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「立ちんぼ」と売春防止法!客やホストも逮捕される?その理由を解説

弁護士 若林翔 2023/10/05更新

「立ちんぼ」と呼ばれる売春をする女性の一斉摘発・逮捕事例が増加している。

近年、新宿歌舞伎町の大久保公園、ハイジア、トー横付近では、立ちんぼやそれを買う客が増加している。

警視庁や新宿警察署もこの件を問題視しており、一斉摘発をしている。

2023年9月から10月にかけて、警視庁による一斉摘発・集中摘発がおこなわれ、「立ちんぼ」女性35人が逮捕された。

また、2023年1月から9月までの期間では、延べ約80人の「立ちんぼ」女性が検挙されている。

大阪府警でも、2023年8月から9月にかけて、大阪府警でも、大阪のキタ、東梅田付近のアメリカン通りにおける「立ちんぼ」女性の一斉摘発・逮捕が行われた。

「立ちんぼ」女性の逮捕数・検挙数は、3年連続増加しており、2023年はさらに増加する見込みだ。

逮捕された女性の多くが20代で、歌舞伎町に多くあるホストクラブやコンカフェ(コンセプトカフェ)などでの遊興費や売掛金を稼ぐ目的であるようだ。

本記事では、「立ちんぼ」がなぜ逮捕されるのか、「立ちんぼ」を買った客や売春をさせたホストが逮捕されるのか、売春防止法との関係を踏まえて解説をする。

 

「立ちんぼ」とは?

「立ちんぼ」とは、街角の路上などの公共の場所で売春相手を探す売春婦のこといい、「街娼」とも呼ばれる。

近年、新宿歌舞伎町の大久保公園、ハイジア、トー横付近では、「立ちんぼ」が増加し、立ちんぼを買いにくる客や、物珍しさに見物に来る人などが集まり、社会問題化している。

「立ちんぼ」の歴史は古く、江戸時代には、吉原遊廓からあぶれた売春婦が夜鷹と呼ばれる「立ちんぼ」がいた。

戦後においても、新宿駅周辺などで、アメリカ軍の将兵を相手にしたパンパン・ガールと呼ばれる「立ちんぼ」がいた。

これまでの「立ちんぼ」は、生活に困窮した女性が売春相手を探すために立ちんぼをしていることが多かったようであるが、現在の「立ちんぼ」は、ホストクラブの売掛金を払うためなどの理由が多いようである。

 

単純な売春だけでは逮捕されない

売春防止法は、単純な売春行為について、違法であるとしつつも罰則を定めていない。

そのため、売春をしただけでは逮捕されるないのだ。

そもそも、売春防止法は、売春をさせられる女性は保護の対象であると考えており、保護法益(守るべきもの)は、売春助長行為のもたらす人としての尊厳という個人的法益と社会の善良の風俗という社会的法益だと考えている。

そのため、単なる売春行為については、処罰規定をおいていないのだ。

 

「立ちんぼ」をした女性が売春防止法違反で逮捕される理由

売春防止法が売春行為自体に罰則を定めていないとしたら、なぜ、「立ちんぼ」は逮捕されるのだろうか?

「立ちんぼ」が売春防止法違反で逮捕される理由は、路上などの公共の場所で「客待ち」や「勧誘」をするからだ。

公共の場での売春の「客待ち」や「勧誘」は、社会の善良の風俗という社会的法益を害する行為として処罰対象となっている。

(勧誘等)
第五条 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

売春防止法 E-gov

「立ちんぼ」の売春防止法違反の罰則

「立ちんぼ」(売春の勧誘や客待ち行為)の罰則は、6月以下の懲役、1万円以下の罰金だ。

量刑相場としては、略式命令で1万円以下の罰金となることが多い。

初犯であれば、不起訴処分となることもあるだろう。

立ちんぼ逮捕事例

【新宿歌舞伎町・大久保公園・ハイジアでの「立ちんぼ」逮捕事例】

大久保公園での“立ちんぼ”集中摘発 女35人を逮捕 歌舞伎町

売春の客待ち行為をするいわゆる“立ちんぼ”の増加が問題となっている東京・歌舞伎町の大久保公園で、警視庁による集中摘発が行われ、女35人が逮捕されました。

大久保公園周辺では近年、売春の客待ちをする“立ちんぼ”が増えています。SNSには、客と女性のやりとりなどの動画の投稿が相次いでいます。

こうした状況を受け、警視庁は9月5日から大久保公園周辺などの取り締まりを行い、21~46歳の女35人を売春防止法違反の疑いで逮捕しました。

警視庁によりますと、ホストやメンズ地下アイドルに使う金が欲しいという動機が最も多かったということです。警視庁はホストクラブ110店に対し、売春を斡旋した場合には摘発する可能性を説明するなど対策に力を入れています。(ANNニュース)

abema times 2023/10/3 https://news.yahoo.co.jp/articles/97b9d77323d7eacd29e8617e73cf11fc7ad039e8

