から、保険料を支払ってでも自らが必要と考えた上記のような保険に入ることになります。

これを詐欺師の立場からすると、不安に感じている人間に対しては、その不安を煽ったりすることで騙しやすいということがいえます。

また高額を保障する保険内容であればあるほど保険料が高いことは基本的に誰しも理解していることですので、比較的高額の金銭等を騙し取りやすいということも理由の1つといえるでしょう。

このように保険自体が詐欺の手口として利用されやすいのは、不安を煽ることで騙しやすく、かつ高額の金銭を騙し取りやすいという点があげられます。

最後に、架空保険(勧誘)詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。