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ラウンジ開業に必要な風営法の許可とは?ラウンジが守るべきルール

弁護士 若林翔 2025/05/17更新

ラウンジ開業に必要な風営法の許可とは?ラウンジが守るべきルール

「ラウンジを開業するために必要な風営法の許可とは?」

「ラウンジの営業に関して風営法上どのような点に気を付ければいい?」

「ラウンジを開業する際の風営法上の手続きを知りたい」

ラウンジとは、一般的にキャストが客の隣に座って会話を楽しみながら接客をする飲食店のことをいう。このような接待行為を伴う飲食店は、風営法上の風俗営業に該当するため、風俗営業(1号営業)許可を得る必要がある。風営法上の許可を取らずに開業・営業をすると無許可営業として厳しい処罰を受けることになるため注意が必要である。

また、ラウンジ開業後も風営法上遵守すべきさまざまなルールがあるため、風営法の規制をしっかりと理解した上で営業していくことが大切である。

本記事では、

・ラウンジの開業に必要な風営法上の許可

・ラウンジの営業で遵守すべき風営法上のルール

・ラウンジの開業に必要な風俗営業の許可条件と手続きの流れ

などについて詳しく解説する。

ラウンジ営業では知らずに風営法違反を犯していることも少なくないため、行政処分や刑事処分のリスクを最小限に抑えるためにも、風営法に強い弁護士に顧問を依頼するとよいだろう。

ラウンジの開業には風営法の1号営業許可が必要

ラウンジの開業には風営法の1号営業許可が必要

ラウンジとは、一般的にキャストが客の隣に座って会話を楽しみながら接客をする飲食店のことをいう。

風営法では、客に飲食や遊興をさせて接待する営業または射幸心をそそる遊戯をさせる営業を「風俗営業」と呼び、風俗営業はさらに「接待飲食等営業」と「遊技場営業」の2種類に分けられている。このうち「接待飲食等営業」は、1号営業から3号営業まで区分されていて、ラウンジは、「設備を設けて客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業」に該当するため、風俗営業の1号営業許可が必要になる。

ラウンジのような「接待行為」をする飲食店は、基本的には風俗営業(1号営業)の許可が必要だと覚えておくとよいだろう。

※関連コラム「風営法の1号営業とは?1号営業の許可条件や申請手続きなどを解説」

※関連コラム「風営法の「接待」とは?解釈基準・判例に照らして分かりやすく解説」 

ラウンジの営業で遵守すべき風営法上のルール

ラウンジの営業で遵守すべき風営法上のルール

ラウンジは、風俗営業(1号営業)許可を取得することで合法的に開業することができるが、開業後の営業では以下の風営法のルールを遵守しなければならない。

 

午前0時以降の深夜営業は禁止

風俗営業としてラウンジを行う場合、原則として午前0時以降の深夜営業が禁止される。

一部の地域については条例よって午前1時までの営業が認められる場合もあるため、開業予定の地域の条例を確認するようにしてもらいたい。

なお、ラウンジで深夜営業を希望するなら風営法の深夜酒類提供飲食店営業の届出することで午前0時以降の営業も可能になるが、「接待行為」をすることができなくなる点に注意が必要である。

※関連コラム「深夜営業の飲食店が風営法違反を回避する6つのポイントを解説」

※関連コラム「ガールズバーが風営法違反になる6つのケースと風営法違反を防ぐ対策」

18歳未満の未成年者の立ち入りの禁止

風俗営業(1号営業)としてラウンジを営業する場合、18歳未満の未成年者の入店が禁止される。経営者としては、入店した客の年齢確認を徹底するとともに、ラウンジの店舗の入り口には、18歳未満の立ち入りを禁止する旨の掲示をしなければならない。

18歳未満の未成年者による接待の禁止

風営法では、客だけではなく従業員についても年齢制限を設けており、18歳未満の未成年者に接待行為をさせることを禁止している。

なお、18歳未満の少女に接客をさせたとしてラウンジ経営者が逮捕された事例としては、以下のようなものがある。

経営するラウンジで18歳未満の少女を雇ったとして、兵庫県警姫路署は、風営法違反の疑いで姫路市の経営者の男(42)を逮捕した。

逮捕容疑は、姫路市魚町のラウンジで、中学3年の女子生徒(15)に接客させた疑い。調べに対し「本人から20歳と聞いていた」と容疑を否認している。

同署によると、「年少者が働いている」という通報があり、捜査していたという。

(引用:神戸新聞)

