「売春防止法違反で不起訴になる確率はどのくらい?」
「売春防止法違反で不起訴処分を獲得するためにはどうしたらいい?」
「弁護士に依頼すると不起訴処分を獲得できる可能性が高くなる?」
売春防止法では、売春を助長する行為を規制対象にしているため、そのような行為をすると売春防止法違反で逮捕・起訴される可能性がある。
しかし、売春防止法に違反する行為をしたとしても必ず起訴されるというわけではない。違反行為が認められる場合であってもさまざまな事情を考慮して不起訴処分になる可能性もある。不起訴処分になれば前科がつくこともないため、売春防止法違反の嫌疑をかけられたときは、不起訴処分を目指していくことが重要である。
本記事では、
・売春防止法違反の不起訴率
・売春防止法違反で不起訴処分を獲得するための7つのポイント
・売春防止法違反で不起訴処分を獲得するために弁護士ができる3つのこと
について詳しく解説する。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得するには、ポイントを押さえた弁護活動が重要になるため、本記事を参考にしてすぐに弁護士に相談するようにしてほしい。
2023年検察統計 ※検察統計23-00-08参照によると、売春防止法違反で起訴された事件の数は189件、不起訴になった事件の数は305件であった。不起訴率でいうと約62%ということになる。
刑法犯全体の不起訴率は、約63%であるので、売春防止法違反の不起訴率は刑法犯全体の不起訴率とほぼ同程度といえる。
不起訴率としては決して低くはないため、ポイントを押さえた適切な弁護活動を行うことで不起訴処分を獲得できる可能性も十分にあるといえるだろう。
不起訴処分には、「起訴猶予」「嫌疑不十分」「嫌疑なし」という3つの理由がある。以下では、売春防止法違反の不起訴処分の理由とその割合について説明する。
不起訴処分になる理由の1つ目は、「起訴猶予」である。
起訴猶予とは、犯人および犯罪事実を立証できる十分な証拠があるが、犯人の境遇・性格・犯罪後の情況などを考慮して不起訴にすることである。つまり、情状酌量により起訴を見送るのが起訴猶予である。
2023年検察統計によると、売春防止法違反で不起訴になった事件のうち起訴猶予を理由とするものは284件であったことから、不起訴処分全体の約93%が起訴猶予を理由とするものである。
このように売春防止法違反で不起訴になる事件の大部分が起訴猶予を理由とするものであることから、売春防止法違反を犯したときは起訴猶予の獲得を目指していくことになる。
不起訴処分になる理由の2つ目は、「嫌疑不十分」である。
嫌疑不十分とは、犯人および犯罪事実を立証する十分な証拠がなく、起訴しても有罪の可能性が低いという場合に不起訴にすることである。犯罪の嫌疑があるものの証拠不足で有罪の立証が難しいという場合に嫌疑不十分で不起訴になる。
2023年検察統計によると、売春防止法違反で不起訴になった事件のうち嫌疑不十分を理由とするものは19件であったことから、不起訴処分全体の約6%が起訴猶予を理由とするものである。
不起訴処分になる理由の3つ目は、「嫌疑なし」である。
嫌疑なしとは、犯罪の捜査の結果、被疑者が犯人ではないまたは犯罪が成立しないことが明白になった場合に行われる不起訴処分のことである。
2023年検察統計によると、売春防止法違反で不起訴になった事件のうち嫌疑なしを理由とするものは0件であった。捜査機関も一定の嫌疑があるからこそ売春防止法違反で立件しているのであるから、嫌疑なしを理由とする不起訴処分の獲得は難しいといえるだろう。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得するには、以下の7つのポイントを押さえておくことが重要である。
不起訴処分を獲得するポイントの1つ目は、初犯であることである。
被疑者に前科があるかどうかは、不起訴処分の判断をする際の重要な要素の1つになる。
前科があると再犯のおそれがあるとして不起訴処分の獲得は難しくなるが、初犯であれば反省の態度を示すことで不起訴処分を獲得できる可能性がある。
なお、前科があったとしても、10年以上前の前科であればそこまで重く考慮されることはないため、この場合も初犯と同様に不起訴処分を獲得できる可能性がある。
不起訴処分を獲得するポイントの2つ目は、組織的な犯行ではないことである。
売春防止法違反となる事件の中には、組織による売春の周旋や管理売春が行われているものがある。組織的な売春は、その資金が反社会的勢力の資金源になるなど社会への影響が大きいため、特に厳しい刑罰が設けられている。
他方、個人で行うような売春の勧誘であれば比較的軽い刑罰であるため、その他の情状も考慮して不起訴処分になる可能性も十分にある。
このように不起訴処分を獲得するには、組織的な犯行ではないことが必要である。
不起訴処分を獲得するポイントの3つ目は、組織的な犯行であっても末端の役割に過ぎないことである。
組織的な犯行に対しては厳しい刑罰が科されるが、組織的な犯行に関与したからといって不起訴処分が不可能というわけではない。不起訴処分の判断にあたっては事件への関与の度合いや役割なども考慮されるため、関与の程度が低く、末端の役割に過ぎない者であれば不起訴処分を獲得できる可能性がある。
不起訴処分を獲得するポイントの4つ目は、継続的な犯行ではないことである。