【大阪キタ・アメリカン通りでの「立ちんぼ」逮捕事例】

客待ちを再度一斉摘発 大阪・キタの売春スポット「アメリカン通り」で女3人を逮捕

大阪メトロ東梅田駅(大阪市北区)近くのホテルや飲食店の密集エリアで「アメリカン通り」と呼ばれる付近の路上に立ち、売春相手の客待ちをしたとして、大阪府警保安課は5日、売春防止法違反容疑で、18〜27歳の女3人を逮捕したと発表した。いずれも容疑を認め、「ホストに使うお金を稼ぐためだった」などと供述しているという。

3人の逮捕容疑は9月7〜12日、大阪市北区太融寺町(たいゆうじちょう)の路上で、売春目的で客待ちをしたとしている。府警によると、それぞれ300万〜5400万円を売り上げたとみられ、目的はホストへの支払いや整形費用だったという。

府警は8月にも一斉摘発を実施。多いときで20人ほどいた客待ちの女性は一時的にほぼ姿を消したが、最近では10人前後まで戻ったため、2回目の摘発に踏み切った。

産経新聞 2023/10/5 https://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-_affairs_crime_TLAVGSD6LRORLCXXZP2O5EIUXM.html

 

「立ちんぼ」を買った男性客が原則逮捕されない理由と例外事例

なぜ「立ちんぼ」を買った男性客は原則逮捕されないのか?

「立ちんぼ」を買った男性客は原則逮捕されない。

なぜなら、売春防止法は、単純な売春・買春行為について、罰則を定めていないからだ。

「立ちんぼ」を買って売春をしたとしても、男性客は逮捕されないのだ。

「立ちんぼ」を買った男性客が逮捕される例外事例

「立ちんぼ」を買った男性客は原則逮捕されないが、「立ちんぼ」が18歳未満であった場合には、例外的に、児童買春として、逮捕される可能性がある。

児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」により規制されている。

違反した場合には、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金となる。

「立ちんぼ」が18歳未満であることを知らなかった場合でも、過失があれば、児童買春の罪を免れないことになる点に注意が必要だ。

(児童買春)
第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

(児童の年齢の知情)
第九条 児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、第五条、第六条、第七条第二項から第八項まで及び前条の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失がないときは、この限りでない。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 E-gov

 

売春をさせたホストが逮捕される2つの事例

「立ちんぼ」の一斉摘発・逮捕において、逮捕された女性の中で、ホストやコンカフェの売掛金にあてるために売春をしたとされている。

ホストが、売春防止法違反で逮捕される場合として、以下の2つの場合がある。

・立ちんぼ(売春勧誘や客待ち)の教唆

・困惑させて売春させる行為

立ちんぼ(売春勧誘や客待ち)の教唆

ホストが客の女性に対して、「立ちんぼ」での売春をさせた場合、売春防止法がさだめる売春勧誘や客待ちの教唆犯(共犯の一種でそそのかすこと)として逮捕されることがある。

女性客に売春唆す=容疑で歌舞伎町ホスト逮捕―警視庁

女性客に売春の客待ちをするよう唆したとして、警視庁保安課は27日までに、売春防止法違反の教唆容疑で、東京・歌舞伎町にあるホストクラブの従業員〇〇容疑者(25)=住所不詳=を逮捕した。「売り上げや指名本数を上げるためだった」と容疑を認めている。

時事通信社 2023/4/27 https://sp.m.jiji.com/article/show/2934579?free=1

 

困惑・脅迫・暴行させて売春させる行為

ホストが客の女性に対して、困惑させて、または脅迫・暴行等をおこない、売春をさせる行為は、売春防止法違反の行為だ。

(困惑等による売春)
第七条 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

売春防止法

実際に、ホストが客に対して、困惑させてソープランドにて売春をさせたとして逮捕された事例がある。

1000万円要求し女性客ソープランドで売春 元ホストの男と住所不定無職の女ら13人逮捕

東京・歌舞伎町のホストクラブの20代女性客に対し、飲食代の売掛金名目で約1000万円を要求し、ソープランドで売春させたとして、警視庁保安課は23日までに、売春防止法違反(困惑等による売春)の疑いで、元ホストで無職の〇〇容疑者(27)を逮捕した。

日刊スポーツ 2023年1月23日 https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202301230000899.html

 

まとめ

売春防止法では、単純な売春行為について処罰規定を定めておらず、単に売春したり、買春したりするだけでは逮捕されることはない。

しかし、「立ちんぼ」は、路上などの公衆の場で売春の勧誘や客待ちをするため、逮捕される

他方で、「立ちんぼ」を買う客については、売春防止法に違反しないため、立ちんぼ女性が18歳以上であれば逮捕されることはない。

「立ちんぼ」をやらせたり、困惑等により売春をさせたりするとホストも逮捕される。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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