中3女子をラウンジで接待させた疑い 経営者の男逮捕「本人から20歳と聞いていた」 姫路

※関連コラム「風営法と未成年/風俗・キャバクラ・ホストの未成年雇用は逮捕される!」 

店内の構造制限

風俗営業(1号営業)としてラウンジを営業する場合、「客室の内部に見通しを妨げる設備を設けない」ということが要件の1つとなる。これは各室内に高さ1m以上の仕切りや壁の死角などの配置を設けないことを意味し、居室内に設置するテーブルやイス、カウンター、観葉植物、ラックなどのすべての物品が含まれる。

また、客席を分ける場合、それぞれの客室の大きさが16.5㎡以上でなければならず、見通しを妨げる設備があると複数の客室とみなされる可能性もある点に注意が必要である。

客引きの禁止

風俗営業(1号営業)としてラウンジを営業する場合、客引き行為が禁止されている。

風営法が禁止する客引き行為とは、以下のような行為である。

・相手を特定して店の客としてくるよう勧誘する

・勧誘のために相手の進路に立ちふさがる

・勧誘のために相手につきまとう

このような客引き行為をすると風営法違反として6月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらが併科される。

なお、違法な客引きによりラウンジ店経営者が逮捕された事例として、以下のようなものがある。

高知署は、県迷惑防止条例違反容疑で高知市薊野中町、ラウンジ店経営、男性容疑者(36)を逮捕した。

逮捕容疑は、知人男性に客引き行為の見返りを約束して、高知市追手筋1丁目の路上で、客引きをさせた疑い。

同署によると、同容疑者は昨年6月ごろから、知人男性に客引き行為を依頼。男性は継続的に客引き行為をしており、昨年11月に同条例違反容疑で現行犯逮捕された。

(引用:高知新聞)

客引きさせた容疑でラウンジ経営の男逮捕 高知署

※関連コラム「風営法違反となる客引きとは?適用対象や具体例、罰則などを解説」

ラウンジの開業に必要な1号営業の許可条件

ラウンジの開業に必要な1号営業の許可条件

風俗営業(1号営業)の許可を取得してラウンジを開業するには、以下の人的要件・場所的要件・構造的要件を満たす必要がある。

 

許可できない人|人的要件

以下のいずれかの条件に該当する人は、風俗営業の許可を受けることはできない。

①破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

③集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者

④アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者

⑤精神機能の障害により風俗営業の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

⑥風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

⑦風俗営業の取消処分に係る聴聞の期日等の公示日から取消し等の決定をする日までの間に、許可証を返納した者で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの

⑧⑦の規定する期間内に合併により消滅した法人又は許可証を返納した法人

⑨⑦の規定する期間内に分割により、聴聞に係る風俗営業を継承させ、若しくは分割により、当該風俗営業以外の風俗営業を継承した法人

⑩営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

⑪法人の役員、法定代理人が上記①から⑤までに掲げる事項に該当するとき

 

なお、2025年3月7日に風営法の改正案が閣議決定され、風俗営業の欠格事由の範囲が拡大し、以下の欠格事由が追加されることになった。

・親会社等が許可を取り消された法人

・警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者

・暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響力を有する者

これによりホストクラブのグループ店舗も欠格事由に該当し、グループ会社や関連会社の許可が取り消される可能性がある点に注意が必要である。

 

許可できない場所|場所的要件

以下のいずれかの地域に該当する場所(要は住宅で静かに暮らすエリアや子どもを守りたい場所)では、風俗営業の許可を受けることはできない。

・第1種低層住居専用地域

・第2種低層住居専用地域

・第1種中高層住居専用地域

・第2種中高層住居専用地域

・第1種住居地域

・第2種住居地域

・田園住居地域

・準住居地域

ただし、これらの地域に該当しない場所であっても、お店の場所から半径100m以内に「保護対象施設」(学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所)がある場合、その場所では風俗営業の許可は受けられない。

※関連コラム「【風営法違反・禁止地域営業で逮捕】不起訴事例と関連判例を解説!」 

構造・設備の基準|構造的要件

風俗営業の許可を受けるには、構造・設備に関して営業区分に応じた以下の要件を満たす必要がある。

・客室の床面積が1室16.5㎡以上(和室の場合は1室9.5㎡以上)とすること

・客室の内部が店の外部から容易に見通すことができないこと

・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと

・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと

・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと

・店舗内の照度(明るさ)が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

・ダンスをするための構造又は設備を有しないこと

 

ラウンジが風営法の1号営業許可を得る手順

ラウンジが風営法の1号営業許可を得る手順

風営法の1号営業許可を取得してラウンジを開業する際の手順は、以下のとおりである。

 

