出会い系で美人局!被害届出すと脅して恐喝罪で逮捕された事例を弁護士が解説!

出会い系アプリで知り合い、合意の上で性行為をしたはずなのに…

後から怖い人が出てきて脅され、恐喝された。

恐喝されて金を払ったのに、さらに脅されて何度も恐喝の被害にあってしまう。

そんな出会い系サイトや出会い系アプリでの美人局の被害相談は多いです。

今回の事例でも、出会い系アプリで知り合い、合意の上で性行為をしたのち、レイプ(強制性交罪)だから被害届を出すなどと脅されて100万円以上を脅し取られてしまった事例です。

出会い系での美人局の恐喝罪逮捕ニュース

性行為後に豹変、「女の体なめんなよ」と脅迫か 100万円超を恐喝容疑で女を逮捕

出会い系アプリで知り合い、合意の上で性行為をした男性に対し「どう責任取るんだ。警察に被害届を出す」などと現金を要求し、100万円以上を脅し取ったとして24歳の女が逮捕されました。

恐喝の疑いで逮捕されたのは住居不定、職業不詳の〇〇容疑者(24)です。

警察によりますと、〇〇容疑者は今年1月、名古屋市の男性(41)と合意のもとで性行為をした直後に、「警察官に被害届を出していいと言われているから今から出しに行く。どう責任取るんだ」と現金を要求し男性から100万円を脅し取り、その3日後にも男性を呼び出し「あんなんじゃ足りん。女の体なめんなよ。100万円」などと要求し、さらに14万7000円を脅し取った疑いがもたれています。

警察の調べに対し〇〇容疑者は「脅し取ってない。相手が払うと言ったからもらっただけ」と容疑を否認しています。

2人は、事件の直前に出会い系アプリで知り合ったとみられています。

去年夏以降、愛知県と大阪府内では、出会い系アプリや飲食店で出会った男性が女から同様の手口で現金を脅し取られる事件が10件ほどあり、警察は〇〇容疑者が関与したとみて調べています。

メ〜テレ(名古屋テレビ) https://news.yahoo.co.jp/articles/d9bf2f67e5cd57f1a834d260e6607d444e8d4f57

美人局の手口・特徴とは?

そもそも、美人局(つつもたせ)とは、男女が共謀して行う恐喝または詐欺行為の一種である。妻が「かも」になる男性を誘って姦通し、行為の最中または終わった途端に夫が現れて、妻と関係したことに因縁をつけ、金銭を脅し取ることを指す(Wikipediaより)。

美人局の手口や特徴としては、女性がデートや性行為に応じ、その後に女性や共謀者の男性から脅されるというものが多いです。

脅しの内容としては、今回の逮捕事例のように、レイプされたとして被害届を出す、実は18歳未満で被害届を出す、家族や職場にバラす、妊娠をしたから慰謝料を払え、などが多いです。

また、美人局の被害は、一見の相手との間での被害が多く、具体的には、出会い系サイト、出会い系アプリ、マッチングサイト、TwitterなどのSNSを通じて知り合った場合が多いです。

美人局と恐喝罪/「被害届を出す」は脅迫・恐喝に当たるか?

恐喝罪とは、暴行や脅迫によって人を畏怖させて、財物や財産上の利益を交付させる犯罪であって、被害者の財産及び意思決定や行動の自由を保護法益とする犯罪です。

恐喝罪の構成要件は、人の反抗を抑圧させない程度の暴行・脅迫によって、人を畏怖させ、財産・利益を交付させることです。

恐喝)
第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法

では、被害届を出すと脅すことは脅迫・恐喝に該当するのでしょうか?

恐喝罪での脅迫は、人を畏怖させる程度の害悪の告知であり、害悪の告知の対象に限定がありません。脅迫罪では、人の生命、身体、自由、名誉又は財産に対する害悪の告知というように、対象に限定がありましたが、恐喝罪の脅迫にはこれがないのです。

そのため、被害届を出すと伝えることも害悪の告知として、恐喝罪の脅迫に該当する可能性があります

もちろん、本当に犯罪の被害にあった人が、犯罪行為をやめてくれなければ被害届を出すと相手に伝える場合のように、被害届を出すことが正当で、被害届を出すことを相手に告げる場合などは、恐喝罪には該当しません。

もっとも、今回の美人局の逮捕事例のように、真実は合意の上での性行為をしたにもかかわらず、相手方を畏怖させて100万円を脅しとる目的で、「強制性交罪での被害届を出す」と告げる行為は、恐喝罪に該当します。

判例上も、犯罪事実を捜査機関に申告すること(被害届を出すなど)をネタに脅し、金を要求することは恐喝罪における脅迫になると解釈されています。

恐喝罪において、脅迫の内容をなす害悪の実現は、必ずしもそれ自体違法であることを要するものではないのであるから、他人の犯罪事実を知る者が、これを捜査官憲に申告すること自体は、もとより違法でなくても、これをたねにして、犯罪事実を捜査官憲に申告するもののように申し向けて他人を畏怖させ、口止料として金品を提供させることが、恐喝罪となることはいうまでもない。

最判昭和29年4月6日

美人局と恐喝被害のまとめ

近年は、出会い系サイト、出会い系アプリ、マッチングサイト、TwitterなどのSNSを通じての男女の出会いも増えてきています。

一方で、このような出会い方の場合には、美人局の被害にあってしまうこともあります。

美人局の被害にあった場合には、適切な対応をしないと、何度も脅されて複数回にわたりお金を脅し取られてしまうことがあります。

そのため、美人局、恐喝の被害にあった際には、早急に弁護士・警察などの専門機関に相談するようにしましょう。

Bio

弁護士 若林

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。