売春防止法違反となる行為が1回限りのものであるか、常習的なものであるかによって違法性の程度は大きく異なる。当然、常習的な行為の方が悪質であると評価されるため、起訴される可能性が高くなるといえる。
そのため、不起訴処分を獲得するなら継続的な犯行ではないことをアピールしていくことが重要である。
不起訴処分を獲得するポイントの5つ目は、不利な供述調書を取られないということである。
売春防止法違反で逮捕されると警察による取り調べを受けることになるが、その際に供述した内容については供述調書という書面にまとめられる。供述調書は、捜査機関が考えるストーリーに沿って捜査官が作成するため、被疑者の供述が正確に記載されているとは限らない。不利な内容が記載されていることに気付かずに署名押印してしまうと、後から内容を修正することができず、不起訴処分の獲得が難しくなる注意が必要である。
不起訴処分を獲得するポイントの6つ目は、反省の態度を示すことである。
特に、起訴猶予を理由とする不起訴処分を目指すのであれば、早い段階から罪を認めて反省の態度を示すことで有利な処分を獲得できる可能性が高くなる。
ただし、嫌疑不十分による不起訴を獲得できる可能性がある事案に関しては、すぐに罪を認めるべきではないため、慎重に検討しなければならない。
不起訴処分を獲得するポイントの7つ目は、再犯の可能性が低いことである。
売春防止法違反の事案で再犯の可能性が低いということを示すには、以下のような事情をアピールしていく必要がある。
・家族による監督が期待できる
・関係者との関わりを断つ
・新しい仕事を始める
事案によってアピールすべき事実が異なるため、弁護士と相談して対策を講じていくべきだろう。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得するなら早期に弁護士に依頼することが重要である。弁護士に依頼すれば不起訴処分の獲得に向けて、以下のようなサポートをしてもらうことができる。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得するためのポイントの1つに「不利な供述調書を取らせない」というものがあるが、それには取り調べに対する適切な対応を理解している必要がある。
一般の方の多くは、警察の取り調べを受けるのが初めての経験になるため、警察から聞かれた内容にどう答えたらよいのかがわからず、警察官の誘導や厳しい追及に屈してしまい不利な供述をしてしまうリスクが高い。そのようなリスクを最小限に抑えるには、弁護士による取り調べのアドバイスが不可欠である。
逮捕後すぐに警察による取り調べがスタートするため、直ちに弁護士に連絡して面会に来てもらうようにし、その間は黙秘権を行使して不利な供述をしないようにするべきである。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得する際のポイントには、初犯であること、組織的な犯行ではないこと、継続的な犯行ではないことなどがあるがいずれも犯行後では如何ともしがたい事情である。
犯行後にどうにかできるポイントとしては、再犯の可能性が低い事情をアピールすることが挙げられる。どのような事情をアピールすべきかは、具体的な事案によってさまざまであるため、早めに経験豊富な弁護士に依頼して対応してもらうべきである。
特に、逮捕されている状況では被疑者本人は行動できないため、弁護士の協力が不可欠となる。
不起訴処分を獲得できるポイントが複数存在する場合、そのことを検察官にアピールしていくことが不起訴処分の可能性を高めることができる。
弁護士であれば、検察官が不起訴処分の判断をする際のポイントを熟知しているため、ポイントを押さえた意見書を作成し、検察官に提出することで不起訴処分獲得に向けたサポートをすることが可能である。
売春防止法違反となる行為をしたとしてもそのすべてが起訴されるわけではない。具体的な事情によっては罪を犯したのが事実であっても不起訴処分を獲得できる可能性もある。
不起訴処分を獲得できれば、売春防止法違反で処罰されることも前科がつくこともないため、不起訴処分を獲得できるかどうかが重要なターニングポイントといえるだろう。
売春防止法違反で不起訴処分を獲得するには、売春防止法違反の弁護経験豊富な弁護士に依頼して、効果的な弁護活動をしてもらう必要があるため、すぐに弁護士に相談してもらいたい。
グラディアトル法律事務所は、東京と大阪の2拠点を中心に活動しており、ナイトビジネス業界で全国1000件以上の解決実績がある。売春防止法違反に関する刑事弁護の経験も豊富であるため、早期釈放や不起訴処分を獲得するためのポイントを熟知している。
また、当事務所では、24時間365日相談受付をしているため、深夜に売春防止法違反で逮捕されてしまったという場合でもすぐに対応することが可能である。逮捕後すぐに対応できるかどうかによって、今後の処分内容が大きく左右されることから、逮捕されたときはすぐに当事務所まで連絡してもらいたい。
売春防止法違反の不起訴率は、約62%であるため、効果的な弁護活動をすることで不起訴処分を獲得することも十分に可能である。しかし、それには売春防止法の知識や弁護経験が不可欠であるため、まずは経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所まで相談してもらいたい。