所轄の警察署で事前相談

風営法の1号営業許可を取得してラウンジを開業するなら、まずは所轄の警察署で事前相談をすることをおすすめする。

警察での事前相談とは、正式に営業許可申請を出す前に営業や店舗の構造、立地計画などについて確認・相談することをいう。このような事前相談をするメリットとしては、以下の点が挙げられる。

・営業場所が許可の対象となるか確認できる(立地確認)

・店舗の構造や設備が基準を満たしているか確認できる

・申請者の資格確認ができる

・申請書類の不備を防げる

・営業開始までのスケジュール感がつかめる

スムーズに許可申請の手続きを進めるためにも、必ず警察署で事前相談をするべきである。

申請書類の作成・準備

風営法の1号営業許可を取得してラウンジを開業するには、以下の申請書類を作成・準備しなければならない。

①許可申請書

②営業の方法を記載した書類

③営業所の使用について権原を有することを疎明する書類

④営業所の平面図及び営業所の周囲の略図

⑤住民票の写し

⑥人的欠格事由に該当しない旨の誓約書

⑦市町村の発行する身分証明書

⑧法人の場合は、定款・法人に係る登記事項証明書及び役員に係る上記⑤から⑦までの書面

⑨管理者を選任する場合は、選任する管理者の誓約書、上記⑤から⑦までの書面

⑩管理者の写真2枚

⑪ぱちんこ店の場合は、遊技機に係る検定通知書の写し及び保証書等

 

申請書類の提出

申請書類の作成・準備ができたら所轄の警察署に申請書類を提出する。

なお、風俗営業の許可申請にあたっては、申請手数料として2万4000円がかかる。

 

店舗での検査

風俗営業の許可申請が受理されると、実際に開業予定の店舗に警察官等が出向いて検査が行われる。このような立ち入り検査のことを「実査」と呼ぶ。

実査では、主に申請書類と実際の店舗の構造が一致しているかどうか、風営法上の構造基準等を満たしているかが確認される。実査に合格しなければ風俗営業の許可は下りないため、事前に構造基準を完全に満たす形に仕上げておかなければならない。

営業許可

審査の結果、問題なければ許可証が交付され、ラウンジの営業が可能になる。

※関連コラム「風営法の許可と届出|対象業種や許可条件・届出に必要な手続きを解説!」

※関連コラム「【罰金3億円?】風営法・無許可営業の最新リスクと回避方法」 

ラウンジ営業に関する風営法上のお悩みはグラディアトル法律事務所に相談を

https://www.gladiator.jp/fuzoku-komon/contact/

ラウンジは、一般的にキャストが客の隣に座って会話を楽しみながら接客をする飲食店であるため、風俗営業(1号営業)許可を取得しなければ営業することができない。また、風俗営業許可を取得して合法的に開業できたとしても、ラウンジの営業にあたってはさまざまな風営法上の規制があるため、それらを十分に理解していなければ風営法違反として摘発されるリスクがある。

風営法違反を犯してしまうと営業停止や許可取り消しといった行政処分だけではなく、罰金や懲役刑といった刑事処分の対象にもなるため、風営法違反にならないように営業していくことが重要である。それには、風営法に詳しい弁護士に顧問弁護士を依頼するのがよいだろう。

グラディアトル法律事務所は、東京と大阪の2拠点を中心に活動しており、ナイトビジネス業界で全国1000件以上の解決実績がある。風営法違反に関する刑事弁護の経験も豊富である。

また、グラディアトル法律事務所では、500店舗以上の風俗店の顧問弁護士を担当しており、ナイトビジネス業界に特化した弁護士事務所といえるだろう。トラブル対応だけではなくトラブル予防にも力をいれているため、実際にトラブルが生じていなくても気軽に相談してもらいたい。

※関連コラム「風営法に強い弁護士4つの特徴とは?メリット・費用など完全まとめ」

※関連コラム「風営法違反で逮捕される行為と刑罰を徹底解説!逮捕前に弁護士に相談を!」

まとめ

接客行為を予定しているラウンジを開業するには、風営法上の風俗営業(1号営業)許可が必要である。必要な許可を得ずにラウンジを開業・営業すると無許可営業として厳しい処分を受けることになるため注意しなければならない。

風営法違反を回避して健全なラウンジ経営をするには、風営法に詳しい弁護士によるサポートが不可欠であるため、まずはグラディアトル法律事務所まで相談してもらいたい。



弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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