“美人局”手口で恐喝、37歳女を逮捕

ニュース内容

いわゆる「美人局」の手口で20代の男性から現金を脅し取ったとして、東京・新宿区に住む37歳の女が警視庁に逮捕されました。

恐喝の疑いで逮捕されたのは、東京・新宿区に住む無職の朝比奈裕愛容疑者(37)です。朝比奈容疑者は今年5月、渋谷区円山町のホテル街の路上で、自身とのわいせつな行為を拒否した20代の男性の胸倉をつかんだうえ、「私一人でやっていると思ってんの。お金を払わないと帰さないよ」と金を要求し、現金2万円を脅し取った疑いが持たれています。

朝比奈容疑者は取り調べに対して、「金は受け取ったが、脅し取ってはいない」と容疑を否認しています。警視庁によりますと、朝比奈容疑者に対し、複数の男が犯行を指示していたとみられるということで、警視庁は朝比奈容疑者が犯行グループの一員とみて調べています。

渋谷警察署管内では、今年1月からの半年間で、美人局の被害に関する通報が52件寄せられているということです。

3日 11時45分 TBSNEWS

弁護士からのコメント

今回のニュースは、「美人局」の手口で20代の男性から現金を脅し取ったとして、東京・新宿区に住む37歳の女が恐喝の疑いで逮捕されたというものです。

美人局は過去からある恐喝の手口で、代表的な恐喝の1つです。

美人局については下記ページにて解説していますので、よければご参照ください。

そして,今回のニュースでは脅し取られた金額が2万円と比較的少ない金額でおさまった点、またグループで行われているとみられている点につき、解説したいと思います。

まず2万円におさまった点については、今回の被害者が拒否したことにより結果としてわいせつな行為を行わなかったことにあると思われます。

というのも美人局は、基本的にわいせつな行為や性行為を行ったことに対して金銭を脅し取るものだからです。
どういうことかというと、金銭を支払わなければわいせつな行為や性行為をしたことに対する刑事事件化リスクや家族・職場にバラすというリスクが脅す材料となるところ、行為をしていない以上脅す材料がないからです。

それゆえ今回の被害者からすれば何もしていない以上脅される理由は何もなく、容疑者としてはいわば難癖のようなかたちで、おそらく被害者の手持ちであった2万円だけ恐喝したことが推測されます。

一方、グループで行われている点については、金銭について脅し取る役割が本来は男性であったことが想定されます。

先に述べたとおり、美人局はわいせつな行為や性行為をしたことに対して金銭を脅し取るものですので、その脅し取り方の一般的な手口として、行為後に現場やその付近に夫や彼氏などを装って男性が現れます。
そこで、「何をしてくれたんだ」というかたちで脅し取るということです。

複数の男がいたことについては、人数による威圧で金銭を支払うようプレッシャーをかけるためのほか、逃げられないようにするためでもあるでしょう。

このように美人局は、計画的に行われている犯行であることが通例です。

なお現在、新型コロナウイルスの影響により経済が不況となっていますので、金銭を得るための手段として美人局をはじめとした恐喝が増加していくことが予想されます。

ですので、美人局はもちろん何かで恐喝されている際には自力で解決しようとせず、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。